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15歳、ただ会いたかっただけ。 第一話 出会い

あらすじ

どうしても会いたかった。

それだけで、15歳の私はすべてを置いて家を出た。

軽い気持ちで始まったはずの出会いは、
気づけば、離れられないものになっていた。

会えない時間の中で募っていく想いと、
抑えきれなかった衝動。

あの時の私は、何を信じていたのか。

幼さとまっすぐさの中で選んだ、
ひとつの恋の記憶。




【目次】

【第一話】   出会い
【第二話】   連絡
【第三話】   期待してた人
【第四話】   ふたりきり
【第五話】   終わりのあとで
【第六話】   変わりゆく日常
【第七話】   はじまりの気配
【第八話】   静かに変わる距離
【第九話】   いつも通りじゃない
【第十話】   変わってないのに
【第十一話】  戻れない夜
【第十二話】  夜のつづき
【第十三話】  何も変わらない、はずなのに
【第十四話】  まだ続くと思ってた
【第十五話】  まだ先のはずなのに
【第十六話】  消えない不安
【第十七話】  同じ不安
【第十八話】  聞けないまま
【第十九話】  終わると思ってた
【第二十話】  束の間の安心
【第二十一話】 離れたくない
【第二十二話】 会いたいだけなのに
【最終話】   あの日



出会い



15歳の冬、私は家出をした。

ただ、彼に会いに行きたかった。





彼と出会ったのは、その年の夏だった。

この日、私は友達と家で遊んでいた。
お菓子を買いにコンビニへ行こうと外に出て、歩いていた時だった。

「可愛いねー、いくつー?」

すれ違いざまの、軽い声。

私と友達は顔を見合わせて、少し笑った。
振り返って、私は言った。

「じゅうごー」

深く考えたわけじゃない。
いつものように、ただなんとなく答えただけ。

友達と「今の人たち、かっこ良かったねー」なんて言いながら、
そのままコンビニへ向かった。

買い物を済ませて家へ戻る途中、
さっきの人たちと、また会った。

向こうも気づいて、声をかけてくる。

「また会ったねー。本当に15歳なの?大人っぽいなー」
「俺が21で、こいつが18なんだよね」

「今度遊ぼうよ」

そんな会話の流れで、連絡先を聞かれた。
私は、携帯の番号を教えた。


時は平成。
あの頃は、ナンパなんて珍しくもなかった。

最初は教えないようにしていたけど、
しつこくされるくらいなら、番号を教えた方が早い。

面倒を避けるための、ただの手段だった。

今考えると、二十歳過ぎてる大人が、たかが15歳のまだ高校に上がったばかりの子供に声かけるなんておかしいよね、って思うけど、あの頃はそんなんばっかだったし、何もおかしいなんて思わなかった。


話していて、少し訛りがあったのが印象に残った。
地方から出張で来ているらしく、会社の寮に住んでいると言っていた。
それは、家のすぐ近くのマンションだった。

近すぎるな、と思った。
初めて会ったばかりだし、少しだけ、嫌だなとも思った。

でも、すぐに「まぁいっか」と思った。

なんせ、まだ15歳だったし、怖いとかそういう感覚もほとんどなかった。

その頃の私は、後先なんて考えていなかった。
ただ、今だけを生きていた。

思ったままに動いて、
感じたままに選んでいた。

今思えば、その大胆さが少し怖い。

それでも、あの頃の私は、
確かに自分に正直に生きていたんだと思う。

18歳の方の彼は、かっこいいなと思った。

——それだけのはずだった

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