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第百三十九回:【わわわ説明術】応用編その16:語らないで語る


今日は2026年5月28日です。月末処理を昨日やって、5月にやるべきことを全部やり終えました!ということで、ここからはボーナスタイムです。『龍が如く7外伝 名を消した男』をやります。……と思ったのですが、2026年分のITパスポート試験の過去問解説も書かないとなぁ(--ゞまぁ、1日くらいなら許されますよね。明日は『龍が如く7外伝 名を消した男』をやりまっす!そんな感じの決意表明をしたところで、今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある百三十九回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

【わわわ説明術】応用編その16:語らないで語る

です。
今回もITと関係ないネタですが、どーんまい。

去年『「分かった!」と思わせる説明の技術 知識ゼロの相手にも伝わるようになる本』という本を出版させていただいたのですね。
その本の「はじめに」で、うんちゃらかんちゃら。
その1で書いた内容の繰り返しになるので、やめておきます。
気になる方は「【わわわ説明術】応用編その1:1文字削るな」を、ご覧ください。

コラムの体裁を取っていますが、今回は(も)私の「説明の技術」のご紹介です。
今回ご紹介するノウハウは

文脈と行間を最大限に利用する

です。

この応用編コラムは、実は私の中で2種類あります。

ひとつは「気が向いたら、やってみてよ」なやつです。
コラムを読んでくださった方が(ある程度は)再現できるように考えて書いています。
具体的には

応用編その5:正対しない
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その15:「体験」をデザインする

が該当します。

もうひとつは「やれるもんなら、やってみやがれ」なやつです。
こちらは単純に「私は、こんなことをやっているよ」の紹介です。
具体的な手順には落とし込んでいませんし、コラムを読んでくださった方が再現できるかは考慮していません。
具体的には

応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その14:肩書で殴る

が該当します。

それを前提として、今回のコラムは「やれるもんなら、やってみやがれ」なやつです。
再現性は考慮していません。
「へー、こんなことも意識しているんだー」くらいのテンションで読んでいただけると嬉しいです。


本に書いたこと


今回ご紹介するノウハウは本に書いていません。
理由は

1.「説明」というよりは「教育」とか「誘導」のテクニックだから
2.本のコンセプトである"おもてなしの視点"から外れているから
3.他の人が再現できる形に体系化できていないから
4.難易度が高いから
5.悪用しやすいから


です。

じゃあ、なんで今回のコラムで書こうと思ったかというと、私が説明するときに(たまに)使っているテクニックだからです。


本に書いていないこと


まずは考え方から説明します。

例えば、そうですね。
あなたが「前」を向いているとしましょう。
視線が「前」を向いている状態です。


コラム140_1

この状態から左を向いてください。
そうすると、視線が「左」に移動しますよね。


コラム140_2

このとき、あなたの視線は「前」から「左」に飛んだわけでは、ありません。
実際には「前」を向いていた視線が少しずつ横(左)にズレていき、最終的に「左」で固定されます。


コラム140_3

つまり、あなたの認識では

「前」を向いていた状態から「左」を向いた

でしょうが、実際には

「前」を向いていた状態から少しずつ視線が横(左)に移動し、最終的に「左」を向いた

という状態です。


コラム140_4

ということは、意識はしていないかもしれませんが

自分の左斜め前の景色も見た(視界に入った)

状態になっています。


コラム140_5

これを利用すると、例えば以下のようなことができます。

あなたの左斜め前に変なおっさんがいるとしましょう。
あなたは、それに気付いていません。


コラム140_6

私は、あなたに「左斜め前に変なおっさんがいるよ!」と伝えたいです。
でも、直接的には伝えたくありません。
「変なおっさん」とか言ったら、変なおっさんの心が傷付くかもしれないからです。

そこで私は、あなたに「ちょっと左を見て」と言います。

私の声を聞いた、あなたは左を見ます。
そうすると、視界の隅をかすめた変なおっさんを認識し、左斜め前に変なおっさんがいると気付きます。


コラム140_7

「左斜め前に変なおっさんがいたら、その時点で普通は気付くだろ」とか「視界をかすめたからって認識するとは限らないだろ」とかツッコミどころはありますけどね。
考え方は、そんな感じです。

1.視線が前を向いている
2.視線が左に向かって移動する
3.視線が左を向いた状態で固定される


の「2.視線が左に向かって移動する」を利用して情報を送り込みます。

このようなやり方を、もうちょっと一般化してカッコ良い言い方にしたのが

文脈と行間を最大限に利用する

です。
これが今回のコラムでご紹介するノウハウになります。

次に、このノウハウの実践例を紹介します。

例えば、そうですね。

コラム「応用編その8:その文字、いる?」の中で以下のように書いています。

ノウハウ「1文字削る」の到達点、それは

すべての文字に意図を乗せる

です。
言い方を変えると

意味のない文字を置かない

です。

「1文字削る」を完璧にやろうとすると、すべての文字に対して「この文字いるかな?」を考えることになります。
「1文字削る」ためには、その文字が必要かどうかを判断しなくてはいけないからです。

つまり、

すべての文字を文字単位で精査する

ことになります。


これが文脈・行間を利用した例です。

「1文字削る」作業は

1.文字を見る
2.その文字が必要か判断する
3.文字を削る


という段階を踏みます。
この中の「2.その文字が必要か判断する」で強制的に「文字単位で精査する」が発生するようになっています。
※実際には順番が逆ですけどね。「文字単位で精査する」という思想を具体的な実践テクニックに落とし込んだのが「1文字削る」です。

あるいは、そうですね。

コラム「応用編その15:「体験」をデザインする」で「『あなた』と言う」というノウハウを紹介させていただきました。
実は、このノウハウには「相手を見ろ」という思想も込められています。

ノウハウ「『あなた』と言う」を実践しようとすると

1.どのように「あなた」を組み込むか考える
2.「あなた」のことを考える(説明の中で「あなた」が主役になるので)
3.説明に「あなた」を組み込む


という流れになりますよね。
この中の「2.「あなた」のことを考える」で強制的に「相手を見る」が発生するようになっています。
「あなた」を組み込むには「あなた」のことを想像して「あなた」が疑似体験できるように設計する必要があります。
説明する相手を意識することになりますよね。

あるいは、そうですね。

本の中で「一言で説明すると?」作戦というのを提案しています。
以下のような内容です。

そこで、もう少し実践的なやり方を、ご紹介します。
それは「一言で説明すると?」作戦です。
説明したいことが、どれだけ長かろうと、どれだけ複雑だろうと、(頭の中で)無理やり一言で説明してみてください。無意識レベルで「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」をやることになるはずです。

※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P97より引用

本の中でネタバレしちゃっていますが「一言で説明すると?」作戦をやろうとすると

1.説明する対象を分解する
2.核となる一言だけ拾う(それ以外を全部捨てる)
3.一言で説明する


という流れになります。
この中の「1.説明する対象を分解する」「2.核となる一言だけ拾う(それ以外を全部捨てる)」で強制的に「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」が発生します。

あるいは……キリがないので、これくらいにしておきましょうか。
ここまでに挙げた例をまとめると以下のようになります。

ノウハウ:1文字削る
表の意図:文字数を減らせ
裏の意図:文字単位で精査しろ

ノウハウ:「あなた」と言う
表の意図:「体験」をデザインしろ
裏の意図:相手を見ろ

ノウハウ:「一言で説明すると?」作戦
表の意図:一言で説明しろ
裏の意図:「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」をやれ


これらのノウハウにおける「裏の意図」が文脈・行間を利用して送り込もうとしている情報です。

いかがでしょう。
「ふむふむ、こーゆーことか」と認識は、しないかもしれませんけどね。
強制的に発動するようになっているでしょ?

……というのがウソではないけど少しだけウソな説明です。

実際には因果関係が逆だったりします(^^ゞ

本当は、思考の起点は「裏の意図」です。
まずは思想として

裏の意図:文字単位で精査しろ

裏の意図:相手を見ろ

裏の意図:「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」をやれ


がありました。

ただし、この思想だけだと、抽象的過ぎて「何をやれば良いの?」となりますよね。
そこで、その思想を体現する具体的なノウハウを用意しました。

裏の意図:文字単位で精査しろ
ノウハウ:1文字削る

裏の意図:相手を見ろ
ノウハウ:「あなた」と言う

裏の意図:「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」をやれ
ノウハウ:「一言で説明すると?」作戦


のような形です。
それと同時に、そのノウハウを実践することで得られる効果を検討しました。
この「そのノウハウを実践することで得られる効果」が「表の意図」です。
そんなこんなで最終的に以下のような構造になりました。

裏の意図:文字単位で精査しろ
ノウハウ:1文字削る
表の意図:文字数を減らせ

裏の意図:相手を見ろ
ノウハウ:「あなた」と言う
表の意図:「体験」をデザインしろ

裏の意図:「①分ける」「②捨てる」「③再構成する」をやれ
ノウハウ:「一言で説明すると?」作戦
表の意図:一言で説明しろ


私は本の「おわりに」で以下のように書いています。

自分なりにアレンジを加えてみれば、さらに一歩、近付くはずです。
※『「分かった!」と思わせる説明の技術』P253より引用

このように書いたのは、みなさんに私が伝えたかったのが「テクニック」ではなく「考え方」だったからです。

「テクニック」は他の分野に応用が利きにくいじゃないですか。
「説明」のテクニックを使えるのは基本的に「説明」の分野です。

でも「考え方」は、その本質をつかめば、いろいろな場面で活用できます。
例えば"おもてなしの視点"は「教育」や「マネジメント」の分野、あるいは「営業」なんかでも活かせるはずです。

だから私は「考え方」を書きたかったのですが……ビジネス書なんですよね(--ゞ
分かってます、分かってます。
ビジネス書を読む人が知りたいのは「裏技」ですよね。
今日から使えて、簡単で、すぐに効果が出る「テクニック」を知りたいのですよね。

そのように考えたので「裏の意図(思想)」を起点にしつつ、表に出すときはノウハウ(「テクニック」寄りの内容)に落とし込んで、さらに説得力を持たせるために「表の意図」を併せて提示する形にしました。
ただし、個人的には「『考え方』を吸収して、いろんな分野で活用してほしいなぁ」と思っているので「自分なりにアレンジを加えてみれば」のような仮定表現を置いて「提示したテクニックにとらわれないで、そのテクニックの設計思想を読み解いて、応用してみて!」と遠回しに言っています(いるつもりです)

あっ、そうそう。
誤解されたら嫌なので補足しておきますが、担当編集者さんは私の好きに書かせてくれました。
私の意向を最大限に尊重して、本当に自由に書かせてくれました。
テクニック的な話を盛り込んだのは、私が勝手に「ビジネス書なんだからテクニックも載っていないと読者がガッカリするよね(--?」と気を回しただけです。
「出版社側の意向で私の書きたいことが書けなかった」みたいな状況では決してありません。
その点は、ご留意ください。

話を戻して、そんな感じで

文脈と行間を最大限に利用する

ことで「『説明の技術』のビジネス書」として成立させつつ「私の思想(仕事観とか人生観とか)を表明する本」としても成立させたつもりなわけです。
実際に成立したかは分かりませんけどね。
私は大満足しています。
悔いなしっ(*´ェ`*)

ちなみに、ここまでを読んで「本当に、そんな都合良くいくものなの?話が上手すぎる気がするよ。後付けで捏造してない?」と思う人もいるでしょう。

そんな都合良くいかねーよ!(; ̄д ̄)

「裏の意図」から「ノウハウ」に落とし込むのは比較的、簡単でしたけどね。
「ノウハウ」から「表の意図」を導き出せなくて頓挫したノウハウは数知れず。
「ノウハウ」と「表の意図」をセットで用意できても、それが本のテーマ("おもてなしの視点")に合わなくてお蔵入りさせたのも、ちらほら。
マジで頑張ったんだからっ(つд`)・°・。

コラムで語るときは綺麗にまとめているので「話が上手く行き過ぎじゃね?」と感じるかもしれませんけどね。
私の基本戦略は「数撃ちゃ当たる」なのです。

ふぅ、そんな感じですかね。
話が脱線しまくったので強引に戻すと、文脈と行間の利用が上手くなると、1つの表現に複数の役割を持たせるのが上手くなります。
出力した情報量以上の情報(解釈)を相手に送り込めるようになるので、いろいろ便利だったりしますよ。
さらに、認知の隙間をつくのが上手くなるので悪用すればゴホゴホゴホ(-q-;)

まぁ、あれですね。
やれるもんなら、やってみやがれ(--)ノ


まとめ


今回は

【わわわ説明術】応用編その16:語らないで語る

というテーマで好き勝手に語ってみました。

今回のコラムで、ご紹介したノウハウは

文脈と行間を最大限に利用する

です。

物事というのは

原因→結果

のような認識のされ方をしがちですが、実際には

原因→過程→結果

です。

この「過程」の部分に注目できるようになると、できることの幅が広がります。
気が向いたら、チャレンジしてみてください。


【わわわ説明術】応用編シリーズ


応用編その1:1文字削るな
応用編その2:認知負荷を上げる
応用編その3:視覚効果を考える
応用編その4:誤解の許容範囲を設計する
応用編その5:正対しない
応用編その6:相手を憑依させる
応用編その7:説得の技術
応用編その8:その文字、いる?
応用編その9:「1文字削る」の実践例
応用編その10:優先順位を付ける
応用編その11:理解が大事
応用編その12:サンクコストを無視する
応用編その13:誰にとっての良い説明?
応用編その14:肩書で殴る
応用編その15:「体験」をデザインする
応用編その16:語らないで語る【このページ】
応用編その17:説明は毒の沼
応用編その18:「正確な説明」は諦めるVer.2.0
応用編その19:たとえ話について語るよ(1)
応用編その20:たとえ話について語るよ(2)
応用編その21:たとえ話について語るよ(3)
応用編その22:繰り返すVer.1.1
応用編その23:質問に答える
応用編その24:アイを叫べ
応用編その25:補足の入れ方がメッセージになる
応用編その26:前提を決める
応用編その27:予備知識は「薄める」
応用編その28:点を丸に変える



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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