第百五十一回:【わわわ説明術】応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
今日は2026年7月30日です。実は最近『東亰ザナドゥ eX+』というゲームをやっています……が、まだクリアしていないのに『カルドセプト ビギンズ』というゲームを始めてしまいました。今はマルチタスク(タスクか?)で頑張っています。そんな近況報告をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百五十一回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
わわわ説明術コラムは『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』の販促コラムという位置付けです……が、ネタ切れしました。
「本の内容と絡めよう」というこだわりを捨てて、テーマが「説明」なら何でも良いことにして連載を続けています。
とはいえ、一応、販促コラムです。
たまに本の宣伝を挟むかもしれませんが、ご容赦ください。

今回は手抜k……小ネタです。
そんでもって、久しぶりのノウハウ紹介だったりします。
今回ご紹介するノウハウは
補足の入れ方で想定読者を伝える
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
言葉の定義
最初に認識を合わせておきましょう。
今回のコラムでは「想定読者」という単語が出てきます。
今回のコラムでは「想定読者」という単語を
どんな人に読んでもらうつもりで書いたか?
という意図で使います。
例えば「想定読者が小学生」であれば「小学生に読んでもらうつもりで書いたよ」です。
「想定読者がIT初心者」であれば「IT初心者に読んでもらうつもりで書いたよ」になります。
さらに、便宜上「読んでもらう」と書きましたが「聞いてもらう」とかも含むと思ってください。
私は文章で説明することが多いので「読者」という言い方をしますけどね。
意図するところは「説明の対象者(として想定している人)」です。
補足の入れ方に意図を込める
それでは本題に入ります。
今回ご紹介するノウハウは
補足の入れ方で想定読者を伝える
です。
これは、言葉でゴチャゴチャ説明するより、例を見ていただいた方が分かりやすいと思います。
例えば、そうですね。
以下の4つの文章を見比べてみてください。
1.補足なし
カレーは辛い。
2.補足が注釈
カレー(※)は辛い。
※インド発祥の辛い料理
3.補足がカッコ書き
カレー(インド発祥の辛い料理)は辛い。
4.補足ではなく予備知識として提示
カレーはインド発祥の辛い料理である。カレーは辛い。
この4つの文章は、それぞれ想定読者が違います。
「1.補足なし」は「カレー」の意味を知っている人が想定読者です。
「カレー」が何か説明していませんよね。
このような書き方は、筆者から読者に対して「当然『カレー』が何か知っているよね?カレーが何か、わざわざ説明しなくても良いよね?」というメッセージが発信されています。
「2.補足が注釈」も基本的には「カレー」の意味を知っている人が想定読者です。
ただし、カレーが何か知らない人もフォローするために注釈が入っています。
このような書き方は「多分『カレー』が何か知っていると思うんだけど、知らない人がいるかもしれないから欄外で補足しておくね」というメッセージになっています。
「3.補足がカッコ書き」は(「カレー」の意味を知っている人はもちろん)「カレー」の意味を知らない人も想定読者に入っています。
カッコ書きとはいえ、わざわざ本文内で言及していますからね。
このような書き方は「『カレー』が何か知らない人も置いていかないからね」というメッセージになっています。
「4.補足ではなく予備知識として提示」は「カレー」の意味を知らない人が想定読者です。
わざわざ本文内で説明していますからね。
このような書き方は「君は『カレー』が何か知らないよね?」というメッセージになっています。
例えば「カレー」が何か知らない人が「1.補足なし」を読んだら、どうなるでしょう。
多分「あぁ、これは自分に向けて書かれていないな(読んでも理解できなさそうだな)」と感じますよね。
補足を入れるか入れないか。
入れるとしたら、どのような形で入れるか。
情報の出し方によって
読者側に想定読者が伝わる
のです。
これが初心者向け解説では意外に重要だったりします。
ウェルカム、初心者
私は『「分かった!」と思わせる説明の技術』の中で以下のように書きました。
"わわわIT用語辞典"では、その用語の説明で出てくる専門用語(予備知識)の意味を先に説明しています。
理由はいくつかありますが、そのひとつが「分かった」を積み重ねてもらうためです。
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P123より引用
「理由はいくつかあります」の「理由」のひとつが、今回のコラムで取り上げた
補足の入れ方で想定読者を伝える
なのです。
わわわIT用語辞典では、多くの人が「そんなの説明されなくても知ってるよ!」であろう予備知識もチマチマ解説しています。
例えば「引数」という用語の説明では「関数」の意味から説明しています。
ぶっちゃけ「引数」の意味を調べている人で「関数」が何か知らない人は少数派でしょう。
「引数」という用語はプログラミングをしていると出てくる用語なのですけどね。
「引数」と「関数」では、まず間違いなく「関数」の方が先に出てくる概念です。
「引数」の意味を調べている時点で「関数」は見聞きしているはずです。
それでも「関数」の意味から説明しているのは「ようこそ!君は『関数』の意味も知らない初心者かな?それでも大丈夫だよ。このページの説明は『関数』が何か知らない君でも読めるように(想定して)書いてあるよ!」という意思表示のためです。
言い方を変えると
IT初心者の心理的な敷居を下げるため
に、わざわざ「関数」の意味から説明しています。
もしも、あなたが初心者向け……に限らずなのですが、初心者向けの説明を書いているなら試しにチェックしてみてください。
「初心者向け」のはずなのに「初心者が知らないであろう用語」を補足説明なしで使っていませんか?
初心者向けか否かを決めるのは「平坦な言葉づかい」とか「たとえ話の多さ」では、ありません。
それらも初心者の「自分でも分かるかな?」という不安を取り除く上では有用ですけどね。
本質は
どんな情報を提示して、どんな情報を提示しないか
です。
何をどこまで補足するか、あるいは補足しないかを考えてみてください。
補足の有無や補足の入れ方で「これは君向けだよ!」「これは君向けじゃないよ!」なメッセージになります。
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムで、ご紹介したノウハウは
補足の入れ方で想定読者を伝える
です。
補足のない文章は「それを知っている人向け」です。
丁寧に補足している文章は「それを知らない人向け」です。
補足の入れ方で想定読者が伝わります。
細かい話ですけどね。
気が向いたら、意識してやってください。
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる【このページ】
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






