♣︎41 行事をお金の設計から考える
保育とお金の話
~「無料か有料か」ではなく「どう続けるか」を考える~
一人の保育者が少し遠慮がちに手を挙げた
「保育でお金の話をしてもいいんでしょうか」
別の保育者も続きます
「行事を有料にしたら『お金を取るなんて』って思われませんか?」
その場が少し静かになる
保育プランナーはゆっくりとうなずく
その不安はとても自然
「みなさんがそう感じるのはわかります」
「だから『有料にしましょう』とは言いません」
「正当化もしませんし
無理にすすめるつもりもありません」
「ただ行事を無理なく続けるための現実的な考え方を一緒に考えて見ましょう」
「無料」が正解
「有料」が悪ではない
プランナーはホワイトボードに二つの言葉を書きました。
無料
有料
「保育の世界では長い間こんなイメージがありますよね」
無料はやさしい
有料は冷たい
お金をいただくのは営利目的
「でもイベントをつくる仕事では
この二つを善悪で考えませんよね」
「役割が違うと考えるんです」
無料が向いているもの
「例えば無料は入口になるものです」
例えば
見学だけ
少し立ち寄るだけ
誰でも参加できるもの
「無料は多くの人が気軽に来られる仕組みなんです」
有料が向いているもの
続いてプランナーは話す
「反対に有料が向いている場面もあります」
例えば
工作体験
親子で一緒に作る活動
人数に限りがある体験
「ここでいう有料でもいいと思うんです
ただし高額な料金や明らかに利益率が高いものであっていいという意味ではありません。」
「100円でも300円でもワンコインとかでいいと思うんですよ
遠足やお泊まりなら保育料とは別料金がかかるのは当然ですし
でもだからといってあまりに見合わない料金がかかっていたら嫌でしょ」
ワンコインには意味がある
「イベント会社ではワンコインにはちゃんと理由があります」
①「参加する」という気持ちが生まれる
「無料だと『ちょっと見て帰ろうかな』という参加もあります」
「でも少しでも参加費を払うと人は自然と"参加する側"になります」
だから
約束を守る
最後まで体験する
大切に楽しむ
そんな行動につながりやすくなる
② 満足度が上がる
「少しお金を払うとその時間に価値を感じやすくなります」
「結果として『楽しかったね』という思い出が増えていきます」
③ トラブルが減る
保育者が少し驚いた表情を見せます
「無料イベントのほうがトラブルが起きることも少なくありません」
「ルールが守られなかったり
無理なお願いが増えたり」
「少しでも参加費があると『みんなで大切につくる場』という空気が生まれやすくなるんです
もちろん逆もありますけど」
判断に迷ったら
この線引きで考えてみる
プランナーは最後にとてもシンプルな基準を書きました
見るだけなら無料
体験するなら有料
人手が多く必要なら有料
人数が限られるなら有料
「この基準があるだけでも『取っていいのかな』という迷いはずいぶん減ります」
一番大切なのは「何に使うか」を伝えること
そしてプランナーは続けます
「もし参加費をいただくなら一番大切なのは金額ではありません」
「使い道を先に伝えることです」
例えば
来年の行事に活かします
子どもたちの環境づくりに使います
地域との交流活動に役立てます
「人はお金を払うことが嫌なのではありません」
「何に使われるのかわからないことに不安を感じるんです」
ワンコインは利益ではなく未来への投資
最後にプランナーは穏やかに話しました
「今日お伝えしたかったのは『利益を出しましょう』という話ではありません」
行事を続けるため
保育者たちが疲れ切らないため
子どもたちの笑顔を来年にもつなげるため
そのための一つの選択肢としてワンコインという考え方があります
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