一人ひとり、歩いてきた。 そして今、ここで、見つめあう。 近年、国際的な注目を大きく集めている日本の写真表現。しかしこれまで、その代表として紹介される写真家はとかく男性に偏りがちでした。 そうした中、2024年夏には、1950年代から今日まで、表現の世界において重要な役割を果たしてきた女性写真家に光を当てた書籍『I’m So Happy You Are Here』が英仏2か国語で刊行。これにあわせ開催された同名の展覧会は、フランス・アルル国際写真祭を皮切りに世界巡回を続けており、いずれも、新たな角度から日本の写真表現を辿り、その歴史を見直す画期的な取り組みとして高く評価されています。 その凱旋記念となる展示「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」展。本書は、その展覧会図録として刊行されました。 『I’m So Happy You Are Here』の内容をさらに発展させ、新たに収録作家を加え、30名の女性写真家を紹介。戦前から現代まで、それぞれの時代を切り拓き、自らのまなざしによって写真表現を豊かに更新してきた歩みを、作品図版と言葉とともに辿ります。 さらに、『I’m So Happy You Are Here』に収載され、本書の視点を支える3本の論考──ポリーヌ・ヴェルマール「I’m So Happy You Are Here」、キャリー・クッシュマン、ケリー・ミドリ・マコーミック「カメラで世界を築いた女性たち」、竹内万里子「逸脱する女性たち」──を、日本版にあわせて加筆・修正のうえ収録。日本女性写真家の表現を、写真史にとどまらない視座から深く掘り下げます。 また、1926年から2025年までの約100年を辿る詳細な年表(松田貴子 編)を掲載。女性写真家たちの活動を軸に、社会の出来事や美術・文化の動向、写真史のトピックを並行して記すことで、それぞれの表現がどのような時代と呼応しながら生まれてきたのかを立体的に見渡します。 加えて、日本、中国、台湾、韓国、それぞれの研究者による論考を収録。各国・地域における女性写真家の現在と、その歩みを辿る歴史を通して、それぞれの文化や社会のなかで育まれてきた女性写真表現の軌跡を見渡し、東アジアの女性写真史を横断的な視点から捉えます。 一冊の展覧会図録であると同時に、日本女性写真史を深く読み解き、さらに世界へと視野を広げるための、かつてない資料集。本書は、女性写真家たちが切り拓いてきた豊かな表現の歴史と、その現在、そして未来へと続く可能性を伝える一冊です。 収録作家: 山沢栄子 | 杉浦邦恵 | 岡上淑子 | 今井壽惠 | オノデラユキ | 今道子 | 蜷川実花 |多和田有希 | 小松浩子 | 常盤とよ子 | 石川真生 | 渡辺眸 | 西村多美子 |志賀理江子 | 岩根愛 | 石内都 | 米田知子 | 藤岡亜弥 | やなぎみわ | 澤田知子 |野村佐紀子 | 片山真理 | 岡部桃 | 長島有里枝 | 原美樹子 | 潮田登久子|ヒロミックス | 楢橋朝子 | 野口里佳 | 川内倫子 執筆者: ポリーヌ・ヴェルマール、キャリー・クッシュマン、ケリー・ミドリ・マコーミック、竹内万里子 小林エリカ、上白石萌歌、吉田恵里香、くどうれいん、永井玲衣、大島育宙 山田裕理、榮榮&映里、侯鵬暉、ユ・ジウィ、レスリー・A・マーティン
※2026年8月10日 11:32時点
詩人・石牟礼道子と染織家・志村ふくみ。 現代日本への危機感を募らせた二人は、次世代に残したい最後のメッセージを新作能「沖宮」に託した。 「沖宮」は戦に散った天草四郎と生き残った幼い少女、そして、人々の死と再生の物語。 シテは若宗家・金剛龍謹。 本書は、志村ふくみの能衣裳や、原作の舞台である天草・島原の風景を、写真界のノーベル賞といわれるハッセルブラッド賞受賞の石内都が撮り下ろした「沖宮」の世界に誘うイメージブック。
※2026年8月4日 6:31時点
世界の鉱山で自ら原石を採掘し、豊かな表現力でデザイン・製作する川添微のジュエリー。 「原石のもつエネルギーを身につけるひとにそのまま届けたい」という熱情からつくりだされる「ほのかのエメラルド」は、原初の宝飾を想起させ現代に新たな価値観を提示している。 本書は川添作品と原石を写真界のノーベル賞とよばれるハッセルブラッド賞受賞の石内都が撮影。 その魅力を根源から伝える初の作品集。
※2026年8月14日 0:32時点
石牟礼道子の思想に迫る、追悼特集。 水俣に生きる人々の暮らしと病を見つめ続け、『苦海浄土』をはじめとする記念碑的作品を遺した石牟礼道子。 その来歴と作品世界の広がりを再考し、追悼する。 目次予定* 【再録】 波と樹のことを語る(『現代思想』1998年5月号) 「我が国の回復を」(『ユリイカ』2010年1月号) 【未収録作品】 【討議】 栗原彬+藤原辰史 【インタビュー】 加藤登紀子 【エッセイ】 渡辺京二/最首悟/中村桂子/赤坂憲雄/赤坂真理/ 【写真/インタビュー】 石内都 【論考】 鎌田東二/安藤礼二/雑賀恵子/山内明美/花田昌宣/佐藤岳晶/ 除本理史/成元哲/野田研一/井上洋子/佐藤泉/姜信子/ 森下直紀/新城郁夫/・・・・・
※2026年8月20日 10:31時点
今年、デビュー40周年を迎える石内都。建物や皮膚そして遺品などに残された生の軌跡から記憶を呼び覚ます石内の写真は、「記憶の織物」とも評され、世界各地で高い評価を受けている。 本書は、石内の40年にわたる活動を展覧できる横浜美術館の展覧会公式図録。 「肌理(きめ)」をテーマに初期の未発表写真から最新作まで、自選された約240点を紹介。
※2026年8月20日 3:32時点
写真家は何を見、何を考え、何を写そうと撮影するのか。約50点の写真と共に、石内都の個性豊かな言葉が紡がれていく。
※2026年8月5日 19:34時点
※2026年8月12日 13:32時点
子どもの健やかな成長を願い、母親が着物の背中に飾り縫いを施した「背守り」。背に縫い目のない子どもの着物は背後から魔が忍び込むとされ、魔よけとして付けられました。シンプルな縫い取り、刺繍、アップリケのような押し絵など、それらの造形は実に多彩です。百人の人から端切れをもらい集めて綴った「百徳着物」や、蓑亀・鶴など縁起物の図柄の「守り袋」、童子や蝙蝠など意匠の凝った「迷子札」も、同じ意味合いを持ち、子どもたちが身に付けました。そのどれもが、生育や安全が十分でなかった時代の、子どもを守るための母の祈りを形にしたものといえます。 本書では、江戸後期から昭和戦前までにつくられた「背守り」を代表とする祈りの造形の様々を、日本の豊かな衣文化のひとつとして紹介します。巻頭より、2005年ヴェネチア・ビエンナーレで日本代表を務めた石内都が撮り下ろした写真60ページで展開します。父母の着物の仕立て直しであることが多い子どもの着物。石内の写真はその時間の積み重なり、そして造形美の奥にある目には見えない母の祈りまでも写し取ります。鬼子母神・真成寺(金沢市)蔵の重文資料も多数収録。巻末の論考は、背守りの歴史的背景や日本人の美意識を考察します。
※2026年7月30日 3:32時点
※2026年8月8日 9:32時点
井上ひさし氏、柳田邦男氏が高く評価。風化しない広島 花柄のワンピース、水玉のブラウス、テーラーメイドの背広、壊れたメガネ。写真家・石内都が被爆遺品を撮った。美しいから辛い、可憐だからむごい。石内の写真に広島の心模様が残っている。第50回「毎日芸術賞」受賞作。
※2026年7月31日 18:33時点