列には割り込むくせに、挨拶はガチ勢な国フランス【南仏エズ&モナコ旅】
2025年5月上旬から1ヶ月間、アメリカ人の夫といっしょにフランスを旅してきました。
ニースから日帰りでエズとモナコに行ってきました。美しい景色や歴史ある街並みはもちろんのこと、バスの中でふと感じた「文化の違い」が、私の心に強く残りました。今日はそのときのエピソードを交えながら、南仏の一日をご紹介します。
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「鷲ノ巣村」エズへ
エズは、ニースとモナコの間にある小さな村。地中海を見下ろす断崖の上に築かれていて、「鷲の巣村」のひとつとして有名。昔、語学学校のエクスカーションで行って以来、27年ぶり。

Googleマップでバスを調べて行ったのだけど、マップが表示している場所にバス停がなく、周囲を探し回ってようやく見つけた。混雑を避けようと朝7時台に出発したのに、バスは満員。ずっと立ったままバスが曲がりくねった道を登っていくので、左に右にバスが揺れて、立っているのは結構大変だった。
エズの頂上には、植物園がある。9時オープンなので、入園と同時に入れるように8時半頃到着できるバスで行った。
結果、朝早く着いて良かった。人気の観光地なので昼間は人が多いけど、朝はゆっくり街を散策して写真を撮ることができた。

今回の旅ではしつこいほど写真に撮った、スタージャスミン。

エズ村の特徴は、なんと言ってもこういう石造りの細い路地と階段が迷路のように入り組んでいて、美しい中世の雰囲気が残っていること。

こういう「鷲ノ巣村」と言われる場所は、中世に外敵から守るため、高い場所に城や村を築いたのがはじまりだそう。だから、このように道が狭く入り組んでいて、どんどん上に登るような形状になっている。
鷲ノ巣村といえば、前に行ったゴルドもその一つ。

「エズには朝イチで来ると人が少なくてお薦め」と書いたけど、その欠点は、お土産屋さんがまだ開いてないこと。

そろそろ頂上の植物園に向かう。エズのバス停を降りてから上に登る途中で、植物園の自動券売機がいくつかあったので、チケットを買っておいた。

植物園には、サボテンや多肉植物が植えられている。フランスに来てまで、別にサボテンを見なくても・・・と思われるでしょう。

でも、この植物園に来る観光客のお目当てはサボテンではなく、そこから一望できる地中海とリヴィエラの絶景。


植物園は、階段を上がったり降りたりしながら、いろんなサボテンや熱帯植物が鑑賞できるようになっている。

植物園は、私たちのように9時開園を狙って来ている観光客もいて、韓国人の団体さんがいた。韓国人の数十人の団体ツアー客は、今回の旅でいろんな街で見かけた。
一方で、日本人の団体ツアー客は一組も見なかった。最近は、日本人が海外旅行にあまり行かなくなっただけでなく、数十人の団体で海外旅行するということが少ないのかもしれない。

そろそろエズをあとにして、次の目的地に向かう。

バスの乗り方&降り方で感じたカルチャーギャップ
ところで、エズ行きのバスに乗った時の話。バス停には他にも乗客が待っていたのだけど、日本の常識で普通に並んでバスに乗ろうとのんびりしていたら、バスの乗降口が開いた途端、どんどん割り込みされてしまった。
腹が立ったというより、「お、おう、これがフランスか・・・」と呆気にとられた。でも、違うのはバスの乗り方だけじゃなく、降り方もだった。
乗客が降りるとき、一人ずつ運転手さんに向かって「メルシー、オヴァ!(ありがとう、さようなら)」「メルシー、ボンヌジョルネ!(ありがとう、いい1日を)」と挨拶をしながら降りていくのである。
フランスのバスは、料金が一律の場合は前から乗って後ろから降りることが多い。なので、もちろん乗車時は運転手さんに挨拶をして、運賃を払って前のドアから乗る。
その代わり、降車時は後ろのドアからそのまま降りればいい。でも、子どもも大人も、ちょっとヤンキー風のお兄さんもみんな礼儀正しく、少し離れたところにいる運転手さんに聞こえるように大きな声で、挨拶をして降りていく。そして、バスの中にはなんとも温かい空気が流れる。
日本のバスでは、私が住んでいる地域は後ろから乗って前から降りる。私は、降車時には必ず運転手さんに「ありがとうございました」と言うようにしているけど、実際、黙って降りる乗客がほとんど。中には、運転手さんが一人ずつ「ありがとうございました」って声をかけているのに、無視する人も多い。

日本は、お店で「いらっしゃいませ」と声をかけられても無視することが当然になっているし、「そういう文化だ」と言われたらそうかもしれない。でも、挨拶が当たり前の欧米の国々に行った後では、自分に向かって挨拶している人を無視することができなくなる。
フランスのバスに乗る時の順番抜かしはいただけないけど、バスを降りるときの挨拶は私たち日本人も見習うべきだと思う。
フランスではBonjourを言えない人は超無礼
ちなみに、フランスではBonjourの挨拶が本当に大事。「まあ、そりゃ挨拶は大事ですよね」という程度の話ではなくて、本当に、絶対に、いかなる時も必ず、Bonjourと言わないといけない。(夜なら Bonsoir ですが)
お店に黙って入るのはNGで、必ずBonjourと挨拶するというのは、多くの人はご存知だと思う。でもそれだけじゃなく、たとえばお店の人に何か質問がある時も、頼み事をしたい時も、必ずBonjourで始める。
私たちの感覚では「すみません」と言う。英語ならExcuse meと言うし、フランス語ではExcusez-moiという表現がある。でも、こういう時にもExcusez-moiで会話を始めず、Bonjourと言ってから要件を言うのが好ましいとされている。いきなり要件に入るのではなく、まずは挨拶が礼儀というわけだ。
誰かが言っていたけど、フランス人にとってBonjourは、言ってみれば「これからあなたと会話を始めてもいいですか」という許可のようなものだそう。英語のHelloより、当然守るべきマナーとしての重要性が強い。
Bonjourと言わなかったからといってトラブルになることはないけど、「この人、礼儀がなってないな」と思われてしまうし、場合によっては無視されたり対応が悪くなったりするので、フランスに旅行される時はどんな時もまずは「Bonjour」、覚えておいてください!
モナコにある公共のエレベーター
エズからバスでモナコに来た。モナコも、27年前に語学学校のエクスカーションで来て以来。
モナコは世界で2番目に小さい国ですが(最小はローマにあるバチカン市国)、国が坂の上に作られている。領土はフランスに囲まれていて、パスポートコントロールなどはない。

27年前はツアーで引率されるがままだったので何も考えていなかったけど、今回モナコに来てみて、地図上では近くに見えるところにも高低差があって、たどり着くのが難しいことに気づいた。

この高低差をどう解決して移動しやすくするかというと、国のいたるところに公共のエレベーターがある。もちろん無料で乗れる。

モナコは富豪やセレブが多く住む国だけど、それは所得税がないからだそう。
もう何年も前にウォーキングで一世を風靡したデューク更家さんも、今はどうかわからないけど昔住んでた。そうそう、数ヶ月前に広島に帰省した時、広島駅のお好み焼き屋さんでデューク更家さんを見た。今もお元気そうだった。

大公宮殿に来た。





そろそろお腹が空いてきたので、ランチの時間。

適当なカフェに入って、飲み物と軽食を頼んだ。

食べ物の写真を撮り忘れているけど、ハンバーガーとか軽食を頼んだ。ですが2人分の軽食と飲み物で、なんと日本円にして6000円くらいかかってしまった。モナコ、やっぱり物価がめちゃ高い。
モナコでお薦めのミニトレイン
モナコといえばF1レース。そのコースを体験するのに、プチトラン(ミニトレイン)が安上がりでお薦め。

ミニトレインというのは、フランスのあらゆる観光地にある、日本円で1000円〜2000円くらいで45分くらいかけて街をゆっくり一周する電車(正確には、電車の形をした車)のこと。
今回の旅では、知らない街ではまずこのミニトレインに乗るのが、私たちの定番になっていた。

私たちは、今回のフランス旅であらゆる場所でミニトレインに乗ったけど、モナコが一番楽しかった。

なぜモナコが一番楽しかったかというと・・・
ミニトレインでF1コースを走るから。
しばらく進むと、F1レースの観客席が見えてきた。





ミニトレインは、通常は旧市街の狭い道を主に走るんだけど、モナコではレースの景色が見られて楽しかった。

モナコ旧市街
モナコも旧市街の建物は、カラフルでかわいい。

歩いていると、日本米を売ってるお店があった。

このお米、5キロで計算するとだいたい5,800円くらいになる。日本よりは高いけど、モナコの物価と、遠い日本からの輸入米であることを考えると、安い気がする。日本であれだけ米が足りないと言ってる中で、こんな遠いところに日本米が売られていることに、ちょっと複雑な思いがした。

帰りは電車でニースまで帰る。モナコ駅は入口がたくさんあって、近未来的なトンネルで街とつながっている。

なんかディズニーの乗り物みたいなモナコ駅だった。

というわけで、観光地としての美しさや歴史だけでなく、ちょっとした日常の中に現れる文化の違い。バスの中で交わされる「Merci, au revoir」という一言に、フランス人の礼儀と人との距離感が表れていた。
慣れない割り込みに戸惑いながらも、心温まる挨拶の習慣にふれて、私自身も言葉の重みをあらためて感じた一日だった。旅は、景色を見るだけじゃなく、自分の「当たり前」に気づかせてくれる時間でもある。
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