第百十四回:【わわわ説明術】「説明」がテーマのコラム3つ+1
今日は2025年9月1日です。『「分かった!」と思わせる説明の技術』の発売から丸3日経ちました。まだAmazonさんのレビューがないので「読んだ方に楽しんでいただけたかな?(--;」とドキドキしています(と言いつつ、ご自身のブログやnoteなどで感想を書いてくださっている方が結構いらっしゃって大喜びしています)が、売れ行き自体は好調……を超えて絶好調みたいです。これもひとえに、応援してくださっている、たくさんの方々のお陰です。本当にありがとうございますm(__)mそんな近況報告をしたところで今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百十四回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
「説明」がテーマのコラム3つ+1
です。
上の方でも書きましたが、私が頑張って書いた『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』が8月29日に発売されました。
どれくらい頑張って書いたかというと「あっ、ゴメン。ページ数が全然足りないっすわ(^^;ゞ」となるくらい頑張りました。
そもそも本を書いたきっかけが、わわわIT用語辞典に載っているコラムを気に入ってくださった編集者さんが「本を書きませんか?」と声をかけてくださったからなのですね。
だから、企画段階では章の最後とかにコラムを載せる予定で話が進んでいました。
ところがどっこい、私が本文をたくさん書き過ぎちゃったのです。
どれくらい書き過ぎたかというと、目次とかも込みで256ページ予定なのに本文だけ(コラムなし)で300ページになっていたくらいです。
コラム、絶対に入らないっすね(ノ∀`)
ということで、コラムは泣く泣く全カットになりました。
そんな経緯でお蔵入りしたコラムですが、せっかく書いたのだから読んでもらいたい(つд`)・°・。
そのように思ったので、こっちのコラムで公開することにしました。
なお、今回公開するコラムは原稿段階でボツになったものです。
そのため、推敲とかは、あまりしていません。
文章としての完成度は本より落ちますが、ご容赦くださいませ。
あと、やっぱり今回も宣伝を兼ねているので、今回のコラムで言いたいことは
『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』が発売中ですよ!(人´∀`)
です。
以上が前置きです。
それでは、本に入りきらなかった「説明」をテーマにしたコラムを3つ、お楽しみください。
木を渡す
説明というのは木を渡す行為です。
そのように言われたら、あなたはどう思いますか?
「こいつ、頭がおかしくなったか?」と思うでしょうか。
説明で渡すのは木ではありません。
情報です。
それが事実ですが、私は説明で渡す情報を「木」のイメージで捉えています。
それが冒頭の「説明というのは木を渡す行為」の真意です。
説明で伝える情報は
1.絶対に伝えないといけない情報
2.できれば伝えておきたい情報
の2つに分けられます。
このうち「1.絶対に伝えないといけない情報」が木の幹に相当する情報です。
「2.できれば伝えておきたい情報」が枝葉の部分に相当します。
私が誰かに何かを説明するとき、まずは幹に相当する情報を用意します。
「絶対に伝えないといけない情報は、どれか?」を考えるのです。
絶対に伝えないといけない情報が複数ある場合は、それぞれを別の木と捉えます。
幹となるべき情報が2つあった場合は、2本の木をイメージするわけです。
幹が用意できたら、そこに枝葉を足します。
「2.できれば伝えておきたい情報」を見繕って、幹にくっつけていきます。
これで幹と枝葉が揃いました。
木としては完成しています。
ですが、まだ終わりでは、ありません。
最後に飾り付けをします。
伝える際の態度や言葉選びなどを考える作業です。
この飾り付けによって印象が変わります。
例えば「私はお腹が空いている。ケーキを買ってきてほしいと思っている」と説明したとしましょう。
木の幹に相当する情報は「ケーキを買ってきてほしいと思っている」です。
この情報が伝わらないと説明する意味がありません。
「私はお腹が空いている」の部分は、ケーキを買ってきてほしい理由です。
この情報がなくても説明自体は成立します。
とはいえ、理由くらいは説明しないと買ってきてもらえなさそうですよね。
そこで、枝葉の情報として「私はお腹が空いている」をくっつけました。
最後は飾り付けです。
「我、空腹なり!ケーキを所望する!」と伝えるか「私、お腹がペコペコなの。ケーキを買ってきていただけないかしら?」と伝えるかで大分印象が変わります。
どのように伝えるか考え、結局シンプルに「私はお腹が空いている。ケーキを買ってきてほしいと思っている」と説明することにしました。
これが、私が説明するときにイメージしていることです。
1.幹となる情報を用意する
2.枝葉となる情報をくっつける
3.飾り付けをする
という段階を踏んで、説明する内容をまとめます。
「木」を作るときに考えることは、たくさんあります。
「どのような幹を用意するか?」「どのような枝葉を、どのくらいの量くっつけるか?」「どのような飾り付けをするか?」などです。
これらを考えるときは「渡した木を相手は何に使うのか?」を起点として考えます。
お家の柱に使うのであれば枝葉は邪魔です。飾り付けも必要ありません。幹の部分だけをドーンと渡せば事足ります。
クリスマスツリーに使うのであれば、枝葉をたくさんくっつけて、飾り付けも豪華にした方が相手は喜ぶでしょう。
「どんな用途に使うのかな?」から逆算して、どんな「木」を用意するか考えます。
これが、説明で渡す情報を「木」のイメージで捉えるやり方です。
それでは最後に質問です。
説明というのは木を渡す行為です。
そのように言われたら、あなたはどう思いますか?
注釈について考える
文章による説明において、たまに登場するのが注釈です。
今回は、この注釈について考えてみます。
注釈は補足説明です。
説明に注釈を付ける目的は
1.説明の対象を広げるため
2.サービス
3.騙すため
の3つあります。
まずは「1.説明の対象を広げるため」について説明します。
例えば、以下のような注釈付きの文章があったとしましょう。
苺ショートケーキは苺が乗ったショートケーキ(※)だ
※ショートケーキはケーキの一種である
説明の本文は「苺ショートケーキは苺が乗ったショートケーキだ」です。
この説明は「ショートケーキ」の意味を知っている人向けに書かれています。
ただし、できれば「ショートケーキ」の意味を知らない人にも伝わってほしいです。
そこで「ショートケーキはケーキの一種である」という注釈を付けています。
本来「ショートケーキ」の意味を知っている人向けの説明ですが、説明の対象を広げるために注釈を付けているわけです。
ここまで読んでくださって「注釈が付いているのだから、最初から『ショートケーキ』の意味を知らない人向けに説明しているんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
最初から「ショートケーキ」の意味を知らない人に向けて説明しているのであれば、この説明は少し不親切です。
「ショートケーキはケーキの一種である。苺ショートケーキは苺が乗ったショートケーキだ」のように、注釈ではなく本文内で説明してあげた方が親切でしょう。
注釈は、あくまで補足です。
次に「2.サービス」について説明します。
これは、ちょっとした豆知識だったり、余談だったりを注釈で提示する形です。
例えば、以下のような注釈付きの文章があったとしましょう。
苺ショートケーキは苺が乗ったショートケーキ(※)だ
※ショートケーキの「ショート」は「短い」ではない
この説明において、注釈の内容は説明に無関係です。
ただの雑学です。
そんな豆知識的な内容が、注釈という形で載っている場合があります。
最後に「3.騙すため」です。
これは契約書などで登場します。
注釈は補足説明です。
説明を受ける側もそのように考えて、注釈をきちんと読まなかったりします。
その心理を利用して、重要な情報を注釈として書いておくのです。
例えば、以下のような注釈付きの文章があったとしましょう。
苺ショートケーキは苺が乗ったショートケーキ(※)だ
※あなたは私にケーキを10個ご馳走する必要がある
さすがにここまで露骨だと分かるでしょうが、うっかり見逃したら大変です。
苺ショートケーキの説明を読んでいたはずが、私にケーキをご馳走することになってしまいます。
あなたが説明する側であれば、注釈は「1.説明の対象を広げるため」か「2.サービス」の目的で付けるようにしてあげてください。
あなたが説明を受ける側であれば「3.騙すため」に気を付けてください。
注釈は使い方次第でいろいろな役割を果たします。
名前を付けよう
専門用語は名前です。
私は自分オリジナルの名前を付けるのが好きです。
例えば、本書(本に載せる想定だったので「本書」という言い方になっています)は「専門家」が「専門家ではない人」に対して説明する状況を想定して書きました。
そのときに悩んだのが「専門家ではない人」の呼び名です。
「専門家ではない人」「専門外の人」「一般人」「ど素人」「前提知識がない人」など、いろいろな候補が挙がりましたが、どれも一長一短があります。
考えるのが面倒くさくなった私は、一旦「NOT専門家」と表現することにしました。
「その分野の専門知識を持っていない」という属性を持つ人に対して「NOT専門家」という名前を付けたのです。
これで「専門家ではない人」の呼び名で悩むのを先延ばしにできました。
後で悩むことにはなりますが、ひとまず原稿を書き進められます。
名前を付けることで特定の事象を一言で表現できるようになります。
これは便利です。
名前を知っている人に対しては「その分野の専門知識を持っていない人」のような説明をしなくても「NOT専門家」の一言で意味が通じるからです。
「単純化して考えられる」という理由から、よく私はオリジナルの名前を作ります。
本書でも「どのように説明するか考えるときは、一旦、極限まで単純化して考える」という行為に対して「『一言で説明すると?』作戦」という名前を付けました。
「『ことができる』という表現を削れないか考える」という行為に対して「『ことができる』撲滅運動」という名前を付けています。
名前は便利です。
ただし、注意点があります。
それは「名前の意味を知らない人には通じない」ことです。
「NOT専門家」という名前が通用するのは、相手が「その分野の専門知識を持っていない人を『NOT専門家』と呼ぶことにした」と知っている場合のみです。
名前の意味を知らない人には通じません。
当たり前ですよね。
当たり前の話です。
名前は、特定の事象を一言で言い表します。
名前は、その意味を知らない人には通じません。
これって何かに似ていると思いませんか?
そうです。
専門用語です。
専門用語は、特定の事象を一言で言い表します。
専門用語は、その意味を知らない人には通じません。
名前と同じです。
あなたが専門家の道を歩むのであれば、専門用語は覚えた方が得です。
先人が付けてくれた名前を使うことで、単純化して考えられるからです。
どんどん覚えましょう。
どんどん使いましょう。
自分でオリジナルの専門用語を作ってしまうのもアリかもしれません。
ただし、それが通用するのは仲間内だけです。
業界の外にいる人には通じません。
もしも私が、自分で考えたオリジナルの名前を多用して「他人のケーキMAX幸福スポットを奪うことは苺強奪罪に相当する」などと言い出したら「何を言っているんだ?こいつ」と思いますよね。
NOT専門家に対する専門用語を多用した説明は、それと同じです。
自分のために、名前を付けましょう。
先人が付けてくれた名前を活用しましょう。
それが、あなたの理解を助けてくれます。
他人のために、一旦、立ち止まりましょう。
その名前が通用するか考えてみましょう。
それが、あなたの説明を分かりやすくします。
ちなみに「他人のケーキMAX幸福スポットを食べることは苺強奪罪に相当する」は「他人の『ケーキの最初の一口』を奪うことは『苺ショートケーキの上に乗っている苺を奪うくらいひどいこと』に相当する」という意味です。
まとめ
今回は
「説明」がテーマのコラム3つ+1
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムの結論は
『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』が発売中ですよ!(人´∀`)
です。
はい、力いっぱい本の宣伝のために書きました。
……というのも本当ですが、本音は「せっかく頑張って書いたコラムを、お蔵入りにしたくない!(>へ<)」というのが動機です。
リサイクル万歳!\(--)/
おまけ
「あれ?タイトルに書いてある『+1』は?」と思った方もいるのではないでしょうか。
すでに『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』を読んでくださった方はご存じでしょうが、この本には読者特典が付いています。
翔泳社さんのホームページから「説明を題材としたミニコラム」を5つダウンロードできるのです。
ちなみに、編集者さんが頭を捻って「ミニコラム」という呼び名にしてくださいましたが、実際には、ちょっとした掛け合い漫才みたいなものです。
例えば、以下のような(雰囲気の)内容が載っています。
■本題までの道のり
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ちょっと聞いてくれるかしら?
うん。何?
いきなり本題に入る人がいるわよね。
うん。いるね。
あれって、どうかと思うのよ。
なんで?
興味ないやつがする話なんて聞く気にならないでしょ?
まぁ、確かに。
だから、まずは関係構築が先だと思うのよ。
ふむふむ。
そこら辺の手間を惜しんで「さぁ!私の話を聞け!」と言うのは少し乱暴じゃない?
なるほどねー。
あなたも覚えておいた方が良いわよ。
分かった。肝に銘じておく。
それじゃあ……。
うん?
そろそろ本題に入るわね。
まだ入ってなかったの!?
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※これは今回のコラム用に書き下ろしたやつなので、読者特典には含まれていません。
読者特典をダウンロードするにはSHOEISHA iD(翔泳社さんが運営する無料の会員制度)への会員登録が必要なので、ちょっと面倒くさいかもしれませんけどね。
気が向いたら、読んでやってください(--)ノ
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






