空に描かれた白い線に導かれて
旅が終わればまた次の場所へと、ささやかな旅を
繰り返している。旅先の空に、彫刻に、足元に咲く
花に、時間とともに移ろう影の姿に、あらゆる形に
心ひかれている。飛行機が空に描いた白い線。今回
は、それを追いかけるような2日間の小さな旅。
日々の小さな旅。時間を見つけては、電車にゆられ

新たな街の風景へ。電車にはEXPO2025のキャラクター

旅は7月の中頃で、アガパンサスが淡く風景に色を添える

その旅は、次男のバレーの試合の応援のついでに始まって
空の奥行きに、いつかの空を思い描きながら

旅先の形をひろい集めるようにして、街をたどる

風景を分割するような、空にかかる電線に目を留めつつ

道の先へ、階段の向こうへ、歩を進める
旅の楽しみの一つは、彫刻をめぐること

空へと赤い弧を描く彫刻の

伸びやかな線の先に広がる空の下

次は青々とした芝生が輝く庭園の風景へ
そこには白い彫刻が、線に結ばれるようにして

設置されたリーニュ・ブランシュの庭が広がる

空に伸びる白い彫刻。地面に落ちる影に時間を感じ

彫刻によって切り取られたその日の空を
またいつかの空を思いながら
私にとっての旅は、美術館への旅でもあり

日本各地に散りばめられたアートのうつわは

それぞれに個性を帯びて、輝きを放つ

美術館と椅子。その空間の関係性にも心をよせて
時に椅子は空間と一体となり、出迎えてくれる
時を刻むレンガの建物は、私にとっての美術館への

旅の始まりの場所でもあり、手に取るように建築にふれた

始まりの場所。訪れる度、影は形を変え出迎えてくれて

時が経つほどに、やわらかさを増していくレンガの質感に
時の流れを感じながら、その先の空を見上げる

視点は風景を作り、立体化させ、記憶に重ねる

緑が広がる青い空の彼方に、うっすらとみえる白い筋は

だんだんと近づいては、またたく間にまた彼方へと
大空に描かれた時をつなぐような白煙に導かれ

久しぶりに万博記念公園へ。人々が見上げる空に

太陽の塔の向こうの大きな空に、白い線が描かれる

それは2025年の万博と、1970年の風景をつなぐ
万博記念公園は55年前、壮大な祝祭があった場所

1970年に日本で始めて開催された万国博覧会

当時の雰囲気を、デザインへの熱意をたどる

かかげられたテーマは、今なお、時代に問いかける
当時、万博会場に描かれたとてつもない風景に

心ひかれている。仮設であるからこその大胆さ

それは奔放で、躍動的で、時代の空気をまといながら

時に繊細で、未来をも指し示しているようで
EXPOパビリオンに残された鮮やかな記憶は

今の時代でも輝きを放っている

万博のシンボルマークが、モチーフの円が連なる日本館

ここは、あらためてEXPO’70の熱量を体感できる場所
55年前の夢の跡で、緑はその記憶を柔らかに包み

残された万博の遺産は、地面に当時の記憶を落とす

かつてここにあった祝祭の風景に思いをはせて

今も大阪を見守る太陽の塔に
未来を見据えるその姿に、また会いに来た
そして重ねた2025年の万博の風景
35年ぶりに大阪の空を舞ったブルーインパルス。
その航跡に導かれるようにして、万博記念公園を
訪れた。そこは空にEXPOの文字が描かれた大阪
万博が1970年に行われた場所。万博に残された
遺産は当時の風景を伝える。太陽の塔は、今も大阪
を見守り、未来を見据え立ち続ける。そのまなざし
の先の2025年に、また大阪で万博が開催された。
