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奈良に入り混じる時間の中へ

奈良の街を断片的に、そこに流れる


時間の層を感じながら、旅を続けている。奈良を旅する
ということは、そこに連綿と続く古代から現代への時
の綾にふれること。奈良の街そのものでもあるような
鹿の存在を確かめながら、鹿のモチーフをたどるのも
また楽しい。今回の旅は、奈良の街を東から西へ進む。



近鉄奈良駅から始まった旅も、前回の旅の終着点でもあった

学園前駅で旅を終える。奈良の旅を点と点でつなぎ

やがて大きな面となるように、そして時間を超えて
立体として立ち上がればと思い、奈良の街を後にして


近鉄奈良駅から始めた旅は東から西へ


①近鉄奈良駅

一つの旅が、また次の旅をなぞっていくように

旅の視点を重ね、目に映るものを感じながら
木漏れ日がつなぐ記憶の襞をくぐる


②旧奈良監獄

建物を構成する素材に、時の流れを見出して

時が染み込むレンガを背に、薄紫のノアザミの花が咲く
旧奈良監獄は、また新たな歴史を綴り始める


③SHISUI HOTEL

奈良の街に入り混じる時の綾をくぐり抜けるように

古代も今も変わらぬ山並みに
時と共に風化し、陰影を帯びていく土壁をたどり


④東大寺ミュージアム

奈良そのものでもあるような鹿たちに歓迎されながら

東大寺の南大門が作り出す時の境界をくぐり
旅ではミュージアムで歴史を感じるのも楽しくて


⑤春日野国際フォーラム1

ミュージアムに風景の現代性と、そして広がる公園に

流れる連綿とした時間の層を感じながら
奈良公園の風景と一体となる鹿の間を縫うように



⑥春日野国際フォーラム2

奈良公園の中に建つ大きな瓦屋根を持つ建物へ

渡り廊下に連続する木組みのリズムを感じ
視点を空へと促す瓦屋根を見上げながら


⑦若草山

古代から空は広がり、また山並みも続く

奈良公園の奥の、空の下の若草山
奈良公園に広がる雄大な風景の中を進み


⑧春日大社

奈良の歴史を鮮やかにもする神社の空間へ

時を積み重ね、つないでいく石燈籠の間を
鮮やかな朱色と漆喰の白い壁に落ちる影を楽しんで


⑨春日大社国宝殿

雄大な時間の流れと、今を感じる時間の流れが

交差するような、奈良公園に建つ現代的な建物の間を抜けて
鹿との出会いも楽しんで


⑩鹿の舟

奈良といえば鹿のモチーフでもあふれていて

鹿の舟には望月通陽氏にデザインされた鹿が散りばめられて
ゆらりゆらりと奈良の風景をたゆたうように


⑪界

編み込むように旅をすれば、いつかの旅と風景は

重なり、つながれ、交差するように
いつか通った道も、別の角度でみれば異なるように


⑫平城京跡歴史公園

旅の瞬間を楽しみながら、奈良で感じる歴史の流れに

今こうしてここに立ち、この風景を眺めていることに
先人達のくぐってきた歴史の先端にいることに



⑬朱雀門

思いをはせる奈良の旅。平城京跡に建つ朱雀門は

残された遺構によって復原されて、当時の空気を再現している
復原が進む平城京跡は、時を遡っていくように



⑭平城宮いざない館

奈良の歴史は奥深く、その層を知るほどに重なって

平城宮いざない館は、その歴史の玄関口となる建物で
平城宮跡歴史公園は奈良時代を体感できる場所でもある


⑮大和文華館1

交差し、行き渡る時の流れの中を進み、旅の最後に

美術館へ。前回と同じことは繰り返さないように、下調べして
緑のアプローチを抜けた白砂に浮かぶ建物へ


⑯大和文華館2

そこでは光は、建物を織りなす素材に反射し、

光と影は建物を立体的に浮かび上がらせて
緑の中にそっと建つ大和文華館との出会いに


感謝しながら、奈良の旅を締めくくる


旅をして、視点をつなぐ。見るものすべてには意味が
あり、その時々において、目に映るもの映らないもの。
見えているようで見えていないもの、またその逆も。
ふと視界に入った形に風景が浮かび、時が入り混じり、
旅が展開する。奈良への旅で感じた風景を振り返り、
目に映るものを通して、もう一度、旅を楽しむように。

ふとした木漏れ日の風景。レンガに浮かぶノアザミ。
ざらざらとした土壁の影。吸い込まれるような木組み
の壮大さ。歴史の上に広がる大きな空。鹿の視線を感じ
ながら、古代の人の営みに思いを寄せる。影は刹那的な
風景を生み出し、光は風景をやわらかく包み込む。奈良
の街に行き渡る時間の綾をくぐるように、旅への視点
が移り変わることを楽しみながら、旅を続けている。


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