迷ったら、まず一言。それだけで道は広がる【カンヌへの道-06】

沖縄で俳優として活動しています。
急に雨に降られた、いっちーこと伊藤駿一です。

普段は大学の医学部に通いつつ、演技の稽古に励む傍ら、「カンヌ国際映画祭主演男優賞」を目標にし、「演劇は世界を平和にする」という信念のもと、自らの表現と人生を豊かにしてくれそうなことは何でも試すようにしています。このnoteでは、そんな日々の試行錯誤のプロセスで見つけた学びや気づきを、できるだけ正直な言葉で綴っていきます。


このシリーズ「カンヌへの道」は、伊藤駿一が「カンヌ国際映画祭主演男優賞」というあまりに遠いゴールへ向かって、一歩ずつ進んでいくプロセスを記録するシリーズです。今この瞬間ぶつかっている壁、試したけど外れた仮説、たまに掴めた感覚、また失った感覚。その全部を、できるだけそのまま晒していきます。
▼「カンヌへの道」連載記事一覧
考えない、考えない、と考えている【カンヌへの道-01】
気づいたら、演じる楽しさを忘れていた【カンヌへの道-02】
美学・生き様・佇まい。ずっと探していた、魅力の正体【カンヌへの道-03】
「えんとつ町のプペル 約束の時計台」を見て、自問が始まった【カンヌへの道-04】
演じる僕の原点は、幼稚園の鬼ごっこだった【カンヌへの道-05】
迷ったら、まず一言。それだけで道は広がる【カンヌへの道-06】
いきなりpodcastデビューして、15年分の確信に触れた【カンヌへの道-07】
「頑張る」をやめて、「かさねる」にした1週間【カンヌへの道-08】
「助けて」って、言ってみようかな【カンヌへの道-09】
頼るのが下手な僕が、少しずつ練習している話【カンヌへの道-10】
任された。やりたい。でも、やり切れるか。【カンヌへの道-11】
明日が勝負。「最高だから」を、言える自分まで【カンヌへの道-12】
同じ景色を、隣で一緒に見たいだけだった【カンヌへの道-13】
「カンヌへの道」マガジン → https://note.com/icchi_ito/m/md625d6052627


迷ったら、まず一言。それだけで道は広がる

自分の至らぬ点を、書こうかどうか迷った

正直に言うと、今日の記事を書き始めるかどうか、書く前に少し迷いました。

これから書くのは、僕がやらかした話です。
ちゃんとした実績がまだ十分にない人間が、自分の醜い部分をわざわざ晒したら、ただただ信用を落とすだけなんじゃないか。
そんな心配が、頭をよぎりました。

それでも書くことにしたのは、これは僕自身が今夜、信念に書き足したばかりの一行と、地続きの話だからです。
そして、もし同じ穴に落ちそうな人がいるなら、その人にも届くといいな、と思ったからです。

3日返信できなかった、ある依頼のこと

5月2日の夜、公式LINEに、いつも応援してくださっている方からメッセージが届きました。
出張一人芝居の依頼でした。

世界観の指定もあって、お題もあって、読んでいてワクワクしました。

そして、こう思いました。

「お題をしっかり調べて、僕なりの構想を整えてから、ちゃんと返そう」

それから、3日が経ちました。

5月5日、その方から心配のメッセージが届きました。
数時間経って、キャンセルの連絡が届きました。

怖くて返せないのではなく、丁寧で返せなかった

3日間、僕の中で起きていたのは、「逃げたい」でも「怖い」でもありませんでした。
むしろ逆でした。

ちゃんと答えたかった。
お題を調べて、自分なりの構想を整えて、応援してくれているこの方にふさわしい返事を返したかった。
だから時間が必要で、だから後回しになっていきました。

でも、これって結局、「逃げ」と同じ穴の落ち方です。

怖くて返せないのと、丁寧でありたくて返せないのは、見ている景色が違うだけで、相手から見えている結果は同じ。
「読んだのに、返事が来ない人」です。

「ちゃんと答えよう」と思った瞬間こそ、まず一言だけ返す。

これが、今夜書き足した僕の信念です。

思い返せば、僕にはこの癖があった

書きながら、これは単発の事故じゃないな、と気づきました。

仕事のスケジュール確認の連絡が来た時にも、「自分の予定を確認してから返そう」と思って数時間経過したことがあります。
結果的に、その仕事がなくなったこともあります。

チームで動いている時にも、「連絡が遅れがちだよね」と言われたことが、何度かあります。

大事な相手ほど、大事な依頼ほど、ちゃんと整えてから返そうとして、ギリギリまで持ってしまう。
そういう癖が、僕にはありました。

不思議なもので、他の人が同じことをしているのを見ると、「もう少し早く一言だけくれたらいいのに」と僕は思います。
でも、自分のこととなると、それが見えなくなる。

今回のことは、その癖に光を当ててもらった出来事でした。

怒らずに去ってくれた人の言葉

キャンセルの連絡には、突き放しの言葉は一つもありませんでした。
最後まで、僕を応援する側に立った文章でした。

怒っていいはずの人が、怒らずに去ってくれる。
最後の最後まで、こちらの未来を信じる側に立ってくれる。

こういう人に、僕は何度助けられてきたんだろう。
そう思った瞬間、申し訳なさと、ありがたさが、同時に押し寄せてきました。

あとは見せていく時間

今日のことを受けて、僕は自分の信念のリストに、一行追加しました。

迷ったら、まず一言。

今日から実行します。

そして、言葉で詫びた後は、行動で見せていく時間に切り替えます。

カンヌに辿り着くまでには、まだ気の遠くなるほどの距離があります。
そのあいだに、僕を支えてくれる人をどれだけ増やせるかが、たぶん勝負です。

そして、そのような人を増やすために必要なのは、大きな実績や派手な発信よりも先に、
目の前の一通に、まず一言を返せる人かどうか。
今夜、僕はそれを骨身に染みて理解しました。

「演劇は世界を平和にする」という大きな看板を掲げる前に、
目の前の一人を残念な気持ちにさせない、その地味だけれど全ての基礎となる最低ラインがある。

ここを抜けないと、その先には進めない。
そう思い直しました。

もし、同じ穴に落ちそうな人がいたら

最後に、ひとつだけ、あなたに渡したいことがあります。

もし、いま誰かからのメッセージを開いたまま、「ちゃんと返してから」と思って数日経ってしまっている人がいたら。
スケジュール確認の連絡を、自分の予定を確かめながら返そうと思っているうちに、ずるずる時間が過ぎている人がいたら。
完璧な提案を作ってから連絡しよう、と思って何日もアプリを開いていない人がいたら。

まず、一言だけ返してみてください。

「受け取りました、ちゃんと考えてからお返事します」
まずはこれだけで充分だと思います。

ちゃんと答えるのは、その後でいい。
むしろ、一言を先に置いた方が、ちゃんとした答えにたどり着く時間も関係性も生まれます。

僕は今日、それを失って学びました。
あなたには、失う前に渡したい。

このnoteを、僕の信念書き換えの記録として、そして、誰かの「まだ間に合うリマインダー」として、ここに残します。

読んでくださり、ありがとうございました。


最後まで読んでくれたあなたへ

カンヌへの道も、演劇で世界を平和にする仕組み作りも、気が遠くなるほど先の話です。これからも今日のような分厚い壁に、数え切れないほどぶつかるはずです。

だからこそ、あなたが最後に押してくれる「スキ」の一つひとつが、「この熱のまま、もっと遠くへ行け」と僕の背中を押す最大の原動力になります。

もしよければフォローして、この長い旅の「一番の目撃者」になってくれませんか。いつか必ず辿り着くその景色を、一緒に見たいです。


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【挑戦その1】「地域を応援する演劇」プロジェクト連載中

「地域を応援する演劇」は、子ども食堂・福祉施設・地域コミュニティを舞台にした、応援の輪を広げていく連続演劇プロジェクトです。

直近の公演:第四回公演『にぬふぁぶし』開催決定!

迷った時、上を見れば、いつもそこに光がある。
—— 金曜日の食堂で、子どもたちが見つけた居場所 ——

那覇の子ども食堂「にぬふぁぶし」を舞台にした、01 ENTERTAINMENT、チーム恵比寿の俳優たちによる群像ハートフルコメディ。
ある金曜日の17:00〜19:30、居場所のない人たちが、沖縄のおばあの厳しくて温かい食卓で「帰る方角」を見つけていく物語です。

  • 日時:2026年6月6日(土) 13:00開演 / 16:00開演(2ステージ)
    ※当初6月7日(日)で告知しておりましたが、6月6日(土)に変更となりました。以前の日程でご予定くださっていた方、あらためてご確認いただけたら嬉しいです。

  • 会場:壺屋演劇場かさね(沖縄県那覇市壺屋)

  • 上演時間:約90分(休憩なし)

  • 料金:大人2,000円 / 学生1,000円 / 小学生以下無料

  • 主催:01 ENTERTAINMENT / チーム恵比寿

  • 脚本:伊藤駿一・金井優

  • 演出:西平寿久

▼ チケットのお問い合わせは公式LINEから



【挑戦その2】「出張一人芝居」はじめます!

沖縄本島内であれば、どこへでも行きます。
観客が何名でも構いません。「たった1人」からでも、見たいと手を挙げてくださる方がいれば、あなたのためだけに、指定された場所へ伺って全身全霊で演じます。

「いっちーの一人芝居を見てみたい」「うちの場所でちょっと演じてみてよ」と思ってくださる奇特で温かい方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください!

▼出張一人芝居の詳細や、企画に込めた想いはこちらから

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