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第百三十四回:【わわわ説明術】応用編その12:サンクコストを無視する


今日は2026年4月30日です。ゴールデンウィークに突入した人も多いでしょうか。私は例年、ゴールデンウィーク期間中はパソコンぺちぺちをメッチャ頑張ります。「みんなが遊びほうけている間に頑張る自分、かっけー」という気分になれるからです。ゴールデンウィーク期間が終わったら、のんびりバカンスします。「みんなが働いている中で遊ぶの、サイコー」という気分になれるからです。うん、基本的に天邪鬼なんですよ。すんません。そんな与太話をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある百三十四回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

【わわわ説明術】応用編その12:サンクコストを無視する

です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。

去年『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』という本を出版させていただいたのですね。
その本の「はじめに」で、うんちゃらかんちゃら。
その1で書いた内容の繰り返しになるので、やめておきます。
気になる方は「【わわわ説明術】応用編その1:1文字削るな」を、ご覧ください。

コラムの体裁を取っていますが、今回は(も)私の「説明の技術」のご紹介です。
今回ご紹介するノウハウは

解釈を増やして、絶対に損しないように設計する

です。

ぶっちゃけ、今回ご紹介するノウハウは説明と関係ありません。
でも本の中で紹介している内容なのでセーフということにします。
使いこなせると人生が楽になりますしね。


言葉の定義


最初に認識を合わせておきましょう。
今回のコラムでは「サンクコスト」という単語と「リフレーミング」という単語が出てきます。
どちらもカタカナ語で難しそうに見えますね。おえー。

でも、中身は難しくありません。

サンクコストは「もったいない病ですよ」コストです。
もうちょっと辞書的な定義に寄せると「すでに投入しちゃって、そこで中止しても戻ってこない、意思決定に含めるべきではないコスト」です。

例えば、そうですね。

ピヨ太君が「わわわIT用語辞典」というホームページを作り始めました。


コラム135_1

メッチャ頑張りました。
1日10時間とか時間をつぎ込みました。


コラム135_2

でも、鳴かず飛ばずでした。
1年近く頑張ったのに誰も見てくれません。
おそらく、これ以上続けても見てくれる人は増えないでしょう。
広告収入も雀の涙です。


コラム135_3

でも、ピヨ太君は続けます。
「ここまで頑張ったのに、もったいない」と思っているからです。


コラム135_4

冷静に考えれば、さっさと止めるのが正解でしょう。
続けても、見てくれる人は増えません。
広告収入も増えません。
さっさと止めて他のことに時間を回すのが正解です。

でも、ピヨ太君は続けます。
1日10時間以上の時間を1年間も費やしているからです。
ここで止めたら、わわわIT用語辞典に費やした「1日10時間以上を1年間」が無駄になってしまいます。

この話における「1日10時間以上を1年間」がサンクコストです。
わわわIT用語辞典の更新を止めても戻ってこない時間(コスト)ですよね?

合理的に考えたら、サンクコストは無視するのが正解です。
だって、続けても止めても戻ってこないのですから。
続けるより止めた方が良い結果になりそうであれば止めた方が良いでしょう。

でも、人間は、そこまで単純ではありません。
「止めちゃったら、ここまでの頑張りが無駄になるな~」とか考えて、止められなかったりします。
このような「(ここまで頑張ったのに)もったいない病にかかって、止めた方が良いのにダラダラ続けちゃう現象」を「サンクコスト効果」と言ったりします。
気が向いたら、併せて覚えてあげてください。

次に行きましょう。

リフレーミングは「(ポジティブな方向に)解釈を変えること」です。

例えば、そうですね。

ここに水が半分入ったコップがありました。


コラム135_5

これを見てピヨ太君が「もう半分しか水がないなぁ」と言いました。


コラム135_6

そこにピヨ子さんがやってきて言いました。
「まだ半分も水が入っているわね」と。


コラム135_7

ピヨ太君は「なるほど。確かに」と思いました。


コラム135_8

あるいは、そうですね。

ピヨ太君とピヨ子さんがパンを買いに来ました。
ところがどっこい、ちょうど売り切れでした。
今焼いている最中で15分くらい待たなくてはいけないようです。


コラム135_9

ピヨ太君は「15分も待たなくちゃいけないのかー。残念だな」と言いました。


コラム135_10

それに対して、ピヨ子さんが言いました。
「焼き立てを食べられるのよ?最高じゃない!」と。


コラム135_11

ピヨ太君は「なるほど。確かに」と思いました。


コラム135_12

この話においてピヨ子さんがやったのがリフレーミングです。
状況は何も変わっていませんが、解釈を変えることで、悲しい状況を嬉しい状況にしちゃいましたよね。

以上が用語の定義です。

人によっては違う解釈をするかもしれませんけどね。
今回のコラムでは、そのような解釈で「サンクコスト」という単語と「リフレーミング」という単語を使います。


本に書いたこと


『「分かった!」と思わせる説明の技術』の第5章に「相手のために準備を捨てる」という節があります。
ちなみに、P150から始まる内容です。

できれば引用したいのですが、節の内容が丸ごと全部今回の話と関係があるので諦めます。
興味がある方は本でチェックしてみてください。
一応、冒頭にある1行要約だけ引用しておくと

この節では「準備を活かすのが目的ではないよ」という話をします。
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P150より引用

という内容になっています。

今回は、この「相手のために準備を捨てる」を深掘りします。


本に書いていないこと


『「分かった!」と思わせる説明の技術』の第5章で「相手のために準備を捨てる」という節を書きました。
勘の良い方は気付いたかもしれませんが、この節で紹介したノウハウの使いどころは説明に限定されません。

言っていることは「準備は手段。手段の目的化を止めよう」です。
説明以外のシーンでも使えると思いませんか?

この節で紹介……はしていないのですが、この節に盛り込んであるノウハウは

リフレーミングしてサンクコストを無視できる状態にする

です。
本で紹介した「相手のために準備を捨てる」は、このノウハウの実践例だったりします。

具体的なやり方は

始めた時点で「成功!」と言える解釈を、あらかじめ用意しておく

です。
始めた時点で「よし!目的達成!」になっちゃえば「もったいない」病は発症しませんよね。
何がどうなっても損しないように(何らかの利益を得られるように)最初に設計しておくのです。

例えば、私は、わわわIT用語辞典を運営しています。
わわわIT用語辞典を始める時点で、運営目的のひとつに「勉強した内容のアウトプット」を用意しました。

用語説明を書くために、用語の意味を調べます。
勉強です。

勉強した内容を自分なりに咀嚼して説明を書きます。
勉強です。

これだけでも、やる価値があると思いませんか?

もし、誰からも見てもらえなかったとしても、勉強の場になっている時点で、やる価値はあります。
そのような解釈を加えていたお陰で、1日のアクセス数が10もいかないような時期(実は結構、長かったりします)も心が折れずに続けられました。

商業出版も、そうです。
商業出版をやらせていただくにあたって、最初に私は「出版業界の社会科見学(大人のキッ〇ニア体験)」という解釈を用意しました。
この解釈を用意しておけば、たとえ本が売れなくても、何かひどい目に遭ったとしても、有意義だろうと考えたからです。
「良い経験したなぁ」とか「おぉ、これは知らなかったぞ。新しい発見だ」とかがあれば「やって良かった」になりますからね。
だから、今回の出版において、私は「本を書く」という行為に限定せず、出版業界のあらゆるものを興味津々で眺めていました。

この【わわわ説明術】コラムも、そうです。
本の販促が主目的ですが「わわわIT用語辞典の賑やかし」という解釈も加えています。
だから仮に、このコラムに本の販促効果がなかったとしても、投入した時間は無駄になりません。
わわわIT用語辞典のコンテンツは増えているからです。

私は、しょぼしょぼ自営業なのですね。
個人なので、手持ちのリソースが多くありません。
「あー、失敗しちゃったねー。投入したリソースが無駄になったけど、ドンマイ」で済ませる余裕はないのです。
だから、投入したリソースが無駄になる可能性のあるところには投入しません。
投入したリソースは必ず利益につなげます。

まぁ、現実問題、そんなに上手くはいかないですけどね(^^ゞ
それぐらいの心持ちで活動しています。

ただし「失敗するかもしれないから止めておこう」が増えたら本末転倒です。
そこで

解釈を増やして、絶対に損しないように設計する

ことを心掛けています。
例えば

1.始めた時点で、こんな利益を得られる
2.続けると、こんな利益を得られる
3.成功したら、こんな利益を得られる
4.失敗したら、こんな利益を得られる


のようなことを無理やり捻くりだしてでも用意しておくのです。

そうすることで、思い込みですが「損しない人生」を送れています。


まとめ


今回は

【わわわ説明術】応用編その12:サンクコストを無視する

というテーマで好き勝手に語ってみました。

今回のコラムで、ご紹介したノウハウは

解釈を増やして、絶対に損しないように設計する

です。
本で紹介した「相手のために準備を捨てる」というノウハウを深掘りしてみました。

本で紹介したノウハウは、私が普段から意識している

リフレーミングしてサンクコストを無視できる状態にする

の実践例です。
このノウハウは説明以外のシーンでも使えます。
気が向いたら、やってみてください。


【わわわ説明術】応用編シリーズ


応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する【このページ】
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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