「Solaria 2nd Stage 第十六話|その先のステージへ ④」

「Solaria 2nd Stage 番外編|はじまりの音」
「Solaria 2nd Stage 第一話|星降る約束」
「Solaria 2nd Stage 第二話|ぎこちない光」
「Solaria 2nd Stage 第三話|はじまりの朝」
「Solaria 2nd Stage 第四話|揺れるスタートライン」
「Solaria 2nd Stage 第五話|見えない距離」
「Solaria 2nd Stage 第六話|すれ違うリズム」
「Solaria 2nd Stage 第七話|雨に溶ける声」
「Solaria 2nd Stage 第八話|雨の再会」
「Solaria 2nd Stage 第九話|重なりはじめる音」
「Solaria 2nd Stage 第十話|東京南地区予選」
「Solaria 2nd Stage 第十一話|覚醒」
「Solaria 2nd Stage 第十二話|君がいるから」
「Solaria 2nd Stage 第十三話|その先のステージへ①」
「Solaria 2nd Stage |顧問紹介」
「Solaria 2nd Stage 第十四話|その先のステージへ②」
「Solaria 2nd Stage 第十五話|その先のステージへ③」
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「第十六話 | その先のステージへ ④」
コンコンコン、と軽いノック。
「練習中、悪い!」
ドアが開き、顔を出したのは顧問の五十嵐だった。
「本選への正式エントリーに関する書類を持ってきたから。各自、目を通しておくようにね」
そう言いながら、手にした封筒を机の上に置く。
ふと、視線が止まる。
「……お?」
しおりとゆいの姿に気づいた。

昨日までとは違う装い。
落ち着いたブレザーに、ネクタイ。
少しだけ大人びた雰囲気。
「水瀬と白石……急に雰囲気が変わったなぁ」
少し照れくさそうに笑う。

「素敵なプレゼント、もらったみたいだね」
その一言に、しおりとゆいがほんの少しだけ視線を交わす。
五十嵐はそれ以上は何も言わず、
「じゃ、頑張れよ」
とだけ残して、静かに部屋を後にした。
残された封筒。
ひなたが手に取る。
「……これが」
ゆっくりと、中を開く。
一枚の書類。
そこには——
「東京スクールアイドルジェネレーション 本選出場に関して」
と、はっきりと記されていた。

全員が自然と集まる。
ひなたの肩越しに、覗き込む。
その中には——
本選に出場する、全15グループの名前。
一つひとつ、視線がなぞっていく。
そして——
ある名前で、目が止まった。
「……Eternal」
誰かが、静かに呟く。
あの時の記憶が蘇る。
ステージに立った瞬間に伝わってきた圧。
研ぎ澄まされた動き。
圧倒的な完成度。
一度見ただけで、忘れることのできない存在。
「……強いよね」
さくらが小さく言う。
「うん」
ひなたが頷く。
でも、その表情は——
怯えではなかった。
あかりが、書類を見つめたまま言う。
「でもさ」
ゆっくりと顔を上げる。
「越えたい」
その一言に、空気が変わる。
しおりが静かに頷く。
ゆいが、優しく微笑む。
「全員で、ね」

ひなたが、拳を軽く握る。
「うん——行こう」
その日の練習が終わり。
夕焼けに染まる空。

屋上。
少し冷たい風が、制服の裾を揺らす。
そこに並ぶ、六人の姿。
新しい制服。
新しい関係。
そして—— 新しい目標。
「ねえ」
ゆいが、ふと思いついたように言う。
「せっかくだから、記念写真撮らない?」
「あ、いいねそれ!」
ひなたがすぐに反応する。
「撮ろう撮ろう!」
スマホを取り出すゆい。
「じゃあ、いくよ?」
全員が自然と寄り添う。
少し狭いフレームの中に、
ぎゅっと詰まる距離。
「あ、ちょっと近いって」
「あかりさん、押さないでください」
「ちゃんと入ってる?」
「大丈夫、大丈夫」
そんな他愛もないやり取り。
でも——
その時間が、何よりも愛おしい。
「いくよー?」

ひなたがスマホを構える。
「せーの」
シャッター音。
画面の中には——
新しいSolariaの、輝く笑顔。
夕焼けの空。
どこまでも広がるオレンジ色。
その下で。
六人の影が、並んでいた。

そして——
彼女たちは、まだ知らない。
この先に待っている“本当の戦い”も。
悔しさも。
そして——その先の、栄光も。
でも、確かなことが一つだけある。
終わりじゃない。
ここからだ。
第十六話 その先のステージへ ④ (終)
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― その先の頂へ 前編 ― へ続く
