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いきなりpodcastデビューして、15年分の確信に触れた【カンヌへの道-07】

沖縄で俳優として活動しています。
いきなりpodcastデビューをした、いっちーこと伊藤駿一です。

このシリーズ「カンヌへの道」は、「カンヌ国際映画祭主演男優賞」というあまりに遠いゴールに向けて、「演劇は世界を平和にする」という信念のもと、ぶつかった壁・外れた仮説・掴めた感覚・失った感覚を、そのまま晒していくシリーズです。今日はその第7話。

※「カンヌへの道」シリーズ全7話は記事末尾またはマガジンから。
マガジン → https://note.com/icchi_ito/m/md625d6052627


いきなりpodcastデビューして、15年分の確信に触れた

「機材買ったんだよね」から1時間後

5月12日、火曜日。
僕は普通に金井さんの家で話していました。

金井優さん。同じ01ENTERTAINMENTという俳優チームに所属している、3年来の仲間です。
普段は美容師をやりながら、舞台では脚本も書くし、俳優として舞台にも立つ。最近はYouTubeチャンネルも立ち上げた、もはやどう紹介すればいいか分からない人です。

その金井さんが、雑談の流れでこう言いました。

「ポッドキャストやりたいなと思って、機材買ったんだよね」

え、機材買った?
僕の中で何かがすぐ動きました。

「金井さん、それ、あるなら、今、撮ってみましょうよ」

その日のうちに、僕は「かないゆうチャンネル」の初回ゲストになりました。

機材トラブルの中で、ずっと2人で笑っていた

撮ろうと決めてから本番が始まるまで、機材トラブルの連発でした。
音が割れる。音が回り込む。エコーがかかりすぎる。MCボイスに切り替えてみる。
「あ、これだ」「いや違うな」「これは何のボタン?」を、機材の前で2人でずっと言っていました。

その時間が、もう既に楽しかったんです。

そして本番が始まって、もうひとつ新鮮だったのが、目の前にいる2人で喋っているのに、リスナーが向こうにいる前提で話す感覚です。
お芝居の稽古とも違うし、普段の雑談とも違う。
目の前の人と笑い合いながら、同時に、まだ顔の見えない誰かにも気を配って、話の流れを整える。
ドキドキ、ワクワク、楽しい、が一気に混ざった時間でした。

機材は最終的にミキサーのバッテリーが落ちて、途中から音質が少し荒くなりました。
それも含めて、初回らしくて、僕は好きでした。

スタンドFMで配信したら、また事故った

収録が終わって、金井さんがスタンドFMに上げてくれました。
僕もバックアップ的に手元で録音を回していたので、自分の発信用にも整えるつもりでいました。

そうしたら、また事故が起きました。

配信されたデータを聞いてみたら、流していたBGMが大きすぎて、2人の声がほとんど聞こえない。
冷や汗をかきました。

幸い、バックアップ録音が手元にあったので、その音源で上げ直してもらえることになりました。
最終的にはリンクが2つ並びました。トラブル版と、聞き取れる版。

▼ BGMが大きすぎたトラブル版(金井さんのチャンネル)

▼ 聞き取れる版(僕が上げ直したもの)

ここまでセットで初体験。
発信する側に回るって、こういうことなんですね。

金井さんが、15-16年前から温めていたもの

ここから、今日この記事を書きたかった本題に入ります。

ポッドキャストの中で、金井さんが「ブ"ユ"ーノマーズ」というキャラクターの話をしてくれました。
ブルーノマーズを「もじって」作った金井さんのオリジナルキャラクター。ピンクのジャケット、白のシルクハット、ギラギラのサングラス。沖縄を盛り上げる配信者、ブユーノマーズです。
先月YouTubeチャンネルを立ち上げて、もう動き始めています。

▼ 金井さんのYouTubeチャンネル「ブユーノマーズ」

最初は「面白い人だなあ」「動き出したんだなー」くらいに聞いていました。
ところが、金井さんの口から出てきたのは、15-16年前まで遡る話でした。

ブルーノマーズがデビューした頃、金井さんは友達から「ねえ、金井くんに似てる人がいるんだけど、絶対見てみて」と言われたそうです。
家に帰って動画を見たら、本当に似ていた。
「あ、これ俺じゃね」と思ったそうです。

その時、すでにやりたかったらしいです。
真似して何かを表現する、その方向で動きたかった。
でも、できなかった。

ピンクのジャケットなんて、当時はどこに売っているのかすら分からなかった。
白のシルクハットも、ギラギラのサングラスも、ちゃんとした流通もなかったし、あっても高かった。
さらに沖縄。テレビは2チャンネルか3チャンネル、雑誌は本土から遅れて届く、ラジオはアメリカ番組の方がよく入る。
そんな環境で、「自分、ブルーノマーズの真似してみたいんだよね」と動き始めるのは、難しかった。

「だから、できなかった」

そう淡々と話してくれた金井さんの口調が、僕の中にずっと残っています。

「これが、人生最後にやりたいことだと思う」

金井さんは、続けてこう言いました。

「いろんな仕事もやってきて、いろんなことやってきたけど、多分これが最後じゃないですかね」

人生で最後に、本気でやりたいこと。
ここから先、何か別の方向に行くことはなさそうだ、と。

YouTube、ポッドキャスト、配信。
インターネットが普及したことで、情報のタイムラグが消えた。物流が整って、欲しいものはすぐ届く。沖縄に住んでいることが、もう不利じゃなくなった。

むしろ、みんながわざわざ飛行機とホテルとレンタカーを取って来る場所に、自分たちは住んでいる。
オリオンTシャツ1枚で、毎日「沖縄にいる自分たちの写真」が撮れる場所に。

「沖縄、世界一いい場所だと思いますよ」

親の事情で世界をあちこち行った金井さんが、海外も経験した上で出している結論。
これがすごく潔い言葉で、僕は胸の奥が熱くなりました。

15-16年寝かせて、ようやく時代と環境が揃った。
ここで動き出すのは、もう必然なんだ、と。
確信が完全に落ちきっている人の声でした。

「待つことの強さ」の、もうひとつ手前

ここで僕が一番ハッとしたのは、「待った」ことの強さじゃありません。
そのもっと手前です。

15-16年前、金井さんに「やりたい」というワクワクが先にあった。
そのワクワクを、忘れずに、捨てずに、ずっと心の片隅に置いておいた。
それが、全部の前提だったということです。

待てるかどうかの前に、まず、心がときめいた何かがある。
それを言語化して、握っておく。

時代や環境が整わなかったら、しまっておく。
でも、放さない。

そして、ある日「あ、今揃ったな」と気づける目を、自分の中に育てておく。

時代の波は、こちら側がスタンバイしていない限り、勝手には乗せてくれません。
やりたいことが言語化できていない人は、波が来ても波だと気づけないし、乗れない。

金井さんは、15-16年スタンバイし続けた人でした。
だから今、波が来た瞬間に、すぐ動けたんです。

僕の現在地:「note書き溜め」というスタンバイ

ここから先は、僕自身の現在地の話です。

今の僕は、note記事を毎日書き溜めています。
2025年の10月から現在2026年5月までほぼ毎日書いてきました。
でも、いきなり読者が爆増するわけでもなく、影響力もまだ小さく、「これ本当に意味あるのかな」と思う日もあります。

ただ、金井さんの話を聞いて、僕の中で何かが整理されました。

僕がやっているのは、いつかAIに自分のすべてを読み込ませて、分身のような「いっちー」を作る前提のスタンバイなんだ、と。
過去の自分の感じたこと・考えたこと・揺れたことを、未来の自分が忘れた頃に取り出せる形で残しておく。
人間は本当によく忘れます。2年前、3年前に何を考えていたかなんて、ほとんど思い出せません。

その材料が貯まっていれば、ある日「あ、これで戦略練れるな」「あ、これで自分の分身が組めるな」と気づいた瞬間に、すぐ走り出せる。
その瞬間が来た時、自分がスタンバイできているかどうか。
それを、僕は今、毎日仕込んでいる最中です。

金井さんが15-16年仕込んだ規模には、まだ全然届きません。
でも、方向は同じだと、ポッドキャスト収録の帰り道で気づきました。

あなたへの一言

長くなりました。最後に、あなたに渡したいことを書きます。

もし今、「これをやりたい、でも今は環境がない」と思っている何かがあるとしたら。
それを、捨てないでください。
忘れないように、紙でも、メモでも、スマホでも、どこかに書いておいてください。

そして、毎日少しでもいいから、「今、その波は来ているか?」と自分に聞いてみてください。
コストが下がったか、技術が変わったか、人脈が増えたか、自分の側の準備が整ったか。

時代は、思っているより早く動きます。
ある日突然、15-16年前にはできなかったことが、当たり前にできるようになっています。
その時、手の中にちゃんと「やりたいこと」のメモが残っていれば、すぐ動けます。

僕も、それを今日、金井さんから受け取りました。

カンヌは、まだ気が遠くなるほど遠いです。
でも、僕も自分の中の「やりたい」を、これからも丁寧に握り続けます。
そして、その波が来た時に、一緒に乗ってくれる人を増やすために、今日もこの文章を書いています。

読んでくださり、ありがとうございました。


最後まで読んでくれたあなたへ

カンヌへの道も、演劇で世界を平和にする仕組み作りも、気が遠くなるほど先の話です。これからも今日のような分厚い壁に、数え切れないほどぶつかるはずです。

だからこそ、あなたが最後に押してくれる「スキ」の一つひとつが、「この熱のまま、もっと遠くへ行け」と僕の背中を押す最大の原動力になります。

もしよければフォローして、この長い旅の「一番の目撃者」になってくれませんか。いつか必ず辿り着くその景色を、一緒に見たいです。


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【挑戦その1】「地域を応援する演劇」プロジェクト連載中

「地域を応援する演劇」は、子どもの居場所・福祉施設・地域コミュニティを舞台にした、応援の輪を広げていく連続演劇プロジェクトです。

直近の公演:第四回公演『にぬふぁぶし』開催決定!

迷った時、上を見れば、いつもそこに光がある。
—— 金曜日の食堂で、子どもたちが見つけた居場所 ——

那覇の子どもの居場所「にぬふぁぶし」を舞台にした、01 ENTERTAINMENT、チーム恵比寿の俳優たちによる群像ハートフルコメディ。
ある金曜日の17:00〜19:30、居場所のない人たちが、沖縄のおばあの厳しくて温かい食卓で「帰る方角」を見つけていく物語です。

  • 日時:2026年6月6日(土) 13:00開演 / 16:00開演(2ステージ)
    ※当初6月7日(日)で告知しておりましたが、6月6日(土)に変更となりました。以前の日程でご予定くださっていた方、あらためてご確認いただけたら嬉しいです。

  • 会場:壺屋演劇場かさね(沖縄県那覇市壺屋)

  • 上演時間:約90分(休憩なし)

  • 料金:大人2,000円 / 学生1,000円 / 小学生以下無料

  • 主催:01 ENTERTAINMENT / チーム恵比寿

  • 脚本:伊藤駿一・金井優

  • 演出:西平寿久

▼ チケットのお問い合わせは公式LINEから

次回公演:『自治会パンデミック!』

「地域を応援する演劇」シリーズの次の公演です。1100世帯を抱える自治会で、実際に動くのはたった数人。崩れかけた自治会に、1人の若者が現れる——SNSやビジネスの力で改革が進む裏で、長年支えてきた人たちの「居場所」が消えていく。「数字か、つながりか」。対立する価値観の中で揺れる地域の、笑って泣ける群像劇です。

  • 日時:2026年7月4日(土) 14:00開演 / 18:00開演、7月5日(日) 13:00開演 / 17:00開演(全4ステージ)

  • 会場:壺屋演劇場かさね(沖縄県那覇市壺屋2-23-26)

  • 料金:一般2,000円 / 学割1,000円 / 小学生以下無料(当日券は一般・学割ともに +500円)

  • 脚本:かないゆう

  • 演出:西平寿久

  • 主催:01 ENTERTAINMENT

  • メイン出演:チーム大黒天 / Special Thanks:チーム恵比寿、01 ENTERTAINMENT(土曜クラス)

▼ チケット予約・お問い合わせは公式LINEから


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