第六十三回:私が説明するときに心がけていること【その6】
今日は2021年1月8日です。2021年一発目のコラム投稿です。世の中は年明け早々新型コロナのあれやこれやがあれやこれやですが、それはそれ。今回もゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある六十三回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
私が説明するときに心がけていること【その6】
です。
ITとは関係ない気もしますが、どーんまい。
今回は「文章に書いて説明する」ことをやっている人に向けて書いていきます。
例えば、ブログで情報発信をしている人とかが対象です。
あとは、何かの説明資料とかを作るときにも役に立つ内容なんじゃないかなーと思っています。
手前味噌ですけどね。
ちなみに、お忙しい人向けに先に結論を書いておくと
段階を踏んで説明する
です。
その理由は、説明を読んだ人が
1.一気に覚えなくちゃいけない量が少なくなる
2.分からなくなったときの見返しがしやすい
3.小さな「分かった!」を積み重ねられる
からです。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
段階を踏んで説明する
当たり前の話ですが「たくさん覚える」と「ちょっとだけ覚える」であれば「ちょっとだけ覚える」方が簡単です。
覚える量が少なくて済みますからね。
そこで「たくさん覚える」を複数の「ちょっとだけ覚える」に分けてあげるのです。
そうすることで様々な効果が期待できます。
その効果は後で説明しますが、まずは「たくさん覚える」を複数の「ちょっとだけ覚える」に分ける例を挙げておきますね。
例えば、そうですね。
「DNS」という用語の意味を説明するとしましょう。
今回は
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
と説明することにします。
この説明は「IPアドレス」と「ドメイン名」の意味を知っている人であれば、理解できるでしょう。
ですが、もし「IPアドレス」と「ドメイン名」の意味を知らない人に向けて説明するのであれば、追加で「IPアドレス」と「ドメイン名」の意味を説明してあげる必要があります。
そこで、説明の内容を
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
のように変えました。
この説明は「たくさん覚える」説明です。
これを複数の「ちょっとだけ覚える」に分けると以下のようになります。
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
「説明の順番を変えただけじゃないの?」と思う人もいるでしょうね。
その通りです。
説明の順番を変えただけです。
ただし、説明の順番を変えたことで、文章の構造が
1.「DNS」の説明をする
補足として「IPアドレス」の説明をする
補足として「ドメイン名」の説明をする
から
1.「IPアドレス」の説明をする
2.「ドメイン名」の説明をする
3.「DNS」の説明をする
になりました。
1つの「たくさん覚える」が複数の「ちょっとだけ覚える」に分けられていますよね?

このような説明の仕方を、世間一般では
段階を踏んで説明する
と言います。
段階を踏んで説明することで「たくさん覚える」を複数の「ちょっとだけ覚える」に分けられるのです。
※本題と外れますが、今回例として挙げた2つの説明の仕方に良し悪しはありません。「IPアドレスって何?」な人が対象であれば、段階を踏んだ説明の方が向いているでしょう。「基本的にはIPアドレスとかドメイン名の意味を知っている人が対象だけど、一応、知らない人もカバーしておこうかな」であれば前者の説明で十分です。想定している読者像によって適した説明の仕方は変わります。
それでは次に、段階を踏んで説明することで得られる効果について説明します。
段階を踏んで説明することで、一気に覚えなくちゃいけない量が少なくなる
段階を踏んで説明することで得られる効果の1つ目は
一気に覚えなくちゃいけない量が少なくなる
です。
例えば
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
のように説明すると、上から下まで一気に頭に入れる必要があります。
全部まとめて1つの説明になっているからです。

もちろん、実際には「IPアドレス」「ドメイン名」「DNS」の3つの用語について説明しています。
ですから、分けて覚えることも可能は可能ですが、それは説明の内容を理解した人が言える話です。
この説明を初めて読んだ段階で「ふむふむ、この説明はIPアドレス→ドメイン名→DNSの順に覚えれば良いんだな」と判断できる人は、少ないのではないでしょうか。
一方
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
のように段階を踏んで説明すると、初めて読んだ場合でも途中で一息つけます。
この説明は
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
の3つの説明が並んでいるだけだからです。

そのため、IPアドレスの説明を読んで一息つき、ドメイン名の説明を読んで一息つき、といったことが可能です。
段階を踏んで説明することで、要所要所で一息つけます。
言い方を変えると
一気に覚えなくちゃいけない量が少なくなる
のです。
段階を踏んで説明することで、分からなくなったときの見返しがしやすい
段階を踏んで説明することで得られる効果の2つ目は
分からなくなったときの見返しがしやすい
です。
例えば
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
のように説明すると、途中で分からなくなったときに、どこまで戻って見直せば良いのか直感的に分かりません。
全部まとめて1つの説明になっているからです。
仮に「ドメイン名」の説明が分からなかったとしましょう。
そうすると
1.1行目を読んで、IPアドレスとドメイン名ってなんだ?DNS分からん
2.2行目を読んで、IPアドレスは分かった
3.3行目を読んで、ドメイン名が分からん
のように「分からん」が2回(1行目と3行目)出てきます。
※1文を1行として扱っています。文中の折り返しは無視してください。

全体を理解するためには、3行目を読み直して「ドメイン名」を理解した後で、1行目に戻って「DNS」について理解する必要があります。
一方
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
のように段階を踏んで説明すると
1.1行目を読んで、IPアドレスは分かった
2.2行目を読んで、ドメイン名が分からん
となります。

全体を理解するためには、2行目を読み直して「ドメイン名」を理解した後で、3行目に進む形になります。
いかがでしょう。
段階を踏んで説明した方が、どこを見返せばいいか分かりやすいですし、大幅な後戻りがなくなるので読み方もシンプルになりますよね。
段階を踏んで説明した方が
分からなくなったときの見返しがしやすい
のです。
段階を踏んで説明することで、小さな「分かった!」を積み重ねられる
段階を踏んで説明することで得られる効果の3つ目は
小さな「分かった!」を積み重ねられる
です。
例えば
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
のように説明すると、おそらく、得られる満足感は「DNSについて分かった!(あと、ついでにIPアドレスとドメイン名についても分かった!)」でしょう。
全部まとめて1つの説明になっているからです。

一方
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
のように段階を踏んで説明すると「IPアドレスについて分かった!」「ドメイン名について分かった!」「DNSについて分かった!」と3回も満足感を得られます。
この説明は
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
の3つの説明が並んでいるだけだからです。
IPアドレスの説明を読んで「分かったぜ!」を味わえて、ドメイン名の説明を読んで「分かったぜ!」を味わえて、DNSの説明を読んで「分かったぜ!」を味わえます。

コラム「第三十五回:私が説明するときに心がけていること【その4】」で似たようなことを書きましたが、説明において一番大事なのは
相手に理解するのを諦めさせないこと
です。
説明を読んでいる人が「この人の言っていることは、よく分からないなぁ」「この内容は自分には難し過ぎるなぁ」「お昼ご飯は何を食べようかなぁ」と思ったら負けです。
どんなに正しいことを、どんなに丁寧に、どんなに分かりやすく説明しても、相手には届きません。
逆に言えば、相手が理解する努力を放棄していなければ、多少の粗があっても伝わることが多いです。
説明が足りなかったり、分かりにくかったり、内容が難しかったりしても、頑張って理解してくれます。
だから、相手に「分かった!」を感じてもらうことは重要です。
そして、段階を踏んで説明することで、読んだ人が
小さな「分かった!」を積み重ねられる
のです。
説明を読んでくれた人は「分かった!」という達成感や満足感を得ることによって、あなた(の説明する能力)に対する信頼感が増します。
その結果、あなたが書いた説明に対して、より真剣に向き合ってくれるようになります。
段階を踏んで説明する方法
最後に、私が実践している、段階を踏んで説明する方法をご紹介します。
どんな状況でも通用するわけでは、ありませんけどね。
お手軽な割には手っ取り早いやり方です。
今日からでも、すぐに実践できますよ。
それでは説明します。
まず、思いつくままに好きに書きます。
この時点では、説明の順番を意識する必要は、ありません。
書き終わったら、最初から見直します。
そして、説明の順番を入れ替えるのです。
ここでポイントがあります。
それは
説明している箇所よりも前に、その内容が出てきていないかチェックする
です。
例えば
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
であれば、2行目で「IPアドレス」の説明をしています。
ですが、1行目に「IPアドレス」という単語が出てきています。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
そこで「IPアドレス」の説明(2行目)を1行目に持っていきます。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
次に、3行目で「ドメイン名」の説明をしています。
ですが、2行目に「ドメイン名」という単語が出てきています。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
そこで「ドメイン名」の説明(3行目)を1行目か2行目に持っていきます。
試しに1行目に持っていってみましょうか。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
おやおや、困りました。
「IPアドレス」の説明を2行目でしているのに、1行目に「IPアドレス」という単語が出てきています。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
そこで「IPアドレス」の説明(2行目)を1行目に持っていきます。
ちなみに、IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」ね。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
あとは、細かい言い回しを適当に直せば「段階を踏んだ説明」の完成です。
IPアドレスは「インターネットをするときにコンピュータに割り当てられる住所」だよ。
ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」だよ。
DNSは「IPアドレスとドメイン名の対応を管理する仕組み」だよ。
実際には、例外もありますけどね。
情報の重要度が違うとかの理由により巻末で補足扱いで説明した方が良い、とかとか。
とはいえ「段階を踏んで説明するって、どーやればいいの?やり方が分からん」な人は
説明している箇所よりも前に、その内容が出てきていないかチェックする
ことで改善できるはずです。
まとめ
今回は
私が説明するときに心がけていること【その6】
というテーマで好き勝手に語ってみました。
何かの説明をするとき、私は
段階を踏んで説明する
ことを意識しています。
段階を踏んで説明することで、その説明を読んだ人が
1.一気に覚えなくちゃいけない量が少なくなる
2.分からなくなったときの見返しがしやすい
3.小さな「分かった!」を積み重ねられる
からです。
また、段階を踏んで説明するのが苦手な人は、説明を書き終えた後に
説明している箇所よりも前に、その内容が出てきていないかをチェックする
ことを意識してあげてください。
例外はありますけどね。
説明する順番をチェックして入れ替えることで、同じ内容でも、より読みやすくなるはずです。
宣伝:コラム「私が説明するときに心がけていること」シリーズ
私が説明するときに心がけていること【その1】
私が説明するときに心がけていること【その2】
私が説明するときに心がけていること【その3】
私が説明するときに心がけていること【その4】
私が説明するときに心がけていること【その5】
私が説明するときに心がけていること【その6】(このページ)
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。






