第百四十九回:【わわわ説明術】応用編その23:質問に答える
今日は2026年7月16日です。ここ最近、我ながら頑張っています。何故かと言うと、8月は遊び呆ける予定だからです。まずは友人の息子さんに誕生日祝いとして、ちょっとお高めのご飯(お肉)をご馳走して、その後は20年来の飲み友達と美味しいお酒を飲んで、その後は高校時代から付き合いのある親友のところ(そこそこ遠方)に遊びに行って、お酒を飲んで……みたいな感じで予定がテンコ盛りなのです。うん、8月は、お仕事することを諦めた。ということで、その分の穴埋めをするために7月は頑張っています。そろそろ力尽きそうだけど。そんな近況報告をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百四十九回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その23:質問に答える
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
わわわ説明術コラムは『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』の販促コラムという位置付けです……が、ネタ切れしました。
「本の内容と絡めよう」というこだわりを捨てて、テーマが「説明」なら何でも良いことにして連載を続けています。
とはいえ、一応、販促コラムです。
たまに本の宣伝を挟むかもしれませんが、ご容赦ください。

ちなみに、今回のコラムで言いたいことは
当たり前だけど、相手に質問されて説明するときは、相手の質問に答えてあげようね。「相手が本当に知りたいのは何か?」を考えてあげると、さらに良いよ
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
説明の種類
突然ですが、説明には2種類あります。
それは
1.質問されたからする説明
2.質問されていないけどする説明
の2つです。
「1.質問されたからする説明」は「〇〇って何ですか?」とか聞かれて説明するときの説明です。
「2.質問されていないけどする説明」は、例えば新入社員に仕事のやり方を教えたりするのが該当します。
ちなみに余談ですが「〇〇には×種類ある」作戦はハッタリをかましたいときに結構使えます。
ぶっちゃけ、その気になれば分類って、いくらでも好きに作れるのですね。
例えば「説明」であれば
1.伝わる説明
2.伝わらない説明
のような分類や
1.声で伝える説明
2.声以外で伝える説明
のような分類、あるいは
1.面白い説明
2.面白くない説明
のような分類などなど、いくらでも生み出せます。
簡単なのは「△△なやつ」と「△△ではないやつ」に分けることです。
例えば、ケーキであれば「甘い」という要素がありますよね。
そうすると
1.甘いケーキ
2.甘くないケーキ
に分類できます。
値段に注目して
1.高いケーキ
2.高くないケーキ
や
1.安いケーキ
2.安くないケーキ
と分類したりもできます。
やりたい放題です。
ところがどっこい、ですね。
「〇〇には×種類ある」とか前置きすると「〇〇について研究している人」感が出ます。
「〇〇について、きっと深く考えている人なんだろう」と勘違いされやすくなります。
お手軽にハッタリをかませるのでオススメです。
話を戻して、説明には2種類あります。
それは
1.質問されたからする説明
2.質問されていないけどする説明
の2つです。
それを前提として、今回は
1.質問されたからする説明
における話をします。
質問に答えろや
「質問されたからする説明」において、絶対にやらないとダメなことがあります。
それは
質問に答える
ことです。
「そんなの当たり前じゃん」と思うでしょう。
じゃあ聞きます。
あなたは質問されたとき、質問に答えていますか?
例えば「サーバって何ですか?」と質問されたとしましょう。
あなたはサーバについて説明します。
このとき、普通に説明するのであれば
サーバはサービスを提供するコンピュータだよ
みたいな感じになるでしょう。
サービス精神旺盛な人であれば
サーバはサービスを提供するコンピュータだよ。Webサーバとかメールサーバのように、いろいろな種類があるよ
のように周辺知識も教えてあげるかもしれません。
一見すると問題ありませんよね。
「サーバって何ですか?」という質問に答えています。
はい、確かに問題ありません。
この説明は、特別な事情がない限り、良い説明です。
ただ、ですね。
中には以下のような説明をする人がいるのです。
サーバは、例えるなら、お店だね。とっても便利で、いろいろな種類があるんだ。例えば、Webサーバとかメールサーバは、みんなもホームページを見たりメールを送ったりするときに、お世話になっているよ
この説明はサーバについて説明しています。
ですが「サーバって何ですか?」という質問には答えていません。
甘々で採点すれば「例えるなら、お店だね」が質問の答えと言えないことはないかもしれませんけどね。
直接的な答えには、なっていません。
このような説明をする人は、おそらく脳内で
「サーバって何ですか?」という質問→サーバについて知りたいんだな→サーバについて説明してあげよう
のように変換されているのでしょう。
その結果、サーバについて説明はしているけど「サーバって何ですか?」という質問には答えていない状態になっています。
こうなると悲劇です。
聞き手は、その説明を聞く気になれません。
だって、知りたいことを教えてもらえていないのですから。
聞いても時間の無駄です。
「早く終わらねーかなー」と思うのが自然です。
一方、話し手はムカつきます。
「せっかく説明してやっているのだから、ちゃんと聞けよ!」と思います。
「おまえが教えてくれって頼んだんじゃねーか!」とも思うかもしれませんね。
悲しい結末です。
今回は話を分かりやすくするために極端な例を出しました。
実際には、もっと微妙なズレが発生していることが多いでしょう。
例えば(「説明」とは少し違いますが)「この作業の締め切り、いつですか?」という質問に対して「なるべく早く仕上げてよ」と返したりですね。
質問は「締め切りは、いつですか?」です。
質問に答えるのであれば、その答えには最低限「締め切りは〇〇だよ」が含まれている必要があります。
今回の例であれば、例えば「実は、締め切りは決めていないんだ。でも、なるべく早く仕上げてよ」のように返して、はじめて「質問に答えた」と言えます。
「この作業の締め切り、いつですか?」という質問に対して「なるべく早く仕上げてよ」と返すのは、厳密に考えたら話が噛み合っていません。
さらに厄介なことがあります。
それは
質問する側が質問したいことを質問しているとは限らない
ことです。
何を知りたいのか把握しようぜ
前の節で
質問する側が質問したいことを質問しているとは限らない
と書きました。
「どーゆーこと?」と思った人もいるでしょう。
言い方を変えます。
質問する側が自分の知りたいことを言語化できているとは限らない
です。
先ほどの例を思い出してください。
「サーバって何ですか?」という質問です。
先ほど、私は
一見すると問題ありませんよね。
「サーバって何ですか?」という質問に答えています。
はい、確かに問題ありません。
この説明は、特別な事情がない限り、良い説明です。
と書きました。
その伏線を回収します。
「サーバって何ですか?」という質問は、素直に受け止めれば「サーバとは何か知りたい」でしょう。
ですが、本当に知りたいのが「サーバとは何か?」とは限りません。
もしかしたら、上司に「サーバを買ってきて」と言われて「サーバ?鯖?何を買えば良いのだろう?」と思ったのかもしれません。
その場合、本当に知りたいこと(質問したいこと)は
「サーバを買ってきて」と言われたときに何を買ってくれば良いか?
です。
この場合の「サーバって何ですか?」という質問に対する最適な答えは「ずっと動かし続けても大丈夫なように調整された、性能の良いコンピュータだよ」かもしれません。
少なくとも「サービスを提供するコンピュータだよ」よりはマシです。
「サービスを提供するコンピュータだよ」と答えても聞き手は「な、なるほど……?(結局、何を買えば良いのだろう……)」となるでしょう。
ほとんどの質問は「知りたいから知りたい」では、ありません。
その先に本当の目的があります。
その「本当の目的」を把握すると、説明の精度が上がります。
質問されて説明するときは
「何で、この質問をしてきたんだ?こいつ」を考える
ように意識してみてください。
なんだったら、直接「何で知りたいの?それが分かると、より的確な説明ができると思うんだ。差し支えなければ教えてほしいな」と聞いちゃってもOKです。
「どうして、その質問をしたのか?」を把握した方が、把握していないよりも良い説明ができますよ。
ちなみに、わわわIT用語辞典では「何で知りたいの?」を訪問者の方に聞けません。
代わりにやっているのが「どうして、この用語の意味を調べているのかな?」を想像することです。
多くの場合、IT用語の意味を調べる動機は
1.お仕事とかで耳にしたから
2.資格取得とかのために勉強しているから
でしょう。
「1.お仕事とかで耳にしたから」な人の本当の目的は「用語の意味を知りたい」では、ありません。
「お仕事を滞りなく進めたい」なはずです。
であれば、教科書的な定義を説明するより実際の現場で使われるニュアンスを説明した方が、その人の役に立ちそうな気がします。
「2.資格取得とかのために勉強しているから」な人の目的も「用語の意味を知りたい」では、ありません。
「試験に合格したい」とか「知識を増やしたい」のはずです。
であれば、下手に悪あがきするよりも「わわわIT用語辞典じゃ君の役に立てないから、他のところで勉強して!」と促した方が親切な気がします。
そんな感じで
相手の目的を想像する
ことで「何で、この質問をしてきたんだ?こいつ」を考える代わりにしています。
わわわIT用語辞典を見に来てくださっているということは「この用語の意味は何ですか?」と私に質問しているのと一緒でしょ?
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その23:質問に答える
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムの結論は
当たり前だけど、相手に質問されて説明するときは、相手の質問に答えてあげようね。「相手が本当に知りたいのは何か?」を考えてあげると、さらに良いよ
です。
当たり前のことですけどね。
質問されたら、まずは
質問に答える
のが絶対条件です。
それに加えて、余裕があれば
「何で、この質問をしてきたんだ?こいつ」を考える
ように意識してみてください。
質問した「本当の目的」を把握すると、説明の精度が上がりますよ。
……ってな感じで締めたのですけどね。
見直していて気付いたのです。
本を宣伝するのを、すっかり忘れていました。
うっかり。
えーっと、今回のコラムで語ったことと似たようなことが本にも書いてあります。
ちょっと方向性は違うのですが「第2章 聞いてもらえないと始まらない」の中に
▼②聞き手が説明を聞く目的は何か?
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P52より引用
という項目があるのです。
気が向いたら、そっちも読んでやってください(--)ノ
一応、Amazonへのリンク。
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える【このページ】
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






