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裁量労働制の対象拡大と経団連と高市総理と厚生労働省と日本成長戦略会議

高市早苗総理は安倍晋三元総理ができなかった裁量労働制(対象)拡大を目指し、また高市総理議長の日本成長戦略会議で経団連会長が裁量労働制の拡充(拡大)を提言しています。 議論は上野賢一郎厚生労働大臣が会長の労働市場改革分科会で行われますが、分科会開催前に厚生労働大臣と経団連が懇談。*2026年2月20日の高市総理・施政方針演説から4月22日に高市総理・裁量労働制見直し(拡大)検討加速指示、5月13日に経団連・裁量労働制拡充提言および厚労省・裁量労働制実態調査案提示、5月18日の連合・緊急要請書まで記事を追記、7月14日の労働政策審議会分科会まで記事を追記(7月14日)


裁量労働制の対象拡大とは

専門業務型と企画業務型の対象労働者とは
裁量労働制には専門業務型裁量労働制と専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制があります。

まず専門業務型裁量労働制の対象は「業務の性質上、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者の裁量に委ねる業務として、厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務に従事する労働者」とされています。

また企画業務型裁量労働制の対象は「事業の運営に関する事項についての企画、 立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するために、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務に従事する労働者」とされています。

2024年に裁量労働制の対象業務追加
専門業務型裁量労働制の対象とされる「厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務に従事する労働者」、つまり専門業務型裁量労働制の対象業務は新商品や新技術の研究開発、人文科学や自然科学の研究、情報処理システムの設計、コピー ライター、新聞記者などでいたが、銀行・証券会社における(いわゆる)M&Aアドバイザーの業務を対象業務に2024年(令和6年)に追加されました。

労働政策審議会の労働条件分科会で議論
労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会が昨年(2025年)12月24日に開催されましたが、資料「労働法制の具体的課題に関する検討の論点ついて」に「裁量労働制は、働き手一人一人の能力発揮を促すため、労使の十分な協議や健康確保等を前提に見直しを行うべきとの意見がある一方、⾧時間労働を助⾧しかねず、2024年に見直しを行ったばかりであり緩和すべきでないとの意見もあるが、どのように考えるか」と記載されています。

つまり使用側委員は裁量労働制の対象拡大を行うべきとの意見ですが、労働側委員は裁量労働制は長時間労働を助長するし2024年に見直したばかりであり緩和すべきではないと反対しているということです。

労働条件分科会の労働側や使用側などの(12月開催分科会以前の)委員の意見内容については、資料「各側委員の主な意見の整理」をご覧ください。

資料「各側委員の主な意見の整理」
制度の現状等
・省令及び告示で定められた20の専門的な業務に該当する場合には専門業務型裁量労働制を、事業の運営に 関する事項についての企画・立案・調査及び分析の業務であって、労使 委員会決議により制度の対象とする業務等を定めた場合には、企画業務 型裁量労働制を適用することができ る。

・適用労働者の労働時間は、専門業務型裁量労働制の場合は労使協定で定めた時間、企画業務型裁量労働制の場合は労使委員会の決議で定めた時間を労働したものとみなすこととされている。

・労働基準法施行規則等の改正によ り、専門業務型裁量労働制の対象業務の追加、本人同意・同意撤回の手続きの労使協定事項等への追加等が行われた(令和6年4月1日施行)。

各側委員からの主な意見
(労働者側)
・裁量労働制は長時間労働を助長しかねないため、その適用範囲の拡大や要件緩和を安易に行うべきではな い。

・業務従事年数が少ない、裁量や適切な処遇が確保されていないデータが見られた。2024年度に見直しの内 容が施行されたばかりであり、健康・福祉確保措置の強化、本人同意や同意撤回の手続等の適正運用の徹底を着実に進めていくことが重要。労働者の健康確保や豊かな生活の実現に繋がる議論に注力すべき。

国際競争力の向上は、産業政策等で対応すべきものであり、労働法制の緩和で実現すべきものではない。 裁量労働制が本来の趣旨に沿った運用が徹底されることが重要であり、 要件の緩和は行うべきではない。

・ 通常の労働時間規制の逸脱を認めるものについての手続や運用が厳格であることは当然である。

労使合意により対象業務を決定できる仕組みは、労働基準法の強行法規性を放棄することにも繋がりかね ない。

・非対象業務は使用者の都合で業務量や労働時間が変動するものであり、兼務をしている場合は裁量労働制を適用すべきではない。

(使用者側)
・ 裁量労働制は、特別な健康確保措置が設けられているほか、制度の濫用にならないような制度設計がされている。

・現在の裁量労働制は対象業務が厳格に規定されているため、企業で適用可否を判断することが難しく、また、手続も煩雑である。適用労働者の満足度や健康状態の認識の調査結果も勘案しつつ、裁量労働制の見直しについて必要な議論を進めるべ き。

・国際競争力の向上や付加価値の創出の観点からも、働き手一人一人の能力発揮を促すことが我が国の課題であり、裁量労働制の拡充が必要。労使の対等かつ十分な協議や適切な健康確保措置、適正な報酬を条件とし、過半数労働組合との合意のも で裁量労働制を適用するにふさわしい対象業務(例:プロジェクト型業務や他社の事業に関する企画、立案、調査及び分析の業務)の範囲を決められるような仕組みの導入の検討を行うべき。

・中小企業では複数の業務を兼務することが多く、非対象業務との兼務が一部でもあると適用が認められない。主たる業務が対象業務であり働き方に裁量がある労働者は適用可能となるよう検討すべき。

・本人の満足度や業務遂行の裁量程度が高く、総じて適正な運用がされていることを踏まえると、法令の運用の徹底の必要性と制度の見直しの必要性は分けて議論することが適当。労働生産性の向上と、長時間労働、過労死撲滅の両方を見据えた真摯な議論をしていく必要がある。

(公益)
・裁量労働制調査のデータを利用した厳密な解析からは、裁量労働制の適用の有無だけでなく、現場レベルでの裁量の有無が労働時間や睡眠、満足度等を強く左右することが明らかとなっている。今後の検討に当たっては、裁量労働制の適用有無のみを議論するのではなく、裁量の度合いが現場レベルでいかに担保されるかという点に着目して議論すべき。

資料『各側委員からの主な意見の整理』(第206回 労働政策審議会 労働条件分科会)

資料「各側委員の主な意見の整理」(PDF)

また厚生労働省が公開しました12月の労働条件分科会議事録を読むと、労働側の冨髙委員(冨髙裕子・日本労働組合総連合会<連合>副事務局長)は「特に使用者側からは、労働生産性向上といった観点で裁量労働制の拡充が必要という意見が多く出ていたかと思いますけれども、そのエビデンスがあまり明確ではないと印象を受けております」「我々としても分析が圧倒的に足りないのではないかと思っておりますし、そういった中で(裁量労働)制度の拡充という流れに持っていくのは、かなり乱暴ではないかと感じておりますので、意見として申し上げておきたいと思います」と述べて裁量労働制の対象拡大に反対しています。

第206回 労働政策審議会 労働条件分科会 議事録(厚生労働省)

労働時間規制緩和を日本成長戦略会議で検討

まず、高市早苗総理は政権発足早々の昨年(2025年)10月21日に高市首相は上野賢一郎厚生労働大臣に対し「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示したと報道されました。

また昨年12月23日には労働基準法改正の次期通常国会への提出を見送り、高市政権で新たに設けられた日本成長戦略会議で検討する旨の報道がされました。

この報道があった翌日(12月24日)に開催された労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会で労働側の冨髙委員(冨髙裕子・日本労働組合総連合会<連合>副事務局長)が「昨日(12月23日)より、労基法改正に関する次期通常国会への提出を見送るという報道が複数なされており、その中では、労働時間規制について、来年(2026年)の成長戦略や『骨太の方針』の策定に向けて日本成長戦略会議の中で検討を行うことも報道されております」「まさにこの(労働条件)分科会で今年(2025年)2月から1年近くかけて労使で丁寧な議論を積み重ねてきておりますが、にもかかわらず、こうした動きがあることに対して、労働側として懸念をしているところです」「改めて申し上げれば、この雇用・労働政策につきましては、職場実態を熟知した労使が知恵を出し合って論議・決定していくことが必要不可欠だと思っております」「加えて、労使に政府・公益を加えた三者が政策の決定プロセスに関与する三者構成原則はグローバルスタンダードであり、日本ではこれを具現化している場が労働政策審議会だと考えているところでございます」「報道の真偽というところは別としまして、もし日本成長戦略会議において、労働時間法制について検討されるとしても、本分科会での議論が尊重されることが非常に重要だと思っております」「この労働政策審議会が官邸における新設の会議の下請になるようなことがあってはならないと思いますし、また、この場での議論が骨抜きにされるということもあってはならないというふうに思っておりますので、その点につきましては、ここで意見を申し上げておきたいと思います」と苦言を述べています。

また、使用側の鈴木委員(鈴木重也・日本経済団体連合会<経団連>労働法制本部長)も「冨髙委員から三者構成主義の重要性、御指摘ございました。私も全くそのとおりだと思います。雇用・労働政策というのは、現場を熟知している労使、学術的な知見をお持ちの公益の先生が議論を重ねる中で結論を出す。これはILO条約の考え方にも沿うものだと思っております」と苦言を述べています。

つまり労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会の労働基準法などの見直し議論を無視するかのように労働基準法改正を見送り日本成長戦略会議で検討するという報道を受けて労働条件分科会の労働側の連合委員だけではなく使用側の経団連委員も苦言を述べています。

裁量労働制拡大を日本成長戦略会議で議論

まず今年(2026年)1月20日に日本経済新聞は「経団連の筒井義信会長と上野賢一郎厚生労働相は(2026年1月)19日、都内で会談した。経団連の呼びかけで実現したもので、会談は約19年ぶり。高市早苗政権が検討する労働時間規制の緩和などを巡って意見を交わした。筒井氏は『裁量労働制の拡充が欠かせない』として対象業務の拡大を求めた」(『経団連会長、厚労相と19年ぶり会談』2026年1月20日配信)と報じています。

そして1月23日に行われた上野厚生労働大臣の会見で、記者が「先日の経団連との懇談会について伺います。懇談会において要望のあった裁量労働制の拡充については、どのような対応が必要とお考えでしょうか。また、懇談会の受け止めもお願いします」と質問しています。

この記者質問に対して上野大臣は「先般の経団連との懇談会においても、裁量労働制について、先方から、適用拡大についての企業側のニーズといったものについてのお話がありました」「また、その中で、やはり労働者の健康確保ということを大前提に考えているといったコメントもあったと承知しています」「やはり裁量労働制については、一方で審議会等においても長時間労働を助長しかねないといった声もあるので、今後検討するに当たっては、濫用防止措置や代替措置も含めて議論していく必要があるのではないかと考えています」と答えています。

そして上野大臣は「いずれにしても、労働時間規制については、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会で議論を進めることになるので、そうした状況も踏まえて、労働政策審議会においても、具体的な議論をしていきたい」と答えています。

つまり裁量労働制の対象拡大については労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会で議論してきたにもかかわらず日本成長戦略会議(議長は高市早苗総理)労働市場改革分科会(分会長は厚生労働大臣)で裁量労働制や労働時間上限規制に関する議論をするという厚生労働大臣の発言には驚きました。

なお(現時点で労働市場分科会は未開催ですが)今後の労働市場改革分科会に関する情報は次の内閣官房公式サイトで確認してください。

日本成長戦略会議日本成長戦略会議(内閣官房)

衆議院選挙・労働政策アンケート

本日(2026年1月27日)に公示された衆議院選挙に際して日本労働弁護団が労働政策アンケートを実施してています。この労働政策アンケートに自民、中道、維新、国民民主など7政党が回答しています。

労働政策アンケートの問3(Q3)は「裁量労働制の適用対象拡大の賛否」ですが、まず自由民主党は「スタートアップの更なる成長促進に向けて、スタートアップ関係団体等の意見や課題、スタートアッ プで働く労働者の就労実態、業務内容、労働者が希望する働き方等を踏まえて検討していく必要がある と考えています」と回答しています。

また新党の中道改革連合は「本人の希望に応じて多様で柔軟な働き方を選べるようにすることは思要である一方、裁量労働制については長時間労働の温床となっていることから、裁量労働制の適用拡大については慎重に検討すべきです」と回答しています。

そして国民民主党は「健康にも影響を及ぼすような長時間労働の温床となっている『裁量労働制』の厳格化、勤務から翌日の勤務まで一定の間隔を空ける『インターバル規制』の義務付け、労働時間管理の徹底、違法残業等法令違反に対する罰則の強化等、未だ解消されない多くの業種深刻な人材不足を解消するためにも実効性のある規制を設けます」とあります。

国民民主党は裁量労働制の厳格化やインターバル規制の厳格化などと回答して裁量労働時間制の対象拡大の賛否に答えていませんが、個人的には国民民主党のアンケート回答と同様の意見をもっています。

経団連会長が裁量労働制の対象拡大を提案

高市総理が日本成長戦略会で発言
昨年(2025年)12月24日に高市早苗総理は日本成長戦略会議(第2回)を総理官邸で開催しました。

その会議で高市早苗総理は「労働市場改革については、心身の健康維持と従業者の選択を前提として、柔軟で多様な働き方を実現することが重要」と述べています。

「心身の健康維持」を前提ということですが、裁量労働制は長時間で不規則な勤務を社員に強いることになり「心身の健康」を維持することは難しいことですが、具体的な健康確保措置についてふれられていません。

また「従業者の選択」を前提ということですが、本当に社員やの自由な意思によって「柔軟な多様な働き方」を選択することができるのか、会社が社員一人一人に個別に意思を確認するようなことが可能かどうか疑問です。

日本成長戦略会議(令和7年12月24日「総理の一日」)首相官邸公式サイト

経団連会長「過半数労働組合がある企業に限り」対象拡大
高市早苗総理が「心身の健康維持と従業者の選択を前提として、柔軟で多様な働き方を実現することが重要」と発言された第2回の日本成長戦略会議に経団連(日本経済団体連合会)会長の筒井義信委員が提出した資料は『「裁量労働制の拡充」に向けた 経団連の考え方』と題されています。

その資料『「裁量労働制の拡充」に向けた 経団連の考え方』には、「柔軟で自律的に働ける環境を整備し、働き甲斐を高めるため、労働時間では なく成果で処遇される制度を広げること=裁量労働制の拡充が必要」と書かれています。

また同じ資料の中に裁量労働制見直しの具体策として「健康確保を前提に過半数労働組合がある企業に限り、裁量労働制の対象業務を、一定の範囲で拡大」と記載されています。

日本成長戦略会議(第2回)筒井委員(経団連会長)提出資料(PDF)
*裁量労働制の対象拡大については筒井委員提出資料(PDF)6~8ページに記載されています。

第2回 日本成長戦略会議(経団連会長)筒井委員提出資料

また議事要旨に筒井経団連会長の発言が記載されていますが、筒井経団連会長は「裁量労働制である。柔軟な働き方ニーズに応えるべく、健康確保を前提に制度を拡充し、働き手の能力発揮や生産性向上につなげることが肝要である」と述べています。

そして議事要旨には芳野友子連合会長の発言も記載されており、芳野連合会長は「労働市場改革についてである。年明け以降の主要な取組に、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、労働時間法制に係る政策的対応の在り方等について多角的検討を行うことが掲げられている。労働時間法制を含む労働基準法の見直しについては、既に労働政策審議会において約1年をかけて議論が積み重ねられてきており、成長戦略の検討においても審議会における議論を尊重いただくよう強く要望する」と述べています。

また芳野連合会長は「働き方改革の達成にはほど遠い現況に鑑みれば、時間外・休日労働に係る上限規制の緩和や裁量労働制の拡充は、働き方改革の趣旨に逆行するものであり、行うべきではないと考える」と強く反論しています。

さらに議事要旨には上野厚生労働大臣の発言も記載されており、上野大臣は「我が国の経済成長を実現するため、生産性の高い分野への円滑な労働移動や、働き方改革を含めた労働市場改革を進めることは極めて重要。 厚労省としては、分野横断的課題のうち、労働市場改革の取りまとめ担当として、労働市場改革分科会を新たに設置し、必要な議論を行い、稼げる日本への変革を進めていきたいと考えている」「労働市場改革分科会においては、主として、労働生産性の向上、労働市場の円滑化、労働参加の確保について議論を行う予定であり、最終的には労働市場改革の取り組むべき方向性について取りまとめることを目指したい」と述べています。

日本成長戦略会議(第2回)議事要旨(PDF)

労働政策審議会(厚労大臣諮問機関)労働条件分科会委員意見
日本成長戦略会議が開催された昨年(2025年)12月24日には労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会も開催されています。

裁量労働制については(本来)この労働条件分科会で議論すべきです。また(事実)この労働条件分科会で裁量労働制について長い間、議論されてきました。そして12月24日にも議論されました。(この記事の中でも今までの委員の意見や12月24日の労働条件分科会での議論は紹介しています)

この日の資料によると、裁量労働制の対象拡大について労働条件分科会の使用側委員は「国際競争力の向上や付加価値の創出の観点からも、働き手一人一人の能力発揮を促すことが我が国の課題であり、裁量労働制の拡充が必要。労使の対等かつ十分な協議や適切な健康確保措置、適正な報酬を条件とし、過半数労働組合との合意のも で裁量労働制を適用するにふさわしい対象業務(例:プロジェクト型業務や他社の事業に関する企画、立案、調査及び分析の業務)の範囲を決められるような仕組みの導入の検討を行うべき」と意見を述べています。

この意見に対して労働条件分科会の労働側委員は「国際競争力の向上は、産業政策等で対応すべきものであり、労働法制の緩和で実現すべきものではない。 裁量労働制が本来の趣旨に沿った運用が徹底されることが重要であり、 要件の緩和は行うべきではない」と反論しています。

また労働条件分科会の資料には労働側の意見として「労使合意により対象業務を決定できる仕組みは、労働基準法の強行法規性を放棄することにも繋がりかねない」とも書かれています。

裁量労働制実態調査結果分析について黒田教授が意見
この日の労働条件分科会では裁量労働制実態調査に携わってきた黒田委員(黒田祥子・早稲田大学教育・総合科学学術院教授)も発言しています。

議事録によると、黒田委員は「(裁量労働制実態調査結果の)より精緻な分析で見えてきたことは、裁量労働制適用者でも、裁量がない人たちは健康状態が悪いということが見えています。したがって、これは再三申し上げてきたことですけれども、裁量労働制を導入しさえすれば健康もよくなるということではないということは、念のため、もう一度申し上げておきたいと思います」と発言されています。

また黒田委員は「過半数労働組合の話ですけれども、これもしっかり機能している企業さんで、本当にそこで働いている裁量労働制の方々の裁量が担保されているのかということと、結果、その人たちの健康や労働時間の実態を併せて把握することによって、今、行われている議論もクリアになっていくのではないかというふうに思います」と意見を述べられています。この意見は重要です。

追記:高市総理の施政方針演説と裁量労働制

今年(2026年)2月20日に高市早苗総理が国会で初の施政方針演説を行い、「働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し」と述べています。

「裁量労働制の見直し」は言うまでもなく裁量労働制の対象拡大(経団連などは裁量労働制の拡充)のことです。また「働き方改革の総点検」と働き方改革の総点検調査のことになります。

働き方改革の総点検調査とは
まず働き方改革関連法(正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」)は安倍政権の時の2018年に成立し、2019年から順次施行されている法律です。

この働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)附則第12条第1項及び第3項において働き方改革関連法による改正後の労働基準法等について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずると規定されています。

2025年9月4日の労働政策審議会 労働条件分科会 資料によると、石破政権の『経済財政運営と改革の基本方針2025』(2025年6月13日閣議決定)に「働き方改革関連法施行後5年の総点検を行い、働き方の実態及びニーズを踏まえた労働基準法制の見直しについて、検討を行う」と記載されています。

また石破内閣の『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版』(2025年6月13日閣議決定)には「誰もが健康で、意欲と能力を発揮して働きやすい労働環境の下で生産性の高い多様で柔軟な働き方を推進す るとともに、働き方改革関連法施行後5年の総点検を行い、働き方の実態とニーズを踏まえた労働基準法制の見直しについて労働政策審議会で検討する」と書かれています。

2025年9月4日の労働政策審議会 労働条件分科会 資料によると、働き方改革の「総点検」調査は2025年7年9月を目途に、次の(1)(2)の調査を実施し、調査結果は11月目途に公表予定ということでした。

(1)アンケート調査
労働者の労働時間に関するニーズを把握。労働時間を<減らしたい・現状のままでいい・増やしたい>労働者の割合、今どれくらい働いているか、希望する労働時間数<減らしたい・現状のままでいい・増やしたい(上限規制の手前でもう少し働きたい・上限規制を超えて働きたい)>など。
対象者:モニター調査会社に登録している労働者
調査項目 :所定労働時間、総労働時間、希望する労働時間数とその理由 等

(2)ヒアリング調査
上限規制への対応状況、課題認識などについて「生の声」を把握。
対象者:企業及び労働者に対し、労働局により実施
調査項目
企業ヒアリング:上限規制への対応状況、上限規制の施行による課題認識、その他労働時間制度に関する要望 等
労働者ヒアリング:時間外労働の実態、上限規制についての認識、収入や働き方に対する希望、労働時間規制に関する課題認識 等

なお、自民党の雇用問題調査会は昨年(2025年)10月7日に、労働基準関係法制に関する議論の状況について厚生労働省から説明を受けて意見交換していました。

自民党の公式サイトを読むと、この日の雇用問題調査会で厚生労働省は「働き方改革関連法の規定に基づき、同省の労働政策審議会において労使双方から意見を聞く等して、労働基準法等の見直しに向けた議論を行っていると説明した」と書かれています。(しかし現時点では労働政策審議会には報告されていないようです。)

しかし高市早苗氏が昨年10月21日に開催された臨時国会の首班指名選挙にて内閣総理大臣に選出・任命されると、働き方改革の「総点検」調査をめぐる状況は一変します。

10月22日には上野厚生労働大臣がは会見で就任挨拶をし、高市総理から「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うこと」「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ること」など指示されたと述べています。

そして昨年(2025年)12月24日に開催された日本成長戦略会議(議長は高市早苗総理)の(繰り返しになりますが)資料(『分野横断的課題への対応の方向性』内閣官房 日本成長戦略本部事務局)の項目5「労働市場改革」に「働き方改革関連法施行後5年の総点検調査の結果を公表(26年1月目途)」と記載されています。

追記:日本成長戦略会議・労働市場改革分科会

働き方改革の総点検(働き方改革関連法施行後5年の総点検)調査結果は結局、今年(2026年)3月5日に厚生労働省が公表しました。

上野厚生労働大臣は「裁量労働制も含め、労働時間規制の検討に当たっては、心身の健康維持を前提にして、働き方の実態とニーズを踏まえて、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会や労働政策審議会において、運用・制度の両面から、議論を進めていきたいと考えています」と記者会見で述べていますが、その第1回 労働市場改革分科会が厚生労働省が働き方改革の総点検調査結果を公表した日の翌日(2026年3月6日)に開催されました。

労働市場改革分科会メンバー
労働市場改革分科会のメンバー(構成員)は次のとおりです。

上野賢一郎・厚生労働大臣(分科会会長)
*分科会会長代理は厚生労働副大臣、政務官
石崎由希子・横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授
伊藤 仁・日本商工会議所専務理事
片岡剛士・PwCコンサルティング上席執行役員・チーフエコノミスト(日本成長戦略会議構成員兼務)
近藤絢子・東京大学社会科学研究所教授
坂本貴志(株)インディードリクルートパートナーズ・リクルートワークス研究所研究員
神保政史・日本労働組合総連合会(連合)事務局長
中根弓佳・サイボウズ(株)執行役員・人事本部長
水島郁子・大阪大学大学院高等司法研究科教授
室賀貴穂・九州大学大学院経済学研究院准教授
藤原清明・日本経済団体連合会専務理事
山田 久・法政大学教授

労働法学者は、石崎由希子教授(厚生労働省の労働基準関係労働法制研究会メンバー)と水島郁子教授(労働政策審議会 労働条件分科会会長代理)の2名。

経済学者は、近藤絢子教授(労働経済学、『就職氷河期世代』執筆)、室賀貴穂教授(公共経済学、労働経済学、「女性労働:女性の社会進出を阻むものは何か?」『数理とデータで読み解く日本政治』執筆)、山田久教授(注力テーマは新しい労働市場のグランドデザイン/北欧モデルの日本への適用)の3名。

労働市場改革分科会で裁量労働制の見直しについて議論するのであれば、黒田祥子・早稲田大学教育・総合科学学術院教授(労働経済学、労働政策審議会 労働条件分科会委員、厚生労働省「裁量労働制実態調査」データを分析した「裁量労働制」と労働環境に関する論文執筆者)も労働市場改革分科会委員に加えるべきだったと思います。

なお、裁量労働制などを議論する第1回 日本成長戦略会議(議長は高市総理)労働市場改革分科会(会長は上野厚生労働大臣)が(2026年)3月11日、厚生労働省省議室で開催されます。

議題(予定)は(1)労働市場改革分科会の取扱い等について、(2)労働市場をめぐる現状と課題等について。

労働市場改革分科会のスケジュール
資料『労働市場改革分科会の今後の進め方について』によると、第1回は労働市場をめぐる現状と課題等について、第2回からは各論について議論、労働生産性の向上に向けた取組について、労働移動の円滑化に向けた取組について、労働参加の確保に向けた取組について等。

最終回(5月ころ)は労働市場改革分科会の取りまとめ、成長戦略の取りまとめは夏ころ。

労働市場改革分科会の課題
資料『労働市場をめぐる現状と課題等について』によると、まず現状は「我が国は、生産年齢人口が減少傾向にあるなど人手不足など労働力供給制約下にある」とのこと。

また課題は「働く一 人ひとりを大切にしながら、労働政策では、『労働生産性の向上』、『成長分野や社会を支えるエッセン シャルワーカー等の分野への労働移動の促進』、『柔軟で多様な働き方による労働参加の促進』の3つの柱に強力に取り組み、今の暮らしや未来への不安を希望に変える『強い経済』を実現していくことが重要」とのこと。

また3つの柱を実現するためには「企業において労働者の働く意欲や能力を引き出すような人材マネジメントを高めることが重要とのこと。

議論の論点(案)のうち労働参加の項目には「労働者の健康確保も図りつつ、 労働時間制度については、柔軟で多様な働き方の実現に向け、運用・制度の両面からどのような対応が考えられるか」と資料『労働市場をめぐる現状と課題等について』に記載されています。

労働市場改革分科会メンバー提出資料
連合事務局長の神保政史メンバー(構成員)の提出資料(第1回 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 議論の論点案に対する意見書)には「労働時間法制を含む『働き方改革関連法』に係る論点については、 約1年にわたり労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)において公労使で議論を積み上げてきたところであり、労働市場改革分科会においても、労政審の議論を踏まえた検討がなされるこ とが必要である」と記載されています。

また「柔軟で多様な働き方については、現行制度を適切に活用すれば今でも実現可能である。労使間に厳然たる交渉力格差があることを踏まえれば、働き方や業種・職種等の違い、働く者の同意などを理由に規制緩和は行うべきではない」と書かれています。

さらに「裁量労働制は、厚生労働省の調査でも、適用労働者の方が長時間労働者の割合が高く、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない実態があるため、制度の拡充ではなく、2024年改正を踏まえた厳格な導入手続や定期的なモニタリングなどの適正運用の徹底を進めるべきである」と提出資料(意見書)に記載されています。

神保メンバー提出資料(議論の論点案に対する意見書)(PDF)

東京大学社会科学研究所の近藤絢子メンバー(構成員)提出資料(第1回 労働市場改革分科会 発言メモ)には、労働時間規制について「フルタイムで働く労働者と雇用主の間では雇用主の力が強いので労使の合意に基づいて上限規制を緩める余地を拡大することには慎重であるべき」と書かれています。

また「副業や短時間・短期の雇用(いわゆるギグワーク)の推進は、働きたい人がより多く働ける機会を提供するうえで有用だと思う。ただしこの場合、社会保険制度など、1つの企業にだけ勤めている想定で作られている既存の制度から漏れることのないよう、制度を整備していくことが重要」とも記載されています。

近藤メンバー提出書類(第1回 労働市場改革分科会 発言メモ)(PDF)

リクルートワークス研究所の坂本貴志メンバー(構成員)提出資料(第1回 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会における意見について)には「労働時間規制については、働き方改革が議論されていた当時から経済環境、労働市場の需給環境が大きく変わっていることから、規制のあり方について見直しを行うことが必要」と書かれています。

また「ただし、中小企業等においては、労働時間規制のあり方にかかわらず、 離職防止や人材確保の観点から労働時間の過度な引上げは現実的に困難だとみられる。こうした企業については、労働時間など制度面の理解が追いついていない こともあることから、労働法や人材マネジメントについて相談支援できる体制の構築 が有用」とも記載されています。

坂本メンバー提出資料(第1回 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会における意見について)(PDF)

九州大学大学院准教授の室賀貴穂メンバー(構成員)提出書類(⼈的資本の未活⽤と労働市場改⾰)には、労働市場改革の方向性として①柔軟な働き方の拡充、再雇用・休職制度の整備によるキャリアの継続性確保、②長時間労働の是正、転勤を前提とする雇用の見直し、③就業調整を誘発する制度の是正(配偶者控除、第3号被保険者制度)と書かれています。

室賀メンバー提出書類(⼈的資本の未活⽤と労働市場改⾰)(PDF)

法政大学教授の山田久メンバー(構成員)提出資料(第1回 労働市場改革分科会コメント)には「残業時間の極小化が不可欠」とあり、「その実現には労働生産性の向上と同時に、歪んだ顧客志向に根差した商慣行・取引慣行を見直していくことも必要」と記載されています。

また、労働時間管理の在り方については「その柔軟化が必要な一方、業務手順のみならず業務量についての労働者の裁量を高めると同時に、勤務間インターバル制度、つながらない権利のほか、バイオデータなど最新技術の活用を含めた実効ある健康管理の仕組み導入が必要」と、勤務間インターバル制度、つながらない権利についても山田久教授は書かれています。

山田メンバー提出資料(第1回 労働市場改革分科会コメント)(PDF)

追記:高市総理が裁量労働制の検討加速を指示

再び裁量労働制実態調査を行う?
労働政策審議会 (厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会が今年(2026年)4月17日に開催されましたが、報道によると厚生労働省は裁量労働制実態調査を再び行うよう検討していると表明しています。

議題にもない突然の裁量労働制実態調査の話は大変驚きました。裁量労働制実態調査は既に行われています。

つまり、裁量労働制実態調査のプレ調査は2019年8月~9月、本体調査は2019年は11月~12月に行われ、結果公表は2021年6月25日に厚生労働省が行っています。

また労働条件分科会では、2021年6月25日に厚生労働省が公表した裁量労働制実態調査に基づいた議論を行っています。

日本成長戦略会議で高市総理が厚労大臣に裁量労働制の検討加速を指示
今年(2026年)4月22日に第4回 日本成長戦略会議(議長は高市総理)が開催されました。

その会議で労働組合の連合会長・芳野委員は「分野横断的課題への対応の方向性」に対する意見書を提出しています。

その意見書には「裁量労働制は、厚生労働省の調査でも、適用労働者の方が長時間労働者の割合が高く、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない実態があるため、制度の拡充ではなく、2024年改正を踏まえた厳格な導入手続や定期的なモニタリン グなどの適正運用の徹底を進めることが重要である」と書かれていました。

*2024年改正とは、専門型裁量労働制の対象業務拡大にともない、労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針も改正されました。これにより従前から企画業務型裁量労働制に求められていた健康・福祉確保措置の強化が、2024年度以降は専門業務型裁量労働制にも求められることになりました。

芳野委員は裁量労働制の拡充(拡大)ではなく2024年の裁量労働制改正を踏まえた厳格な導入手続きや適性運用の徹底を訴えていましたが、高市総理は、日本成長戦略会議(第4回)の議論を踏まえ、首相官邸ウェブサイトによると次のように述べています。

「上野大臣(厚生労働大臣)は、『裁量労働制』や『変形労働時間制』など労働時間制度の見直しについて、現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえて、検討を加速してください。裁量労働制につきましては、経済界として健康確保、長時間労働防止、処遇改善にしっかり取り組まれるとの御発言も踏まえまして、こうした濫用防止措置を前提に制度対象の在り方について、見直しの検討を進めてください。また、現行の労働時間規制の運用についても、労働時間や労働者の健康確保措置に関する労使の合意に則った指導を行うよう、見直してください」と。

上野厚生労働大臣が記者から裁量労働制について質問される
日本成長戦略会議開催の前日(4月21日)、上野厚生労働大臣は会見で記者から「裁量労働制について伺います。先日(4月)17日の労働政策審議会(労働条件分科会)の中で、裁量労働制について、適用者の実働時間などの調査(裁量労働制実態調査)を行うという発言があったかと思います。調査の目的、期限、さらにその結果をどのように活用していくのか、現時点で決まっていることを教えてください」と質問されています。

それに対して上野大臣は「今後、裁量労働制等についてご議論いただくに当たっては、その実態を十分に把握することが重要だと考えています。先週17日(金)の労働政策審議会労働条件分科会において、令和6年度(2024年度)に施行された裁量労働制の制度改正を含めて、現行の裁量労働制の実態などを把握するための調査を行う旨を表明したものです。しっかり調査を進めていきたいと考えています」と答えています。

また記者から「労働時間規制の関係でお伺いします。昨日(4月20日)、上野大臣は官邸で取材対応され、『総理から労働時間規制に関しては分科会の中でしっかり議論を進めてほしいという話があった』とお話しされていました。『しっかり議論を進める』という内容をもう少し詳しくお伺いさせてください。高市総理が施政方針で示された裁量労働制の見直し検討についての指示はあったのでしょうか」と質問されています。

この質問に対して上野大臣は「昨日(4月20日)、私から総理に対して、労働時間法制に関する議論の状況と今後の議論の進め方等についてご報告を行いました。具体的には、労働時間制度については、裁量労働制や変形労働時間制、勤務間インターバルなど様々な制度がありますが、それらについて現在、労働市場改革分科会や労働政策審議会で議論を行っており、その状況についてご報告したものです。総理からは、こうした労働時間規制の在り方については、しっかりと議論を進めてほしいという指示をいただいたところです。引き続き、働き方の実態とニーズを踏まえて、労働市場改革分科会や労働政策審議会において、運用・制度の両面から、議論を進めていきたいと考えています」と回答しています。

いずれにしても高市総理は自分が言ったことは何が何でも実現するといった強硬姿勢が目立ちます。もっと人の意見に耳を傾けていただきたいと願います。

追記:経団連が裁量労働制の拡充(拡大)提言

経団連「裁量労働制の拡充(対象拡大)を求める」提言
経団連(日本経済団体連合会)は本日(2026年5月13日)、「裁量労働制の拡充(対象拡大)を求める」提言を発表しました。

経団連は今回の提言でも「過半数労働組合との協議を要件として、裁量労働制の対象業務を一定程度拡大できるようにすべき」と従来の主張を繰り返しています。この提言は日本成長戦略会議(議長は高市早苗総理)でも提言しています。

今回の提言では、さらに「政府には、以下の業務の追加を求める」としています。

(1)裁量労働制の対象とならない業務が一部混在する業務

現在、裁量労働制は、一部でも非対象業務を行う場合には適用が認められない。いわゆる企画職などは、実際には様々な幅広い業務を行うことが多いものの、現行法上、裁量労働制を活用できない例が多々ある。

例えば、企業からのニーズの多いものとして「プロジェクト型業務」が挙げられる。具体的には、裁量労働制の対象業務をメインで行っている労働者が、新システムの導入プロジェクトなどにも関わる場合で、システム保守などの裁量がない業務も行うことが想定される。

その他の例としては、安全衛生委員会や情報セキュリティ委員会など、職場の運営に関わる活動をする事例もある。

こうした労働者は、企画業務型裁量労働制の対象業務をメインの業務として働いているにも関わらず、一部に非対象業務が含まれることで、裁量労働制を適用されないという事態が生じている。こうした業務にも裁量労働制の適用を認めるべきである。

経団連「裁量労働制の拡充を求める」提言

(2)課題解決型提案業務

特定の顧客向けの商品・サービスを企画、立案、調査および分析したうえで、それに基づき開発・提案まで行う業務に対するニーズも高い。なお、業務の大半が企画等に従事する場合に限り適用することを求めているものであり、例えば商品販売のみを行う営業所で働く場合は含まれない。

この業務は、一部に顧客への提案などの非対象業務が混在する点と、「事業の運営に関する事項についての業務」に当てはまらない点で、現行の企画業務型裁量労働制の対象とはならない。そこで、一部、対象ではない業務が入り、かつ「他社の事業」の運営に関する業務を担う場合についても、裁量労働制の適用を認めるべきである。

経団連「裁量労働制の拡充を求める」提言

(3)シェアードサービス業務

グループ会社などのなかで重複する間接業務を別会社に集約化するケースがあるが、こうしたシェアードサービスを行う会社のなかには、定型的な業務を請け負うだけではなく、グループ会社の人事や経営に関する企画・立案・調査・分析を行うところもある。このように裁量を持って働くシェアードサービスの労働者も対象となるよう、先ほども述べたとおり、「他社の事業の運営」に関わる業務での裁量労働制の適用を認めるべきである。

経団連「裁量労働制の拡充を求める」提言

厚生労働省「裁量労働制に関する実態調査(案)」
本日(2026年5月13日)労働政策審議会(厚労大臣諮問機関)労働条件分科会が開催され、厚生労働省は裁量労働制に関する実態調査(案)をしめしました。

厚生労働省が作成した裁量労働制実態調査(案)によると、調査目的は「令和6年度(2024年)に施行された制度改正を含め、現行の裁量労働制の実態などを把握するために調査を行うもの」とされています。

調査対象者は
Ⅰ 事業場調査
・適用事業場調査
専門業務型・企画業務型のいずれかの裁量労働制を導入している事業場(令和5~7年に専門業務型裁 量労働制に関する協定を届け出た事業場及び令和7年に企画業務型裁量労働制に関する報告を行った事業場)
・非適用事業場調査:裁量労働制を導入していない事業場のうち、裁量労働制対象業務従事労働者(裁量労働制が適用される 業務に相当する対象業務に従事する労働者をいう)がいる事業場 (裁量労働制実態調査(令和元年実施)におけるプレ調査の結果、裁量労働制対象業務従事労働者がいると確認された事業 場)

Ⅱ 労働者調査
適用労働者調査
裁量労働制適用事業場で雇用されている裁量労働制の適用労働者 (各事業場内の労働者から専門業務型・企画業務型それぞれ最大10名を無作為に抽出予定)
非適用労働者調査
裁量労働制非適用事業場で雇用されている裁量労働制対象業務従事労働者(各事業場内の労働者から専 門業務型・企画業務型が適用される業務に相当する対象業務に従事する労働者それぞれ最大10名を無作為に抽出予定)

調査事項は
Ⅰ 事業場調査
裁量労働制実態調査(令和元年実施)の調査項目を中心に、令和6年度に施行された制度改正として、
・みなし労働時間の設定
・健康・福祉確保措置(健康・福祉確保措置の設定、健康・福祉確保措置実施の結果適用を外したことの有無、適用を外した 労働者の配置・処遇とその決定方法)
・本人同意・撤回(同意撤回の申出先・申出方法の設定、同意撤回後の配置・処遇とその決定方法の設定等)
・労使委員会・過半数代表(労使委員会・過半数代表への説明内容、労働者に適用される賃金・評価制度を変更する際の労使委員会・過半数代表への説明有無)等を追加。業務遂行における裁量の程度等についても追加。

Ⅱ 労働者調査
裁量労働制実態調査(令和元年実施)の調査項目を中心に、令和6年度に施行された制度改正として、
・健康・福祉確保措置(健康・福祉確保措置の設定、健康・福祉確保措置実施の結果適用を外したことの有無、適用を外した 労働者の配置・処遇とその決定方法)
・本人同意・撤回(同意の撤回の有無・撤回していない場合の理由、同意撤回の申出先・申出方法の設定、同意撤回後の配置・処遇とその決定方法の設定)等を追加。業務遂行における裁量の程度、過半数労働組合の有無等についても追加。

調査期間は令和8年7月~8月(予定)、実施主体は独立行政法人の労働政策研究・研修機構、調査手法は事業所調査が郵送した調査票で回答またはオンラインシステムにより電子回答、労働者調査がオンラインシステムにより電子回答。

裁量労働制に関する実態調査(案)について(PDF)

追記:連合会長が緊急要請書を大臣に手渡し

毎日新聞報道
毎日新聞は本日(2026年5月18日)『連合、裁量労働制の拡充反対を緊急要請「長時間労働常態化も」』と見出しをつけた記事の中で「高市早苗首相が上野賢一郎厚生労働相に検討を指示している裁量労働制と変形労働時間制の見直しを巡り、連合の芳野友子会長は(5月)18日、両制度の拡充や要件緩和をしないよう求める緊急要請書を上野厚労相に手渡した」と報じました。

つまり連合(日本労働組合総連合会)芳野友子会長は、裁量労働制や変形労働時間制の拡充(拡大)や要件緩和をしないよう求める緊急要請書を上野賢一郎厚生労働大臣に手渡したということです。

その毎日新聞の記事には「緊急要請書は、裁量労働制について『適用労働者の方が長時間労働の割合が高く、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない実態がある』と指摘」と書かれています。

また記事によると、緊急要請書には「変形労働時間制の見直しで議論されている労使合意の要件緩和は『結果として長時間労働の常態化や生活時間の設計を毀損(きそん)しかねない』」と記載されています。

そして連合の芳野会長は記者団の取材に応じ、経団連など使用側(経営側)は「裁量労働制の拡充(拡大)は『生産性向上に資する』と主張するが、その根拠はなんら示されておらず、やはり現場の実態をしっかり見てほしい」と述べています。

NHK NEWSは、芳野会長が「裁量労働制の拡充(拡大)によって長時間労働を助長しかねないという危機感を持っているので、丁寧な現場の実態の把握や議論を期待したい。その点は大臣にも十分、ご理解いただけているのではないかと期待している」と話していたと報じています。

時事通信報道
時事通信も本日(2026年5月18日)『裁量制の安易な拡大に反対 連合会長、厚労相に直接要請』と見出しをつけた記事を配信しました。

時事通信の記事には「連合の芳野友子会長は(5月)18日、上野賢一郎厚生労働相と同省で面会し、裁量労働制の対象業務の安易な拡大や要件緩和について『行うべきではない』と反対する緊急要請書を提出した。経済界は裁量制の対象拡大を求めているが、要請書は『長時間労働の割合が高く、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない』と指摘。現行制度の適正な運用の徹底を求めた」とあります。

また記事には「芳野氏は面会で『今求められているのは誰もが安心安全に働くことができる労働時間法制の実現だ。長時間労働頼みの経済成長ではない』と強調。これに対し、上野氏は『労使の意見を伺いながら丁寧に議論を進めていく』と述べた」と記載されています。

追記:労働市場改革分科会とりまとめ案

裁量労働制の見直し(対象拡大)などを議論している日本成長戦略会議の労働市場改革分科会(第4回)が本日(2026年5月27日)午前8時から開催。

議題は「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ(取りまとめ)(案)」でしたが、とりまとめ(取りまとめ)案は概ね了承されました。

労働市場改革分科会とりまとめ案
日本成長戦略会議・労働市場改革分科会とりまとめ(取りまとめ)案には「以下の課題の解決に向けた取組を進めていくことが重要であるとの意見が示された」と書かれていますが、以下の課題の一つが「柔軟で多様な働き方の実現に向けた労働時間法制等」になります。

そして「裁量労働制は、柔軟で自律的な働き方を可能にする、ワーク・ライフ・バランスに資する面もある等の観点から、適正に運用されれば労使双方にとってよい制度であるとして、制度の濫用防止策とセットで拡充の議論を進めるべき、実際の裁量の程度や業務量によって長時間労働となる確率等に影響があり、まずは2024年度改正後の状況把握が必要、適正に運用されるためにどうあるべきか労働政策審議会で慎重に議論を深めるべきとの意見があった」と記載されています。

また「他方で、長時間労働になりやすく、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない実態がある中で、制度拡充を行うべきではなく、2024年度改正を踏まえた厳格な導入手続や定期的なモニタリングなどの適正運用を徹底すべき、柔軟で多様な働き方はフ レックスタイム制度など現行制度の活用によっても可能であるとの意見があった」とも記載されています。

さらに、とりまとめ案には「本分科会(労働市場改革分科会)の議論では、いずれも簡単に結論が得られるものではないが、日本成長戦略会議で取り上げた趣旨も踏まえ、労働参加率や労働生産性向上の必要性に鑑み、 労働者の健康維持やワーク・ライフ・バランスを前提とするとの認識を共有しつつ、 柔軟で多様な働き方を含む労働時間法制等に係る政策対応については、夏以降の労働政策審議会において、議論を行う必要がある」とあります。

なお、とりまとめ案には「連続勤務規制や勤務間インターバル制度の法的位置付け、『つながらない権利』の在り方、副業・兼業に当たっての健康確保、テレワークの活用促進などについて、現場の実態や労使双方の立場を十分に 踏まえて、検討を進める必要がある」とあり、勤務間インターバル制度や「つながらない権利」についても「検討を進める必要がある」と記載しています。

日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ(案)(PDF)

追記:規制改革実施計画(案)企画型見直し

高市政権は日本成長戦略会議の労働市場改革分科会だけではなく、規制改革推進会議の働き方・人への投資ワーキング・グループでも裁量労働制の対象拡大を議論していました。

規制改革実施計画(案)によると、厚生労働省は国会審議を伴う法令(労働基準法の改正)ではなく、国会審議を必要としない「通達」によって企画型裁量労働制の非対象業務混在を見直す方針。これにより対象者が大幅に増える懸念が高まることになります。詳しくは次のnote記事をお読みください。

規制改革実施計画こそが厚生労働省の生々しい実務と直結した方針|裁量労働制の対象拡大|Hiromasa Saeki

追記:厚労省審議会分科会に政府3文書報告

今日(2026年7月7日)午後2時から労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会が開催。本日の労働条件分科会の資料の一つが『「経済財政運営と改革の基本方針2026(案) 」等について』。

厚生労働省が準備した資料『「経済財政運営と改革の基本方針2026(案) 」等について」には経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026(原案)や日本成長戦略(案)や規制改革実施計画(案)といった3文書から労働条件分科会に関係する部分のみ一部抜粋が記載されています。

最大の問題は規制改革実施計画(案)に書かれた「裁量労働制の対象拡大」の箇所になります。資料『「経済財政運営と改革の基本方針2026(案) 」等について』12ページには次のように書かれています。

事項名
裁量労働制の適 用対象業務の在り方

規制改革の内容
(略)
心身の健康維持と労働者の選択を前提に柔軟で多様な働き方を実現する観点か ら、厚生労働省は、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方について労働政策審議会において見直しの検討を開始し、結論を得次第、必要な措置を講ずる。

実施時期
令和8年検討開始、早期に結論、結論を得次第速やかに措置

所管府省
厚生労働省

資料『「経済財政運営と改革の基本方針2026(案) 」等について』

厚労省が準備した資料の「規制改革の内容」の箇所に(略)とありますが、規制改革実施計画(案)には次のように詳細に書かれています。

労働基準法(昭和22年法律第49号)第38条の3に定める専門業務型裁量労働制及び同法第38条の4に定める企画業務型裁量労働制は、業務の性質上、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務に従事する労働者を対象とする制度であり、適正な運用が行われれば、労使双方にとってメリ ットのある働き方の実現が見込まれるものの、厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、専門業務型裁量労働制の適用労働者割合は期間を定めずに雇われている労働者全体の約1.1%、企画業務型裁量労働制の適用労働者割合は期間を定めずに雇われている労働者全体の約0.3%となっている。

これに対して、一部の企業や民間経済団体からは、以下に掲げる課題等への対応が必要であるとの声がある。

・裁量労働制は、令和7年に実施された日本経済団体連合会の「ホワイトカラー労働者 の裁量労働制適用ニーズ等に関する調査結果」によると、メリハリを付けて自分の ペースで働ける、就労時間が短くても一定額の裁量労働手当等を受け取ることがで きる、成果に応じた処遇が受けられる可能 性があるといった理由により、裁量労働制 を適用されていないホワイトカラー労働者のうち約3割が同制度の適用を希望しているとされている一方、「現行の裁量労働制の対象業務に関する解釈について」 (令和5年8月2日厚生労働省労働基準局労働条件政策課長及び監督課長連名通達)においては、対象労働者は、対象業務に常態として従事していることが原則であり、企画、立案、調査及び分析の業務とは別に、たとえ非対象業務が短時間であっても、それが予定されている場合は、企画業務型裁量労働制を適用することはできないこととされており、我が国の企業においては、企画業務型裁量労働制の対象業務に従事する労働者に全社横断的なプロジ ェクト型業務への参加や安全衛生委員会 への出席といった非対象業務も担当させ る場合があることから、対象業務と非対象業務の混在が認められていない企画業務 型裁量労働制を適用することが困難であること。

・規制改革推進に関する答申(令和7年5月)にも示されたとおり、スタートアップにおいては一人の労働者が複数の業務を担当することが一般的であることから、対象業務と非対象業務の混在が認められていない裁量労働制を適用することが困難 であるほか、企画業務型裁量労働制を導入 する際に必要な労使委員会の設置等が手 続負担等の面からスタートアップにおけ る制度導入の障壁になっていること。

・特定の顧客向けの商品・サービスの企画、 立案、調査及び分析を行った上で、それに基づき開発・提案まで行う業務に対しても 裁量労働制を適用するニーズがあるが、現行制度では適用が困難であること。

・グループ会社等で重複する人事・財務・経営企画などの間接業務を別会社に集約・標準化し、効率化を目指す、いわゆる「シェ アードサービス業務」がグループ化を進める企業を中心に活用される中、「シェアードサービス業務」の中でも企画、立案、調査及び分析を行う業務に対しても裁量労 働制を適用するニーズがあるが、現行制度では適用が困難であること。 一方、令和元年に実施された厚生労働省の「裁量労働制実態調査」においては、①労働基準法第38条の3第1項第2号に規定する 労働時間として算定される時間及び同法第 38条の4第1項第3号に規定する労働時間として算定される時間(以下「みなし労働時間」という。)と実際の労働時間の間に、専門業務型裁量労働制の適用労働者では平均して46分、企画業務型裁量労働制の適用労働者では平均して1時間8分の差がそれぞれ見られること、②専門業務型裁量労働制及び 企画業務型裁量労働制の適用労働者のそれぞれ約2割が裁量労働制の適用に対する満足度について「不満である」又は「やや不満である」と回答していること、③適用労働者の苦情の内容として「業務量が過大である」「労働時間が長い」「賃金などの処遇が悪い」「人事評価が不適切である」などの点が挙げられていることなどを踏まえ、制度の趣旨に沿っていない運用への懸念については、労働者の健康確保や長時間労働防止、適切な処遇確保等の観点から、制度の濫用防止措置について検討する必要がある。

特に、みなし労働時間については、企画業務型裁量労働制指針等において、対象業務の内容並びに対象労働者に適用される賃金・評価制度を考慮して 適切な水準のものとなるようにし、対象労働者の相応の処遇を確保することが必要とされていることを踏まえ、適切に設定されているかなど、実態を明らかにし、制度の趣旨に沿っていない運用の懸念がある場合には、適切な措置を講じて、未然に防止するべきであ る。

これに対して、公衆衛生学の観点からは、 裁量労働制の運用について、以下の指摘がある。

・長時間労働や概日リズムの乱れ、心理的に仕事から距離を置けないこと、裁量のない 労働者への制度の適用、努力に見合わない 報酬や評価等が生じた場合には、健康上の リスクとなりやすい。

・使用者には、正確な労働時間の管理や裁量に見合うタスクの設定、適切な成果の評価 が求められるほか、健康・福祉確保措置と して、勤務間インターバル(企画業務型裁 量労働制指針等に基づき、終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を 確保することをいう。)、深夜労働(労働基 準法第37条第4項に規定する時刻の間において労働させることをいう。)の回数を1か月について一定回数以内とすること、使用者が把握した労働時間が一定時間を超えた場合の制度適用解除、年次有給休暇の連続取得の促進等の予防的措置を講ずることが重要であり、さらに、時間外の連絡方法に関するルールの作成や仕事を与える管理監督者に対する心理的安全性に関する教育の実施、労働者に対する労働時間等の自己管理能力を醸成する教育の実施等も考えられる。

以上の声や指摘などを踏まえ、心身の健康維持と労働者の選択を前提に柔軟で多様な働き方を実現する観点から、厚生労働省は、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方について労働政策審議会にお いて見直しの検討を開始し、結論を得次第、 必要な措置を講ずる。

規制改革実施計画(案)

詳しくは次のnote記事をご覧ください。

裁量労働制の対象拡大(規制改革実施計画案)抜粋を厚労省審議会分科会で報告|Hiromasa Sae連記事>

裁量労働制の見直し(対象拡大)を議論する厚労省審議会での残念な経営側発言|Hiromasa Saeki

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