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風まかせ文芸部 作品紹介【白紙】

第37回、「風まかせ文芸部」に参加してくださった作品を随時公開していきます!
「俺の、私の作品が載ってないんですけど!」っていう人がいらっしゃったらおっしゃってください!
気づき次第の更新ですのでご了承ください!
それではどうぞ!


【akashiba555さん】

静かな冬の神社で交差する、ほんの一瞬の勘違いと希望。
白紙のおみくじをめぐる小さな出来事は、未来をどう受け取るかという問いを、くすりと笑える余韻とともに残します。冷たい空気の中でふと生まれる、前向きさとすれ違い――読み終えたあと、初詣の記憶が少し違って見えてくる、軽やかな掌編です。

【みみずくの耳さん】

白紙に戻ることへの憧れと、戻らないと決めた現在。そのあいだに積み重なった時間と生活が、率直な言葉で綴られていきます。子どもとともに過ごす日々の慌ただしさ、諦観にも似たユーモア、そして静かな肯定。人生をやり直す物語ではなく、「このまま進む」ことを選んだ人の足取りが、読み手の胸にゆっくりと残る一篇です。

【カイロウドウケツさん】

語り口は淡々としているのに、時間の重みと雪の気配が静かに滲んでくる作品です。
白紙大改正という歴史的な出来事と、個人の記憶、そして村の終わりがゆるやかに重なり合い、現実と気配の境目が曖昧になっていきます。確かだったはずの汽笛の音は、救いだったのか、幻だったのか。白く塗り替えられた世界の中で、それでも「また走り出す」ものを信じる語りが、読み手の心に長く余韻を残す一篇です。

【ABC共創ラボ|語りとAIの未来設計所さん】

成人の日という節目の夜、何気ない家族のやりとりの中で手渡される「白紙」。
語られない祖父の意図、父の戸惑い、そして受け取った〈僕〉の静かな思索が、世代を越えて重なっていきます。意味が書かれていないからこそ残り続ける問いと、引き出しの奥で今も沈黙を保つ一枚の紙。読む人それぞれに、受け取る準備をそっと促してくる、余白の多い掌編です。

【しゅうびさん】

企画が白紙になったその日、一人の声優志望が立ち尽くす場所から物語は始まります。
選ばれる直前に失われた舞台、行き場のない感情、そして「役」を外したあとの自分自身。淡々とした描写の中に、期待と喪失、生活と夢のあいだの重さが静かに積み重なっていきます。前に進む決意を大きな言葉で語らず、それでも背筋を伸ばして次へ向かう――現実の手触りを残したまま、読み手の胸に長く響く一篇です。

【せいやくさん】

真っ白な手紙を前に、語り手は失われた「あなた」との記憶を、そっとなぞるように呼び起こしていきます。書かれていないはずの言葉が、光や熱ではなく、思い出と感情によって浮かび上がってくる時間。届かなかった問いと、今も残る温度が、静かな語りの中で重なります。白紙のまま差し出された想いが、読む人の胸にだけ、確かに滲んでくる一篇です。

【笹木茜さん】

何気ない雑談から始まった釣りの話は、静かな川辺と会社の喫煙所を行き来しながら、次第に不穏な気配を帯びていきます。
人の噂、尊厳、見て見ぬふりの共犯関係――日常の隙間に滑り込む怪異は、どこか滑稽で、そして妙に生々しい。笑っていいのか背筋を冷やすべきか迷うまま、最後に残るのは「白紙」という言葉の重さ。現代怪談とブラックユーモアが交差する一篇です。

【のほさん】

強い風にすべてが攫われていく感覚と、白紙に戻されることへの抵抗が、断片的な言葉で鋭く描かれます。リセットや再出発といった前向きな語彙を拒むように、ここにあるのは消耗と強制の感触。神や試練という言葉さえ疑いの対象となり、白紙は救いではなく操作として立ち上がります。短いながらも、読む者の思考を揺さぶり続ける、硬質で不穏な詩的テキストです。

【大島蓮司さん】

白紙のまま提出された作文をきっかけに、すれ違っていた母と娘の心が、静かにほどけていきます。忙しさの裏側で交わされなかった言葉、伝えきれなかった想い。その余白に、実は見えないインクで書かれていたのは、幼いまなざしからの確かな愛でした。読む者の胸に、遅れて届く温度と、言葉にすることの重みをそっと残す、やさしく切ない一篇です。

【片桐みかんさん】

答えを書くことを求められる場面で、あえて白紙を選ぶという静かな選択。
語られない家庭の輪郭、知っているはずの親を「知らない」と記す言葉が、淡々と胸に積もっていきます。埋められなかった空白は怠慢ではなく、嘘を書かないための誠実さ。その白紙こそが、少年にとっての唯一の答えだったのだと、読み手に静かに突きつける一篇です。

【ようさん】

真っ白な紙飛行機になぞらえて語られる、新しい始まりの宣言。
勢いよりも、自分の速度を選び、失敗さえも軌跡に変えていく意志が、軽やかな言葉に宿っています。誰にも縛られず、何度でも飛び直す強さとしなやかさ。白紙であることを不安ではなく祝祭として受け取る、その感覚が読む人の背中をそっと押す、前向きな余韻を残す一篇です。

【鈴蘭さん】

白紙の前に立つとき、人は自由と不安を同時に手にする。
この作品は、何気ない日常の一瞬──歩幅が重なる偶然や、ふとした感覚の揺らぎ──から、現実と幻想の境界へと読者を静かに導いていく。

書かれていないこと、決められていないことの中に潜む、無限の余白。
過去と未来、意味と無意味が溶け合うその場所で、「白紙」はただの紙ではなく、世界そのものとして立ち上がる。

言葉を重ねるという行為の原点を、そっと思い出させてくれる一篇。
読み終えたあと、目の前の空白が、少しだけ違って見えるかもしれない。

【みわからすさん】

「白紙」という一枚の提出物をめぐる、教師と生徒の短いやり取り。
そこには反抗も皮肉もなく、ただ言葉の行き違いと、世代の視点の差が静かに浮かび上がる。

先の見えない一年を前に、「何を書くか」ではなく「どう在るか」を選んだ生徒の態度は、軽やかで、どこか潔い。
説明しすぎない会話の間(ま)が、読む側に解釈の余地を残し、白紙そのものを問いとして差し出してくる。

未来を決めきれない不安と、まだ何者でもない自由。
その両方を抱えたまま差し出された一枚が、読む人の胸にも、そっと置かれる作品。

【水玉さん】

畑から連れてこられた一玉の春キャベツが、物語の中心でやさしく擬人化される。
「春玉ちゃん」と名付けられた野菜をめぐる会話は、どこか可笑しく、どこまでも愛おしい。

食べものへの敬意、言葉遊びの軽やかさ、そして名前のない関係がもつ、まだ形にならない温度。
春キャベツの瑞々しさと重なるように、ふたりの距離感もまた、柔らかく揺れている。

はっきりとした定義や約束はない。
けれど、畑に水をやるように、少しずつ育てていきたい気持ちだけは確かにそこにある。

芽吹きを待つ春の空気と、白紙のまま抱えられた関係性が、静かに胸に残る一篇。

【⭐︎chobiちょび358⭐︎さん】

「全てを白紙に戻す」――その一文から始まる、静かで強い言葉の連なり。
整然と並んだ文字は、一見すると整っているのに、読み進めるほどに不穏さと諦観が滲んでくる。

リセット、永遠、繰り返し。
選ばれた語はどれも日常的でありながら、人生や時間そのものを問い直す重さを帯びている。
短い形式の中に、終わらなさへの疲労と、それでも続いていく現実が封じ込められている。

白紙とは、希望なのか、それとも回避なのか。
読む者の立場やその日の心境によって、意味が静かに書き換わっていく一篇。
余白に残るのは、答えではなく、続いていく「らしさ」だけかもしれない。

【ふふっさん】

真っ白なキャンバスを前に、「もう完成している」と言い切る少女。
部活の一角で交わされる軽妙な会話の中に、創作への衝動とズレた発想のきらめきが詰まっている。

何も描かれていないように見えるもの、けれど本当に“ない”のか。
見る側が探し、想像し、耳を澄ますことで初めて立ち上がる世界が、さりげないユーモアとともに描かれていく。

自由な感性と、譲れない「白」へのこだわり。
静けさの中に確かに存在するものを信じる、その姿勢がやさしく胸に残る一篇。

【Ryuさん】

真っ白な部屋で目覚める「私」と、手の中にある白紙のノート。
書かれていないはずのページに、行動とともに言葉が現れる――そんな静かな違和感から、物語は始まる。

夢と現実、生と無、記録と記憶。
淡々とした語り口の中で、人生そのものを「書き込まれていくもの」として見つめ直していく視線が印象的だ。
成長と腐敗、秩序と混沌が、白と黒の対比のように静かに重なっていく。

最後に残るのは、答えではなく余韻。
日常へ戻ったあとも、ふと「自分のノート」を思い浮かべてしまう。
白紙に戻すことの意味を、そっと問いかけてくる一篇。

【財布野紐ゆるみさん】

事故をきっかけに、過去の記憶だけを失った少年。
彼の前には、感情も進路も書き込まれていない、長い「空白の時間」が横たわっている。

失われた出来事を知識としては理解できても、そこに結びつく感情だけが戻らない。
その静かな欠落が、日常の描写や人との距離感に、淡い違和感としてにじんでいく。
寄り添うように現れる同級生の存在もまた、過去と現在のあいだで揺れている。

これは、記憶を取り戻す物語ではない。
白紙のまま残された人生に、これから何を書くのかを選び直す物語だ。
一歩踏み出すまでの静けさと、その瞬間の確かさが、読み終えたあとも静かに胸に残る。

【足木本望睦さん】

幕が上がる直前の舞台袖。
役も流れも理解しているはずなのに、肝心なものだけが、すべて抜け落ちている――そんな悪夢のような感覚から物語は始まる。

きらびやかな舞台の裏で広がるのは、「知っているはず」と「できない」の落差が生む焦燥。
白紙の台本は、準備や経験が一瞬で無力になる怖さと、それでも前に出なければならない状況を象徴している。

混乱の中で踏み出す一歩と、身体が覚えている衝動。
夢と現実の境目を軽やかに行き来しながら、表現することへの不安と楽しさを鮮やかに描いた一篇。
目覚めたあと、舞台の余熱だけが、しばらく胸に残る。

【不思議の国のアリスさん】

なんでもない一日。
けれど胸の奥では、期待と不安が風船のように膨らんでは、静かに揺れている。

欠けた何かを探す視線は、空や街や日常の細部をなぞりながら、自分自身の内側へと戻ってくる。
白いシャツ、赤いトマト、酢の匂い――ありふれた光景や感覚が、確かに今日をつないでいる。

すべてを白紙にはできないと知った、その先で。
「なんでもない日」が積み重なって生きているという実感が、そっと手渡される一篇。
読み終えたあと、今日という一日が、少しだけあたたかく感じられる。

【安&堵さん】

白紙の答案用紙を提出する――それは失敗か、覚悟か。
数学の証明問題を前にした一瞬の選択から、この作品は「正しさ」と「潔さ」の境界を軽やかに踏み越えていく。

0点という結果と、そこに滲む途中までの格闘。
現実と夢、自己評価と自己肯定が、ユーモアを帯びた語り口で重なり合い、白紙という行為に不思議な余白を与える。

言葉遊びのようでいて、どこか人生観に触れてくる。
満点を今ここで取れなくても、未来はまだ書き換えられる――
そんな楽天性と諦観が同居した、読後にくすりと笑いが残る一篇。

【適温より1℃低めさん】

見渡す限りの白。
それは雪原にも、砂漠にも、あるいは何も書かれていない紙にも見える世界。
淡々と記録される行軍の描写は、精密で現実的であるほど、次第に読者の感覚を侵食していく。

極限環境で交わされる最小限の会話、身体を気遣う所作、名前で呼ぶことへのこだわり。
その一つひとつが、白一色の世界の中で、かろうじて人間である証のように浮かび上がる。

これは戦闘の物語ではなく、到達の物語でもない。
削ぎ落とされた世界で、「役割」や「名前」さえ失われていく過程を、静かに、しかし執拗に描く作品だ。
読み終えたとき、白紙とは何か、そして自分は今、何を書いている途中なのかを、ふと考えさせられる。

【藍出紡さん】

白紙のノートに差し込む光、その静かな一瞬をすくい取った短詩です。
過去の後悔も、未来への不安もいったん脇に置き、「まだ何も始まっていない時間」が持つ澄んだ自由を、やさしい言葉で描いています。

鉛筆と消しゴムという身近な存在が、選び直せる余地、間違えても戻れる安心をそっと示し、読む人の肩の力を抜いてくれます。
何かを書かなければ、決めなければと焦る前に――
何も書いていない今こそが、もっとも自由だと気づかせてくれる、静かで前向きな余韻を残す一篇です。


ちなみに・・・!
もっと自由に創作を楽しめる場所を作ってみたくて、
小さな部室のようなメンバーシップをはじめました。
ふらっと、立ち寄ってもらえたら嬉しいです!

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