【第419回】 Data Cloud : 2025 年 12 月 新機能リリース ハイライト
現在、Data 360(Data Cloud)では 他の Salesforce 製品とは異なり毎月新機能がリリースされています。その数の多さに加え、内容も高度であるため、私自身キャッチアップに苦戦しています。
そこで、毎月の Data Cloud 新機能リリースのハイライトをまとめてあります。日頃の学習に活用してください。
2025 年 12 月リリース ハイライト
12 月の Data 360 の新機能リリースでは、セキュリティ、ガバナンス、可視性、コネクティビティ、そしてマーケティング活用まで、あらゆる側面が強化されています。
主なポイントは以下のとおりです。
暗号化キーを自社管理できる BYOK(Bring Your Own Key)
行レベルセキュリティの強化(RLS 階層)
データの流れを可視化する Unified Lineage
SAP HANA / Snowflake / BigQuery などのコネクタ強化
Pinterest や LinkedIn Company Lists への新しい広告アクティベーション
Clean Room、非構造化データ、検索・RAG まわりの大幅強化
それでは、主なアップデートを順に見ていきましょう。
Bring Your Own Encryption Key(BYOK)
Data 360 では、データの保存時暗号化に 3 つ目の選択肢として BYOK が追加されました。
Salesforce 管理キー
AWS KMS(顧客管理)
顧客が直接提供する暗号化キー(NEW)
何ができる?
暗号化キーの 生成・ローテーション・無効化 を完全に自社で管理
AWS を直接運用する必要なし
Data 360 内のすべてのデータと検索インデックスが対象
セキュリティと柔軟性を強化しつつ、運用負荷は最小限 というのが最大のメリットです。
Pinterest Ads / LinkedIn Company Lists へのアクティベーション
新たに、以下の広告アクティベーションが一般提供されました。
Pinterest Ads
ファーストパーティのメールアドレスや広告 ID を連携
高い購買意欲を持つ Pinterest ユーザーにリーチ可能
LinkedIn Company Lists
これまでのユーザーリストに加え 企業(Account)リスト に対応
個人の連絡先がない B2B シナリオに最適
いずれも:
Advertising Audiences SKU を使用
データクレジットを消費
認証 → 対象選択 → 公開、という共通フローで設定可能
Data 360 Clean Room のアップデート
Clean Room 機能も大きく進化しています。
主な強化ポイント
AWS Bring Your Own Clean Room
AWS 上で運用中のパートナーと安全にコラボレーション可能カスタムユースケーステンプレート
JSON 定義で独自の計測・分析・エンリッチメントを提供Zero Copy 外部データ対応
Snowflake / Databricks / BigQuery のデータを移動せずに活用自動レポート生成
クエリ結果をそのままダッシュボード化複数マッチキー対応
メール+電話番号など複数のハッシュキーで照合精度を向上
Code Extension(旧:Bring Your Own Code)
Data 360 に 本格的なプロコードエクステンション が登場しました。
Python によるバッチ変換処理が可能
複雑なロジックや独自アルゴリズム、復号処理にも対応
Salesforce 提供 SDK でローカル開発・デバッグ
実行ログは専用 DLO に保存
将来的には LLM や外部 API 呼び出し、Data Kits との統合も予定されています。
Row Level Security 階層オペレーター
Salesforce の マネージャー階層/ロール階層 を利用した
行レベルセキュリティが簡単に定義できるようになりました。
例:
「自分が所有するレコード + 部下が所有するレコード」にアクセス許可
ガバナンス設計が大幅にシンプルになります。
Unified Lineage(統合リネージ)
Data 360 における データの流れを自動で可視化 する新機能です。
データの出所
変換内容
利用先
を一目で把握可能。
設定不要で自動生成され、
トラブルシュートや影響分析、ガバナンス確認が非常に楽になります。
Simple Start:標準 DLO / DMO
標準 CRM オブジェクトを 最短ステップで Data 360 に接続 できる新機能。
Data Stream / DLO / DMO マッピングを自動作成
スキーマ変更にも自動追従
「Standard DLO」「Standard DMO」を新設
初期導入・環境差異によるトラブルを大幅に削減します。
Deletion Records DLO(削除レコード保持)
CRM の「ごみ箱」に入ったレコードを 恒久的に保持 できる DLO。
ソフトデリートのみ対応(ハードデリートは今後対応予定)
デフォルトでは作成されないため明示的に設定が必要
追加のクレジット消費なし
新規 & 更新コネクタ
主な追加・GA
Jira 非構造化コネクタ(Beta)
SAP HANA コネクタ(GA)
LinkedIn / LinkedIn Ads(GA)
Snowflake AWS Private Connect(GA)
Zero Copy
AWS Glue(Beta)
Trino
BigQuery Unload(大規模データ高速化)
非構造化
Google Drive(Beta)
SharePoint(Beta)
Web Crawler / Sitemap(JS レンダリング対応)
非構造化データ & 検索強化
Chunk 前処理(Prep & Chunk)
検索インデックス上限:10 → 25
Intelligent Context(GA)
Docling Parser / LLM Document Parsing(GA)
SFR V2 Embedding Model(GA)
画像処理 & 画像引用(GA)
RAG・Agentforce 活用が一気に実践レベルへ。
Streaming Insights 強化
CRM Streaming / Kinesis / Kafka に対応
エンゲージメント系 DMO に最適化された設定フロー
Marketing Cloud Engagement 連携強化
Data Actions による DE 自動生成
スキーマ不一致を防止
手動作業を削減
Flow Orchestrated Activations(GA)
Flow 内で Data 360 アクティベーションを直接利用
メール → 待機 → 広告連携などを 1 つの Flow で完結
いかがでしたでしょうか。
今回の 12 月リリースは、
セキュリティ
ガバナンス
可視性
AI / RAG / Agentforce
マーケティング連携
のすべてを底上げする内容でした。
ややシステム系の話が多かったと思います。
これらは、Data 360 を「データ基盤」から
実行可能なマーケティング & AI プラットフォームへ進化させる重要なアップデートと言えそうですね。
今回は以上です。
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