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我が胆のうで育まれしウルル⑰〜贅沢保湿とプロの独身〜

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痛覚爆鈍女、旅立ちへ。

ーー退院前夜。

入院時も、レベル10の痛みの中
自分で運転して1人で来たわけだけれども
退院もまた1人なのである。
明日は土曜日。
実家は自営業をしていて、
土曜日はとにかく忙しい。
分かってはいるけど、
迎えには来られないとのことだった。
うん。だよね。

入院生活最後の「ステイサム降臨」の時である。

入院の1週間で物が増えた。

鼻炎持ちなので、
ティッシュはエリエールの
「贅沢保湿」しか使わない。
前にドラッグストアでそれを手にすると

「ずいぶん良い生活してるんだねぇ」

と、初めましてのマダムに
突然絡まれたことがある。

「あ、はい。(ニコッ)」

とだけ返してレジへ向かったのだった。
私はプロの独身。
自分の鼻を守るティッシュくらい
贅沢させてほしい。

そんな余談はどうでもいいんだけどね、
弟に頼んだの。贅沢保湿。
そしたらさ、アイツ、3箱届けてきたの。

え?私何泊するの?
私の鼻水、滝かなんかと思ってる?

って思ったけど、
これは我が弟あるあるなのだ。
なにかと「多め・大きめ」を好む。
東京で2人で住んでた時、
出先から夕食のご飯炊くのを頼んだら
「何合食べる?」と聞いてきたやつである。
アイツはマジでジャイアント白田かもしれない説。

「1人で帰らねばならない」ということ。

1人で帰らねばならない私には、
未開封の2箱はマジで要らないのだ。

同室の先輩方、もらってくれるかな?
そう思い、聞いてみた。

即断られた。笑

おほーほ先輩は無言で手のひらを私に向け
首を横に振って「NO」を示した。

最初で最後のおほーほパイセンとのコンタクトは
一瞬で終わった。

パッキングを続けた。

・PC
・iPad(動画鑑賞用)
・テストづくりの教材
・イヤホン
・Switch
・ポケットWi-Fi
・各種コード+充電器
・スマホ
・こだわりのお風呂セット
・贅沢保湿3箱

入院生活を充実させた私の装備が
ここにきて枷になっている。

部屋に来た看護師さんに
贅沢保湿もらってくださいとお願いすると
「え!いいんですか??ありがとうございます!!」
と、めちゃめちゃ喜んでくださった。
こちらこそである。

ポーカーフェイス外科医が来た。
術後の経過を診る来院の予定を組むためだ。
週明けの木曜日に決まった。

ポ「ご家族は何時にお迎えに来るの?」
私「あ。タクシーで1人で帰ります。」
ポ「え?!マジですか??」
私「忙しいんで、家族。」

ポーカーフェイス外科医が
憐れみの目+ちょっとニヤついた顔で私を見た。
え?なんで?笑
「無理しないでね。お大事に。」と言って
彼は部屋を出た。

無理しなきゃ病院を出れんのですよ、私。

翌朝、お昼前には病室を出た。
看護師さん達にもお礼を言って
大荷物を気遣われながら精算のために
一階へ降りた。

タクシーに乗り込んだ。
救急に飛び込んだ時には自力運転を選んだ。
当時はタクシー移動なんて
1ミリも考えなかったのにな。

一旦実家の店へ向かった。
一応顔を見せておこうと思ったのだ。
ドライバーさんにちょっと待ってもらって
店に入った。

入った瞬間、家族と従業員が
眉毛をぴえんの形にして言った。

「え?!痩せてる〜。。。」

え?!マジ?!痩せてる?!

私の心は一気にフワッフワに浮ついた。
早く体重計に乗らねば!!!

「じゃ!退院したっていうことで!」

私は元気に挨拶を済ませ、
猫達が待つ我が家へと帰ったのだった。

つづく

*次回は最終話です。



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👇
📚 『我が胆のうで育まれしウルル』全話まとめ

👉 ①初めてのウルル爆誕
👉 ②町中華でトドメ編 
👉 ③救急外来編
👉 ④痛みレベル10の夜編 
👉 ⑤私の中のジェイソン・ステイサム編
👉 ⑥手術前夜編
👉 ⑦ワーカホリック・ゾンビ編
👉 ⑧サヨナラ、ステイサム編
👉 ⑨回復室編
👉 ⑩YouはShock!編
👉 ⑪番外編 
👉 ⑫ダンサーは突然に編
👉 ⑬プロの現場編
👉 ⑭おほーほ先輩編 
👉 ⑮優雅な朝かもしれん編
👉 ⑯新スペック装備編
👉 ステイサム再降臨編 ←今ココ
👉 ⑱最終話・○○女子爆誕編
👉 18.1 おまけ・「こぼれ話」編
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読んでいただきありがとうございます。
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