第百四十六回:【わわわ説明術】応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
今日は2026年6月30日です。2026年も半分が終わりましたね。早いなぁ。最近は特に何もやっていません……と言うと語弊があるのですけどね。チマチマしたことは、やっているのですが「これをやっているぜ!」と自慢げに言えることが何もありません。まぁ、わわわIT用語辞典も「これをやっているぜ!」と言えるようになるまでに4、5年かかりましたからね。心を無にしてチマチマやっていきます。チマチマ(--)……面倒くさいなぁ(-。-)ぼそっ そんな本音を漏らしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百四十六回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
わわわ説明術コラムは『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』の販促コラムという位置付けです……が、ネタ切れしました。
「本の内容と絡めよう」というこだわりを捨てて、テーマが「説明」なら何でも良いことにして連載を続けています。
とはいえ、一応、販促コラムです。
たまに本の宣伝を挟むかもしれませんが、ご容赦ください。

話を戻して「たとえ話について語るよ」編も3回目ですね。
今回が最終回です。
理由は、たとえ話について語るのに飽きてきたからです。
まぁ、3回も書いておけば格好はつくでしょ。
その1では「こんな練習をすると良いよ」を語りました。
その2では「これを意識しておかないとダメだよ」を語りました。
(たとえ話編の)最終回である今回は「私は、たとえ話を、こんな風に捉えているよ」を語ります。
ある意味では集大成です。
気が向いたら、最後まで読んでやってください。
ちなみに、今回のコラムで言いたいことは
たとえ話は「検索」だよ。「例えたい要素」をキーワードにして世界を検索して、ヒットしたやつの中から「聞き手がピンと来そうなやつ」を選ぶよ
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
たとえ話は検索である
いきなりですが、宣伝を挟んでおきます。
本では以下のように書きました。
たとえ話は劇薬である
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P179より引用
それになぞらえて、今回のコラムでは、こう主張します。
たとえ話は検索である
と。
検索キーワードに相当するのは「例えたい要素」です。
ご注意くださいね。
「例えたいもの」では、ありません。
「例えたい要素」です。
「例えたいもの」の中にある本質、言い方を変えると「これのココを別の言い方で伝えたいのよね」における「ココ」に相当するのが「例えたい要素」になります。
検索する対象は「世界」です。
この世にある、あるいは、この世にないものも含めて、すべての物事から検索キーワード(=例えたい要素)に一致するものを探します。
私は、たとえ話を、そのように捉えています。
例えば、そうですね。
一部地域で大人気な私考案のたとえ話に「戻り値」の説明があります。
内容は以下の通りです。
※お食事中の方は食べ終わってから読むことをオススメします。
--- 戻り値の説明ここから ---
ちょっと汚い話で恐縮ですが、人間は ご飯を食べて、ウンチを出します。

人間を関数だとすれば、ウンチに相当するものが戻り値です。
ご飯に相当するものが引数になります。

--- 戻り値の説明ここまで ---
それぞれの用語の意味は
関数:処理のまとまり
引数:関数に入れる値
戻り値:関数から出てくる値
です。
戻り値は「関数から出てくる値」です。
そこで私は
「何かを入れると何かをやって何かを出すもの」における「出てくる(出てきた)もの」
と検索キーワード化しました。
このキーワードで世界検索します。
その結果、例えば以下のようなものがヒットしました。
・「ご飯を食べてウンチを出す人間」における「ウンチ」
・「お金を入れるとジュースが出る自動販売機」における「ジュース」
・「日本語を入れると英語が出てくる翻訳者」における「英語」
・「注文を入れると料理が出てくるレストラン」における「料理」
・「数字を入れると計算結果が出てくる電卓」における「計算結果」
・「原稿データを入れると本が出てくる印刷所」における「本」
・「目的地を入れると経路が出てくるカーナビ」における「経路」
・「元気な人を入れると疲れた人が出てくる会社」における「疲れた人」(冗談です)
・「お世辞を入れると贔屓が出てくる上司」における「贔屓」(冗談です)
・「ケーキを入れると笑顔が出てくるピヨ子さん」における「笑顔」(画力の関係で実際には無表情です)
これら、すべてが「たとえ話の候補」です。
せっかくなので、もう一段階、突っ込んで考えてみましょう。
検索キーワードの「『何かを入れると何かをやって何かを出すもの』における『出てくる(出てきた)もの』」ですが「における『出てくる(出てきた)もの』」は、なくても大丈夫そうじゃないですか?
「何かを入れると何かをやって何かを出すもの」が見つかれば、そこから「出てくる(出てきた)もの」を拾うのは難しくありません。
そこで、検索キーワードを
何かを入れると何かをやって何かを出すもの
に変えてみます。
そうすると、さっきの検索結果は
・ご飯を食べてウンチを出す人間
・お金を入れるとジュースが出る自動販売機
・日本語を入れると英語が出てくる翻訳者
・注文を入れると料理が出てくるレストラン
・数字を入れると計算結果が出てくる電卓
・原稿データを入れると本が出てくる印刷所
・目的地を入れると経路が出てくるカーナビ
・元気な人を入れると疲れた人が出てくる会社(冗談です)
・お世辞を入れると贔屓が出てくる上司(冗談です)
・ケーキを入れると笑顔が出てくるピヨ子さん(画力の関係で実際には無表情です)
になります。
いかがでしょう。
やっていることは(ほぼ)同じですが、後者の方が考える量が少なくないですか?
余談ですが「その時点で考えなくても何とかなる(後から捕捉できる)部分は考えない」ことで考える量を圧縮するのが私なりの思考テクニック(のひとつ)です。
話を戻して、そんな感じで
「例えたい要素」を検索キーワードにして世界検索する
ことで「たとえ話の候補」を拾っています。
ここまでを読んでくださって気付きましたかね?
私はピンポイントで1つの素晴らしい例えを探しているのでは、ありません。
条件に合致するもの、たとえ話として使えそうなものを片っ端から拾っているのです。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」作戦をやっています。
たとえ話として採用するやつを決める
たとえ話の候補が集まったら絞り込みです。
たとえ話として採用するやつを決めます。
このときの選び方は
相手基準
です。
まず前提として、たとえ話は聞き手が知っていることに例えられている必要があります。
聞き手が知らないことに例えても伝わりませんよね。
「それを聞き手が知っているか?」は一番重要です。
次に、あくまで私の場合ですが、聞き手がメッチャ詳しい分野には(できるだけ)例えないようにしています。
細部に目が行って、伝えたい部分に目を向けてもらえない可能性があるからです。
聞き手の性格にも、よりますけどね。
おおらかな人や抽象化能力が高い人であれば大丈夫です。
こだわり派な人であれば、避けた方が無難です。
深い知識があるがために「関数が印刷所と同じということは、入力値に不備があったら差し戻されるのかな?本は何冊かまとめて梱包されるよな。戻り値も束になって返るのかな?」のように「そこは気にしないで!」なところに目が行っちゃう可能性があります。
最後に、ちょっとだけ(?)トリッキーな例えを選ぶようにしています。
理由は、聞き手の記憶に爪あとを残すためです。
そこら辺のあれこれは「私が説明するときに心がけていること【その3】」というコラムで語っています。
興味がある方は、そっちを読んでやってください。

説明する対象が個人であれば、その例えが一般的かは気にしません。
その相手にさえ伝われば良いからです。
個人特化で、その人に一番伝わると思うやつを選びます。
説明する対象が集団や不特定多数であれば、ある程度は一般的なものを選びます。
たとえ話は例えた内容を知らない人には絶対に伝わらないからです。
ちなみに、応用編として
たとえ話の世界観自体を聞き手と共有しちゃう
という技もあります。
単発の説明では使えませんけどね。
ある程度、長期間の接触があるのであれば、効果がある気はしています。
例えば、わわわIT用語辞典ではピヨ太君が登場するたとえ話が多いですよね。
ピヨ太君という世界観を共有できちゃえば、ピヨ太君は聞き手にとって「知っているけど詳しくはない」対象になります。
ある程度「これで例えても大丈夫だよね?ピヨ太君のことは知っているよね?」と決め打ちで説明できちゃうわけです。
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムの結論は
たとえ話は「検索」だよ。「例えたい要素」をキーワードにして世界を検索して、ヒットしたやつの中から「聞き手がピンと来そうなやつ」を選ぶよ
です。
私は、たとえ話を
「例えたい要素」を検索キーワードにした世界検索
と捉えています。
そうやって世界検索することで「たとえ話の候補」を、できるだけ拾っています。
そうやって拾った候補から1つ採用するわけですが、どれを採用するかは
相手基準
で考えています。
聞き手が知らないことに例えても、絶対に伝わりませんからね。
たくさん用意した候補の中から、聞き手を見て、どれを採用するか決めています。
長くなりましたが、これが私のたとえ話生成理論です。
……2026年6月時点の(-。-)ぼそっ
将来的には、考えが変わったり、別の形で言語化できるようになるかもしれませんけどね。
本日時点では、そんな感じでっす(--)ノ
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)【このページ】
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






