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【灯火杯3rd エキシビション】全作品(33作品+α) 勝手に激推しポイントを挙げていく

先日結果発表を行った「第3回灯火杯 in2025(灯火杯3rd)」。
アフターコンテンツはもう少し続きます。

今までの灯火杯では、「ピックアップ」という形で感想を書かせていただいたりしましたが、一つだけ気がかりだったのはご参加いただいたみなさんにちゃんとお返しできていないということでした。

▽第1回のピックアップnote▽

▽第2回では、任意の作品ごとの感想noteという形を行いました▽

そんなことを思っていた矢先です。
まったく予想外のところから、すごいボールが飛んできました。

そう、3rdの特別ゲストであるマイトンさんの全作品感想文です。
「オレは全部やるぜ」という行動力と実行力を、まざまざと見せていただきました。

さすがはマイトンのアニキ、マイTのモデル(『絵にもならない』というわたしの小説で登場人物のモデルになっていただきました)。

▽3rdの特別ゲスト、マイトンさんとらいおんさんお二方がモデルとなっているキャラクターも登場する作品『絵にもならない』▽

しかも、まだ選出期間前なのにです。
そして、しっかり「選出とは関係がない旨」もうたわれている。
もう完璧すぎました。

・全員分書くのは大変だしなぁとか
・ちょこっとだけ作品に触れられても…

という部分で悩んでいたわたしに、冷水をぶっかけてくれた心境でした!

そこで思ったんですよね。
ちゃんと参加いただいた方の気持ちに向き合おうと。

文量は少なくなるかもしれませんが、それでもまったく触れられないよりはちゃんと読んだということを伝えることも意味があると思い直しました。

と、そんなことを考えていた矢先です。
第二の矢が飛んできました(あれ、さっきはボールじゃなかった!?)。

りんちゃんこと、喜木凛さんです。

先ほどのマイトンさんは、言うても特別ゲストとご参加いただいています。
マイトンさんのなかで「企画を盛り上げよう」という意図も持っていただいた行動でもあったのかなと思います。

ただ、りんちゃんは一人の参加者として書いてくれました
しかも、全作品対象にも関わらず、ちゃんと1作品ずつの熱量がちゃんと伝わってくる内容でした。

もうこれは主催者として完全に目が覚めました。
くだらないところで悩んでいる場合じゃない。

もちろん、先に断っておきますと、マイトンさんやりんちゃんの動きに合わせて、嫌々ながらに感想文を書くわけではありません。
自分都合で踏み出せなかったわたしの背中を押してくれたのが、おふたりだったということでした。

では、やっていきます!



そして、わたしのほうは、感想文というよりは個人的にメチャメチャよかったところ、激推しポイントをご紹介する形を採りたいと思います。
改めて作品を読むきっかけになればうれしいです。

なお、1作品あたりの感想文に、ある程度の文字数制限を自分の中で設けさせていただいています。そのため、「あれ、ここで終わり?」的な消化不良を感じる場合があるかもしれません。

そうした方は、ぜひ「交換note会」で作品についてお話しする機会をいただいたり、インスパイアnoteで補足させていただければと思います。

*ただし、インスパイアnoteはあくまで任意の作品をピックアップさせていただき、すべての作品に書かせていただくわけではございません。何卒ご了承いただけましたら幸いです。

▽交換note会(お話し会)についての詳細はコチラ▽

EX:うめこさん 冷凍庫の奥で、灯りは生きてる

毎回、「選考対象は外して」というスタンスで、それでもご参加いただいているうめこさん。
その独自路線と、いただいた作品が毎回刺さっていて、主催者としてはひたすら悶えています。

「10本298円のホームランバー」とハーゲンダッツのようなブランドアイス。note記事への例えに「正にその通り」と唸らされていました。

その上で、わたしが最も印象的だったのがこちらの一文です。

ブランドアイスみたいな「一作の完璧」を自分に強いると、指が止まる。

毎日投稿している身からしても、物凄く刺さりました。

ただ、もちろん、ホームランバーのような作品のなかにも光るものはある。
そして、ときどきはハーゲンダッツに挑むこと。それを続けた先に何かがあるかもしれないということは、これからも信じ続けていきたいと思いました。


*なお、お名前の呼び方は、わたしが勝手に決めさせていただいています。
 アカウント名そのままの表記は、以下の作品一覧noteに載せておりますので、そちらをご参照くださいませ。

① アージさん 光線

夏、青春、汗、ポカリ、恋愛。
もう夏のフルコースが弾けています。

そして、大好きな部分がコチラ。

(運動部とか文化部とか関係なくね?)
さっきの樹の言葉がまだ頭上らへんにいる。
聞きようによっては告白っぽい台詞 せりふだな。

正に、青春の恋愛がここに詰め込まれています。
勘違いかもしれない。あるいはお互いに意識し合っている中での牽制なのかもしれない。

恋愛ランク"ルーキー"のわたしは、「コレコレ、キタコレー!!」っと、一人でテンションMAXになっていました。

②ゆずさん 眠れぬ初夏に、もういない親友と聴いたBUMPが囁く。(ひいろさん 心の創作大賞 受賞作品)

親友との別れ。物凄く深くテーマであると同時に、そこには希望とエールがしっかりとありました。
ここまで書いて思いましたが、それはゆずさんが希望を決して手放さなかったからだということも気づかされました。

ノートの文字をなでると、いつでも彼女に会える気がしている。

わたしが、紙が好きな理由。手書きの文字こそ最も心がこもっていると感じる理由が、この一文に詰まっていました。

③つるさん 木の麓で 777字

非常に上品で、静かな、でも確かなエールを送る作品でした。
まるで灼熱の真夏日、窓際に揺れる風鈴のように。
チアリーダーのような力いっぱいのエールとは違っていても、木陰が日光を遮ってくれる遊歩道のような涼やかな風を感じていました。

私の気づきは、
人の息吹を感じる書き物が
心に印象としてまず残るのでした。

つるさんのコメント欄でも触れられているように、「ポケットに入れて」のところもかなり好きなのですが、この一文が芯を捉えている気がして、引用部分として選ばせていただきました。

④凛花さん ムネモシュネに雨粒

相変わらず、瞬間を繊細に描写するのが上手な凛花さん。
思考のが広がり、また糸を撚(よ)るように編まれていく過程を、一緒に手繰るような感覚がありました。

そして、今回引用したいのは、こちらの写真でした。

凛花さんの作品より

凛花さんの色々な作品を読ませていただいていることもあり、わたしはこの写真からたくさんのことを連想していました。

「雨の写真なんか撮るな」と言われた話。ちなみにこれ、わたしが言われたらブチ切れ確定案件です(笑)。
一方で旦那さんが「神様」と言われた話。デコボコ夫婦として、お互いにぶつかりながらも、遠慮なく言い合える仲に感謝したり。

今回、凛花さんの作品が連想が広がっていく形だったのに合わせて、わたしも思考の糸が水面に漂っていました。

⑤りんちゃん 🕯 夕暮れにひとつ、“スキ”が灯った

書けないとき、救ってくれた「スキ」についてのお話。
本当にそうですよね。はじめてのスキ。はじめての有料noteを購入いただいたとき。メンバーシップにご加入いただいたとき、コングラボードや注目記事もそうです。

ついつい水準・基準が上がってくると、わたしたちは忘れそうになるから。
また、スキをしたときのポップアップや通知はまさに「灯る」だなと思いました。

“書くこと”に意味を求めてしまうと、途端に息が詰まる。
だけど、意味がなくても、理由がなくても、
書きたいと思ったなら、それはもう、書いていいんだよ。

特に突き刺さったのは、この一文でした。

⑥トラ子さん 扇風機の前で叫んだ「俺の小説がバズらねえええええ!」#第3回灯火杯(エール賞&マイトン賞 W受賞作品)

読まれない苦悩、「読まれない」=存在していないと考え、空寒くなる恐怖。
誰かの何気ない一言が、自身を固める最初の自信となっている。

ひたすら書き手あるあるとして強く共感するとともに、文章のテイストがアツく背中を押してくれるエールでした。マイトンさんも仰っていたように、背中に赤い手形がくっきりと残るような勢いを感じますね。

世界が黙ってるからって、自分まで黙るんじゃねーぞ。
黙ったその瞬間に、私の、君の物語は消えるんだから。

本当にこれなんですよね。
先ほどのゆずさんのお話にも通じるものを感じました。
証を残すとかじゃない。物語を紡ぐそれ自体が物語なんだと力強い叫びが、今も残っています。

⑦真夜中のカフェさん そのボールは、ちゃんとそこに

書けないときの乗り越え方は、原点回帰である。
こう書くとその通りですが、お話の世界観と描き方がやわらかく、あたたかい作品。正に「灯火杯」の名前にピッタリの作品でした。

書く前に潜ってごらん。

わたしが一番好きなところは、この一文でした。

書けないときも含めて、モヤモヤを感じて内省するとき、わたしの感覚そのものです。息を止めて潜るのは苦しい。でも少しずつ練習していくと、少しずつ深く潜れるようになってくる。

実体験としても、プールが好きで最初はまったく検定タイムに届く気がしなかったわたしにとって、最初のコツコツ体験はスイミングスクールの練習だったのかもしれません。

わたし自身にとっても、合言葉になりそうな一文でした。

⑧カオラさん つらくなっても「不登校」について書いている

お子さんが体調を崩しやすい秋口に標準を合わせて、夏から準備を進めていくカオラさん。小児喘息にとっての季節の変わり目、特に秋の辛さはわたしも覚えがあります。

「…さぁ掛かってこい、夏。」が本当に力強く響きます。

ですが、それでも、現実は容赦がない。
「どれだけ準備しても子ども達の体調はグラつく。
低気圧に弱いのは何も長男だけではなく、もともとは私。」

昔を思い出しながら書くのは、私自身が追体験をして辛いこともある。

わたしが突き刺さったのはこの一文でした。

本当にそうなのです。内省noteを書いているとき、自分でもあまり意識していなかった心の動きにぶつかると、書きながら泣いています。

あるいは、必死にもがきながら転職活動をしているとき、上司とパワハラで争っているとき、適応障害で休職しているとき。何度もnoteで取り上げているテーマ・エピソードではありますが、それでもやっぱり毎回あのときの心の変動を追体験しています。

それでも、届けたい。もしかしたら、自分と同じ想いをして疲れ果てている、困り切っている親御さんに届けたいからという、カオラさんの真摯な想いで溢れていました。

⑨みっつーさん 夏よりもあつ〜く!

創作大賞に挑む、みっつーさんの心持ちについて綴られた作品。

自分と、孤独と向き合う「書くこと」に、疲れたり、不安を覚えたりするときに助けられるのは読んでくれる方々。

そして、「夏よりもあつ~く!」のタイトルに、肩の力を入れすぎずに、それでもあつい想いをしっかりと持つ、みっつーさんのスタンスが凝縮されているように感じました。

励ましの声を頂いて、
一陽来復。

個人的に目を引いたのは、「一陽来復」という言葉。
お恥ずかしい限りで、言葉の意味を知らなかったのですが、凄く素敵な言葉で、冬至を表す季語としても使われるんですね。

⑩のんさん 知って、守って、楽しめる世界©Copyright symbol #186

お子さんのイラストを大切に守りたい。そんな愛情溢れる目線から、デジタルイラストの著作権について、分かりやすく解説されている作品。

昨今、無断転載やAIが描くイラストの権利などが注目される場面も多くなっていることもあり、純粋に勉強になりました。

のんさんの作品より

個人的に凄く刺さったのはココでした!
今は閉鎖してしまいましたが、個人事業主のHPを立ち上げるときにコピーライトに関して色々調べていました。

最終的には弁護士の方にも意見を伺いながらやっていましたが、AI絡みの権利関係はこれからまだまだ話題になりそうな領域のお話です。

⑪しょうこさん 天井にかざしたボールペン

予備校の先生からの言葉をきっかけに、高校生のときにシャーペンからボールペンに移行したしょうこさん。
使い切ったペンをお菓子の缶に入れていくというところが、かわいい缶好きなわたしとしても、いいなぁと思って読んでいました。

そして、突然の体調不良。周りとの差に焦りながらもお話は進んでいきます。
自分ががんばってきた軌跡が見えるように。わたしも、習慣化や毎日習慣の定着でも痛感していることでした。

治療をしていた大学病院で、白衣を着て働いていた時期がある。

わたしが一人唸っていたのは、この一文です。
勉強を頑張っていた描写、そして、ベッドの上での描写。

それらが心に迫るものだからこそ、さらっと書かれているこの一文で、たくさんの「書かれていないこと」が明らかになり、色々な感情が溢れるのと同時に、希望の光を見せていただきました。

⑫いるさん 夏の日に私は書く。それは生きるために

書けない苦しみ。でも、それ以上に「書くことが生きること」と言い切れるいるさんの作品は力強さを感じます。

いや、ちょっと違うかもしれません。「書くこと」で苦しさを乗り越えてきたのだとわたしには感じました。「書くこと」があったからこそ、不安や痛みを自分の中で消化し、昇華させてきたのだと。

そして、振り返る、書くようになった原点。

書くことは、私の、私たちの生きる道だ。

これはあくまで私見ですが、書くことが孤独である前提に立つと、誰へのエールかと言うと、まず救われているのは自分なのではないかと思っています。

その上で、それが至極個人的であるからこそ、逆説的に多くの人に刺さるのだと考えていまして、正にその自身への矜持とエールが凝縮された一文に、いるさんの生き方・書き方を強く感じた作品でした。

⑬とこさん 甲子園の裏でひっそりと行われた夏の闘い【第3回灯火杯】

大学院入試の壮絶な日々が綴られます。文系出身のわたしとしては、理系の方のほうが年収が高めなのも、こうした努力があれば当然だよなと思います。大学時代の親友も、日々実験の予定が入っていて、遊ぶための日程調整に苦労したのを思い出していました。

自ら選び、自らの努力で歩いてきた道のみが、今だ。

過去を後悔しても仕方ない。
今を、将来をどう描くか。
それがいつか最後を迎えるときに、最も後悔せずにいられる。

とこさんとは、交換note会でお話しさせていただこともあり、その背景を思うと本当に沁みる部分でした。
こうしたメッセージは、ビジネスマッチョの人が言う分には、相手を寄せ付けない印象を受けます。

ですが、現在進行形で自身の人生に挑み続けているとこさんが発することに、大きなエールをいただいた作品でした。

⑭kuraさん 47歳、 真夏の大冒険

娘さんの自由奔放な大冒険。娘さんとの関係性のよさに思わずほっこりします。
ですが、そうです、タイトルはkuraさん側の大冒険でした。そして、物語中盤からkuraさんご自身の大冒険が綴られていきます。

いくつになっても、一歩踏み出せば、どこへだって行ける。たとえそこに、綺麗なオチはなくても。

前半部分は、自己啓発本やYouTube動画などでも、よく目にしていた言葉かもしれません。ですが、後半部分にkuraさんのスタンスが強く出ているようにわたしには感じられた段落でした。

ついつい考えすぎて、思い詰める方向に行きかねないとき、改めて、「笑い」のための距離感を思い出せたらいいなと思いました。

⑮乃井 万さん 私はエールを送れません

非常に衝撃的なタイトルと、誠実で真摯な姿勢で綴られる作品。
「それでも書けたとき、すごく嬉しくて。」
書く上で、これ以上尊い気持ちをわたしは知りません。

確かに書く以上、読まれたいというのは必ずあると思います。
ですが、読まれることのみを追求しても、空しさを覚えてしまったライター仲間を、わたしはたくさん知っています。

世の中の誰かが。
たった一人でも誰かが。
あなたの文章を待っています。
あなたが紡ぐ言葉を待っています。

「私よりはるかに書くことに向き合っている方に、私はエールを送れ」ないとしつつ、「ただ、これだけは言えます。書けなくなってしまう方。あなたの文章は魅力的です。」と力強く断言できる乃井 万さん。

先ほどの段落に、わたしなりのヒントを見出せた気がします。
「あなたの文章を待っている」「たった一人でも」の「誰か」は、その最初の一人はあなた自身ではないかと思いました。

そして、あなたが心から良いと思い、かつ、読まれようと思って試行錯誤した作品を続けることで、いつかきっと届くと。そんなエールを感じさせていただいた作品でした。

⑯さちともこさん 「もうライターを目指すことはない」と悟った、新宿の初夏の夜

大学卒業後に「書いてお金をもらう」ためのセミナーでもがいて、気づいて、そして、もう一度チャレンジするお話。

とにかく、自分自身の「甘かったなぁ」という想いや、「ライター」と一口で言っても色々あるんだなと、少しずつ学んでいた独立当初のことを思い出していました。

だからこそわたし自身も、ライターの仕事に色々な種類があるということや、小説と広告的な文章には絶対的な違いがあることを有料noteなどで発信しています。

 これまでの私は「書くこと」以前のことをおろそかにしていただけかもしれない。

わたしも、営業職時代、深く考えずに惰性で日々をこなしていることが多かったと思います。もちろん、さちさんも作中でも言っているように、そのときそのときで必死にあがいて、頑張ってきた自分を褒める気持ちも適応障害から立ち直る上で必要でした。

ただ、少なくても今日からは本気で、自分が想い描く道に近づいていく。
そんな決意とエールをいただいた作品でした。

⑰らいおんさん 書いていたあの時間は、公開するとふっと忘れてしまい、書いたものだけが残る

過去の作品との対話。成果物だけが残り、書けないときの苦労や思考は浄化されている(「浄化されている」の部分はわたしの意訳です)。

正にその通りですよね。違うジャンルの記事でも(例えば、通常note→有料note→メンバーシップnote)、前後の記事は互いに思考の影響を受けていることは割と自分でも認識しています。

また、そういえば、あの事書いたなぁと思って自分のnoteを検索かけたり、あのとき書ききれなかった「答え」に、改めてしっかり向き合ったnoteを書こうとか。

大変さは消えていってしまう。書きあがった成果物だけが残る。

そう、明けないと思っていた夜を抜け出した自分、調子がいいときの自分から、もう一度そこに陥りそうになる未来の自分へのエールを綴っていたのでした。

⑱マイトンさん やっぱり『愛』だった。

「書くこと」は人が生きる上で、必須では無い。
この一文で鮮やかに始まるマイトンさんの作品。

本当にその通りで、誰にも強制されたわけではないはずなのに書けないと悩む方へ、押しつけがましくなく、フラットに色々な視点で解決のヒントを提示してくれます。

誰かの笑顔を自分のエネルギーに変えるには、『愛』がないとできない。

引用した箇所の前文。
「最初の方に、誰かの笑顔のために書くって言ったけど、誰かのために頑張り続けるなんて人間出来ない。
この夏の暑さにヘトヘトに疲れていても、寝る間も惜しんで毎日書けるのは、やっぱり自分の為だからだ。」
のところもかなり印象的でしたが、わたしが一番刺さったのはここでした。

わたしは今まで、自分が”いい状態”でないと相手に余裕を持って接することができない。だからこそ、自分をいい状態に保つために内省をして、自身のモヤモヤをクリアにして、と思ってきました。

ですが、それ以上にマイトンさんの言う通り「愛」がなければ、書けない。
大切な気づきをいただいた作品でした。

⑲もなかさん 完璧じゃなくても、伝わってる

「修行」のイメージで、ストイックに技術を追求していく、もなかさん。
そんななか、自分に厳しくあたっているのは自分だけなのではと、疑問を持つようになります。

厳しすぎる評価をしているのは、たぶん、自分だけ。

もちろん、逆のご意見もあるかもしれません。それは、その方の特性によるところが多いと思うのですが、自分にずっと厳しい評価をしてきて、挙句の果てに適応障害で休職という経緯を経験した自分としては、ものすごく刺さる一文でした。

自分のことはちゃんと認めてあげて、白黒思考にならないように少しずつ理想に近づいていきたいですね。

⑳ゆづさん 空にほどけた、書けない私。(みくまゆたんさん みくまゆ絶賛賞 受賞作品)

書けない自分に対して、非常に繊細で美しい描写で展開されていくお話。
同じ現象が起こっているはずなのに、ここまで綺麗な表現になるのかと圧倒されました。

冷房のカチコチからの、身体もカチコチ、心もカチコチ。上手さも事実もその通りで「ホントそれ!」と唸っていました。

心の奥のどこかで勝手に判断していた。私の中の色眼鏡……モノを曇らせて見せるから色サングラスなのかもしれない。

書けない自分。
それは、心身の状態を表す言葉なのかもしれないと、改めて気づかされた作品でした。

㉑うらやんさん 美しさは、立ち止まった夜に宿る

書けない自分を他の方法で励ますという形ではなく、書けない今こそいいものが書ける領域に入ろうとしているという考え方は、胸が打たれるものがありました。

そもそも簡単じゃないからこそ
乗り越えた先の文章は
こんなにも心を打つのだろう。

本当にその通りだなと思います。うらやさんの作中でもスポーツの話と絡めて説明されていますが、苦痛自体に意味はないとわたしは考えています。
ですが、自分の限界や領域を少しだけ広げようと思ったら、それが苦痛かどうかは別として、やはり簡単ではないとわたしも思いました。

㉒みゆさん 高座の上で、目が合ったなら。(HIKOさん ナイスコミュニケーション賞 受賞作品)

「落研」こと落語研究会時代のエピソードが語られる、わたしが勝手に"みゆさんの落語シリーズ"と呼んでいる作品の一つです。

最近特に思うのですが、落語はこのライブ感。お客さんと「目が合う」カンジが一番キモなんじゃないかと、みゆさんのnoteを読んでいると思わされます。

大学を卒業して約15年。
もう、落語をすることはないだろう。
多分、着付けも、正座もできないし、きっと噺も覚えられない。

みゆさんのnoteの一番大事なところは、恐らくこの段落の次になると思うのですが、敢えてこちらを引用させていただきました。

たくさんの方たちとの交換note会(お話し会)を経て、最近強く思っていることがあります。それは人生の軌跡はちゃんとつながっているということ。
なんなら、学生時代に夢中になったことは、その人の人生にそっと伴走している根っこの部分な気がしています。

㉓さよならさん 「ぬけがら」はあなたのかたち(🏆灯火賞 受賞作品)

脱皮、成長、進化。

だけど、僕にとって一番大切なのは、本当はそこではない。

大切なのは、剥がれ落ちたものの方。
つまり、「ぬけがら」だ。

*結果発表のときにコメントを書かせていただいているのと、受賞インタビューnoteも後日公開予定ですので、さよならさんの作品だけ少し形式を変えています。

らいおんさんの作品でもあったように、完成した途端自分の外に出される作品。その作品との対話は、自分から自分にエネルギーが干渉し合うようでした。

ですが、個人的にさらに強い「思念」を感じるのは、「ぬけがら」でした。
初めて挑戦した小説のアイディアを殴り書きで走らせたRollbahn。Rollbahnに考えがまとまる前の内容を書くのは初めてでした。ですが、それはちゃんと残しておきたいと思ったからです。

公開した原稿よりも、大分文字数が少ないWord原稿。
完成した作品ももちろん大好きですが、物懐かしさのような感情を抱くのは決まってそちらでした。

㉔michoさん 【企画】就活が決まらなくて、息苦しかった夏✳︎第3回灯火杯

就活に苦戦している中、優秀なはずなのに書類選考が通らないご友人に向けて、エントリーシートを添削するお話。

個人的に、自分にも共通する部分が多く、非常に考えさせられる作品でした。

今まで“書く”とは、日記だったり小説だったり、自分だけが読む閉鎖的なものだったのが、このとき初めて人に喜んでもらえた。書くことがエールになることに気がついた。

わたしも一緒に考えて、書くことを通じて相手に喜んでもらえるのがスキです。でも、それは自分自身が努力することから逃げているんじゃないか、自分自身は語るだけの実績があるのかということに怖くなり、セミナー開催などから遠ざかった経緯を思い出していました。

㉕砂糖の塊さん 『今。』の連続を乗り越えて

森山直太朗さんの『いつかはさらばさ』から、逃れられない死に限りなく前向きに、そして、死を意識することで今を精一杯生きようとする考え方について、アツく語りかけていただいているような作品です。

突き刺さった柔らかいはずの槍が抜けそうにない

一文の中でも部分的な抜粋ですが、この表現、メチャメチャ好きです。
「刺さった」という表現をわたしもよく使っていますし、このnoteでも多用しています。

ですが、それは矢に打ち抜かれるようなイメージではなく、正にこの表現のような形でした。決して人を傷つけるような武器ではなかったはず。ですが、柔らかいはずなのに抜けない。わたしの持っている感覚を見事に言語化している表現でした。

㉖はれるやさん いなくなった私、帰って来た

溶けるような暑さ。その表現を地で行くとこういうお話になるのかもしれません。そう思わせていただいた作品でした。

 そして……私はいなくなった。次に雨が降ったら、きっと帰ってくる。

個人的に印象的だったのはこの部分。既に「帰ってくること」を知っているんですね。
老齢の方でも半分以上は水分。そこにフォーカスした際に、輪廻というか自然の循環を見てらっしゃるのだなと思いました。

ちなみに、東洋哲学的な思想ではこの話をもう少し含まらませると、境界がどんどんなくなり、ひいては宇宙と繋がっているという話になるのですが、文字数の関係でこの辺までにしますね。

㉗極夜さん 書けなくて灯火杯に出せないかもと思う中で

書けないときに色々なパターンはあれど、灯火杯にエントリーいただく作品自体への苦戦と、リスペストする「兄貴」さんを思い出しながら書いていく作品。

リスペクトする誰かを召喚し、前に進んでいくことって誰もがやったことがあることじゃないかなと思っています。

深夜まで仕事してる兄貴にわたしは「何も書けない」なんて弱音を吐いた。
わたしより30倍も長い期間、書いて発信し続けてる人。メールを受け取ると仕事の手をとめ、即座に返信してくれた。
10の言葉、100のエールよりも効く、たったひとつの言葉を。

「書け」

これはシビれました。同時に思い出しました。
映画『ルックバック』を。絵が上手いとイキっていた自分。自分より遥かに描いていた人物。

とにかく書けばいいわけじゃない。それでも、向き合ってきた数はやっぱり大切なんだと思い出せてくれる作品でした。
*わたしの『ルックバック』への感想文はコチラ

㉘そらさん 【第3回 灯火杯】 書く人へ、私からのエール

「心が乾いて」書けなくなった時期。そして、そこからもう一度書けるようになるまでのそらさんの作品。

メチャメチャわかります。書こうとして。そのためにnoterさんの作品に触れて、何かを感じようとしても上手く行かないとき。

作品に触れて、記事を紹介して、執筆して。

私の夏は半分執筆と共に過ごしたといっても、過言ではない。

まるで、学生の部活みたい。

こんな風に夏をスタートすることができるなんて、思いもしなかった。

それは物理的にエネルギーがエンプティなのかもしれない。あるいは、チューニングの問題かもしれない。それでも、確かに心を沁み渡るものと、「部活」らしさが支えてくれていることを、改めて思い出せてくれた作品でした。

㉙ミクさん 書く仕事で生き残るために【フリーランス、個人事業者向け生き残り戦術イベントレポ】

ライター研究所を運営している敏腕編集者の江郷さん。「生き抜くためのサバイバル的な戦術」を話す、2時間イベントのレポートでエントリーいただきました。

共通してるのは、驕らず低姿勢で、コミュニケーションが丁寧なところかな

(私の周りで長くお仕事が続いている方々は)唐突に喧嘩をふっかけてくる人や、回答に困るようなdmを送ってくる人、さりげなくマウント取るような人も1人もいない。

誰かに突っ込む人はきっと、話を聞いて欲しいのだ。

ホントそれ。ですが、ふと瞬間に忘れそうになっている自分もいます。
仕事として続けていくこと。仕事として「書けない」ときのほうが自分にとっては思い当たる節のほうが多く、たくさん気づかせていただいた作品でした。

㉚すのうさん セミの声を聞きながら50色で描く夏

セミの声を中心に聞こえてくる日常の音。当たり前に使われるオノマトペに疑問を呈する(オリジナルを探し求める)作品です。

個人的に、聴覚を第一言語にしているわたしとしては、物凄く惹かれました。

絶対的に断言します。「ミーンミーン」のわけがないのです。
鶏の鳴き声の言い方や犬の鳴き方の表し方も、言語が変わると全く違います。

でも、結局、みんな自分だけの「ミーンミーン」を探していると思えば、なんだか笑えくる。材料は等しく50しかないのに。

日本語は、きっと300音以上はあるのでしょう。
例えば、歌。
米津玄師さんの「い」段と、『シャルル』などが有名な須田景凪(バルーン)さんの「い」段は違います。

でも、それをどう表現すればいいのか。オノマトペというフランス語の響きが、またわたしを言語の海に誘っていきました。

㉛蒼玉うまみさん 書きたい気持ちはまるで

「読み手」から「書き手」に替わったエピソードを紹介している作品です。

「私もifしてる」というあなた。

「ifしてる」という表現が、個人的にとても素敵だなと思いました。

わたしは、どこかでずっと妄想しています。映画の予告編だったらこういうカンジかもしれない。空にうつろう雲を見ながら。人のお話を伺いながら、こういうお話を書いたら面白いかもしれない。

一度はバカバカしいと、そんなことを考えてもしょうがない、現実を見ろと仕舞い込んだもの。でも、それがわたしの根っこにあるなら、それこそ封じ込めて「しょうもない」ことでした。

㉜Temppさん 【短編小説(ドラマ)】 エンサラータと星空6500字

書く仕事に情熱を持てなくなった主人公。
会社の飲み会も抜けらられず、終電を逃してしまった夜にふと出逢う人との会話。

再び聞こえた溜息は、さっきと違って少しだけ温度があった。

こういう表現、本当に好きで、それこそ感嘆のため息が出るレベルです。
決して直接的に言っていない。難しい言葉も使っていない。
ついでに、わたしに好みの問題ではありますが、安易に恋愛に発展させない。

文量を感じさせずに世界観を作る、さすがでした。

㉝しいもさん 期待は私の、ななめうしろ|

期待は未来にするもの。そんなはずの期待がいつしか思うようにいかない子育ての文脈でプレッシャーになっていく作品。

あやうく、タイトルだけで灯火賞を選びかねないくらい好きです。
わたしのお気に入り作品『こえは、キミの半歩先』に呼応するようになっている部分や、内容的にも印象的な作品でした。

「覚えてるよ。全部覚えてる」
「忘れてなんか、あげないんだからね」

これは、イケメン(と思われる)期待クンの言葉ではなく、しいもさんの親友さんの言葉。

確かに、期待は後ろからじっと見ているのかもしれません。
「その視線を私は勝手に暑苦しく感じていた」ものかもしれません。

でも、わたしは思います。もしかしたら、それは斜め後ろで何も言わずにじっと応援してくれて、あたたかく見守ってくれているものなのかもしれません。しいもさんのお父さんも、そんなカンジなのかもとか勝手に思っていました。


エントリーいただいた全作品の感想を終えて

一つのnoteとして、過去最大の文字数になってしました。
ただ、これを分けなかったのには想いがありまして、分けるとそこしか見ないのかなっていう想いからでした。

もちろん、これはあなたがどうと言っているわけではありません。
正直、わたし自身がそうしていました。
自分の作品が引用されているところだけを見る。
そして、少しずつ他の方の作品も読むように変わっていきました。

例えば、このnoteを分けてしまうと、マイトンさんや りんちゃんの感想文、うめこさんの作品などは、Vol1となるものに引用された方にしか届かない気がして、何日間にも分けてずーっとこのnoteを書いていました。

ですが、それは自分のことを押し出したいわけではありません。
エール賞に投票いただいてくれた方をはじめ、みなさん既に他の方の作品を読んでいただいています。

ですので、今回わたしがやりたかったことは、灯火杯3rdにご参加いただいたことへのお返しでした。

この後は、任意の作品だけで恐縮ですが、作品から影響をいただいて書きたくなったインスパイアnoteを書いていきたいと思っています。
感想も少し交えると思いますが、あくまでわたしがご参加作品を受けて、書きたくなったものを書いていくスタイルになります。

お恥ずかしながら、わたしが今まで感想文と思って書いてきたものは、ほとんどがこのスタイルで自分のことばかり書いてしまっていたので、改めて、感想文とインスパイアnoteを区別していきたいと思います。

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花邑 灯火 @リ・キュレーター 自主企画コンテスト「灯火杯」の賞金や美術館、書籍や有料購入など、note活動のために使わせていただきます!

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