応用編その5:正対しない
今日は2026年3月19日です。この前お正月を迎えたと思ったら、あっという間に3月も後半戦ですね。油断していると何もやらないうちに1年が終わってしまいそうです。ということで『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』というゲームを始めました。去年から積んでいたのですが、やっとこさ開封しましたよ。名作だという声が多いので楽しみです(楽しんでいます)。そんな与太話をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百二十五回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その5:正対しない
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
去年『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』という本を出版させていただいたのですね。
その本の「はじめに」で、うんちゃらかんちゃら。
その1で書いた内容の繰り返しになるので、やめておきます。
気になる方は「【わわわ説明術】応用編その1:1文字削るな」を、ご覧ください。
コラムの体裁を取っていますが、今回は(も)私の「説明の技術」のご紹介です。
今回ご紹介するノウハウは
「教師」ではなく「伴走者」になる
です。
応用編その4は、我ながら、ぶっちゃけ過ぎた内容でした。
今回は、もうちょっと当たり障りのない話をしますね。
今回ご紹介するノウハウは、私が1対1で説明するときにやっていることです。
つまり、わわわIT用語辞典では披露していません。
1対1で説明する機会がある方は、気が向いたら試してみてください。
本に書いたこと
『「分かった!」と思わせる説明の技術』の中で、説明とは
話し手と聞き手の共同作業
だと主張しています。
該当箇所は以下の通りです。
話し手の「加工」と聞き手の「解釈」が両方とも適切だった場合のみ「③伝えたいこと」は「①話し手」の頭の中から「②聞き手」の頭の中に正確にコピーされます。
どれだけ上手に加工しても、解釈が間違っていたら、説明は伝わりません。
どれだけ正しく解釈しても、加工に失敗していたら、説明は伝わりません。
説明というのは、話し手と聞き手の共同作業なのです。
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P18より引用
ちなみに、最後の行の「説明というのは、」の部分の読点(、)は「なくても良かったかな~」と思っています。
後に続く「話」が漢字な上に太字なので、直感的に区切れますからね。
意味的にも、視覚効果的にも、なくても問題ない読点でした。
「くぅ~、やっちまったかも(>へ<)」と思っている箇所のひとつです。
※視覚効果うんぬんが気になる方は「応用編その3:視覚効果を考える」を、ご覧ください。
あと、ついでなので書いておくと『「分かった!」と思わせる説明の技術』の中で「共同作業」という単語は9回出てきます。
内訳は
第1章:3回
第4章:1回
第6章:5回
です。
第6章で登場回数が多いのは「共同作業なんだから、相手にも頑張ってもらおうぜ!(自分だけが責任を負う必要は、ないでしょ!)」的なことを書いているからです。
話を戻して、説明というのは「話し手と聞き手の共同作業」です。
この「共同作業」というのがポイントでしてね。
説明を「共同作業」に変えるテクニックが、いろいろあるのです。
今回のコラムでは、そのテクニックを(少しだけ)ご紹介します。
本に書いていないこと
まずは心構えの話をしますね。
1対1の説明において私が意識しているのは
「教師」ではなく「伴走者」になる
ことです。
1対1の説明では「説明する人」と「説明される人」が1人ずつ登場します。

「説明」という行為を矢印で表現するとき、あなたは「説明する人」から「説明される人」に矢印を伸ばすのではないでしょうか。
「説明する人」から出た「説明」が「説明される人」に届くのをイメージするはずです。

実際、私も「説明」をイメージするときは、そんな感じのイメージになります。
事実、以前に書いたコラムでは以下のような図を描きました。

今回は、このイメージを捨ててください。

まず「説明する人」と「説明される人」を、くっつけます。
その固まりから「分からない」に対して矢印を伸ばすのです。
「説明される人」の「分からない」状態を仮想の「敵」と設定して、その「敵」を「説明する人」と「説明される人」で一緒にやっつけようとするイメージです。

この認識を作れると、説明は共同作業になります。
「説明される人」の「分からない」状態をやっつけるのが「説明する人」と「説明される人」の共通の目的になるからです。
それでは、どうやって、この認識を作るか?
いろいろなやり方がありますが、私が絶対にやるのが
できるだけ正対しないように頑張る
です。
この「正対しない」は「真面目に相手をしない」という意味では、ありません。
「物理的に真正面から向き合わない」を意図しています。
正対すると、どうしても構えちゃうのですよね。
なんかキリっとした気分になって「説明するぞ!」「説明されるぞ!」な雰囲気が出ちゃいます。
それを避けるために
できるだけ正面ではなく横に座る
ようにします。
パソコンがあったりすると楽ですね。
1つの画面を2人で一緒に見るような状況を作ります。
そうすると、必然的に横並びになります。
とはいえ、どうしても正対せざるを得ない場面もあるでしょう。
例えば、喫茶店で向かい合って話すときとかです。
そんなときは
1つの物を一緒に見る機会を作る
ように意識しています。
例えば、資料とかノートとかスマホとかパソコンの画面とかですね。
1つの物を一緒に覗き込む機会を用意するのです。
このとき、ポイントがあります。
それは
一緒に見る物を、2人を結ぶ直線上に置かない
ことです。
2人を結ぶ直線から少し横にズラしたところに置きます。

まぁ、2人を結ぶ直線上に置くと見にくいので、自然と横にズラした場所に置くことになるでしょうけどね。
横にズラしたところに置いて、それを一緒に見ることで、正対した状況を緩和できます。
ちょっとだけ横並びになった気分になれます。

そうやって「私は教える人、あなたは教えられる人」という空気感を減らすのです。
……というやり方で、以前は何とかなったのですけどね。
時代柄、オンラインミーティングなんてものも増えてきました。
オンラインミーティングでは、相手は画面の向こうから、こちらを見ています。
どうやっても正対してしまいます。
困りました。
そんな状況を解決するために私が編み出した秘策、それが
何でも良いから文字通りの「共同作業」をやる
です。
やることは何でも良いんですけどね。
例えば「情報を一緒に整理する」だったり「(その場のやり取りの)議事録を一緒に作る」だったり「何らかの資料を一緒に作る」だったりをやることで「一緒に共通のものを目指している」感を演出します。
そんな感じのことをやって、矢印の向きを「説明する人→説明される人」から「説明する人・説明される人→分からない」に変えるのです。
これが最初の一歩です。
物理的に正対しないようにすることで心理的にも「説明する人 vs 説明される人」の構図にしない
ように意識しています。
それができたら次の段階、説明自体で正対しないようにする工夫ですが……書くのに飽きてきました。
やっぱり、真っ当なことを真っ当に書くのは、書いていて楽しくないですね。
とはいえ書かないのもアレなので、箇条書きにして、お茶を濁しておきます。
1.聞き手が何を分かりたいかを一緒に整理する
2.聞き手が何を分かっていないかを一緒に整理する
3.見返す用のノート(メモ書き)を一緒に作る
4.お菓子を一緒に食べる……ついでに雑談をする
5.ホワイトボードとかを使うときは、自分が口頭で指示して聞き手に板書してもらう
などなど
です。
あと、よく私がやるのが
自分がやるのは口出しだけで、操作とか作業とかは全部聞き手にやってもらう
です。
「5.ホワイトボードとかを使うときは、自分が口頭で指示して聞き手に板書してもらう」の発展形ですね。
口頭での説明は私がやりますが、それに伴う板書やパソコン操作などの雑務は全部聞き手にやってもらいます。
さらに「あれ?これって、どっちを先にやるんだっけ?ちょっとマニュアルを見てみてよ」みたいなことも平気で言います。
説明は共同作業だから、聞き手をこき使っても良いのです\(--)/
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その5:正対しない
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムで、ご紹介したノウハウは
「教師」ではなく「伴走者」になる
です。
「説明する人」から「説明される人」に矢印を伸ばすのではなく「説明する人」&「説明される人」から「分からない」に矢印が伸びるように頑張ります。

そのためにやるのが
できるだけ正面ではなく横に座る
だったり
1つの物を一緒に見る機会を作る
だったり
何でも良いから文字通りの「共同作業」をやる
だったりです。
正対しないように頑張る
ことで「説明」という行為が話し手と聞き手の共同作業になるように頑張ります。
今回ご紹介したノウハウは結構やりやすいんじゃないかな?と思っています。
気が向いたら、やってみてください。
意外に効果がありますよ。
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない【このページ】
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
応用編その29:難易度は情報量である
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






