美学・生き様・佇まい。ずっと探していた、魅力の正体【カンヌへの道-03】
沖縄で俳優として活動しています。
仲間の一人芝居でめちゃくちゃ笑わせてもらった、いっちーこと伊藤駿一です。
普段は大学の医学部に通いつつ、演技の稽古に励む傍ら、「カンヌ国際映画祭主演男優賞」を目標にし、「演劇は世界を平和にする」という信念のもと、自らの表現と人生を豊かにしてくれそうなことは何でも試すようにしています。このnoteでは、そんな日々の試行錯誤のプロセスで見つけた学びや気づきを、できるだけ正直な言葉で綴っていきます。
このシリーズ「カンヌへの道」は、伊藤駿一が「カンヌ国際映画祭主演男優賞」というあまりに遠いゴールへ向かって、一歩ずつ進んでいくプロセスを記録するシリーズです。今この瞬間ぶつかっている壁、試したけど外れた仮説、たまに掴めた感覚、また失った感覚。その全部を、できるだけそのまま晒していきます。
美学・生き様・佇まい。ずっと探していた、魅力の正体
「タイプは?」「どんな人が好き?」と聞かれた時、ずっと、うまく言語化できない自分がいました。
学生時代から、いや、もっと前から、「魅力って何なんだろう」という問いを、頭の片隅に抱えてきた気がします。
気づくと考えていて、何かを言葉にしようとして、毎回どこかしっくり来ない。
これまで何とか絞り出してきた暫定解は、「自立している人」というシンプルな表現でした。
それも間違いじゃない。けど、なんか足りない。
そんな感覚が、ずっと残っていました。
消えていった候補たち
「魅力って何だろう」と考えるたびに、いろんな候補が浮かんでは消えていきました。
才能。
努力量。
見た目。
技術。
運。
コミュ力。
どれも、確かに大事なものです。
けれど、「これが魅力の正体だ」と言い切れるものは、どれもありませんでした。
僕が探していたのは、もっと根っこにあるもの。
表面に出てくる魅力的な要素を、その奥で支えている、太い幹のようなものでした。
たどり着いた3つ:美学・生き様・佇まい
ある時、ふと自分の中で言葉になった瞬間がありました。
魅力って、3つの層でできているのかもしれない、と。
1つ目は、目に見えるもの。
顔つき、所作、纏う空気感。一言でまとめるなら「佇まい」。
2つ目は、その佇まいを作っているもの。
日々の選択、行動、習慣。つまり「生き様」。
3つ目は、生き様を作っているもの。
その人が大事にしている価値観、信念、原則。これを僕は「美学」と呼びたい。
3つの言葉が腑に落ちた瞬間、なんだろう、喉に詰まっていたものが、やっと口から出てきたみたいな感覚がありました。
ずっと言葉にできなかったものに、ようやく名前がついた。
スッとした。
「心が変われば」の派生公式
そういえば、こんな言葉を聞いたことがあります。
心が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
出典ははっきりしないらしい。マザー・テレサ説や、ヒンドゥー教の格言説、いろんな説があるそうです。
それでも、この言葉が刺さる人がたくさんいるのは、間違いなく真理を突いているからだと思います。
僕がたどり着いた3軸も、これの派生版です。
美学が変われば、生き様が変わる。
生き様が変われば、佇まいが変わる。
佇まいが変われば、その人の魅力が変わる。
ロジックの構造は同じです。
ただ、僕はこれを「運命」ではなく「魅力」という側面で捉えたかった。
そこに乗っかる、時間という第4の要素
3軸の上に、もう一つ重ねたい要素があります。
それが「時間」です。
美学を持って、生き様に落とし込んで、佇まいに刻まれていく。
それを意識的に磨き続けてきた年数が乗ると、その人の魅力はどんどん深くなっていく。
そう感じます。
ただ、これは年齢の話ではありません。
若くても、自分なりの美学を持って磨き続けている人は、もう既に深い魅力を放っている。
逆に、年齢が乗っていても、どこかで磨くのをやめた人は、佇まいから滲み出るものが、少しずつ薄くなっていく気がします。
「人生は思った通りになる」という言葉もあります。けれど、僕はこれを、単なる引き寄せの話として受け取りたくない。
もっと地味で、論理的な話だと思っています。
思考が、選択を作る。
選択の積み重ねが、行動になる。
行動が、習慣になる。
習慣が、佇まいに刻まれる。
ただの、因果の連鎖です。
でも、磨き続ける意志がないと意味がない
ここまで書いて、自分にツッコミを入れたいことがあります。
3軸を整理しても、それを毎日に落とし込めなきゃ、意味がないよね、と。
僕自身、まだ全然できていません。
頭の中で整理した美学を、日々の選択や行動にきちんと乗せる。これが、めちゃくちゃ難しい。
「ありのまま受け入れる」と言いながら、自分にも他人にも雑念を持ってしまう瞬間が、1日に何度もあります。
3軸を「持っている」ことと、「磨き続けている」ことは、別物です。
ここを誤魔化さないでいきたい。
僕の美学はたぶん「誠実」
じゃあ、僕自身は今、何を磨いているのか。
自分の美学を一言で言うなら、たぶん「誠実」だと思います。
信じる。
ありのまま受け入れる。
自分のことも大事にする。
具体的にやろうとしているのは、
目の前の人が、より喜ぶ選択を続ける
悲しませる、ネガティブな気持ちにさせる選択をしない
ミスしても、怒られても、落ち込んでも、何度でも立ち上がる
別の言葉を当てるなら、「愛」かもしれません。
ただ、さっきも書いた通り、これを生き様にしっかり落とし込めているかと言われると、まだまだです。
できる日もあるし、できない日もある。
それを誤魔化さずに見つめながら、今日も明日も、続けていきたい。
直接見て、感動した人たち
実は、「美学・生き様・佇まい」を体現している人を、何人か直接見たことがあります。
その人たちに共通しているのは、
自分なりの美学が、はっきりとある
それを貫く生き様がある
佇まいに、その積み重ねが滲み出ている
ということ。
その上で、僕の中に強く残っている言葉と曲を、ふたつだけ書き残しておきたいと思います。
ひとつめは、スタンダップコメディアンのぜんじろうさんのライブで紹介された、こんな言葉です。
ぜんじろうさんが、師匠の上岡龍太郎さんから教わった言葉として以下が伝わっているそうです。
長いものに巻かれるな。大樹の影に寄りつくな。いつかは堕ちるんだ、しばしの栄光に酔おうではないか。
僕の中に、ストンと入ってきました。
権力や権威に媚びない。人生は儚いと知った上で、それでも今この瞬間に、酔いしれる。
こういう美学も、僕は自分の中に取り込んでいきたいなと思っています。
ふたつめは、シンガーソングライターの浜田ケンジさんの「心が震える方へ」という曲です。
この曲を、生で聴いた瞬間、涙が止まりませんでした。
歌そのものに、その人の美学・生き様・佇まいが、全部のっていた。
あの日のことは、忘れられません。
これは、役者だけの話じゃない
ここまで書いて、ふと気づきます。
「美学・生き様・佇まい」って、別に役者だけの話じゃない。
たとえば医者なら、患者にどう向き合うかという美学があって、それが診療の所作という生き様になり、待合室に入った瞬間に滲む空気=佇まいになる。
まだよく分かんないけど、たぶんそういうことだと思います。
会社員にも、学生にも、主婦にも、エンジニアにも、看護師にも、ほかのどんな立場でも、これは当てはまるはずです。
仕事や立場が違っても、「自分は何を大事にしたいか」という美学を持って、それを日々の選択に落として、積み重ねていく。
そうすると、その人だけの佇まいが、ゆっくりと出来上がっていく。
自分の美学を見つける鏡
もう一つ、書きながら気づいたことがあります。
自分が「魅力的だ」と感じる人は、たぶん自分の美学と共鳴する人なんじゃないか、ということ。
だとしたら、この記事は、他人を測るための基準じゃなくて、自分の美学を見つけるための鏡でもあるのかもしれません。
誰を魅力的だと思うか、なぜそう思うか。それを書き出してみると、自分自身の美学が炙り出されてくる。
ここはもう少し掘ってみたいテーマです。
また別の記事で、書こうと思います。
カンヌへの道は、結局、自分を磨く道
カンヌへの道は、まだまだ遠いです。
でも、その道を歩く僕自身が、どんな美学を持って、どんな生き様で、どんな佇まいになっていくか。
ここを磨き続けることが、結局のところ、一番の近道なんじゃないかと、今日は思います。
カンヌの主演男優賞を取りたい。
その時に舞台に上がる僕の佇まいに、ちゃんと美学と生き様が滲んでいてほしい。
そういう自分になっていきたい。
そのために、今日も、明日も、磨き続けていきます。
読んでくださり、ありがとうございました。
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直近の公演:第四回公演『にぬふぁぶし』開催決定!
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—— 金曜日の食堂で、子どもたちが見つけた居場所 ——
那覇の子ども食堂「にぬふぁぶし」を舞台にした、01 ENTERTAINMENT、チーム恵比寿の俳優たちによる群像ハートフルコメディ。
ある金曜日の17:00〜19:30、居場所のない人たちが、沖縄のおばあの厳しくて温かい食卓で「帰る方角」を見つけていく物語です。
日時:2026年6月7日(日) 13:00開演 / 16:00開演(2ステージ)
会場:壺屋演劇場かさね(沖縄県那覇市壺屋)
上演時間:約120分(休憩10分含む)
料金:大人2,000円 / 学生1,000円 / 小学生以下無料
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