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第百三十回:【わわわ説明術】応用編その10:優先順位を付ける


今日は2026年4月14日です。4月も2週間が過ぎました。新入社員の方は、そろそろ会社の雰囲気に慣れましたかね?この時期はボーナスタイムです。いくらでも失敗し放題な時期だったりします。もちろん、失敗したら注意されますけどね。新入社員の失敗を会社側は織り込み済みです。だから、反省は必要ですが、そこまで気にすることはありません。しょんぼりした顔をしておけば、なんとなく乗り切れます。そんな身も蓋もないことを言ったところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある百三十回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

【わわわ説明術】応用編その10:優先順位を付ける

です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。

去年『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』という本を出版させていただいたのですね。
その本の「はじめに」で、うんちゃらかんちゃら。
その1で書いた内容の繰り返しになるので、やめておきます。
気になる方は「【わわわ説明術】応用編その1:1文字削るな」を、ご覧ください。

コラムの体裁を取っていますが、今回は(も)私の「説明の技術」のご紹介です。
今回ご紹介するノウハウは

状況を踏まえて、伝える情報に優先順位を付ける

です。

今回の話は、実は、みなさんも当たり前にやっていることです。
……が、自覚していない人もいると思います。

そこで、コラムの回数稼ぎのために言語化してみることにしました。


本に書いたこと


『「分かった!」と思わせる説明の技術』の中で「端折って情報量を減らす」という話をしています。
具体的なことは本を読んでほしいのですが、ちょっとだけ引用しておくと、以下のような事が書いてあります。

非専門家に「難しいこと」を分かりやすく説明するとき、あなたは「正確」を犠牲にして「簡単」に説明することになります。このとき、絶対に必要になるのが「端折る」作業です。伝える情報量を減らす作業が発生します。
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P83より引用

今回のコラムでは、この「端折って情報量を減らす」をやる上で必要な準備について語ってみます。

ちなみに、今回のコラムで書く内容は、形を変えて、本の「「正確な説明」を諦めるのが嫌なあなたへ」という項目(P79に載っています)に含まれています。
気が向いたら、そちらも読んでやってください。
「いや~、こじつけだろ。う~ん、でも、確かにコラムで言っていることが入っている……のかな?入っていないのかな?分からん!」という気分になれると思います。


本に書いていないこと


「正確」な説明をしているのに伝わらない人(の一部)は、例えば以下のような説明をしています。

ケーキは甘くて美味しい。
ただし、食べ過ぎると虫歯になる。
ただし、ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない。


「正確」だけど分かりにくい説明は、状況別の補足がいっぱいなのです。
その結果「結局、何を言いたいの?」になりがちです。
例文も、ケーキの話、虫歯の話、歯磨きの話、どの話をしたいのか分かりにくいですよね。

丁寧に説明しようとすればするほど、(説明する側は)細かい部分が気になります。
「この場合は、こうだよね」「こうなったら、こうか」のようなことを考え始めると、いろいろ補足したくなっちゃいます。

そうすると、情報量が多くなります。
結果として、相手から「何を言いたいのか分からん!」と思われるわけです。

このような事態を避けるには、情報量を減らすしかありません。
伝える情報を削る必要があります。

伝える情報を削る過程で

伝える情報に優先順位を付ける

ことになります。

それを踏まえて、以下の情報に優先順位を付けてみてください。

ケーキは甘くて美味しい。
ただし、食べ過ぎると虫歯になる。
ただし、ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない。


「ケーキは甘くて美味しい」「食べ過ぎると虫歯になる」「ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない」の3つの情報に優先順位を付けます。
あなただったら、どのような優先順位付けをしますか?
ちょっと考えてみてください。



……(--)



はい、答え合わせをします。
正解は

優先順位を付けられない

です。

「優先順位を付けてみてください」と言っておきながら、正解は「優先順位を付けられない」です。
ひどい問題でしたね。詐欺みたいなものです。

とはいえ、正解は「優先順位を付けられない」です。
何故なら

どのような状況か分からない

からです。

例えば、ケーキの魅力をプレゼンする場だったとしましょう。
その場合、一番伝えたいのは「ケーキは甘くて美味しい」のはずです。
「ケーキは素晴らしいですよ!甘くて美味しいんです!」のような感じでプレゼンしますよね。

もし「食べ過ぎると虫歯になる」と「ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない」も伝えるとしても、それは優先順位が低い情報です。
プレゼンの内容は「ケーキは素晴らしいですよ!甘くて美味しいんです!まぁ、食べ過ぎると虫歯になりますけどね。でも、ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならないので大丈夫です。ケーキ最高!」のような感じになるのでは、ないでしょうか。

これが、歯磨きの重要性を説く場になると、話が変わります。
一番伝えたい情報は「ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない」になります。
例えば「みんな、ちゃんと歯磨きしようね。ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならないよ」のような説明になるはずです。

もし「ケーキは甘くて美味しい」と「食べ過ぎると虫歯になる」も伝えるとしても、それは優先順位が低い情報です。
説明の内容は「みんな、ちゃんと歯磨きしようね。ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならないよ。ケーキという甘くて美味しいお菓子があるんだけどね。あれは食べ過ぎると虫歯になるんだ。でも、ちゃんと歯磨きをすれば大丈夫だよ!」のような感じになるのでは、ないでしょうか。

ケーキの魅力をプレゼンする場では「ケーキは甘くて美味しい」が優先順位の高い情報です。
歯磨きの重要性を説く場では「ちゃんと歯磨きをすれば虫歯にならない」が優先順位の高い情報になります。

状況によって、伝える情報の優先順位は変わる

のです。

伝える情報の優先順位は状況依存です。
どんな状況で、誰に、何を、伝える場なのかを意識してあげてください。


まとめ


今回は

【わわわ説明術】応用編その10:優先順位を付ける

というテーマで好き勝手に語ってみました。

今回のコラムで、ご紹介したノウハウは

状況を踏まえて、伝える情報に優先順位を付ける

です。

「ノウハウ」と言うと大袈裟な気はしますけどね。
みなさんも当たり前にやっている内容なので。

とはいえ、自覚的にやるかどうかで少しは変わる気がします。
そこで「当たり前のことを書いてゴメンね」と思いつつ、言語化してみました。

「端折って情報量を減らす」には「伝える情報に優先順位を付ける」必要があります。
優先順位を付けるときは「状況を踏まえて」優先順位を付ける必要があります。
説明するときは「今って、何を説明する場なんだっけ?」を意識してあげてください。


蛇足ではないおまけ


今回のコラムでご紹介したノウハウは悪用可能です。

……まぁ、今回のコラムに限った話でもないのですけどね。
本に書いた内容も含めて、ちゃんと理解して応用すれば悪いことにも使えます。
私の持っている「分かりやすい説明のノウハウ」は、詐欺師のテクニックに通ずるものがあるからです。

だからこそ、私は本に「問題④ 調子に乗って信用を失う」という節(P248から始まる内容です)を用意しました。
できれば引用したいのですが、節の内容が丸ごと全部言いたいことなので諦めます。

この内容を最後に持ってきたのは、それが道の分かれ目だからです。
あなたが「素敵な人」と尊敬されるか「胡散臭い人」と警戒されるかは"おもてなしの視点"の有無で決まります。

……ってなことを真面目ぶって書いてみたのは、応用編コラムの連載も10回続いてキリが良かったからです。
ついでに、キリが良いところで、改めて本の宣伝をさせてください。
「分かった!」と思わせる説明の技術』の布教活動を、気が向いたらで良いので、よろしくお願いいたしまっす(--)ノ


【わわわ説明術】応用編シリーズ


応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける【このページ】
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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