病気ではない。でも最高でもない人へ|Dr.もさりラボ
健康にいちばんお金をかけている人が、いちばん不調だったりします。
経営者の健康相談をしていると、よく出会う光景です。サプリ、検査、ガジェットはそろっている。それなのに朝がだるく、寝ても回復しない。自分もそうでした。良いと聞いては試して、「あれ、これじゃなかった」と気づく。
なぜ外れるのか。効くものが、人によって違うからです。誰かに効いたものが、自分の不調の原因に合っているとは限らない。
本やまとめ記事も同じです。書いてあることが正しくても、自分に当てはまるかどうかはわからない。
結論だけでなく、患者さんに合わせて外来でいつも考えている順番まで書いているのが、Dr.もさりラボです。
病気ではない。でも、最高でもない。
健診はだいたいAで、仕事も回っている。会食にも行けるし、筋トレも少しはしている。なのに、昼すぎに電池が切れる。食後に眠い。寝たはずなのに、朝から重い。
はっきり病気と診断されたら、治療になります。けれど、病名がつく前の不調は、本人の努力に丸投げされやすい。
無料の記事では、入口になる話を広く書いています。メンバー限定で書いているのは、その先です。生活を変えても良くならないとき、次にどの検査を足すか、どの数値を疑うか。外来で患者さんに話しているのは、だいたいこの話です。
月1,000円で増やしたいのは、健康知識の量ではありません。
明日、何を試し、何を減らし、何をまだ足さないか。その判断材料です。
向いている人
健康情報を集めるより、自分なら何から試すかを知りたい人。健診では大きな異常がないのに、どこか不安が残る人。会食、出張、締切、育児、移動。きれいな健康習慣がどうしても作れない人。そういう人に向いています。
ここで扱っているのは、完璧な生活の作り方ではありません。
崩れても立て直せるやり方のほうです。

立て直しの最初の一歩は、原因を分けることです。たとえば、朝がだるいとき。睡眠時間だけの話なのか、会食の酒なのか。それとも夜の血糖なのか、運動不足なのか。高いサプリを足す前に、まずそこを分けます。
逆に、短く言い切ってほしい人には向かないかもしれません。
「これを飲めば解決」「この検査だけで大丈夫」「この運動だけすれば勝ち」といった書き方はしません。
健康は、遺伝や環境、生活習慣が複雑に絡み合っています。そんなに簡単に言い切れるものではないと、個人的には思っています。研究の限界も書きますし、観察研究は観察研究として扱います。マウスの話を、人での効果のように書くこともしません。
健康不安は、商売にしやすい。だからこそ、煽って答えを急がせるより、ちゃんと迷うほうが健全だと思っています。
最初の1本におすすめの記事
全部を読む必要はありません。「これは自分のことだ」と思える記事が1本あれば、そこから読んでいただけたらと思います。
1|筋トレ・運動・心肺機能を続けたい人へ
追い込みも肥大レンジも、要らなかった|米国最新筋トレガイドライン解説
「追い込まないと筋肉つかないですよね?」。その常識が、今年のアメリカの新しい筋トレガイドライン(ACSM、3万人の再解析)でひっくり返りました。追い込みも「8〜12回が肥大に最適」も不要。効いていたのは、週あたりの合計セット数だけ。17年やってきた自分も「ジムでやってたこと、半分要らなかった」と思い知った内容です。
1日7時間座る人が、仕事中にできる健康習慣を全部まとめた
「毎朝ジムに行ってるんで大丈夫」が、最近の研究で怪しくなってきました。日本人の座位は1日420分で世界一。週150分運動していても、座りすぎのリスクは消えない。でも30分に1回立って歩くだけで、血圧が降圧薬並みに下がります。ジムに行けない日を「失敗」にしないための実践記事。
VO2maxが高い人はうつ病リスクが36%低い|VO2max完全ガイド
走ると、脳に「保険」がかかる。400万人のデータがそう言っています。心肺機能が高い人は、うつ病リスクが36%、認知症が39%低い。見た目の筋肉とは別物の「身体のエンジン」の話です。散歩だけ、筋トレだけで、安心していいのか。
筋トレも有酸素も最高だ。でも全部はできない人へ|時間がない人の運動配分
筋トレは最高。有酸素も最高。でも、全部やる時間はない。14万人を最長30年追った2026年の研究では、筋トレは週90分から2時間弱の群で死亡が13%少なく、それ以上増やしても頭打ちでした。一方、心肺機能は測定された範囲で頭打ちが見つからなかった。だから筋トレ週2回を守って、追加の時間は心肺に回す。週2日しか動けない人の組み方から、忙しい週に削る順番まで。
2|睡眠・回復・脳のキレを戻したい人へ
10万の枕より効いた"眠れる食事"のつくりかた
枕に10万、マットレスに30万。それでも夜中に目が覚めると言っていた経営者が、脂肪肝のために食事を変えたら、中途覚醒が消えました。シカゴ大の研究でも、野菜と果物を食べた日は睡眠の質が16%高い。食べた、その日のうちに。寝室より先に、冷蔵庫の中身を。
Apple Watchの安静時心拍、70超えてたら黄色信号
安静時心拍を見せてもらうと、経営者はだいたい70台後半。124万人のデータでは、心拍が高い人ほど死亡リスクが高い。ただ「低ければ長生き」と単純でもなく、これは体の状態を映す「鏡」です。寝不足も疲れも、朝の数字に出る。スマートウォッチを、ただ流し見している人に。
睡眠の「ゴールデンタイム」は死んだ。それでも、寝る時刻はどうでもよくない
「22時から2時に寝ると、成長ホルモンがどばっと出る」。当直で生活が回っていた頃、自分はこれを気にして凹んでいました。でも、この神話の半分はもう古い。成長ホルモンは、何時に寝ても眠れば出ます。ただ、10万人の入眠時刻を機械で実測した研究では、22〜23時台に寝ついた群がいちばん心臓の病気が少なかった。早ければ早いほどいいわけでもない。夜型の人はどうすればいいのかまで、切り分けて書きました。
3|健診票・血糖・血圧を深く読みたい人へ
医者が2週間リブレをつけて気づいた「血糖値の意外すぎる真実」
糖尿病でもない自分が、血糖センサーを2週間貼ったら、医者17年の常識がいくつも崩れました。パンで160まで跳ねるのに、白米は130台。同じ定食でも、夜は朝の倍。寝不足の翌日は、同じものでも高く出る。「血糖値は正常です」で終わらせたくない人に。
経営者が倒れる前に、体が出す4つのサイン
「ちょっと疲れやすくなったかな、くらいで」。そう言った経営者に、内心ひやっとしました。この記事では、倒れる前に出ていた4つのサインを、全部タダで自己チェックできるものに絞りました。安静時心拍の経年変化、ペットボトルの蓋の固さ(握力)、2週間取れない疲れ、ベルトの穴。1つでも「自分かも」と思ったら。
オールAの死角。血管を本当に守るための検査と生活プロトコル完全版
「今年もオールAでした」という50代経営者の頸動脈エコーに、両側のプラークが映っていました。「なんでですか、全部Aだったのに」。A判定は「調べた範囲では問題なし」というだけ。LDLは124、中性脂肪も149でギリギリA。でも、ふつうの健診には出ないsdLDL・ApoB・Lp(a)という指標まで測ると、景色が変わります。
4|食事・腸・サプリ・会食を整理したい人へ
オメガ3と乳酸菌をやめて、4つだけ飲んでいるサプリの話
「先生、サプリ死ぬほど飲んでそう」。昔は、その通りでした。一番ひどい時期は30個。学会に白い粉末をジッパーに小分けして持ち歩き、友達からヤバい薬かと本気で心配されたこともあります。今、毎日飲むのは4つだけ。オメガ3と乳酸菌をやめた理由と、それでも残した4つの根拠を書きました。サプリは、足す技術より削る技術。
タンパク質は1日どれくらいとればいいのか|筋肉と長寿で答えが変わる理由
筋トレを始めて17年、タンパク質はずっと多めにとってきました。ところが2026年、タンパク質を減らす研究をまとめた総説が出た。減らすと血糖や体脂肪が改善し、動物では寿命まで延びていた。筋肉には多め。長寿には少なめ。答えが割れる中で、海外の有名な発信者たちの方針と比べながら、40代の自分が最終的に選んだ量まで書きました。
接待を減らさず経営者の数値を下げた、引き算の食べ方
「接待を減らせと言われても無理ですから」。そう言う社長に、自分は減らせとは言いません。コツは、ルールを足すことではなく、減らすこと。健康の話になると人はやることを増やしがちですが、増えるほど続きません。実際、3つお願いして守れたのは1つ。2つに減らしたら、両方続きました。接待は一度も減らさず、半年で中性脂肪は149から98へ。
ハマっていた16時間断食をやめた話
16時間断食に、2年どっぷりハマっていました。でも調べ直すと、勧めていた海外勢自身が、最近そろって距離を置いていた。自分も2年目から回復が遅れ、夜中3時に目が覚め、「顔がこけてる」と家族に言われてやめた。体重が減るのはカロリーが減るからで、タイミングに魔法はない。「効く・効かない」ではなく「自分の適量はどこか」の話です。
5|なぜ自分でやるのか、を考えたい人へ
身銭を切れ
「前の先生は、正直お腹が出てたんで、何を言われても」。外来で言われた一言です。患者は、医者が何を言うかより、どんな体でどう生きているかを見ている。自ら予防を実践する医師の患者ほど予防行動を取る、という190万人規模のデータもあります。自分が実名と顔を出して書く、その理由です。
健康管理を頑張りすぎると、人生まで在庫になる
数字は味方になります。でも、数字に支配されることもあります。Apple Watch、オーラリング、リブレを使いながら、健康管理との距離を考えたエッセイです。
Q&Aで扱っていること
「このサプリはどうですか」「健診でどの検査を足せばいいですか」「同じ生活なのに、日によって数値が違うのはなぜですか」。掲示板や質問箱には、こんな質問が届きます。どれも、ひとことで答えるほど外します。
Q&Aでは、こう分けて書いています。生活で試せること。追加で確かめたいこと。急がなくていいこと。個別はできませんが、頭を整理する材料にはなると思っています。質問はこちらからどうぞ。
夜中に目が覚めて、1時間眠れない|睡眠薬より先に試してほしいこと
夜中に目が覚めて、そのまま1時間眠れない。メンバーの方から届いた、この相談に答えた記事です。慢性不眠の第一選択は、睡眠薬ではありません。0円で始められるCBT-I(不眠の認知行動療法)です。寝つきは平均19分、夜中に起きている時間は26分短くなった。自分も目が覚めたら布団を出て、読み慣れた漫画を読んでいます。裏にある7つの原因の切り分けまで。
75歳まで健康な心身を保ちたい人へ
「75歳になっても、楽しくウインドサーフィンを続けられる心身の状態を保ちたい」。59歳の方から、週の運動メニューを全部書き出した相談が届きました。安静時心拍50、筋トレ週2回で、すでに95点。それでも、風の強さでその週のHIITを変える。筋肉の量だけでなく、風や波に崩された姿勢を戻す筋パワーを残す。95点を99点にする調整を、メニューの数字まで具体的に答えました。
料金と参加方法
月額1,000円(税込)です。1日あたり約33円。
メンバー限定記事は、月8本程度更新しています。過去のメンバー限定記事とQ&Aも60本以上あり、参加後すぐに、すべて読めます。
課金は参加した日から1ヶ月ごとです。月のどのタイミングで参加しても、1ヶ月ぶん読めます。
合わなければ、いつでも解約できます。noteの「参加手続きへ」ボタンから参加できます。
最後に
健康は、気合いだけでは続きません。知識だけでも足りません。
体調のどこでつまずいているのか。どの数字を追うか。何を足す前に何をやめるか。どこまで自分で抱えて、どこから人に頼るか。
この順番が変わると、日々の選択が少し変わります。
病気ではない。でも、最高でもない。その間にいる人が、次の一手を間違えにくくなるように書いています。Dr.もさりラボは、そういう場所です。
まずは、いまの自分に近い1本だけ読んでみてください。読んだあとに「次に確かめること」が1つでも浮かんだら、このラボはたぶん合っています。
続けるかどうかは、そのあと決めてもらえれば十分です。
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