第百二十六回:【わわわ説明術】応用編その6:相手を憑依させる
今日は2026年3月22日です。前回のコラム更新が3月19日だったので3日ぶりです。どうして、こんなにハイペースなのか?自分に嫌気が差したからです。本来このコラムは「超不定期連載」です。ところがどっこい、説明コラムの連載を始めてからは、1週間に1回くらいの頻度で更新を続けています。メッチャ「定期」じゃん!?<( ̄◇ ̄;)>それが嫌だったので更新の間隔を空けようかと思ったのですが、いきなり間隔を空けたら「あっ、こいつ、飽きたな」と思われそうじゃないですか。それを避けるために、一度ハイペースで更新してからサボることにしました。そんな裏話を語ったところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百二十六回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その6:相手を憑依させる
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
去年『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』という本を出版させていただいたのですね。
その本の「はじめに」で、うんちゃらかんちゃら。
その1で書いた内容の繰り返しになるので、やめておきます。
気になる方は「【わわわ説明術】応用編その1:1文字削るな」を、ご覧ください。
コラムの体裁を取っていますが、今回は(も)私の「説明の技術」のご紹介です。
今回ご紹介するノウハウは
相手の「慣れ」を利用する
です。
応用編その5は、かなり当たり障りのない内容でした。
私が、ひよったからです。
「やるのが難しいことばかり書いているなぁ」「読んでくれた方が(すぐに)できそうな内容の方が良いかな?」と考えて、あの内容にしました。
それ自体は間違いではないと思うのです。
どうせだったら自分でも試せる方が良いですよね?
ただ、これには1つ致命的な問題がありました。
書いていて、楽しくないっす(--ゞ
「こんなの私じゃなくたって書けるじゃん(--)」と思っちゃうのです。
そのため「あー、つまらん」と思いながら書いていました。
これを続けると説明コラムの連載が苦痛になりそうです。
それは良くないので、開き直ることにしました。
やれそうかどうかは気にしない!
誰でもやれそうな内容が知りたければ本を読んで!
※本には誰でもやれそうな内容が書いてあります。
むしろ……やれるもんなら、やってみろやぁ!( ̄д ̄)
そのように開き直りました。
ということで、今回ご紹介するノウハウも、極めようと思ったら難易度高めです。
やれるもんなら、やってみやがれ(--)ノ
本に書いたこと
『「分かった!」と思わせる説明の技術』の中で「相手が使う言葉に寄せる」という話をしています。
P174から始まる内容です。
具体的な内容は、あーだこーだです。
11ページくらいあって要約するのが面倒くさかったので内容紹介は諦めます。
気になる人は、実際の本で確認してください。
今回のコラムでは、この「相手が使う言葉に寄せる」というノウハウを深掘りします。
本に書いていないこと
本では「相手が使う言葉に寄せる」というノウハウをご紹介しました。
実は、このノウハウには「その先」があります。
「相手が使う言葉に寄せる」の真髄、それは
相手の「慣れ」を利用する
です。
例えば、そうですね。
ピヨ太君がピヨ太ママに「おにぎりが食べたい」と言ったとしましょう。

それに対して、ピヨ太ママが「晩ご飯は、おにぎりにするわ」と返しました。

おかしなところは、ありませんよね?
普通の会話です。
それでは今度は、どうでしょう。
ピヨ太君がピヨ太ママに「おにぎりが食べたい」と言いました。

それに対して、ピヨ太ママが「晩ご飯は、おむすびにするわ」と返しました。

「おにぎり」と「おむすび」は同じ物です。
ですから、ピヨ太ママは実質的に同じことを言っています。
でも、おそらく「おむすび」と言われたピヨ太君は一瞬「ん?おむすび?」と考えますよね。
想像ですが「ん?おむすび?あぁ、おにぎりのことか」となるはずです。

ピヨ太君の言葉に寄せて「おにぎり」と表現してあげれば、この「ん?おむすび?あぁ、おにぎりのことか」と考える負担をなくせます。
これが「相手が使う言葉に寄せる」の本質です。
相手が慣れている状況に寄せることで、相手が脳みそを使う機会を減らす
のが目的です。
当たり前ですが「慣れていること」と「慣れていないこと」であれば「慣れていること」の方が簡単ですよね。
だから、状況を、できるだけ相手の「慣れていること」に寄せてあげるのです。
そうやって相手の負担を少しでも減らします。
例えば「Null」という単語を「ヌル」と読むか「ナル」と読むか、あるいは「ping」を「ピング」と読むか「ピン」と読むか、こだわりがある人もいるでしょう。
(1対1で)説明するときは、そのこだわりを捨ててください。
「相手が言っている表現に合わせる」一択です。
それでは次に「応用編の応用」をご紹介します。
説明の媒体は、大雑把に分けると
1.音
2.文字
3.映像
の3つに分類できます。
「音」は、例えば声による説明です。
「文字」は文章です。
今あなたが見ているコラムも「文字」です。
「映像」は絵とか動画とかです。
正確には、動画は「音」と「映像」の複合ですけどね。
それを踏まえて、相手が「音」「文字」「映像」のどれに慣れているかによって、説明のやり方を変えるのです。
例えば、私が一番慣れているのは「文字」です。
本とかを読んで勉強するのは得意です。
それに対して「音」と「映像」には、あまり慣れていません。
YouTubeとかを見て勉強しても、あまり記憶に残りません。
一方で、私と真逆の人もいるでしょう。
「文字」を読んでもピンと来ないけど「音」とか「映像」で説明されると覚えられるタイプです。
そんな感じで、人によって媒体の得意・不得意があります……多分。
科学的な根拠は提示できないのですけどね。
私の経験則的には、そうです。
ですから、私は、説明するときの「音」「文字」「映像」の選択を相手に合わせて変えます。
できるだけ相手が慣れている媒体に寄せるのです。
……という話を聞いて「いや、どの媒体に相手が慣れているか分からないじゃん」と思う人もいるでしょう。
確かに、そうです。
おっしゃる通りです。
そこら辺は……頑張って観察して推理するしかないっすね。
例えば、読書好きであれば「文字」に慣れている可能性が高いでしょう。
YouTubeばっかり見ている人だったら「音」とか「映像」に慣れている可能性が高いんじゃないですかね。
マンガ家さんであれば「映像」と「文字」でしょうか。
出力が「マンガ」という「絵と文字」なので、少なくとも、その2つには慣れている可能性が高いです。
音楽の先生だったら、やっぱり「音」ですかね。
偏見かもしれませんが、音からイメージを作るのが上手そうな気がします。
技術書・ビジネス書の編集者さんだったら、断然「文字」でしょう。
もちろん例外は、あるでしょうけどね。
少なくとも、お仕事で、たくさんの「文字」を眺めているはずです。
あとは、相手が書いたメモ(とか説明をまとめたノート)なんかも参考にしますね。
例えば、こちらが説明した情報を、ひたすら箇条書きでメモっていたら「この人は『文字』タイプかな?」と想像します。
図とか絵も描いていたり、文字だけでもコッチからアッチに矢印を引くようなまとめ方をしていたら「この人は『映像』タイプかな?」と想像します。
そんな感じで、相手を取り巻く環境を観察して想像するわけです。
なお、媒体の話は、あくまで一例です。
他にも、あーだこーだと、いろいろな工夫ができます。
やることは
(言葉に限らず)できるだけ相手の慣れている環境に寄せてあげる
です。
そうすることで、相手の負担を減らせます。
ちなみに、最終的な理想は
相手が情報を処理するときの脳みその使い方(理解の仕方)を把握して、それに沿う形で説明してあげる
です。
私も、できませんけどね。
「自分は説明が大得意だぜ!」という人はチャレンジしてみてください。
今回ご紹介したノウハウを「相手を憑依させる」レベルで極めれば、できる気がします。
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その6:相手を憑依させる
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムで、ご紹介したノウハウは
相手の「慣れ」を利用する
です。
本で紹介した「相手が使う言葉に寄せる」というノウハウを深掘りしてみました。
蛇足かもしれないおまけ
私は『「分かった!」と思わせる説明の技術』を書くにあたって「軽く読んでも何かしら得られる、深く読み込めば多くのものを得られる」本を目指しました。
一番の対象読者は「説明が苦手な人」です。
その人たちの役に立つのは前提条件です。
だから「初級者向けの内容」にしています。
一方で「説明が得意な人」にも何かしら得てほしいと思っています。
そこで「上級者向けのエッセンス」を隠して入れ込みました。
具体的には
1.ノウハウ自体は初級者向け、そのノウハウに込められている思想は上級者向け
2.紹介したノウハウを、始めるのは簡単、極めるのは難しい
という形で、初級者向けと上級者向けを両立させています(いるつもりです)。
今回のコラムは、この「上級者向けのエッセンス」の解説です。
「上級者向けのエッセンス」の解説ネタは他にもあるので、気が向いたら解説しますね。
マンガとかで、たまに「基本技なんだけど、それを極めた結果、必殺技になっている」みたいなパターンがあるじゃないですか。
あれ系が結構、好きなのですよ。
本で紹介したノウハウは、ほとんどが基本技です。
その気になれば誰でもやれます。
でも、極めれば必殺技になります。
そんな二重構造になっている本です。
気が向いたら、私が本に込めた裏の意図も深読みしてみてください。
これは私から説明上級者に対する挑戦状です。
……なんちゃって(^^ゞ
「これで『自分は説明が得意だから、この本は必要ないな』とか思っている人も手に取ってくれないかなー」とか思っています。
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる【このページ】
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






