第十三回:IT系の資格取得に意味はあるのか
ふと気付いたら3か月近く経っていました。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。皆さんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある十三回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
IT系の資格取得に意味はあるのか
です。
IT系の資格って、いろいろありますよね。
情報処理技術者試験をはじめとして、マイクロソフトのうんちゃらとか、Oracleのかんちゃらとか、多種多様な資格が巷には溢れています。
このページを見てくれている人の中にも、資格取得に向けて勉強中の方はいらっしゃるでしょう。
そんな人たちのやる気をへし折りたいわけではありません。
ありませんが……夢を見過ぎていても幸せにはなれませんからね。
IT系の資格を取ることに意味はあるのか、私なりの意見を書かせていただきます。
ちなみに、お忙しい人向けに結論を先に書いておくと、
意味があると言えばあるし、ないと言えばない
が私の考えです。
どっちつかずな言い方で、大人の汚さが見え隠れする言い回しですね。
それには理由があるのです。
気になる方は最後までお付き合いください。
資格って、なーに?
最初に認識を合わせておきましょう。
IT系における資格とは何でしょうか?
例えば、宅建などは、文字通り「特定の業務を行っていーよ、な資格」です。
資格を取得することによって、できる業務の幅が広がります。
ですが、IT系では、業務を行うために資格が必要になることは、ほとんどありません。
社内ルール等で「○○業務は××資格を持っている人がやること」みたいな決まりはあるかもしれませんけどね。
一般的には、資格がなくても、やれる業務が制限されることはありません。
そう考えると不思議じゃないですか?
IT系における資格の存在意義とは何でしょうか?
資格を取るとどうなるの?
実はですね。
IT系の資格というのは
第三者によるあなたの知識のお墨付き
なのです。
「キミはこの分野に対して、これくらいの知識はあるんじゃないかな~ってボクは思うよぉ」と資格試験を主催している団体さんが認めてくれた結果が、資格です。
仮に、あなたが、ピヨ太君の主催するピヨピヨ検定で、1級を取得したとしましょう。
それは、ピヨ太君が「まぁ、キミはピヨピヨ検定1級くらいの知識はあるね」と認めてくれたということです。
それを形にしたものが、資格取得の証明書だったり賞状だったりします。
いいですか。
資格というのは、あなたの「知識」に対するお墨付きです。
それを覚えておいてください。
それでは、本題です。
IT系の資格取得に意味はあるのでしょうか?
資格なんて持ってても、意味はないよ
IT業界というのは「知識」よりも「経験」が重視される業界です。
「あっ、それ、知っています」よりも「あっ、それ、やったことがあります」の方が重宝されます。
だから、資格を持っていても大した意味はありません。
仮にあなたがプロ野球チームの監督だったとしましょう。
一人の選手が売り込みに来ました。
その選手は言います。
私は今までに出版された野球に関する書籍の内容をすべて把握しています。
スゴイですね~。
まさしく野球博士ですよ。
ところがですね。
よーく聞いてみたら、その人は今までに一度もバットを振ったことがないのだそうです。
実際にボールを投げたこともありません。
本を読むのに忙しかったんですってさ。
あなたはこの選手をチームに雇い入れますか?
私は入れません。
資格によって担保されるのは、あくまであなたの持つ「知識」です。
知識が大事でないとは言いませんが、IT業界では経験の方が重視されます。
IT業界のお仕事は、プログラムがどう、アルゴリズムがどう、ばかりではありません。
お客さまからのヒアリングやスケジュールの調整、問題が発生した際の対処や寝坊したときの言い訳など、知識だけではカバーしきれない部分が多々あります。
そのため、一般的に、中途採用の人事担当者は、資格欄よりも業務経歴欄の方を、比べ物にならないぐらい注意して見ます。
「何を知っているか」よりも「何をやってきたか」の方が大事なのです。
ですから、いくら資格をたくさん取ったとしても、それで即、現場でバリバリやっている人と肩を並べられるわけではありません。
未経験でIT業界に足を踏み入れる、よし!なんか難しそうな資格を取った!これで俺もIT業界でバリバリ稼げるだろう!そんなのは甘い幻想です。
ハッキリ言えば、IT系の資格に、そこまでの力と価値はありませんよ。
あくまで個人的な意見ですが、資格を一つ取るくらいなら、案件を一つこなした方が、よっぽど力になりますし、キャリア上も有利なはずです。
ということで、IT系の資格を取っても大した意味はありません。
……で話が終わったら、なんか寂しいですね。
資格取得に向けて、一生懸命勉強している人は、しょぼんとしてしまうでしょう。
大丈夫です。
まだ続きます。
資格は持っておいた方が良いよ
先程の「資格なんて持ってても意味ないよ」な意見は、あくまでも実務上のお話です。
立場を変えれば、見えてくるものも変わります。
身も蓋もない言い方ですが、人月いくらで身売りするときは、資格を持っている人の方が売りやすいのです。
例えば、あなたが美味しいご飯を食べたいとしましょう。
料理人を自称する人が2人やってきました。
どちらも見た感じの印象は同じです。
どちらも「私はプロフェッショナルです。あなたが最高に幸せになれる料理を作りますよ!」と言ってくれています。
ただ一つだけ違いがありました。
片方の人は、調理師免許を持っていたのです。
もう一人の方は、持っていませんでした。
あなたは、どちらの料理人にご飯を作ってもらいたいですか?
私は、調理師免許を持っている方に作ってもらいたいです。
なぜなら、調理師免許を持っているということは、料理の技術について第三者のお墨付きがあるからです。
IT系の資格も、これと同じ効果は期待できます。
比較対象と大きな差が無ければ、資格の有無によって決まることは十分に考えられます。
「う~ん、どっちも同じくらいだな~。どっちでも良いかな~。おっ、こいつは資格持ってるじゃん。じゃあ、こっちにしよう」は、あり得るのです。
そう考えれば、IT系の資格を取得することに、意味が無いとは言えませんよね。
結局どっちなのよ?
結局ですね。
取った資格に何を期待しているかによって、意味があるともないとも言えるのです。
例えば、あなたが他の業界からIT業界に転職しようと考えたとします。
資格の取得によって、業界未経験のハンデをカバーできると期待したとしましょう。
そうであれば、資格の取得は無意味です。
いくらIT系の資格を取ったからといって、既にIT業界で仕事をしていて転職する人と張り合えるものではありません。
資格を持っていないIT業界の経験が長い人と資格を持っているIT業界未経験者であれば、資格を持っていないIT業界の経験が長い人の方が有利です。
ただし、資格を持っていないあなたが転職活動をするのと、資格を持っているあなたが転職活動をするのとでは、資格を持っている方が、転職が成功する可能性は高いです。
資格を持っていないIT業界未経験者と資格を持っているIT業界未経験者であれば、やはり、資格を持っている方が有利でしょう。
そう考えれば、資格の取得は無意味とは言えませんよね。
さらに同じ理屈で、学生のうちに資格を取得するのは意味があると思います。
新卒の就職活動であれば、みんなスタートラインは一緒です。
誰も働いた経験はありません。
資格の有無は、アピールポイントにできるはずです。
まとめ
今回は「IT系の資格取得に意味はあるのか」という趣旨で、好き勝手に書いてみました。
結論として、私の意見は
意味があると言えばあるし、ないと言えばない
です。
IT系の資格というのは
第三者によるあなたの「知識」のお墨付き
です。
そして、IT業界というのは
「知識」よりも「経験」が重視される業界
です。
そのため、IT系の資格には、水戸黄門の印籠のような力はありません。
IT系の資格を取ることによって人生が劇的に好転する、なんてことは特殊な例外を除けば無いはずです。
ただし、資格を取ることが完全に無意味というわけではありません。
資格を持っている状態と持っていない状態を比較すれば、程度の差こそあれ、持っている状態の方がメリットはあるでしょう。
資格は知識のお墨付き
です。
それ以上でもそれ以下でもないですよ。
蛇足なおまけ
「転職に有利なIT系の資格」みたいな記事を、ちょいちょい見かけましてね。
資格商売をしている人たちの営業文句だというのは理解しているつもりです。
でも、それを真に受けて「資格を取ればIT業界に入るときに有利!」みたいに勘違いする人が出てきても可哀想だな~と感じたので、今回のコラムで取り上げてみました。
個人的には「業界未経験のやつがIT系の資格を取っても、転職には大して有利にならんだろ」と思っています。
もちろん、資格の取得が無意味だとは思いませんけどね。
資格はあくまで「知識のお墨付き」だというのを意識してください。
残念ながら、資格を取得しても「未経験」の部分は補えません。
いくら資格を取っても、経験の代わりにはならないのです。
その足りない経験を何で補うつもりなのか、熱意か、体力か、根性か、それ以外の何かか、それを提示できるかが、転職活動の一つの肝だと思いますよ。
もちろん、資格を取得した経験を、熱意をアピールするためのエピソードとして使うのもありだと思います。
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






