第百五十二回:【わわわ説明術】応用編その26:前提を決める
今日は2026年8月5日です。昨日の21時から今日の午前9時まで、わわわIT用語辞典のサーバが止まっていました。理由は「レンタルサーバ会社さんによるメンテナンス作業のため」です。これは仕方ないですね。うん、仕方ない。どーしよーもない。メールも使えないので、外部と連絡が取れません。これでは作業を進められませんね。うん、作業を進められない。作業を進められないのは仕方ない。どーしよーもない。ということで、昨晩は久しぶりに心置きなくゲームをやりました。楽しかったです。そんな近況報告をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある百五十二回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
【わわわ説明術】応用編その26:前提を決める
です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。
わわわ説明術コラムは『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』の販促コラムという位置付けです……が、ネタ切れしました。
「本の内容と絡めよう」というこだわりを捨てて、テーマが「説明」なら何でも良いことにして連載を続けています。
とはいえ、一応、販促コラムです。
たまに本の宣伝を挟むかもしれませんが、ご容赦ください。

今回のコラムは前回の続きです。
前回のコラムで
初心者向けか否かを決めるのは「平坦な言葉づかい」とか「たとえ話の多さ」では、ありません。
それらも初心者の「自分でも分かるかな?」という不安を取り除く上では有用ですけどね。
本質は
どんな情報を提示して、どんな情報を提示しないか
です。
何をどこまで補足するか、あるいは補足しないかを考えてみてください。
補足の有無や補足の入れ方で「これは君向けだよ!」「これは君向けじゃないよ!」なメッセージになります。
と書きました。
今回のコラムでは、その部分を深掘りしてみます。
ちなみに、今回のコラムで言いたいことは
すべての説明は、どこかに前提を置かざるを得ない。この「どこか」を、どこにするかで想定読者が変わるよ
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
言葉の定義
最初に認識を合わせておきましょう。
今回のコラムでは「想定読者」という単語が出てきます。
今回のコラムでは「想定読者」という単語を
どんな人に読んでもらうつもりで書いたか?
という意図で使います。
例えば「想定読者が小学生」であれば「小学生に読んでもらうつもりで書いたよ」です。
「想定読者がIT初心者」であれば「IT初心者に読んでもらうつもりで書いたよ」になります。
さらに、便宜上「読んでもらう」と書きましたが「聞いてもらう」とかも含むと思ってください。
私は文章で説明することが多いので「読者」という言い方をしますけどね。
意図するところは「説明の対象者(として想定している人)」です。
あと「前提」という単語も出てきます。
今回のコラムでは「前提」という単語を
「これくらいは知っている(あるいは、できる)よね?」という暗黙の了解
という意図で使います。
本来の意味から考えたら、少し狭い意味ですけどね。
今回のコラムで登場する「前提」は、そのようなニュアンスです。
前提のない説明はない
まず最初に、お伝えしておきます。
すべての説明には「前提」が置かれている
です。
ちなみに、説明のコラムだから「説明」と言ってみましたが、実際には「コミュニケーション」です。
すべてのコミュニケーションには「前提」が置かれています。
例えば、以下の説明を眺めてみてください。
カレーは辛い。
この説明には「『カレー』が何か知っているはず」という前提があります。
この説明の想定読者は「『カレー』が何か知っている人」です。
それでは、以下の説明は、どうでしょう。
カレーはインド発祥の辛い料理である。カレーは辛い。
この説明にも「『インド』『辛い』『料理』が何か知っているはず」という前提があります。
それでは仮に「『〇〇』が何か知っている」という前提が不要だったとしたら、どうでしょう。
例えば「カレー」という物や「辛い」という概念の存在を知っている人に以下の説明をした場合です。
カレーは辛い。
この場合も前提を置いています。
「日本語を知っているはず」という前提です。
さらに言えば「文字を読めるはず」のような前提も置いているはずです。
どんな説明をするときでも
何かしらの前提を置いて説明している
のです。
この「何かしらの前提」の置き方で想定読者が変わります。
前提の置き方で想定読者が変わる
前の節で
すべての説明には「前提」が置かれている
と言いました。
この前提の置き方で想定読者が変わります。
例えば「日本語で書く」のであれば、想定読者は「日本語が読める人」です。
「英語で書く」のであれば、想定読者は「英語が読める人」になります。
初心者向けか否かも、その延長線上にあります。
例えば、微分積分の解説記事があったとしましょう。
微分積分を習うのは確か高校生のときです(うろ覚え)。
普通に考えたら、微分積分の解説記事は高校生(以上)を対象とした説明です。
ですが、その解説記事では「足し算のやり方」から説明していました。
その場合、話が変わってきますよね。
その解説記事の想定読者は「足し算ができない人」のはずです。
この場合、この解説記事は「足し算ができない人に向けた微分積分の解説記事」と解釈するのが自然です。
かなり初心者向けっぽくないですか?
仮に、その知識を理解するまでに10段階の理解が必要だとしましょう。

前提が「読者は8段階くらいまでは理解しているよね」であれば、それは初心者向けの説明では、ありません。

前提が「読者は、せいぜい2段階くらいまでしか理解していないよね」であれば、それは初心者向けの説明です。

同じ物事を説明する場合でも、どこに前提を置いて、どれだけ初歩的なところから説明するかで、初心者向けか否かが変わるわけです。

ちなみに、先ほど
例えば「日本語で書く」のであれば、想定読者は「日本語が読める人」です。
と言いましたが、もし「日本語の読み方から解説している」としたら、その場合の想定読者は「日本語が読めない人」ですよね。
「これくらいは知っている(あるいは、できる)よね?」を、どこに設定するかで、想定読者は変わります。
それに伴い、情報の出し方が変わってきます。
気が向いたら、意識してみてください。
まとめ
今回は
【わわわ説明術】応用編その26:前提を決める
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムの結論は
すべての説明は、どこかに前提を置かざるを得ない。この「どこか」を、どこにするかで想定読者が変わるよ
です。
すべての説明(コミュニケーション)には「前提」が置かれています。
この「前提」の置き方で想定読者が変わります。
気が向いたら、自分が書いた説明を見直してみてください。
あなたの書いた説明、どこに「前提」を置いていますか?
次回予告
基本的には思い付きで書いている泥縄方式の「わわわ説明術コラム」ですが、たまーにフライングで「よし、次回は、これを書こう」と思い付くときがあります。
そんなときはメモっておいて1週間寝かせるのですが、今回は気分転換で次回予告してみようと思います。
次回、押忍!ばんt……こほんっ(-q-)
次回のコラムのタイトルは
予備知識は「薄める」
です。
お楽しみにっ(--)ノ
ちなみに、今回のコラムが前回のコラムの続きだったのは後付けです。
前回のコラムを読み直しているときに「あっ、この部分は、もうちょっと深掘りできるな。1回分のネタができたぜ。ぐへへへへ」と思い付きました。
【わわわ説明術】応用編シリーズ
応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める【このページ】
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






