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第八十八回:AI検索エンジンの普及で恐れること


今日は2023年4月17日です。すっかり春めいてきました。我が家には、まだコタツさんがいますけどね。梅雨時になると寒くなるので、6月後半くらいまでは出しっぱなしなのです。そんな与太話をしたところで、今回のコラムもゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!


はじめに


栄えある八十八回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!

AI検索エンジンの普及で恐れること

です。
久しぶりに(?)ITと関連するネタでコラムを書きます。

去年から今年くらいにかけて、ビックリするくらいの速度でAIが一般に普及しだしていますからね。
私もいろいろ考えるわけです。
そこら辺の考えを、自分の中で整理しつつ、みなさんと共有させていただきます。

ちなみに、お忙しい人向けに先に結論を書いておくと、私が恐れているのは

複数の情報を集めて真偽を精査する機会が少なくなること

です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。


AI検索エンジンとは何ぞや?


本題に入る前に、言葉の定義をしておきます。
今回のコラムでは

AI:自分で考えるコンピュータ
AI検索エンジン:知りたいことがあったときに、AIに「これって何?」と聞くことで情報を集めるやり方(の検索エンジン)


というニュアンスで「AI」や「AI検索エンジン」という用語を使います。

今までは、知りたいことがあるとGoogleYahoo!などの検索エンジン検索キーワード入力して検索していました。
検索候補に出てきたホームページの一覧から目的の情報を拾うのは自力で頑張る必要があります。

今後は、AIに「これについて教えて」と聞くやり方が主流になるのでは?と2023年時点では言われています。
AIさんに聞けば答えを教えてくれるのです。
今までの自力で調べるやり方より楽チンですね。

今回のコラムでは、この「AIに『これについて教えて』と聞くやり方(の検索エンジン)」を指して「AI検索エンジン」と表現します。
有名どころで言うと「ChatGPT」みたいなやつのことです。

それを踏まえて、本題に入ります。


すべての情報は間違っている可能性がある


まず大前提として、私は

すべての情報は間違っている可能性がある

と考えています。

インターネット上に転がっている情報は当然として、書籍などの有料情報もそうですし、仕事ができる先輩のありがたーい教えなんかもそうです。
すべて間違っている可能性があります。

そこで、情報の真偽を確かめるために、複数の情報源をあたったり、情報の発信者が信頼できそうかチェックしたりします。

あるいは、そこで得た情報が間違っていたとしましょう。
その場合は、大なり小なり情報の発信者に責任を負うことを求めるはずです。
小さいところでは「ちくしょう!嘘を教えやがって!」と自分の中でプンスカするだけでしょうけどね。
話が大きくなると、損害賠償請求なんて話にもなりかねません。

そのような価値観で生きているので、私は

AIさんの出してくれる答えも間違っている可能性がある

と考えています。

ここまでを読んで「何を当たり前のことを言っているんだ?そんなの知ってるよ!」と思う人もいるでしょう。
「今のAIが間違った答えを出してくるのなんて常識だよ。情報の正確性は今後の課題だってば!」と言いたくなる人もいるでしょう。

そうでは、ありません。
私が想定しているのは、技術が十分に成熟して、AIさんが人間と同じ(もしくは、それを超える)思考力っぽい何かを持った状態です。
そのような状態になったとしても、AIさんの出してくれる答えが間違っている可能性は排除できないと思うのです。

それを踏まえて、ちょっと考えてみてください。
情報の収集元をAIさんに集約しちゃって大丈夫ですかね?


情報源は複数ほしい


私が何か知りたいときに取る手段は、大雑把に分けると

1.インターネットで調べる
2.書籍等を読む
3.人に聞く


です。

「インターネットで調べる」をやるときは絶対に複数のホームページを見ます。
書籍を読んだり人に聞く場合よりも間違った情報をつかむことが多いからです。

余談ですが、私はインターネット上の情報に間違い(や古くて役に立たない情報)が多いことを問題視しては、いません。
無料で提供してくださっている情報に対して内容の妥当性を担保しろというのは欲張り過ぎだと思うからです。
玉石混交の情報の中から「玉」を選び出すくらいの労力は自分で負担します。
情報を大量に手早く集められるだけで感謝です。

どうやって情報の真偽を判断するかは、最終的には



です。
同じ意見が多い場合でも、間違っている可能性はあります。
特にインターネットの世界は複製するのが簡単ですからね。
発信者の情報なども見て総合的に判断します。

そんなやり方なので、AI検索エンジンが普及するのは良いのですが、今までの検索エンジンが衰退するのは困ります。
いくら賢くなったとしても、AIさんは、あくまで

情報源の1つ

だからです。

今までは、たくさんのホームページ(の先にいるホームページを作った人)が情報源でした。
情報源が複数ある状態です。

今後は、たくさんのホームページの情報を集約したAIさんが情報源になるかもしれません。
そうなったら情報源は1つです。

仮にAIさんがインターネット上の情報をすべて把握していて、それらを総合的に判断して一番正しいと思われる答えを返してくれるようになったとしましょう。
それでも私は(AI検索エンジンも使うでしょうが)今までの検索エンジンを使いたいと思っています。

選択肢が増えるのであれば喜ばしいことです。
今までの検索エンジンを使った調べ方はそのままできる状態で残り、別の選択肢としてAI検索エンジンが普及する形なら嬉しいです。

今までの検索エンジンがAI検索エンジンに置き換わるのは、ちょっと怖いです。
調べ物の手間自体は今までよりも減るかもしれませんけどね。
情報源が減ることで情報の真偽を判断するのが難しくなります。

AI検索エンジンが普及することで今までのような検索エンジンがなくなり、情報源が減ることを危惧しています。


情報の発信には責任を持ってほしい


情報の発信には大なり小なり責任が伴います。
無料の情報よりは有料の情報の方が責任は大きいでしょう。
人の生き死に関わる情報の発信は、そうではない情報の発信よりも責任が重いはずです。

それではAIさんが発信する情報の責任は誰が持つのでしょうか?
「きっと誰も持たない(持てない)んじゃないかな?」と私は思っています。

例えば、AIさんが発信する情報が他人の著作権を侵害したとしましょう。
あるいはAIさんが発信する情報に従った結果、多大な不利益を被ったとしましょう。
誰に対して損害賠償を請求しますか?

そのAIを作った人でしょうか。
AIを作った人だって、AIさんの発言を細かいレベルでは制御できません。
AIさんは「自分で考える」コンピュータですからね。
子どもの発言を親が完全には制御できないのと同じです。

逆の立場でも考えてみてください。
「あなたが作ったAIの発言の責任は、すべてあなたが持ってね」と言われたら、AIを作るのが怖くなりませんか?
私だったら怖いです。
「AIを作るのは止めようかな?」と思うかもしれません。

そのように考えると、AI検索エンジンから得られる情報に対する責任は誰も持たない(持てない)と思うのです。
「AIの発信する情報の真偽については保証いたしかねます。ご利用は自己責任の元でお願いします」のような注意書きが書かれている未来が私には見えます。
書かれないかもしれないけど。

責任という観点で見ると、AI検索エンジンから得られる情報は薄っぺらです。
内容自体は正しいかもしれないですけどね。
その発信には責任が伴っていません。

そうすると、どうしても信頼度はインターネット上の情報レベルになってしまいます。
情報の真偽を判断するために、複数の情報源をあたる裏取りが必要です。

それでは、今までの検索エンジンがなくなってしまった場合、AI検索エンジンから得られた情報が正しいか検証したかったら、どの情報源をあたれば良いのですかね?
それが私の危惧している未来です。


AI検索エンジンは便利で楽チンだけど……


ここまでに

1.AI検索エンジンが普及することで情報源が減るかもしれない
2.AI検索エンジンの発信には責任が伴わないので情報としての信頼性は微妙な気がする


の2つを危惧していると書きました。

とはいえ、ですよ。
便利だとは思うのです。

知りたいことを自分なりの言葉で質問すれば、何となく正しそうな答えが返ってきます。

今までのように検索キーワードを精査する必要は、ありません。
いつも話すような言い方で聞けば、それっぽい答えを返してくれます。

たくさん出てくる情報から正しそうな情報を自分で選ぶ必要もありません。
すでにAIさんが精査してくれた正しそうな答えが返ってきます。

調べ物をしてくれる秘書がいるようなものです。
きっと便利で、調べ物をするのが楽チンになるでしょう。
私も間違いなく利用します。

ただ、ですね。

AI検索エンジンが一般的になったら、調べ物の仕方が、より受動的になると思うのです。
それに伴い

複数の情報を集めて真偽を精査する機会が少なくなること

を恐れています。

例えるなら昔のテレビですね。

テレビは、テレビ局の人たちが情報を集めて、何となく加工して、お茶の間に届けてくれます。
見る人は、それを眺めて「ほー、そーなんだ(--)」みたいに思います。

ちょっと極端な言い方をしますが、インターネットがない時代、テレビは絶対でした。
テレビから流れてくる情報は視聴者にとって正しい情報だったのです。

ところがどっこい、インターネットの普及によって状況は変わりました。
インターネットを通じて、いろんな情報や意見を目にすることで「テレビで言っていたことは間違いじゃないかな?」と思う機会も(インターネットがなかった時代に比べれば)増えました。

私はAI検索エンジンが「インターネットがない時代のテレビ」になることを危惧しています。
(私も含めた)みなさんがAIの答えは正しいと直感的に判断することに慣れてしまった状況です。

インターネット上にある情報を集約して正解っぽいことを教えてくれるAI検索エンジンは確かに便利でしょう。
しかし、AI検索エンジンから得られる情報を鵜呑みにするのは危険です。
常に複数の情報源をあたり、得られた情報の真偽を判断する習慣は持っておきたいと思います。


まとめ


今回は

AI検索エンジンの普及で恐れること

というテーマで好き勝手に語ってみました。

私がAI検索エンジンの普及で恐れているのは

複数の情報を集めて真偽を精査する機会が少なくなること

です。

AI検索エンジンは便利です。
今まで以上に調べ物が楽チンになるでしょう。

しかし、それに伴い

1.インターネット上の情報がAI検索エンジンに集約されることで情報源が減る
2.調べ物の仕方が受動的になり、情報の真偽を判断する手間を省くようになる


ことを危惧しています。

AIさんは自分の発信に責任を持ちません(持てません)
そこが人間との違いです。
内容は正しい場合が多いかもしれませんけどね。
責任という観点で見るとAI検索エンジンから得られる情報は薄っぺらです。
AIさんの言うことが正しいかは利用者側が自己責任のもとで判断する必要があります。

AI検索エンジンの普及により調べ物の仕方の選択肢が増えるのであれば大歓迎なのですけどね。
今までの検索エンジンを使ったやり方が丸ごとAI検索エンジンに置き換わるのは怖いな~と思っています。

実際問題、これからどのような方向性で発展していくのかは分かりませんけどね。
2023年4月17日時点の状況で、私はそのように考えました。



思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。

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