心配性な藤枝先生の投資入門講座~こんにちは、ボラティリティ~ #12
(↑こちらが最初です。ぜひ、最初からお読み下さい。)
第11章 投資家デビュー
2026年7月3日 金曜日午後(第9回講座)
「皆さん、こんにちは。今日のテーマは『iDeCoの活用術と銘柄選定の考え方』です。そして、皆さんの投資家デビューを確認させていただきたいと思います」
藤枝の声がオンライン画面から響いた。7月に入り、梅雨も明けつつある。画面には4人の学生の顔が並んでおり、いつもより少し緊張した様子も見受けられた。
「まず今週の感染状況ですが、非常に良いニュースがあります。全国的には日々1万8千人程度の新規感染者で、先週から大幅に減少傾向です。大学では現在55名ほどの感染者が確認されており、先週の105名から急激に改善している状況です。ようやく収束の兆しが明確に見えてきましたね」
「やっと落ち着いてきましたね!」
「夏休みまでにはもっと良くなりそうですね」
「久しぶりに明るいニュースです」
学生たちが安堵の声を上げた
「それでは、まず前回の宿題について確認させてください。皆さんの少額投資体験はいかがでしたか?」
花音が嬉しそうに報告した。
「先生、私、ついに投資家デビューしました!楽天証券で新NISA口座を開設して、【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】を1万円だけ購入してみました」
「おめでとうございます!素晴らしい選択ですね」
優佳も続けた。
「私も同じくオルカンを1万円購入しました。岡田君がおすすめしてくれた商品で安心です」
『岡田君のおすすめ』という言葉が藤枝に響いた。優佳の岡田に対する信頼感を素直に喜べない自分がいた。
岡田が謙遜するように手を振った。
「僕もオルカンを続けていますが、皆さんと一緒に投資できるのは心強いです」
村上が少し興奮気味に身を乗り出した。
「僕も投資家デビューしました!でも、ちょっと冒険してみたんです」
「冒険?」花音が興味深そうに聞いた。
「【iFreeNEXT FANG+インデックス】を1万円購入しました!」
他の学生たちが驚いたような表情を見せた。
「FANG+?」
「それって何ですか?」
村上が前のめりになって説明し始めた。
「FANG+は、Facebook(Meta)、Apple、Netflix、Google(Alphabet)、Amazon、Tesla、Microsoft、NVIDIAの10社に投資する商品なんです。世界を変えるテクノロジー企業に集中投資できるんです!」
そして慌てたように付け加えた。
「でも、ちゃんと分散されてますし、少額ですし、問題ないと思うんです」
やはり村上は冒険心が抑えきれなかったか。教育的な対応の必要性を藤枝は感じた。
藤枝の気持ちに呼応するように岡田が少し心配そうに言った。
「慎也、確かに魅力的な企業ばかりですけど、リスクは大丈夫ですか?」
「リスクは確かに高いと思います。でも若いうちだし、1万円だけだし...」村上が少し不安そうに言った。
藤枝が落ち着いた口調でゆっくりと話しだした。
「村上君、FANG+は確かに優秀な企業を集めていますが、10社だけに集中投資するのはリスクが高いですね。オルカンが約3000銘柄なのに対して、分散効果はかなり限定的です。分散効果として弱いということとリスクが高いということを自身で再度調べて、次回報告してください」
「はい。分かりました。やっぱり危険ということでしょうか...」
「危険というより、ボラティリティ、つまり値動きが高いということです。村上君が理解した上で、余裕資金で投資するなら、勉強代として価値があるかもしれません」
村上の選択は予想とおりだった。藤枝は、このことを学習のプロセスの1つとして扱うことを決めた。
「では、皆さんの投資体験について、もう少し詳しく聞かせてください」
藤枝は学生たちの顔を見回した。
「実際に投資を始めてみて、どんな気持ちですか?」
花音が少し興奮気味に答えた。
「村上君ではないですが、正直、ドキドキしています。でも、世界経済の一部になれた気がして、なんだか嬉しいです」
優佳も頷いた。
「私も同じです。推し活と似ていて、応援している感じがします」
「なるほど、それは興味深い感想ですね」
藤枝は、ユウの投資と推し活に類似性に自ら気づき、モチベーションを高めていることに感心した。
岡田が微笑んで言った。
「皆さんと一緒に投資できるのは心強いです。情報交換もできますし」
村上が少し不安そうに言った。
「僕だけFANG+で、みんなと違うので...値動きが気になりそうです」
「慎也、それが投資の勉強になるんですよ」岡田が励ますように言った。
藤枝が学生たちを見て言った。
「皆さんの投資への取り組み方、とても素晴らしいと思います。それぞれの個性を活かしながら、長期投資を続けてください」
「そして、そんな投資を始めたばかりの皆さんに、重要な心構えをお伝えします」
藤枝は真剣な表情で続けた。
「短期的な値動きに一喜一憂しないこと、無理のない範囲で投資すること、余裕資金で投資することが大切です」
「特に村上君のFANG+は値動きが激しいので、心の準備をしておいてください」
村上が少し心配そうに言った。
「もし大きく下がったら、どうしたらいいでしょうか」
「まず、冷静になることです。長期投資では一時的な下落は必ず起こります。むしろ、安く買えるチャンスだと考えてください」
岡田が経験を踏まえて答えた。
「僕も最初は毎日値動きを見てしまいましたが、最近は大きなニュースがなければ月1回程度しかチェックしていません。その方が精神的にも楽です」
「岡田君の言うとおりです。前にも言いましたが、投資は短距離走ではなく、マラソンです」
「それでは、今日のメインテーマであるiDeCoについて学んでいきましょう。ただし、皆さんは学生なので、概要を理解しておく程度で構いません」
藤枝は画面共有を開始し、資料を表示した。
「iDeCoは個人型確定拠出年金の略で、老後資金作りに特化した制度です。最大の特徴は、拠出・運用・受取の3段階で税制優遇があることです」
「新NISAと比べて、どちらがお得なんですか?」花音がメモを取りながら質問した。
「一概には言えませんが、iDeCoは拠出時に所得控除があるので、税制優遇はより手厚いと言えますね。ただし、60歳まで引き出せないという制約があります」
「学生の僕たちには、まだ早いかもしれませんね」
「でも、早く始めるほど有利なんですよね?40年間の複利効果は凄そう...」
「就職したら検討してみたいです」
「私も」
学生たちの議論はNISAを優先させる方向で終わった
「iDeCoの3段階税制優遇について詳しく説明しましょう」
藤枝は図を示した。
「拠出時は掛金が全額所得控除、運用時は運用益が非課税、受取時は退職所得控除または公的年金等控除が適用されます。この3段階優遇がiDeCoの最大の魅力です」
「具体的な節税効果を見てみましょう。年収400万円の会社員が月2万円拠出すると、所得税5%+住民税10%=15%で年間約3.6万円の節税になります。年収600万円なら所得税20%+住民税10%=30%で年間約7.2万円の節税効果があります」
「拠出するだけで税金が安くなるんですか!これはすごいですね!」村上が目を輝かせてから、少し考え込むように続けた。「でも60歳まで引き出せないから、その間に急にお金が必要になったら...うーん、ちょっとドキドキしますね」
「節税効果は大きそうですね」
「30年続けると、節税効果だけで100万円以上になりますね」
学生たちは資料の数値も見つつ意見を言い合った。
「そのとおりです。これにプラスして運用益も非課税なので、新NISAよりも税制面では有利と言えるでしょう」
「iDeCoの拠出限度額と職業別の制度設計について説明します」
藤枝は詳細な表を示した。
「会社員で企業年金なしなら年27.6万円、企業年金ありなら年14.4万円から24万円、公務員なら年14.4万円、自営業なら年81.6万円、専業主婦(夫)なら年27.6万円です」
「なぜ職業によって限度額が違うんですか?」
「日本の年金制度は3階建て構造になっているからです。1階が国民年金、2階が厚生年金、3階が企業年金。自営業者は1階しかないので、その分自助努力で補う必要があります」
「年金制度の違いが反映されているんですね」
「そうですね」
「学生のうちはiDeCoはできないんですか?」
「アルバイト収入があれば原則的には可能ですが、所得控除の恩恵を受けるには、ある程度の所得が必要です。まずは就職してからでも遅くないかもしれません」
「iDeCoの対象商品と銘柄選定について説明しましょう」
藤枝は3つのカテゴリーを示した。
「元本確保型、バランス型、株式中心型があります。元本確保型は定期預金のような商品で、バランス型は株式と債券を組み合わせたもの、株式中心型は国内外の株式ファンドが中心です」
「新NISAと同じような商品を選べばいいということですか?」
「基本的にはそうです。ただし、iDeCoは運用期間が非常に長いので、より慎重に検討する人も多いですね」
「元本確保型って安全そうですが...」
「定期預金なので元本割れのリスクはありませんが、利回りは0.01%程度と非常に低いです。せっかくの税制優遇を活かしきれないし、iDeCoには後で説明する手数料もあるので、もったいないと言えるでしょう」
「なるほど」
「長期投資なら、多少のリスクを取っても株式中心の方が良さそうですね」
「時間があるうちにリスクを取るという考え方ですね」
学生たちの理解が深まった。
「年代別のiDeCo活用戦略について説明します」
藤枝は年代別の推奨配分を示した。
「20-30代は株式中心で80-100%、40代は株式70-80%・債券20-30%、50代は株式50-70%・債券30-50%、60代以降は債券中心という配分が一般的です」
「若い皆さんの場合、全世界株式や米国株式のインデックスファンドを中心に考えると良いでしょう。具体的には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような商品がおすすめです」
「新NISAで選んだのと同じような商品を選べば、管理も楽そうですね」
「統一感があって分かりやすそう」
村上が少し考えてから発言した。
「複雑にしすぎない方が良いということですね。でも、ちょっとだけスパイスの効いた商品も気になります...。そういう意味では、私たちの年代なら、株式100%でも問題ないんですよね」
「はい。20代なら40年以上の運用期間があるので、株式中心で問題ないと思われます。時間が最大の味方になります」
「iDeCoと新NISAの戦略的使い分けについて説明しましょう」
藤枝は両制度の特徴を比較した。
「新NISAは流動性重視・多目的、iDeCoは節税重視・老後専用という特徴があります。理想的な使い分けは、まず新NISAで投資の基礎を固め、余裕が出てきたらiDeCoで老後資金作りを開始するという順番で良いでしょう。投資優先順位としては、緊急資金確保→新NISAのつみたて投資枠→新NISAの成長投資枠→iDeCo→その他の投資という流れがおすすめです」
村上が手を挙げた。
「僕も就職したら、まず新NISAの枠を使い切ってからiDeCoを検討したいと思います。段階的に進めていくのが良さそうですね。でも両方使えるようになったら、年間で相当な金額を投資できそうで...」
村上は少し紅潮した顔で一息ついてから「なんだかワクワクしてきます!もちろん、無理のない範囲でですけど」と言った。
「新NISAと両方使えば、かなりの金額を非課税で投資できそうです」
「確かに」
「新NISAが年360万円、iDeCoが年27.6万円...合計で年387.6万円も!」
学生たちの計算が続く。
「そうです。会社員の場合ですが、両制度を活用すれば年間約388万円の非課税投資が可能です。ただし、令和5年度の国税庁の調査によると、日本の平均年収は460万円で中央値は351万円なので、両制度を満額で使い切るのは本業の仕事で頑張らないとちょっと難しいかもしれません」
「iDeCoの注意点とデメリットについても触れておきましょう」
藤枝は重要な制約を説明した。
「60歳まで原則引き出し不可、各種手数料の発生、転職時の手続き、受取時の課税などがあります」
「手数料ってどのくらいかかるんですか?」
「加入時に2,829円、毎月105円の口座管理手数料、年1回給付時に440円などです。ただし、節税効果を考えれば十分にペイできる金額です」
「転職時の手続きって大変なんですか?」
「企業年金の有無によって拠出限度額が変わるので、手続きが必要です。でも運営管理機関がサポートしてくれるので、それほど心配する必要はありません」
「手数料とか手続きとか、ちょっと複雑ですね...でもメリットの方が大きそうですから、頑張って覚えます!」
「長期的に考えれば、始める価値はありそうです」
「ライフプランが重要になりそう」
学生たちの前向きな反応が続いた。
「早期開始の複利効果について具体例を示しましょう」
藤枝は計算例を表示した。
「20歳から月2万円を年利5%で40年間運用すると、拠出総額960万円に対して約3,050万円になります。30歳から始めた場合は約1,900万円なので、10年の差で1,150万円の差が出ます」
「10年の差でそんなに違うんですか!」
「時間の力ってすごいですね。複利と期間の関係がよく分かります」
「40年間で運用益が2,000万円以上...これに節税効果も加わるんですよね。すごい金額です!」村上が計算しながら言った。
「私も早く社会人になって始めたくなりました」花音も目を輝かせた。
「だからこそ、皆さんのように若いうちから制度を理解しておくことが重要なんです。知識を身につけて、就職と同時にスタートを切れば、将来に大きな差が生まれます」
「iDeCoでの運用商品選択のポイントについて説明します」
藤枝は選択基準を示した。
「信託報酬の低さ、純資産総額の大きさ、運用実績の安定性、そして自分のリスク許容度との適合性が重要です。特に40年という長期運用では、コストの差が大きな影響を与えます」
「おすすめの具体的な商品構成としては、若い方なら全世界株式インデックスファンド1本、またはバランス型ファンド1本がシンプルで効果的です」
岡田が冷静な口調で言った。
「新NISAと同じ商品を選べば、値動きも把握しやすそうですね」
花音は岡田の言葉に大きく頷きながら言った。
「私も岡田君と同意見です。複雑にしすぎない方が継続しやすそうです」
藤枝は、花音による岡田の意見への同調が最近増えていることに気づき、心配事がまた一つ増えたと思った。
村上が少し早口で言った。
「確かに管理が簡単になるのは大きなメリットですね。複雑にしすぎると、僕みたいに細かいことが気になる性格だと、かえって混乱しそうです」
優佳が落ち着いた口調で確認した。
「全世界株式1本でも十分ということですね」
「はい。世界経済の成長に賭ける長期投資として、非常に理に適った選択です」
藤枝は時計を確認しながら、まとめに入った。
「今日学んだことを整理してみましょう」
「iDeCoは老後資金作りに特化した制度で、3段階で税制優遇があります。学生の皆さんは新NISAから始めて、就職後にiDeCoを検討するのがおすすめです」
「学んだことではないですが、皆さんが投資家デビューを果たしたことは素晴らしいです。それぞれの個性を活かした商品選択で、良いスタートを切れたと思います」
花音がノートを参照しながら、藤枝のまとめを聞いていた。ノートには『投資家デビュー』の文字の隣でレッドがバンザイをしていた。
「投資家デビューできて嬉しいです」
「みんなで一緒に始められて良かったです」
「これからも勉強を続けたいと思います」
「確かに基礎知識を身に着けたいです」
学生たちは前向きだった。
藤枝は学生たちの成長を実感していた。
「講座も残り3回となります。7/24の最終講座までの宿題を出します。今度はNISAのつみたて枠としてどのようなポートフォリオを組むかについて、検討して7/24までに始めるようにしてください。ポートフォリオについては次回で説明予定なので、まずは来週までにはどんなものに投資したいかくらいは検討してくださいね。投資まで踏み切れない人は少なくとも検討したことを7/24の授業の際に発表できるようにしてください」
「つみたて枠!」
「ポートフォリオということは1つでなくても良いんだよね」
「個別株は難しそうだから投資信託かな」
学生たちは盛んに議論し始めた。
「はい。宿題ですのでゆっくりと検討してください」
「では、今日はここまでにしましょう。本日分についての復習を忘れずに。次回は資産管理について学習します。7月10日にお会いしましょう」
「ありがとうございました」学生たちが口々に挨拶した。
学生たちが退出していく中、藤枝は一人画面の前に残された。
学生たちが実際に投資を始めた。これからが本当のスタートだ。
「FANG+か。村上はいいなぁ...」
村上の冒険心を微笑ましく感じた。
本人は言葉では誤魔化し続けてきたが、実践では少しリスキーな金融商品を選択してきた。このことについては藤枝の予想の範囲ではあった。若いのでリスクを理解して、余裕資金で投資する分には問題ない。そこの確認を次回の宿題で確実に行わないといけない。
また、投資実践が本格化する中で、岡田を軸とした学生たちの関係性も新たな段階へ進む可能性がある。トラブルを起こした岡田が軸となっている以上、この点についての心配は増すばかりだ。
窓の外では梅雨明けの青空が広がっている。夏が近づいていた。
2026年7月4日 土曜日 花音から藤枝へのメールの抜粋
To:藤枝先生
Cc:村上君
「優佳さんと岡田君についてですが、私からは現状全く問題がないように見えています。
正直、私としては岡田君が何か問題を起こすようには思えません。
対人トラブルがあるとすれば、岡田君を慕った人がトラブルを発生させた、というのであれば理解できます」
2026年7月4日 土曜日 夜 村上と花音の個別チャット
村上:「吉井さん、今大丈夫ですか」
花音:「大丈夫だよ~」
村上:「あの...先ほどの先生へのメールの件でなのですが...」
花音:「岡田君の件のやつね」
村上:「はい。CCに入れていただいてありがとうございました。で、あのメールを読んで...何となく気になったことがあって」
花音:「気になったこと?」
村上:「『岡田君を思った人がトラブルを発生させる』って書かれてましたよね...」
花音:「う、うん...そう書いたけど...」
村上:「それと、最近の吉井さんの岡田君との会話とか、そのときの表情とか...もしかして...」
花音:「...え? あの...それって...」
村上:「すみません、勘違いだったら申し訳ないんですが...岡田君に好意を持たれていますか...」
花音:「...なるほど...態度とか表情にでちゃってましたか...」
村上:「やっぱり...」
花音:「恥ずかしい...どうしよう...他の人にも気づかれてるかな...私が岡田君のこと好きってこと」
村上:「大丈夫です、他の人は気づいてないと思います。僕もメールを見るまでは確信がなかったですから」
花音:「本当? そうだといいけど...」
花音:「でも私、恋愛とか全然ダメだし...どうしたらいいか分からない」
村上:「無理に何かする必要はないんじゃないですか?」
花音:「...そうかな。でも、私、奥手だからこのまま何もしないで終わっちゃうのも...」
村上:「僕も人のことは言えませんけど、でも吉井さんの気持ちを応援してます」
花音:「ありがとう...でも村上君、お願いがあるの。余計なことはしないで欲しいの...」
村上:「分かりました。何かあれば頼ってくださいね」
花音:「村上君...優しいね。こんな話、誰にも相談できなくて...」
村上:「僕で良ければ、いつでも聞きますよ」
花音の日記(7月4日)
村上君にバレちゃった。そんなに態度に出てたのかな...。優佳ちゃんにも伝えなきゃ...。
#01, プロローグ, https://note.com/chokozai/n/n7c341cddedc4
#02, 1章, https://note.com/chokozai/n/n21181a368ec3
#03, 2章, https://note.com/chokozai/n/n0a68b769a8dd
#04, 3章, https://note.com/chokozai/n/n57828d00edb3
#05, 4章, https://note.com/chokozai/n/n21b8ac2af8be
#06, 5章, https://note.com/chokozai/n/n42cd7f162fde
#07, 6章, https://note.com/chokozai/n/n2e058ee72421
#08, 7章, https://note.com/chokozai/n/nbb54d76f3a23
#09, 8章, https://note.com/chokozai/n/neda9d56fcf79
#10, 9章, https://note.com/chokozai/n/n74b172c91069
#11, 10章, https://note.com/chokozai/n/nacafa95d046b
★#12, 11章, https://note.com/chokozai/n/n89af353420e1
#13, 12章, https://note.com/chokozai/n/n6e2b703b9166
#14, 13章, https://note.com/chokozai/n/n394f01a5e278
#15, 14章, https://note.com/chokozai/n/n3ee776f29d13
#16, 15章, https://note.com/chokozai/n/n44b39117da51
#17, エピローグ, https://note.com/chokozai/n/naf7a4ec3e2ac

