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第百四十三回:【わわわ説明術】応用編その19:たとえ話について語るよ(1)


今日は2026年6月17日です。6月14日に「目指せ!全知全能の神!(無理)」というコラムを書きました。3日ぶりのコラム更新です。コラムの更新自体は苦じゃないというか、テーマを決めてから書き始めるので比較的スムーズに書けるのですが、悩むのが冒頭の雑談パートです。ぶっちゃけ、ここに何を書くか考えるのが一番大変です。何を書いても差し支えないからこそ、何を書くか決まらない。そんな「自由による不自由」が発生しています。そんな感じで「書き出しのネタが思い浮かばない」の一言に凝縮できる話を長々と語ったところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある百四十三回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

【わわわ説明術】応用編その19:たとえ話について語るよ(1)

です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。

わわわ説明術コラムは『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』の販促コラムという位置付けです。
私は宣伝しかしない宣伝をするのが好きではないので、本を読んでいなくても(コラム単体でも)楽しめる内容になるように頑張っているつもりです。
……が、本音で言えば、コラムを読んでくださった方が「本には、どんなことが書いてあるのかな?」と気になって、うっかり本を買ってくれたら嬉しいなー、ぐへへへへ、と思っています。
そのため、本の内容と絡めて、できるだけ本を深掘りするようなことを書いてきました。

ですが、そろそろ限界です。

ネタ切れっ\(--)/

ということで、今回からは「本の内容と絡めよう」というこだわりを捨てます。
テーマが「説明」なら何でも良いことにします。

ちなみに『「分かった!」と思わせる説明の技術』の第6章のタイトルは

第6章 無理をすれば続かない、肩の力を抜いてみよう
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P195より引用

です。
私自身が有言実行すると共に、この引用をもって今回分の販促ノルマは達成したことにします。

なお、今回のコラムで言いたいことは

たとえ話が上手くなるには練習あるのみ。ただし、最初にやるのは「たとえ話を作る練習」ではなくて「物事を抽象化する練習」だよ

です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。


本に書かなかった理由


私は結構「たとえ話が上手い」と言われます。
よく言われるので、自分でも「まぁ上手い方なのだろう」と思っています。えっへん。

だから、本当は本にも書きたかったのですよ。
「たとえ話が上手くなる方法」とか、それ系のことを。
たとえ話に対する私の持論をメッチャ書きたかったです。

でも、書きませんでした。
理由は「お金をいただくに値することを書けなさそうだったから」です。

まず、たとえ話を作るときに私がやっていることって基本的に感覚依存なのですね。
「たとえ話を作る」より「たとえ話を思いつく」と表現した方が正確です。
「なんで思いつくの?」と言われたら「何となく!」としか言えません。
だから、体系だった形で言語化するのが難しいだろうと判断しました。

まぁ「体系だった形」にこだわらなければ言語化できますけどね。
言語化したらしたで、要因が個人依存だったりするのです。

私は1万語以上の用語説明を書きました。
単純計算で1万回以上たとえ話を考えています。
だから、たとえ話が上手いのです。

例えるなら「どうすれば、そんなに体力が付きますか?」という質問に対して「毎日10㎞走るのを10年続ければ付きます」と答えるようなものです。
質問した方は「それは、そうだろうけどさぁ。知りたいのは、そーゆーことじゃねーよ」となりますよね。
知りたいのは「〇〇なトレーニングを取り入れれば良い」とか「〇〇なときに××をすると効果が上がる」とかでしょう。
サクっとやってサクっと効果がある「裏技」が知りたいわけですよね。

そんな「裏技」を私は思いつけなかったのです。
書くとしたら「とにかく数をこなせ。そうすれば少しは上達する」みたいな内容になってしまいます。
情報としての価値が大してありません。

さらに、私なりの持論とか方法論はあるのですが、完全に経験則なのですね。
だから、書けることは「私は、そう思う。根拠はないけど」になります。
ビジネス書じゃなければ書いたかもしれませんけどね。
私のイメージするビジネス書に書くには説得力が足りないと判断しました。

そんな理由から『「分かった!」と思わせる説明の技術』では、たとえ話については、ほとんど語っていません。
……と見せかけて、ちょっとだけ語っています。

第5章のP179-P184に「たとえ話は劇薬である」という項目があったりするのです。
この項目では「たとえ話って、こんな構造だよね」な話をしています。
「裏技」とは違いますが、知っておくだけで参考になる内容が書けた気がしたのと、担当編集者さん(北澤さんと言います)が背中を押してくれたので載せました。

ただ、それ以外は載せていません。
さっきも言いましたが、お金をいただくに値することを書けなさそうだったからです。

前置きが長くなりましたが、そんな理由から本に載せなかったことを今回のコラムでは語ってみます。
理由は「お金をいただいていないから」です。
論理に多少の飛躍があったり、個人的な経験則を根拠にして語っていても、タダなんだから許してくだせぇ(--)ノ


たとえ話が上手くなる方法


今回語るのは、たとえ話が上手くなる方法です。
みんな知りたいでしょ?

実は、たとえ話が上手くなるには何段階かステップがあります。
ほんで、1段階目以外は、まだ言語化できていません。
ただ、1段階目は言語化できました。
それを、お伝えします。

まず前提として、たとえ話が上手くなるには

練習あるのみ

です。
ちょっと抽象的な言い方をしますが、脳みその中で概念同士を紐付けたネットワークを作ります。
そのネットワークが大きくなるほど、精密になるほど、たとえ話は上手くなります。
「〇〇と××は共通点がある」というのが直感的にピンと来るようになるからです。

そのネットワークを大きく、精密にするには、ひたすら概念同士を紐付けるしかありません。
この「概念同士を紐付ける」作業を「練習」と表現しています。
だから「練習あるのみ」と言いましたが、実際には

ひたすら「概念同士を紐付ける」をやるべし

ですね。

ほんでもって「概念同士を紐付ける」の前段階として「概念同士の共通点を見つける」があります。
共通点を持つ概念同士を紐付けるからです。

さらに「概念同士の共通点を見つける」の前段階として「概念の持つ『要素』を見つける」があります。
同じ要素を持つ概念が「共通点のある概念」だからです。

概念Aの持つ「要素」と概念Bの持つ「要素」が同じであれば「概念Aと概念Bには共通点がある」と言えるはずです。
例えば、苺ショートケーキには「苺」という要素があります。
苺大福にも「苺」という要素があります。
「苺ショートケーキと苺大福には(『苺』という)共通点がある」と言えますよね。

なので、最初に鍛えるべきは「概念の持つ『要素』を見つける」能力です。
そのためにやると良い(と個人的に思っている)のが

物事を抽象化する練習

です。

多分なんですけどね。
いきなり「たとえ話を作る練習」をしても上手くいきません。
「たとえ話を作る」には複合的な能力が必要だからです。
その「複合的な能力」のひとつである「例える物事の本質を捉える(≒概念の持つ『要素』を見つける)」能力の強化に「物事を抽象化する練習」が良いのです……多分。

これが理屈の話です。
科学的な根拠とかは提示できませんけどね。
私は、そう思っています。

それでは次に「物事を抽象化する練習」のやり方ですが、これは簡単です。
その物事の特徴なり何なりを、ひたすら列挙するだけです。

例えば、お題が「苺ショートケーキ」だったとしましょう。
私は苺ショートケーキの持つ要素として以下を思いつきました。

1.ケーキ
2.苺
3.苺がのったケーキ
4.クリーム
5.スポンジ
6.食べ物
7.赤と白と薄い黄色
8.甘い
9.生もの
10.冷蔵保存
11.円柱型(切る前)
12.三角形(切った後)
13.柔らかい
14.ケーキ屋さん
15.パティシエ
16.お祝い事
17.洋風
18.おやつ
19.ティータイム
20.フォークで食べる
21.コーヒーと合わせる
22.紅茶と合わせる
23.幸せ
24.太る
25.定番
26.(クリームと苺とスポンジの)層
27.崩れる
28.フィルムをぺろぺろ
29.手づかみはワイルド
30.握ると簡単に潰れる
31.持ち運びが大変(箱を傾けないように維持するのが)
32.ピヨ子さんの好物(ピヨ太君の好物でもある)
33.漢字+カタカナ
34.8文字(漢字+カタカナ)
35.10文字(全部ひらがなの場合)


この中で「7.赤と白と薄い黄色」に注目してください。
これは苺の赤とクリームの白とスポンジの薄い黄色を指しています。

でも、純粋に「赤と白と薄い黄色」に注目したら、どうでしょう。
他にも同じようなものが、ありそうな気がしませんか?

例えば、サンタクロースです。
サンタクロースの服は赤と白です。
肌の色は肌色のことが多いですが、まぁ「薄い黄色」と捉えても良いでしょう。

苺ショートケーキとサンタクロースに共通点が見つかりましたね。

もしも私が「苺ショートケーキって、ケーキ界のサンタクロースだよね」と言ったら、あなたは、どう思います?
「まぁ、言わんとしていることは分かる」となるのでは、ないでしょうか。

あるいは「30.握ると簡単に潰れる」に注目してみましょう。
「赤子の手をひねる」に代わる、ことわざとして「苺ショートケーキを握り潰す」とか使えそうじゃないですか?
「こんな簡単な問題を解くのなんて、苺ショートケーキを握り潰すようなものだ」みたいなアホなことを言えちゃいます。

今回、私は「苺ショートケーキ」の要素を35個挙げました。
「苺ショートケーキ」という具体に対して35通りの抽象化をやったわけです。
これが100個だったら?200個だったら?もっと多彩な、たとえ話を作れそうな気がしませんか?

もちろん、それさえやれば確実に上手くなるというものでもありませんけどね。
1つの物事から拾える要素が多いほど、たとえ話の種も多くなります。
気が向いたら

物事を抽象化する練習

をやってみてください。
たとえ話を作る基礎体力が鍛えられるはずです。


まとめ


今回は

【わわわ説明術】応用編その19:たとえ話について語るよ(1)

というテーマで好き勝手に語ってみました。

今回のコラムの結論は

たとえ話が上手くなるには練習あるのみ。ただし、最初にやるのは「たとえ話を作る練習」ではなくて「物事を抽象化する練習」だよ

です。

たとえ話が上手くなるには

脳みその中で概念同士を紐付けたネットワークを作る

必要があります。
このネットワークが大きくなるほど、精密になるほど、たとえ話は上手くなります。

よって

ひたすら「概念同士を紐付ける」をやるべし

です。

ただし「概念同士を紐付ける」の前段階として「概念同士の共通点を見つける」があります。
「概念同士の共通点を見つける」の前段階として「概念の持つ『要素』を見つける」があります。

そのため、最初に鍛えるべきは

「概念の持つ『要素』を見つける」能力

です。
その能力の鍛え方として

物事を抽象化する練習

をオススメします。

一見すると遠回りに感じるかもしれませんけどね。
個人的には、かなり効果があると思っています。
気が向いたら、やってみてください。


【わわわ説明術】応用編シリーズ


応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)【このページ】
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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