私と父とnote
昨年、父が他界しました。
父にとっては死ぬのには若すぎる、
私にとっては父をなくすのには早すぎる、
そんな死でした。
今回、創作大賞に応募しようと思ったのは、この場を借りて、noteにお礼が言いたいと思ったからです。
と言いますのは、父が亡くなくなり途方に暮れていた私に、その死と向き合うきっかけをくれたのがnote__だったからです。
父が亡くなった当時、私は大学三年生でした。
ちょうど校内のイチョウの木が葉を散らし地面を黄色に彩る時節で、それは私にとって就活を目前に控えた時期でもありました。
しかし、そのときの私はとても就活のことなど考えることができませんでした。
インターンシップや本選考の結果に一喜一憂する同級生が違う世界の住人に見えて、ともすれば、私は毎日の講義に出席するのも億劫でした。
そんなときにふと思いつきではじめたのがnoteへの毎日投稿でした。
noteには以前から趣味で文章を投稿していたこともあり、親しみがありました。
毎日投稿の内容は、短編の小説です。
小説の内容自体はフィクションですが、テーマは毎回父から連想するものを選びました。
父が身につけていたもの、大事にしていた本のタイトル、一緒に行った場所。
毎日、テーマを決める際に父のことを考えました。
それから、日々の空いた時間に__主に大学に通学する電車のなかで、スマホを使い小説を書きました。
物語を書いている間、私は自由になれました。
日々の雑念を忘れることができました。
なぜ毎日投稿をはじめたのかそこに至るまでのロジックはよく思い出せないのですが、
父に読んで欲しいと思って書いていた、そんな気がします。
私は父に自分の文章を見せたことがありませんでした。
物語を書くことが好きでいつか本を出したいと言ったことはありましたが、
自分の作品を見せるのは何か賞を取ってからと先延ばしにしていました。
……昨年、コンクールで小さな賞をいただいたのですが、それは父の死後のことでした。
人生うまくいかないものです。
しかし、毎日投稿をはじめて、あらためて私は書くことが好きだと自覚することができました。
書くことで、自分の抱えている気持ちが楽になるのを感じました。
どうしようもない気持ちの日にも、noteで物語を書いている間は息ができました。
次第に、毎日物語を考える時間が、私にとっての居場所になっていました。
それは、noteでコメントやスキを通して交流してくださった温かいユーザーさん方のおかげでもあります。
そして、50日の連続投稿を終える頃には、自分の将来を前向きに考えることができるようになっていました。
それから就活を本格的にはじめ数ヶ月。
現在、志望業界に内定をいただいております。
noteがあったから、私は今日もこうして書き続けることができるのだと思います。
人生の辛い時期に、私はnoteで書くことで救われました。
__noteおよび、noteで交流してくださった皆さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
今回の応募作は、
こちらの前書きと、過去に毎日投稿をしていた短編小説50編をあらためて推敲、編集したものをたしてひとつの作品にさせていただきます。
長々とした前書きになりましたが、お時間のある方は短編小説の方もご覧いただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
夏目灯(2024.7/19)
