名詞の不可算・可算(単数・複数)⑦-11:診療科・科目2[医学英語]
副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)
名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り
「可算不可算・単複で混乱が生じる英語の名詞」の深掘り。⑦医学英語シリーズの「診療科・科目2」でも、引き続き病院の診療科(部門)・科目を表す英語をご紹介します。
★診療科・科目の深掘り第2弾:専門用語のご紹介とパーツ分析
今回の「診療科・科目2」検証内容
❶ 主にギリシャ語・ラテン語の単語を借用
❷ 語根・接尾辞をパーツとして利用し造語
単語ごとの違いをまとめて整理(語尾に注目)
日本語の語尾につく漢字にも注目(和英間での整理・分類法の違い)
※診療科(部門)・科目は典型的な理系用語で、医療・生命科学関係者以外の方には知る必要がない特殊な専門用語と思われるかもしれませんが、英単語の成り立ちを知る上では意外と興味深い教材。
※英語名詞の規則性と多様性(不規則性?)について、何か見えてくることがあれば幸いです。(日本人としては、漢字の有り難さを改めて実感する良い機会にもなるはず)
この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。
専門性が高い単語に慣れてもらいながら問題演習
※出現年代の推定や由来は以下のetymonlineを主に参考にさせていただきました。
頻出する接尾辞・接頭辞・語根リスト
"-logy"はギリシャ語「logia=学問」由来の接尾辞
"-ics"はギリシャ語「ikos=技術・学問」由来の接尾辞
"-iatric/-iatry"はギリシャ語「iatreia=治療/治癒」・「iatros=医者」由来の接尾辞
"-tomy"はギリシャ語「tomia/tome=切ること/切断/切開」由来の接尾辞
"med-"は「適切な処置・治療/治癒」の意味の印欧祖語由来の語根
"ped-"はギリシャ語「pais/pedo=子供」由来の語根
※以下、ギリシャ語はGr、ラテン語はLaと省略して表示
※特に言語の表示がないものは英語
★診療科・科目の名称1:古くからある診療科・科目名【復習と追加説明】
大分類(出現年代が一番古い語群)
医学: medicine(La「medicina=治療法/治癒術」:"med-")
内科: medicine (internal medicine)
外科: surgery(Gr「kheirourgia」:「kheir=手」+「ergon=仕事/技術」)
細分類(出現年代が次に古い語群)
解剖学:anatomy(Gr「ana=up(上/完全に)」+"-tomy")
薬学: pharmacy(Gr「pharmakon=薬・毒・魔法/呪文」)
pharmaceutics(Gr「pharmakeus=薬(毒)使い・魔術師」+"-ics")
病理学:pathology(Gr「pathos=病む」+"-logy")
生理学:physiology(Gr「physios=自然」+"-logy")
心理学:psychology(Gr「psyche=精神」+"-logy")
★診療科・科目の名称2:おそらく近代に細分化された診療科・科目名
循環器科: cardiology(Gr「kardia=心臓」+"-logy")
皮膚科: dermatology(Gr「darmat=皮膚」+"-logy")
疫学: epidemiology(Gr「epi=among, demos=人々」+"-logy")
消化器科: gastroenterology(Gr「gastro=胃, enteron=腸」+"-logy")
婦人科: gyn(a)ecology(Gr「gyne=女性」+"-logy")
組織学: histology(Gr「histos=組織」+"-logy")
免疫学: immunology(La「immunis=免除された」+"-logy")
神経学: neurology(Gr「neura=神経」+"-logy")
産科: obstetrics(La「obstetricus=産婆/助産師」+"-ics")
腫瘍学: oncology(Gr「onco-=tumor」+"-logy")
眼科: ophthalmology(Gr「ophthalmos=目/眼」 +"-logy")
整形外科: orthopedics(Gr「orthos=まっすぐな」+"ped-"+"-ics")
小児科: pediatrics("ped-"+"-iatric"+"-ics")
精神科: psychiatry(Gr「psyche=精神」+"-iatry")
呼吸器科: pulmonology(La「pulmo=肺」)
泌尿器科: urology(Gr「ouron=urine(尿)」+"-logy")
復習問題:様々な医学用語の使い分け(可算・不可算+α)
medicine, surgery, anatomy, physiology, pathology, psychology
a. このリストの単語は不可算名詞として使える? 使えるなら意味は?
b. このリストの単語は可算名詞として使える? 使えるなら意味は?
c. "pathology"について、古代ギリシャで医学以外で実際に使われた意味を語源から考察(推察)
問題1:"medicine"と"surgery"をセットで理解
a. この2単語の出現年代を調べ、時間差がある理由を考察(推察)
b. この2単語は多義語:和訳から適切なものを以下の空欄にそれぞれ記入
「○○[手段]で治療するのが○○[診療科]」
問題2:医学用語(類義語)の使い分け(可算・不可算+α)
psychology, psychiatry
a. この2単語は不可算名詞として使える? 使えるなら意味は?
b. この2単語は可算名詞として使える? 使えるなら意味は?
c. この2単語の意味の違いを語源から考察(推察)(医学/治療が主か学問が主か?)
診療科(部門)・科目の2回目、これも「不可算可算の理想と現実」問題の一例。英語の名詞を使う際に毎回のように出てくる「文法的に可算名詞なのか不可算名詞なのか?」問題。日本語では問題にならないのに、英語では大問題。
いわゆる学校英語や学術英語で整理しきれていない部分を考えてもらうための教材、英語の「名詞の不可算・可算(単数・複数)の理想と現実」問題が少しでも伝われば幸いです。
授業でどこまで解説できるか分かりませんが、あちこちにヒントを散りばめてあるので、辞書を引いたり自分で調べたりして考察(推察)してみてください。
以下をクリックして関連記事もご覧ください。
