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我が胆のうで育まれしウルル③〜救急外来、自販機にて覚醒〜

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私の決断

痛みは酷くなり、吐いても楽にならなかった
正直立っているのもやっと。
23時45分。

救急車を呼ぶべきか?
いや。ここはアパート。
こんな時間にピーポーピーポー鳴らされたら
住民の皆様にご迷惑をおかけしてしまう!
何よりも、私の部屋は3階建てアパートの2階。
しかも、階段の真ん前。
どセンターなのだ。
無理。

駐車場で待機しようか。
いや。駐車場まで行けるなら
救急車を呼ぶほどではないのでは?
このご時世、貴重な救急車を
私なんかに使うべきではないんじゃないか?

今日は土曜日。
月曜日までとにかく待って
消化器専門の病院に行くか?
寝たらきっとまた落ち着くのでは?

様々な選択肢が頭の中を駆け巡る。
どんどん激しくなる痛み。
ここで私はついに決断した。

「よし。運転して行こう。」と。

車社会の沖縄。
50m程先のコンビニですら
車で行く、ザ・沖縄人な私。
タクシーっていう選択肢は浮かばんかったのよ。
これには後で気づいた。
タクシー会社、目と鼻の先だったのに。
あの時は冷静なつもりだったけど
実際はそうではなかったらしい。


痛みよ退け!魂の壁打ち!

家から車で10分程度の場所にある
県立病院にたどり着いた。
車から出て、朦朧としながら
救急外来の受付へ入る。

受付「これ、あっちで書いて出してください」

問診票を受け取って
記入する場所へ移動する。
普通なら2~3歩だ。
激痛を抱えた40代だと
それが30倍くらいの距離(もちろん体感)へと変わる。
スーパー牛歩だ。
もはやリハビリだ。

なんとかペンを持った。
痛みで手が震えてうまく書けない。
クソッ!病院ってなんて不親切なんだ!
そんな感情を抱いてしまいそうだった。
危ない危ない。
他責のクソBBAになるところだった。
普通はその状態の時って
おそらく付き添いがいる。
私が勝手に一人で来ただけだったのだ。

カウンターに寄りかかり
フーフーと浅く息を吐きながら
震える手でなんとか書き上げた。
提出するためにまた受付に戻る。
同じ距離をヨタヨタと。
震える手で問診票を差し出した。

受付「あ、じゃぁ今度はこれに記入して
   また持ってきてください」

鬼畜!!悪魔!!スパルタ理学療法士!!

と罵りそうになった。
危ない。人間、極限の痛さの前では
どうなってしまうか分からない。
しつこいようだが、
普通、この状態の人には付き添い人がいる。
1人で運転して来た私が100パー悪い。

「心頭滅却すれば火もまた涼し」なマインドで
カウンターに向かった。
無理だった。
痛いもんは痛い。
でも、がんばった。(語彙力…)

受付「とりあえず、2時間は待つと思います⭐︎」

そりゃそうだ。
自力で来た人間には
全ての人をすっ飛ばす程の緊急性はないもんな。
私の前には4~5人待機中だった。
みなさん辛そう。
症状はみんな違うけど、頑張ろうな!
とか思ってみるなどした。

私はその待合ロビーの一番後ろの長椅子に座った。
壁に密着して設置されていたので
背もたれのように壁を使えた。
椅子の側面には自販機が接する形で置かれ、
囲われた感じになっていて、
そこにももたれられるのがちょうどよかったのだ。

「楽な姿勢を探そう」
そう考えた私は、もぞもぞと
いろいろな体勢を試してみた。
しばらく経って悟った。
楽な姿勢などない。
気がつくと私は「フンーッ!!」と
自分の太ももに拳を振り下ろしていた。
数回やったが痛みは散らない。
次に、横の自販機に右の手のひらから肘を付け
手の甲に頭をゴンゴンゴンゴン打ちつけた。
痛みでじっとしていられなかったのだ。

すると、周辺に座っていた具合の悪そうな方々が
ビクッとなって
蜘蛛の子を散らすようにその場から離れた。
当然だ。側から見れば私は危険人物。
終始落ち着きがなく、唸り、
挙げ句の果てには自販機に頭を打ちつける。
そんな人間怖いに決まってる。
でもごめん。どうすることもできなかったし
人様からどう見られるかなんて
考える余裕はなかった。

そうこうしているうちに2時間半あまりが過ぎた。
時刻は午前3時前。
ようやく名前を呼ばれた。

つづく

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📚 『我が胆のうで育まれしウルル』全話まとめ

👉 ①初めてのウルル爆誕
👉 ②町中華でトドメ編 
👉 救急外来編 ←今ココ
👉 ④痛みレベル10の夜編 
👉 ⑤私の中のジェイソン・ステイサム編
👉 ⑥手術前夜編
👉 ⑦ワーカホリック・ゾンビ編
👉 ⑧サヨナラ、ステイサム編
👉 ⑨回復室編
👉 ⑩YouはShock!編
👉 ⑪番外編 
👉 ⑫ダンサーは突然に編
👉 ⑬プロの現場編
👉 ⑭おほーほ先輩編 
👉 ⑮優雅な朝かもしれん編
👉 ⑯新スペック装備編
👉 ⑰ステイサム再降臨編
👉 ⑱最終話・○○女子爆誕編
👉 18.1 おまけ・「こぼれ話」編
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