第十四回:「パス」って知ってるかい?
よっ、久しぶりっ(--)ノ 元気かい(--? 超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。皆さんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある十四回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
「パス」って知ってるかい?
です。
「パスワード」の省略表現じゃありませんよ。
それとは別に「パス」という単語がITの世界にはあるのです。
パソコン初級者と中級者の境目はいろいろありますが、パスを知っているか否かも境目の一つと言えるでしょう。
そこで今回は、パスについて、じっくりしっかり説明することにしました。
これであなたも初心者脱出!
えっ?
パスが何か既に知ってる?
ファイルとかフォルダの置いてある場所を示す情報
だろ!ですって?
……。
……そうですよ、その通りです。
パスが何かを知ってるやつに用はねぇ!
帰れ、帰れ!(#゚д゚)
おっと、思わず取り乱してしまいました。
細かいことは綺麗さっぱり忘れて、初心者の気分になって読み進めてください。
それでは、パスについて説明していきます。
……の前に、予備知識から行きましょう。
「紙」と「箱」
パソコンの中に入っている物は、ぶっちゃけ2種類しかありません。
それは「紙」か「箱」です。
紙には文字とか絵とかが書いてあります。気合が入った紙には音楽とか動画が書かれている場合もあります。
気取った人は、この紙のことを「ファイル」と呼びます。

箱は箱です。
紙や他の箱を入れるために使います。
専門家ぶった人は、この箱のことを「フォルダ」や「ディレクトリ」と呼びます。

しょぼいですが、これが予備知識です。
パソコンの中にあるのは紙(ファイル)か箱(フォルダ、ディレクトリ)
というのを覚えておいてください。
それでは、いよいよ本題です。
パスについて説明していきます。
パスとは何か?
パソコンの中には、紙と箱が入っています。
整理されている場合もあれば、整理されていない場合もあるでしょう。
このパソコンの中にある
紙や箱がどこにあるか示す情報
がパスです。
例えば、箱1の中に箱2が入っていて、その中に箱3が入っていて、その中に紙1が入っているとします。

紙1は箱3の中に入っています。
箱3は箱2の中に入っていて、箱2は箱1に入っています。
つまり、紙1は
箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
と言えます。
この
箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
という情報がパスです。
この情報を見れば、紙1がどこにあるか分かりますよね?
同じように考えてください。
箱3はどこにありますか?
箱3は
箱1の中にある箱2の中にある箱3
です。
この
箱1の中にある箱2の中にある箱3
という情報もパスです。
この情報を見れば、箱3がどこにあるか分かりますよね?
これがパスの基本です。
しつこいですが、もう一度書いておきます。
紙や箱がどこにあるか示す情報
がパスです。
パスの構造
さて、ここでいきなり難易度アップです。
実際のコンピュータにおけるパスを例に挙げて話を進めます。
Windowsパソコンの場合、パスは以下のような書き方をします。
C:\dir1\dir2\file1.txt
UNIX系のパソコン(MacとかLinuxとか)の場合は、以下の書き方です。
/dir1/dir2/file1.txt
パスを見慣れない人は難しそうに思えるかもしれませんが、恐れる必要はありません。
どちらも
dir1の中にあるdir2の中にあるfile1.txt
を表しています。

WindowsとUNIX系では、パスの書き方が少しばかり違います。
もう一度、2つのパスを眺めてください。
■Windows
C:\dir1\dir2\file1.txt
■UNIX系
/dir1/dir2/file1.txt
Windowsの方は「\」という文字がちょこちょこ出てきていますね。
一方、UNIX系の方は「/」という文字をよく見かけます。
「\」と「/」の役割は同じです。
紙とか箱の名前を区切る目印として使われています。
この「\」と「/」を専門用語で「パスの区切り文字」と言ったりします。
ですが、そんな説明は忘れてしまって構いません。
パスの話で「\」や「/」が出てきたら
という箱(の中にある)
と読み替えてください。
C:\dir1\dir2\file1.txt
は
C:という箱の中にあるdir1という箱の中にあるdir2という箱の中にあるfile1.txt
です。
/dir1/dir2/file1.txt
は
【名前の付いていない箱】という箱の中にあるdir1という箱の中にあるdir2という箱の中にあるfile1.txt
となります。
なお「の中にある」をカッコ付きで「(の中にある)」としたのは、最後に区切り文字が付いていた場合「の中にある」を無視するからです。
例えば
C:\dir1\dir2\
と書いてあった場合は
C:という箱の中にあるdir1という箱の中にあるdir2という箱 の中にある
と解釈します。
これが、パスの構造の基本です。
WindowsとUNIX系(LinuxやMac)では書き方が違う
さて、WindowsとUNIX系(LinuxやMac)では区切り文字が違いました。
Windowsは「\」なのに対して、UNIX系では「/」を使います。
実は、もう一つ、WindowsとUNIX系で違いがあります。
それは、一番外側の箱の名前です。
Windowsでは、一番外側の箱に名前が付いています。
見たことがあるかもしれませんが「C:」とか「D:」とかが一番外側の箱の名前です。
ですから、一番外側の箱を示す場合は
C:
や
C:\
と書きます。
C:
もしくは
C:という箱
の意味です。
一番外側の箱の中に、箱「dir1」を置いた場合は
C:\dir1
や
C:\dir1\
と書きます。
C:という箱の中にあるdir1
もしくは
C:という箱の中にあるdir1という箱
の意味です。
それに対し、UNIX系では一番外側の箱に名前はありません。
名無しの権兵衛です。
ですから、一番外側の箱を示す場合は
/
と書きます。
【名無し】という箱
の意味です。
一番外側の箱の中に、箱「dir1」を置いた場合は
/dir1
や
/dir1/
と書きます。
【名無し】という箱の中にあるdir1
もしくは
【名無し】という箱の中にあるdir1という箱
の意味です。
このように、一口に「パス」と言っても、WindowsとUNIX系では少しだけ書き方が違います。
■Windows
・区切り文字は「\」
・一番外側の箱に名前がある(C:とかD:とか)
■UNIX系
・区切り文字は「/」
・一番外側の箱に名前がない
がその違いです。
パスには「相対パス」と「絶対パス」がある
ここまでで
1.パスとは何か
2.パスの基本的な構造
3.WindowsとUNIX系における書き方の違い
を見てきました。
次はパスの種類について、説明します。
パスの種類は捉え方によっていろいろありますが、とりあえず
「相対パス」と「絶対パス」
だけ覚えてください。
相対パスは
自己中心的な説明
です。
絶対パスは
みんなに優しい説明
になります。
インパクトはあるけど、よく分からない説明ですね。
もう少しきちんと書くと、相対パスは
自分が今いるところを基準にした省エネ説明
です。
絶対パスは
誰でも分かるように全部を説明した丁寧説明
になります。
例えば、日本の神奈川県のピヨピヨハウスの二階にピヨ太君がいたとしましょう。

一階にはピヨ太パパとピヨ太ママがいます。

ピヨ太パパはピヨ太君の姿を見かけないのを気にしていました。
そこでピヨ太ママに「ピヨ太はどこに行った?」と聞きます。
それに対して、ピヨ太ママは
上の階にいますよ
と答えました。
ピヨ太ママは、自分が今いる場所を基準に説明しましたね。
これが相対パスです。

ところで、ピヨ太君がいるのはピヨピヨハウスの二階です。
ということは
日本の神奈川県のピヨピヨハウスの二階にいますよ
と答えることもできます。
こちらは絶対パスです。

ここで、相対パスの
上の階
と、絶対パスの
日本の神奈川県のピヨピヨハウスの二階
を比べてみてください。
「上の階」という説明は、ピヨピヨハウスの一階を基準にした「相対」的な説明です。
ピヨピヨハウスの一階にいる人にしか通じません。
それに対して「日本の神奈川県のピヨピヨハウスの二階」は世界中の誰に話しても「絶対」に通じる説明です。
ピヨピヨハウスの一階にいる人以外もピヨ太君の居場所を理解できるでしょう。
これが相対パスと絶対パスの違いです。
もう少し、コンピュータに近い例も挙げておきます。
箱1の中に箱2が入っていて、その中に箱3が入っていて、その中に紙1が入っているとします。

箱1の中にはピヨ太君がいます。
箱2の中にはピヨ子さんがいます。
箱3の中にはアクマ君がいます。

この状態で紙1の場所を相対パスと絶対パスで、それぞれ説明してみますね。
ピヨ太君にとって、紙1のある場所は
今自分がいる箱の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
です。
これが相対パスを使った紙1のある場所の説明です。

絶対パスを使って説明すると
箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
になります。

同じように他の人も見てみましょう。
ピヨ子さんにとって、紙1のある場所は
今自分がいる箱の中にある箱3の中にある紙1
です。
これが相対パスを使った紙1のある場所の説明です。

絶対パスを使って説明すると
箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
になります。

アクマ君にとって、紙1のある場所は
今自分がいる箱の中にある紙1
です。
これが相対パスを使った紙1のある場所の説明です。

絶対パスを使って説明すると
箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
になります。

まとめると
■ピヨ太
相対パス:今自分がいる箱の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
絶対パス:箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
■ピヨ子
相対パス:今自分がいる箱の中にある箱3の中にある紙1
絶対パス:箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
■アクマ
相対パス:今自分がいる箱の中にある紙1
絶対パス:箱1の中にある箱2の中にある箱3の中にある紙1
です。
如何でしょう?
相対パスは、自分の場所を基準にした説明です。
自分がどこにいるかによって、内容が変わります。
ピヨ太君とピヨ子さんとアクマ君、それぞれ、いる場所が違います。
相対パスを使った説明も、それぞれ異なります。
それに対して、絶対パスは誰にでも通用する説明です。
自分がどこにいても内容は変わりません。
住所と同じで、どこで書いても、誰が書いても、同じ内容になります。
絶対パスを使った説明は、全員同じ内容です。
これが相対パスと絶対パスです。
自己中心的な説明
であり
自分が今いるところを基準にした省エネ説明
が相対パスです。
みんなに優しい説明
であり
誰でも分かるように全部を説明した丁寧説明
が絶対パスになります。
「.」と「..」
おっと、忘れていました。
パスに関して、もう2つ覚えておくべきことがありました。
それは
.
と
..
です。
「.」には
自分が今いる箱
の意味があります。
「..」には
自分が今いる箱の一つ外側の箱
の意味があります。
例えば
./dir1
というパスがあったとしましょう。
これは
自分が今いる箱の中にあるdir1
という情報です。
同じように
../dir2
は
自分が今いる箱の一つ外側の箱の中にあるdir2
という情報になります。
せっかくなので、少し意地悪な例も挙げておきましょう。
C:\dir1\.\..\dir2
というパスは
C:\dir2
と同じ意味になります。
C:という箱の中にあるdir1という箱の中にある、今いるところの、今いるところの一つ外側の箱の中にあるdir2
……と書くとややこしいですが、要は
C:という箱の中にあるdir1という箱の外側の箱の中にあるdir2
転じて
C:という箱の中にあるdir2
と書かれています。
dir1はC:の中にある箱です。
逆に言えば、dir1の外側の箱はC:になります。
ということで
C:という箱の中にあるdir1という箱の外側の箱
を
C:という箱
に読み替えられるのです。
そうすると
C:という箱の中にあるdir1という箱の外側の箱の中にあるdir2
が
C:という箱の中にあるdir2
になります。
若干、話がそれましたが「.」の意味が
自分が今いる箱
で「..」の意味が
自分が今いる箱の一つ外側の箱
というのを覚えておいてください。
パスには他にもなんかいろいろある……けど、それはおいおい
かなり長々と書きました。
他にも「フルパス」とか「物理パス」とか、ごちゃごちゃといろいろな用語があります。
広く解釈すれば、URLなんかもパスの一種と言えるでしょう。
ですが、まぁ、それは必要に迫られたときに調べれば良いです。
ここまでの説明が理解できていれば、初心者は脱出したと思って良いですよ。
まとめ
今回は「「パス」って知ってるかい?」というテーマで、パスについて書いてみました。
パスは
ファイルとかフォルダの置いてある場所を示す情報
です。
パスの書き方は、WindowsとUNIX系(MacとかLinux)では少し違います。
違いは
■Windows
・区切り文字は「\」
・一番外側の箱に名前がある(C:とかD:とか)
■UNIX系
・区切り文字は「/」
・一番外側の箱に名前がない
です。
また、パスの種類には、大きく分けて
「相対パス」と「絶対パス」
があります。
相対パスは
自己中心的な説明
であり
自分が今いるところを基準にした省エネ説明
です。
絶対パスは
みんなに優しい説明
であり
誰でも分かるように全部を説明した丁寧説明
です。
あと覚えておくべきこととして
.
と
..
があります。
「.」は
自分が今いる箱
という意味です。
「..」は
自分が今いる箱の一つ外側の箱
の意味になります。
「使う人」の立場であれば、特にWindowsを使っている場合は、パスを知らなくてもそんなに困らないと思います。いずれ「作る人」の立場になる予定であれば、絶対に理解しておく必要がある内容です。
あと、専門家を目指す人は「パスワード」を省略して「パス」と呼ぶのだけは避けてください。百歩譲って「pass」なら許容できますが、それ以外はイヤです。パスワードの省略表現なのか、今回取り上げたパスのことなのか、紛らわしいからです。
あくまで個人的な意見ですが、私はパスワードを省略して「パス」と表現する人と仕事をするときは警戒します。ただでさえややこしいことが多いのですから、誤解の元は減らしておいた方が良いですよ。
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






