見出し画像

向後文学賞

僕が今年読んだ本の中から、自分の好みで勝手に選んで表彰しています。
表彰状も賞金もございません。
「文学賞」としていますが、文字で書かれたものなら、小説でもエッセイでもルポでも解説書でも漫画でも絵本でもなんでもアリです。
今年で11回目になりました。

第11回 2025年

大賞受賞作 (最近出版された本から選考)

「知性の罠」 デビッド・ロブソン 著 日経ビジネス人文庫
知能も教育水準も高い人の中には、自らの過ちから学ばず、他人のアドバイスを受け入れない傾向を持つ人たちがいます。これは、「認知の死角(p.9)」と呼ばれるパターンです。

「夏物語」 川上未映子 著 文春文庫
「正しいこと」とは「美しいこと」とは何なのでしょう?夏子はそこに疑問を持ちます。だから、その場から浮いてしまう。浮いてしまっても、夏子は疑問を持ち続けます。
そんな夏子も、仙川さんも、遊砂さんも、元同僚の紺野さんも、AIDの会で出会った逢沢さんや善さんも、緑子も、巻子も、嘘っぽい世界の中で、転がりながらなんとか生きている。その姿に愛おしさを感じました。


レジェンド賞受賞作 (5年以上前に出版された本から選考)

・・・2025年から名称を「特別賞」から「レジェンド賞」に改めました。
「いのちの記憶」 沢木耕太郎 著 新潮文庫
人生にはいくつもの岐路があり、そこで出会う人によってその後の人生が大きく変わる・・・あるいは、その人に出会ったことにより普通の一本道に岐路が現れるのかもしれません。

「野中広務 差別と権力」 魚住昭 著 講談社文庫
野中広務は、異色の政治家です。部落出身で親譲の資産も学歴もなく、57歳という歳で初めて代議士になりながら、影の総理と呼ばれるまでの権力者になり、総裁の座を狙える地位まで上りつめた人です。 日本の中枢の中にいかに深く差別意識が忍び込んでいるのかが見えてくる一冊です。

「レキシントンの幽霊」 村上春樹 著 文春文庫
短編集です。その中で「沈黙」が、最も印象に残りました。「自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当りの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中」は、人を深く傷つけます。その傷は、長く残ります。

「蛇にピアス」 金原ひとみ 著 集英社文庫
19歳のルイは、家族連れが多い商店街、うるさい人々の声に吐き気を感じます。そして、「陽の光の届かない」、「子供の笑い声や愛のセレナーデが届かない」アンダーグラウンドの世界を探し求めているのです。 「こんな世界にいたくない」「とことん、暗い世界で身を燃やしたい」と強く思っているのです。



*ChatGPTさんに本棚のイメージを描いてもらいました。

いいなと思ったら応援しよう!