第八回:先輩や上司に質問するのが苦手なあなたへ送る10の言葉+1
だいぶ期間が空いてしまいましたね。かれこれ一ヶ月以上空いてしまいました。お察しの通りです。ネタ切れでした。しかし、ついに見つけたのです。輝くようなネタの卵を。果たして、この卵を無事に孵化させられるのでしょうか?それでは、今日もぼへぼへ書いていきましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。皆さんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある八回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
先輩や上司に質問するのが苦手なあなたへ送る10の言葉+1
です。
今回のコラムは、なんの因果かIT業界に足を踏み入れてしまった新人さんと、経験年数1、2年程度の若手エンジニアに向けて書いていきますよ。
どこの業界もそうだとは思いますが、IT業界で働いていると、最初は分からないことがいっぱいあります。何を言ってるか分からない、内容がちんぷんかんぷんなことも少なくないでしょう。そんなときは先輩や上司に質問するしかないのですが……みんな、忙しそうにしていますよね。特に優秀な先輩、上司ほど、たくさんの仕事を抱えているでしょう。
「あぁ、忙しそうだなぁ。自分なんかが質問したら迷惑だろうなぁ」
そう気おくれして、質問しづらい人も多いのではないでしょうか。
そんな心優しいエンジニアの卵に、優秀かどうかは別にして、経験年数だけはそれなりに増えてきたおっさんエンジニアが10の言葉を送ります。
これを心がければ、きっとあなたの質問ライフがバラ色に……なると良いなぁ、と思っています。実際になるかは分からんけど。
せっかちな人のために、先にネタばらしをしておきますね。
おっさんエンジニアから送る10の言葉は
1.質問するのも仕事のうち
2.おまえの仕事は先輩の仕事、先輩の仕事は先輩の仕事
3.異常終了することも大事
4.仕様はさっさと聞け、技術はまず調べろ
5.質問もプレゼンも同じ。下準備が大事
6.第一声は「今、お時間よろしいでしょうか?」
7.一分、一秒を意識しろ
8.時間を奪ってることは意識しろ。でも気にするな
9.分からないなら「分かった」って言うな
10.感謝しろ。言葉ではなく態度で示せ
+1.理想はYes or No
の10個+1です。
+1はおまけです。頑張っているあなたのためのサービスですよ。
あと今回は、ちょっと趣向を変えて、雄々しい感じの文体で書いていきます。
熱血系のビジネス書でよくある書き方ですね。
それでは、書いていきます。
心優しい若手エンジニアは必見!「先輩や上司に質問するのが苦手なあなたへ送る10の言葉+1」の始まりで~す。ぱちぱちぱち~。
1.質問するのも仕事のうち
いいか、よく聞け。仕事というのはすべて
問題解決
だ。
飲食業は「お腹が減ったよ~」な問題を解決するためにある。製造業は「これが無いと困るよ~」な問題を解決するためにある。IT業界も同じだ。「おえ~、こんなん人の手でやるのは面倒くさいよ~」を解決するためにある。人の手で作業するのが面倒くさいからシステムを作り、声を出して説明するのが面倒くさいからホームページやブログを作り、その場に行って説明するのが面倒くさいからネットワークを構築する。
おまえは、これから今いる業界でプロフェッショナルに育っていかなくてはいけない。ということは、必然的に問題解決のプロフェッショナルにならなくてはならないわけだ。
それを踏まえて考えてみよう。
「質問する」というのは、問題解決をする上で、無くてはならない手段だ。
何が困っているか分からなければ、問題を解決することはできないよな?
だから聞く。何が困っているのかを聞く。どうしたいのかを聞く。これは仕事を進める上で絶対に必要なことだ。
つまり、質問することは悪いことではない。
むしろ、質問しないことが悪いことだ。
おまえが、これから仕事を進めていくうえで、必要なことは質問しなくてはいけない。質問するのも仕事のうちだ。
これは、無断欠勤しない、前日に飲み過ぎても遅刻しない、部長がヅラでも指摘しない、そんな事柄と同列に並べられるくらい基本的なことだぞ。
質問するのも仕事のうち
まずは、これを頭に叩き込め。
2.おまえの仕事は先輩の仕事、先輩の仕事は先輩の仕事
「質問するのも仕事のうち」頭では分かっていても、実行するのは簡単じゃないよな。
分かる分かる。先輩が眉間にしわを寄せて親の仇のようにキーボードを叩いてるのを見ると、怖くて声をかけられないよな。
でも、気にするな。
質問するのは、おまえのためだけではない。先輩のためにもなる。
考えてもみろ。おまえは、まだまだ新米のへっぽこエンジニアだ。大した責任なんて負わせられないし、負わせられても取れない。おまえがクビになっても問題は解決しないからな。
仮に、おまえの仕事が終わらなかったとしよう。その場合、責任を取らされるのは先輩だ。世の中の仕組みとして、新人と先輩はセットで扱われる。新人と先輩のセットに対して一塊の仕事が割り振られ、そのうちの一部を新人が、残りを先輩がやることになっているはずだ。
つまり、おまえの仕事が終わらなければ、その分は先輩がやらなくてはいけない。しかも、先輩がやることによって、おまえの中に経験は蓄積されない。おまえの中に経験が蓄積されなければ、先輩は、いつまで経っても、おまえに仕事を預けられない。先輩は楽にならない。
これは先輩にとっても、おまえにとっても喜ばしい状況ではない。
質問することによって、そんな状況を劇的に改善できる。
質問するのは、おまえのためだけではない。先輩のためにもなる。遠慮なく質問しろ。
おまえの仕事は先輩の仕事、先輩の仕事は先輩の仕事
なんだから、質問しないと、おまえはもちろん、先輩も困ることになる。
3.異常終了することも大事
そろそろ「あれ?もしかして、質問するのって良いことなんじゃね?」と思えてきたか?
せっかくだから、もう一つ、おまえの背中を後押ししてやろう。
仮に、おまえが作ったシステムにバグがあったとしようか。
1.たまに処理が異常終了する
2.処理は常に正常終了するが、たまに計算結果が間違っている
どちらのバグが嫌だ?
私は「2.」の方が嫌だ。「1.」のように異常終了すれば、少なくとも「何かおかしいんだな」と分かる。「2.」の場合は、おかしいのかおかしくないのか分からない。計算結果があっているのか間違っているのか分からなければ、使い物にならないよな?
それを踏まえて考えてみろ。
質問するということは「分からないことがあるよ~。順調に進んでないよ~」の意思表示だ。異常終了みたいなものだな。この意思表示をされるのと、意思表示は無いが結果が微妙なのとでは、どっちが嫌だ?
私は意思表示は無いが結果が微妙な方が嫌だ。世の中の大多数は私と同じ意見だと思う。
そりゃー、なんでも順調に進む方が良いさ。
でもな。「順調に進む」と「順調に見える」は大きく違うからな。そして「順調に見える」は「順調に進まない」よりヤバいことになる可能性があるから気を付けろ。
システムって奴は
異常終了することも大事
なんだ。
4.仕様はさっさと聞け、技術はまず調べろ
どうだ?質問することに対する心理的抵抗は減ったか?拙い文章で恐縮だが、少しでも減っていたら嬉しい。
ここまでで質問することに対する心理的抵抗は減ったと期待して、ここからは質問の仕方についての実践的なテクニックを話していこう。
質問することは悪いことではない。これは確実だ。間違いない。だが何でもかんでも質問すれば良いわけではない。これも事実だ。
では質問するべきか否かの判断をどこでするか?
それは残念ながらケース・バイ・ケースだ。一概には言えない。
作業の目的(終わるのが目的なのか、勉強するのが目的なのか)によっても違うし、締め切りまでの期間によっても違う。
ただ、一つだけ確実に言えることがある。
仕様はさっさと聞け、技術はまず調べろ
ドキュメント類をきちんと読破している前提だが、仕様に関する不明点は、考えても結論は出ない。極論すれば決めた奴しか分からないからだ。
そんな考えても分かりっこないことに時間をかけるのは無駄だ。さっさと聞け。
一方、技術的なことは頑張れば解決できる。
今は便利な時代だ。インターネットで調べればいろいろな情報が出てくる。英語で読めないとか、難しくて何を言っているか分からないとかはあるだろうが、答えに近づく道筋は用意されている。まずはその道筋を辿れ。
もちろん、答えに辿り付けないことはあるだろう。どこかでギブアップは必要だ。でも道筋を辿ったことは糧になる。少なくとも、先輩からの高評価は勝ち取れる。質問するときに「ここまで辿ったんですが、ここでギブアップしました」と言ってみろ。俺が先輩だったら、コーヒー奢ってやりつつ教えてやるよ。
何でも質問すれば良いわけではないが、何でも調べれば良いわけでもない。難しいところだな。
一つの目安は
仕様はさっさと聞け、技術はまず調べろ
だ。
考えても分からないことはさっさと聞け。考えれば分かることは考えろ。
5.質問もプレゼンも同じ。下準備が大事
おっ、勇気を出して質問に行くんだな。その心意気や良し。でも、ちょっと待て。準備はOKか?「よ~し、ボク、質問しちゃうぞ~!」じゃねーよ。いきなり突っ込むんじゃねーよ。落ち着けって。
実際に質問する前に、ちょっと立ち止まって考えてみろ。質問内容はまとまっているか?
なんだったら、聞きたいことを紙に書きだしてみろ。その紙を渡すだけで済んじゃうかもしれないぞ。
良いか。質問するという行為において、まずアクションを起こすのは、おまえだ。
1.おまえが質問する
2.先輩が回答する
当たり前だが、これが質問するときの流れだ。
大事だからもう一度言うぞ。
「おまえが質問する」これが始まりだ。おまえの質問内容が先輩にきちんと伝わらない限り、先輩は適切な回答をすることができない。
いかに速く、正確に意図を伝えるか
これが勝負どころであり、おまえの腕の見せ所だ。
この部分で質問の良し悪しの半分が決まる。ちなみに残り半分は優しさ……ではなく、質問内容だけどな。それに回答をいただいているときの態度を加えれば100%だ。
少し話が逸れたが、おまえの聞きたいことがきちんと伝わるか否かで、その後の展開は大きく変わる。
プレゼンと一緒だろ?
プレゼンだって、言いたいことが伝わらないと、結果には結びつかない。だからプレゼンをするときは、事前に資料を用意したり、発表の練習をしたりする。
質問するときも同じだ。特に、時間の無い人を相手にするときはな。
適切な回答は適切な質問から始まる
と意識しろ。
では適切な質問をするためにはどうすれば良いか?
質問もプレゼンも同じ。下準備が大事
だ。
6.第一声は「今、お時間よろしいでしょうか?」
よし、準備はできたな。じゃあ、いよいよ実践だ。質問してみよう。
でも、ちょっと待て。
できれば、優しく教えてもらいたいよな?
「仕方ね~なぁ(`へ´)」より「仕方ね~なぁ(´∀`)」の方が喜ばしいはずだ。
だから一つテクニックを伝授しよう。
質問するのは、あくまでおまえの都合だと意識して、まずはお伺いを立ててみろ。
キーワードは
今、お時間よろしいでしょうか?
だ。
相手の立場に寄り添ったこの一言があるかないかで、相手の態度はほぼ間違いなく変わるぞ。仮に態度が変わらなかったとしても、おまえに対する印象は変わる。
そして、このテクニックは応用が効く。
試しに電話したときに使ってみろ。こちらから電話をかけて相手が出たら、名乗った後に「今、お時間よろしいでしょうか?」だ。ほぼ間違いなく「良いですよ~」と言ってもらえる上に、相手の声がちょっと優しくなるぞ。
おっと、また話が逸れたな。
話を戻す。第一声は
今、お時間よろしいでしょうか?
だ。
ただし、ここで一つ注意が必要だ。
世の中には、明らかに誰が見ても忙しそうな奴もいる。そんな奴に「今、お時間よろしいでしょうか?」なんて聞いたら「見てわかんねーのか?!」とキレられること必至だ。間違いない。
そんな奴を相手にするときは
質問があるので、手が空いたら○分くらいお時間をいただけますか?
と言え。
この言い回しのポイントは
1.質問がある
2.手が空いたら
3.○分くらい
の3つだ。
「質問がある」で目的を説明し「手が空いたら」で相手の都合を優先し「○分くらい」で目途を伝える。
これで相手は、かなり予定が立てやすくなる。予定が立てやすくなるということは相手してもらえる確率があがるということだ。
ちなみに「○分くらい」の「○分」は適当で良い。捕まえてしまえば勝ちだ。私は、普通の質問だったら「10分くらい」こみ入った内容だったら「15分くらい」と言うことが多いな。結果として30分かかっても、それは仕方ないね、うん。ドンマイだ。
えっ?それでも相手してもらえなかった?忘れられた?
そんな奴が相手なんだったら、もうメールで送っちゃえよ。
その後で
メールで質問を送ったので見ておいていただけますか?
と一言伝えれば良い。結果として、おまえの仕事が進まなくても、それは先輩の責任だ。メールで送っておけば、おまえが悪くない証拠は残る。あっ、そうそう。最悪、他の上司をCCに入れておけよ。握りつぶされないように気を付けろ。
途中から処世術っぽい話になってしまったが、基本は
今、お時間よろしいでしょうか?
だ。覚えておけ。
7.一分、一秒を意識しろ
さぁ、数々の苦難を乗り越え、待ちに待った質問タイムだ。思いのたけをぶちまけろ!と言いたいところだが、ちょっと待て。
おまえは語りたいのか?聞きたいのか?どっちだ?
具体的に言おう。
状況説明は簡潔にしろ。
仕事というのは時間に追われることも少なくない。そして時間は有限だ。
限られた時間の中で、いかに多くの情報を引き出せるかが腕の見せ所だぞ。
つまるところ、仕事というのは時間を価値に換算する行為だ。そしてその価値がお金に変わる。如何にして時間あたりに生み出す価値を大きくするか?偉い人たちは、そこに日夜、頭を悩ませている。要はどれだけ儲けられるかだな。
それを踏まえて質問という行為を見てみよう。
先程も書いたが
1.おまえが質問する
2.先輩が回答する
の2つによって、質問という行為は成り立っている。
このうち「1.おまえが質問する」は何の価値も生み出さない。トリガーではあるが、それだけだ。「2.先輩が回答する」は価値を生み出す。「2.」の行為によって、おまえの知識量は増える。それに伴い、おまえのできる仕事が増えるだろう。これは価値があると言える。
ということはだ。
「1.」を少なくすることによって、相対的に生み出される価値を大きくできる。価値を生み出さない時間を減らせば、その時間を他に使えるからだ。
もちろん、質問の意図が伝わらなければ本末転倒だ。だが、きちんと伝わるのであれば「1.」に掛かる時間は少ない方が良い。
それを意識すれば、質問の仕方一つをとっても、工夫の余地は多々あるはずだ。
一分、一秒を意識しろ
時間は大事だぞ。
8.時間を奪ってることは意識しろ。でも気にするな
さて、いよいよ質問タイムが始まった。先輩は、おまえの質問に優しく答えてくれている。
だが、先輩が優しければ優しいほど感じるだろう。
「あぁ、今、先輩の時間を奪ってるな~」と。
それは、その通りだ。
おまえが質問したことによって先輩の時間を確実に奪っている。
でも、気にすんな。
上の方で書いた通り、おまえの仕事が終わらなくて困るのは先輩だ。お給料だって、おまえより先輩の方が多くもらっているだろう。後輩の面倒を見るのも先輩の仕事のうちだ。
だから、気にすんな。
先輩の時間を奪っていることを自覚し、配慮は必要だ。出来る限り時間を奪わないための工夫は必要だろう。
でも、気にはすんな。
それも先輩の仕事のうちだ。
時間を奪ってることは意識しろ。でも気にするな。
矛盾しているようだが、大事なことだぞ。
9.分からないなら「分かった」って言うな
先輩の解説タイムも佳境に入ってきた。熱心に教えてくれている。
でも、さっぱり分からない。
専門用語が多すぎて何を言ってるのかちんぷんかんぷんだ。
そんな中、先輩が悪魔の呪文を唱えた。
なっ?分かっただろ?
ここであなたは何と答えるだろうか?
断言するが、絶対に「分かった」と答えてはいけない。
例え先輩がニッコニコしていても、時計を見てそわそわしていてもだ。
あなたが「分かった」と答えた瞬間、その質問は先輩の中で「処理済み案件」に代わる。要するに「無事に解決した。良かった良かった」だ。
これは是が非でも避けなくてはいけない。
何故なら、もう一度質問に行ったら「さっき分かったって言ったじゃん」になるし、分からないまま放置したら「さっき教えたじゃん」になるからだ。これは、どちらの場合でも、素直に「分かりません」と答えたときよりもあなたの評価が下がる。そして、先輩にとっても余計に負担になる。単純に二度手間だというのもあるし、一回目に教えた時間が無駄な時間だったと感じるからだ。
自分のためにも先輩のためにも、分からないなら絶対に「分かった」と言ってはいけない。
分からないなら「分かった」って言うな
絶対に守れよ!
10.感謝しろ。言葉ではなく態度で示せ
長々と書いてきたが、いよいよ10個目だ。
おまえが質問して、先輩は回答をくれた。おまえの疑問は解消された。めでたし、めでたし。
だが、これで終わりではない。
先輩は、おまえのために時間を割いてくれたのだ。感謝しよう。
言葉で「ありがとうございました」と伝えるのは当然だ。それだけでは足りない。態度で示すのだ。それが布石となって、次回に繋がる。次に質問しに行ったときに、笑顔で対応してもらえるか嫌な顔をされるかは大きな違いだろ?
それでは、どのようにして態度で感謝を伝えるか?
コーヒーでも持っていくか?
それはまぁ、やりたいならやれば良い。だが、もっと大事なことがある。
同じ質問をしない
ことだ。
先輩は、わざわざ時間を割いて、おまえの相手をしてくれたのだ。同じ質問をするということは、先輩が割いてくれた時間が丸々無駄になったことを意味する。
人間だもの、たまには失敗もあるだろう。一回や二回であれば、笑顔で許してくれる人も多い。だが、繰り返されると腹が立つ。教える気をなくす。非常に不愉快だ。
そんな事態にならないように頑張れよ。コーヒーを持っていくよりも大事なことだぞ。
そして、もう一つ大事なことがある。
それは
メモを取る
ことだ。
対面で質問する際にメモを取る目的は、教えてもらったことを書きとめるためだけではない。もっと大事な役割がある。
それは
あなたの話をきちんと聞いている
というアピールだ。
人間というのは不思議なもので、相手がメモを取っていると、話を聞いてもらっている気分になってくる。お昼ご飯のことを考えてぼーっとしていても、メモを取っているだけで真剣に聞いているように見えるのだ。
だから、メモを取ろう。後で見返すかどうかはどうでも良い。
実際、私は自分が手書きで書いたメモを滅多に見返さない。
字が汚いので、解読するのが面倒だからだ。書いたときはバッチリな気分になっても、後から見返して読めないことは多々ある。恐らく、私が自分の手帳を落としても、情報は流出しないだろう。それくらい芸術的だ。
それでも私はメモを取る。
ちゃんと聞いてますよ。あなたが私のために使ってくれている時間は無駄になってないですよ
と伝えるためだ。
「同じ質問をしない」と「メモを取る」の2つ、より本質的な表現をすれば
自分のために使ってくれた時間を無駄にしない
ことが大事であると心得よ。おまえが成長することが最大限の感謝の表れになる。その上で、コーヒーでも持って行けば「君は可愛い奴だなぁ」と思われること、間違い無しだ。私が先輩だったら一発でオチるぞ。
感謝しろ。言葉ではなく態度で示せ
忘れるな。言葉は意外と薄っぺらいぞ。おまえが成長することが一番の恩返しだ。
理想はYes or No
ここまで長々と読んでくれてありがとう。
最後に私が新入社員時代のエピソードを一つ紹介して、締めとする。とある上司に言われた一言なのだが、今でも覚えているし、心に留めている。きっとこれからも忘れないであろう金言だ。いい加減読むのがかったるくなっているかもしれないが、もう少しお付き合いいただきたい。
私が入社して最初に配属になったプロジェクトは、いわゆる「デスマ」って奴だった。終電で帰れたらラッキー、月の稼働は300時間超、そんな現場だ。新人の私がそんな状況なんだから上司や先輩たちがどうなっているかは、想像してみてくれ。いや、むしろ想像しない方が幸せか。
そんなプロジェクトに参画することになった私は、体制的にプロジェクトリーダーの直下に配属された。使い物にならない新人だからな。誰も面倒を見ている余裕が無いので、責任者が引き取ることになったのだろう。
私は何も分からない新人だ。自分一人では何一つ満足にこなせない。プロジェクトリーダーは多忙だ。規模が大きいシステムなので責任も重い。しかも凄い優しい人だった。くそ忙しいのに丁寧に教えてくれる。質問する度に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。「ヤバいくらい忙しいのに私に付き合わせてごめんなさい」な気分だ。
そんな状況が続いたある日、本社に行く機会があった。とある機器を取りにいく、いわゆる「おつかい」って奴だな。
本社もやっぱりみんな忙しそうだ。私は気配を消して隅っこの方で作業をしていた。そこへ、ちょー怖い(と噂の)偉い人がツカツカと歩み寄ってきた。
そして私の肩にポンと手を置くと
ササキくんよぉ。○○さん(プロジェクトリーダー)は凄い忙しい人だからよぉ。何か分からないことがあって質問するときは「Yes」か「No」で答えられる質問にしろよぉ。
と、ドスのきいた声で告げ、またツカツカと去って行った。
端から見たらヤ○ザの幹部が一般人に因縁をつけているようにしか見えない状況だっただろう。
しかし、私の目からはウロコがボロボロだった。
……涙じゃないぞ。ウロコだぞ。ついでにフォローしておくと、その上司が怖いのは外見だけで中身はメッチャ理知的な人だからな。
話を戻す。
いざやってみると分かるが「Yes」か「No」で答えられる質問をしようとすると、質問の精度が上がる。質問内容を絞らなくちゃいけないので、自分で調べてある程度の当たりを付ける作業が必要になるからだ。そうすると必然的に質問内容が深いものになる。質問が苦手な人がたまに陥る「自分が何を質問したいか自体が分からない」なんて状況にもならない。
理解するために調べる
↓
質問する
だったのが
理解するために調べる
↓
質問するために調べる
↓
質問する
になることで「質問するために調べる」の分、アプローチが増えるよな。これがデカい。理解するための調査と質問するための調査で調べる観点が違うせいか、質問するための調査を進めていたら理解できちゃったよ、になることも少なくはなかった。
答える方も助かるだろう。「Yes」か「No」で答えれば良いのだから、一瞬で終わる。補足が必要になったとしても、どこを補足すれば良いのか推測しやすい。仮に、完全にトンチンカンな質問だったとしても構わない。少なくとも「さっぱり分かっていない」というのが分かる。「分かりません」「教えてください」といった「ほぼ丸投げ質問」もなくなる。
そして何より良いのが、質問することに対する心理的な抵抗が激減することだ。
質問内容を聞いてもらう時間は必要だが、答えに掛かる時間は最短で数秒で済む。自分なりにできる限りの配慮をした上での質問だからか、私の場合は「相手の時間を奪ってる感」を感じることが少なくなった。
これはマジで良いぞ。早速今日からやってみろよ。
「Yes」か「No」で答えられる質問をする。
たったこれだけを意識することで、格段に力が付くし、評価も上がるはずだ。
騙されたと思って、やってみろ。
まとめ
今回は「先輩や上司に質問するのが苦手なあなたへ送る10の言葉+1」をテーマに、先輩や上司に質問することが苦手な若手エンジニア向けに書いてみました。
優秀な人はみんな忙しそうにしているし、業界自体が「調べろ文化」だから質問ってしにくいんですよね。
そんな人は
1.質問するのも仕事のうち
2.おまえの仕事は先輩の仕事、先輩の仕事は先輩の仕事
3.異常終了することも大事
4.仕様はさっさと聞け、技術はまず調べろ
5.質問もプレゼンも同じ。下準備が大事
6.第一声は「今、お時間よろしいでしょうか?」
7.一分、一秒を意識しろ
8.時間を奪ってることは意識しろ。でも気にするな
9.分からないなら「分かった」って言うな
10.感謝しろ。言葉ではなく態度で示せ
+1.理想はYes or No
の10個+1を意識してみてください。
特に
「Yes」か「No」で答えられる質問をする。
を意識すると、いろんなことが楽になりますよ。
最初は誰でも知らないことばかりです。一つずつ経験と知識を蓄えていってください。応援しています。
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。長くなったり短くなったり文章量も適当ですが、これからもちまちまと書いていこうと思います。コンゴトモヨロシク。






