はじめに|蒔いた種 見つめ直して 詠んでみた【働くを詠む #00】
こんにちは、北風太陽です。
はじめに、なぜ本連載を書こうと思ったのか、少しだけ話をさせてください。
これまでの私自身の話
定年という大きな節目を迎えた今、ふと立ち止まって思うことがあります。
「私は、運がよかったのだろうか。」
「それとも、働くことが本当に楽しかったのだろうか」と。
入社したのは、ベンチャー企業でした。
同じ目標を目指す仲間とぶつかり、笑い、前へ進んだ日々。
仕事が終わればそのまま仲間と飲みに行く。
若さと時代に後押しされて、公私ともに夢中になれた日々でした。
その後、会社は合併を経ながら大企業へと姿を変え、結果的に私は3つの現場を歩みました。
技術開発で「モノ」をつくり、
商品企画で「コト」をつくり、
人財・組織開発で「ヒト」をつくる。
一見バラバラに見えるキャリアですが、プロジェクトで仕事をする機会が多く振り返れば私の心の中には、ずっと一つの問いがありました。
人はなぜ動くのか。
どうすれば、動きたくなるのか。
モノもコトも、最後は必ずヒトに行き着きます。
どの現場に身を置いても、
私は、この問いから逃れることはできませんでした。
そして、今、
その問いの重要性がかつてなく切実に感じられるのです。
現在の話
現在の職場には、エンゲージメント、心理的安全性、1on1と言った言葉が溢れています。
ですが、
施策が「こなすもの」になった瞬間、人の心はそっと離れていきます。
私はその光景を、何度も目の当たりにしてきました。
実は、私にはこのテーマをどうしても書き残したい理由があります。
今や多くの現場で形骸化しつつある「社員エンゲージメント」を人事部門にいた7年前に企画提案し、導入したメンバーの1人が私だったからです。
しかし、その後、
現場に戻った私が目にしたのは、当時の想いが形を変え、活動が本来の意味を失っていく姿でした。
始めた張本人だからこそ、「このままにしてはいけない」と強い責任感を抱いたのです。
制度や仕組みは、人を動かすための「答え」ではありません。
本当に必要なのは、その手前にある「人が動く構造」を深く理解すること。
私は様々な理論を学び、自身の経験を何度も振り返る中で多くの気づきを得ることができました。
全体の目次
本作は、全17回を通じて
「人が動く構造」と「個人と組織のあり方」を丁寧に掘り下げます。
第1章【組織力とは】
#01 組織力 気軽に語る 見ぬままに
#02 出来る人 集めてみたが 成果出ず
#03 心見ず うわべの策に 徒労だけ
#04 土産詰め 想い揃って 新記録
第2章【人が動く構造とは】
#05 同じ旗 目指して進む 仲間たち
#06 肝いりで 掲げた旗も 皆忘れ
#07 その仕事 意味を聞かれて ふと悩む
#08 皆旗に 共感するも 他人事
#09 公欲に 私欲を重ね 動き出す
#10 美徳とは 知りつつ利他は しんどいな
#11 いつの間に 仲良しクラブ 目指してる
#12 流行追い 入れた施策が 回らない
第3章【組織を診るとは】
#13 アンケート 意味も知らずに ただ埋める
#14 測るだけ それでは人は 動かない
#15 対話とは 話し合いだと 思い込む
おわりに
#16 働いた 先の幸せ 願いつつ
蒔いた種 見つめ直して 詠んでみた
本連載では、その気づきを硬苦しい制度や手法の解説としてではなく、
私が3つの現場で葛藤しながら掴み取ったリアルな感覚を、
「川柳」と「問い」を通して言葉にしています。
ここで正解を提示するつもりはありません。
この文章が、暗い海を行く小舟を、少しだけ違う角度から照らす「灯台」のようなものになれば幸いです。
さあ、暗い海を行く小舟の旅を、ここから始めていきましょう。
私たちは日頃、当たり前のように「組織力を上げよう」と口にします。
ですが、そもそも私たちは「組織力」の正体を本当に見ているのでしょうか?
あなたは、組織力とは?と聞かれた時に、答えられますか?
次回【働くを詠む #01】
