沿岸防衛構想「SHIELD(シールド)」は画餅
無人機で沿岸防衛…航空機や水上艦・潜水艦など27年度に大量配備へ
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250818-OYT1T50003/
>防衛省は、空と海上、海中で無人機を活用する沿岸防衛構想「SHIELD(シールド)」を2027年度中に構築する方針を固めた。無人機は安価で大量に導入できる利点があり、日本に侵攻しようとする他国部隊を食い止める狙いがある。
>同省は4月、無人機活用を含む将来の戦闘方法を検討するチームを設置し、標的への攻撃や偵察などのあり方を検討してきた。ロシアとウクライナの戦闘で大量の無人機が投入されたことを踏まえ、多層的な防衛態勢の整備が急務と判断した。
>同省はシールド構想とは別に、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を随伴して支援する人工知能(AI)搭載無人機の研究も進める。洋上監視用の滞空型無人機として、米国製の「MQ9B シーガーディアン」を取得する。
率直に申し上げて画餅です。防衛省、自衛隊にその能力も人間もいない。
恐らく現在の防衛5か年計画が4年目で見直しとなり、新たな5か年計画の目玉にするつもりでしょう。
無人プラットホームの導入で防衛省、自衛隊は大きく出遅れました。それは電波法の問題もありますが、まず既存の部隊を縮小されたくないという将官や将校が多かったからです。
だから無人プラットホームの運用ノウハウをいまだに殆ど持っていない。欧米中国から20年は遅れているでしょう。であれば手っ取り早く海外から既存品を導入してまずは実際に運用してノウハウと知見を養うべきでした。
ところがそれもやらずに小田原評定を繰り返してきた。
まるで靴を履いたことがないアフリカ奥地の原住民が、まずは靴を履いてみればいいのに、履かずに何年も議論を繰り返すような状態です。
しかも痛みある改革をする気は全くない。その上自衛隊ではシニアオフィサーもドンドンやめています。しかも能力ややる気のある人間からやめていく。そういう人間は人手不足の民間で再就職に困りません。
本来早期調達する、すなわち5年以内に装備するという陸自の無人車輛も5年では装備化は不可能になりました。つまり現在の5か年計画での実現は絶望的です。
それは新規に採用する無人車輛の仕様を陸自で試験していた装輪式のミッションマスター、装軌式のテーミスを意図的に排除するようなものになっているからです。例えば速度などの項目です。
これは外国製を排除して国産を開発しようという意図があるからです。ですが国内のメーカーはもちろん、装備庁にも陸自にもこの手の無人車輛の運用実績もノウハウもありません。先のアフリカ奥地の原住民と同じです。
トライアルで使用された2車種は現在世界で最高レベルの無人車輛であり、多くの国に採用されています。それよりも高性能で少なくとも同じレベルの調達コストで調達できる国産品が開発可能でしょうか。以前爆発物処理ロボットを日立が主契約で、技本で研究しましたが、全くものになりませんでした。試験を担当した隊員たちからは「なにこれ?」という乾いた笑いが出たそうです。アフガンやイラクでフィードバックを受けて量産していたiロボット社などの製品には遠く及びませんでした。
最大の問題は装備庁にしても各幕僚監部にしても自分たちの無能を自覚していないことです。無人車輛にしても早期調達を目指すのであれば、それぞれ数種類のものをトライアルしてその中から選択すれば来年度予算での要求に間に合ったはずです。
時間という概念が理解できない、また能力のない国内メーカーに仕事を振るという無能が市ヶ谷に住み着いている限り無人プラットホームの拡充など絵にかいた餅にすぎません。
更に申せば、いまの周波数帯を見直すべきですが、それすらもしていない。
シーガーディアンにしても洋上哨戒だけで、対潜哨戒機能は付加されませんでした。それも調達に10年かけるという。また有人哨戒機をどの程度減らすのかも明言されていない。どこから無人機運用の人員をひねりだすんですか?時間の概念すらもっていない。無責任です。
それほど靴を履くのが嫌なれば腰蓑つけて槍で武装しれてればいいのです。未開人に現代兵器を使えるわけがありませんから。
■本日の市ヶ谷噂■
本来ヘリコプター3機を搭載する「設定」のひゅうが級DDHだが実際には乗員不足で一機しか搭載されておらず、それもしばしば故障中、との噂。
Japan In Depthに寄稿しました。
失策を隠蔽し「大本営発表」繰り返す防衛省:自衛隊の予算を増やすべきか
https://japan-indepth.jp/?p=88343
虚偽報道問題から考える記者クラブの存在意義
https://japan-indepth.jp/?p=88339
失策を隠蔽し「大本営発表」繰り返す防衛省:自衛隊の予算を増やすべきか
https://japan-indepth.jp/?p=88343
P-1哨戒機の高コストと低稼働率:会計検査院報告が示す課題
https://japan-indepth.jp/?p=88306
会計検査院P-1報告書を読む その1
https://japan-indepth.jp/?p=88204
会計検査院P-1報告書を読む その2
https://japan-indepth.jp/?p=88215
会計検査院P-1報告書を読む その3
https://japan-indepth.jp/?p=88221
会計検査院P-1報告書を読む その4
https://japan-indepth.jp/?p=88227
P-1哨戒機失敗の本質
https://japan-indepth.jp/?p=88057
陸自に砲兵装備開発と運用能力はあるのか:19式装輪自走155mm榴弾砲は失敗作。
https://japan-indepth.jp/?p=88027
自衛隊のヒートマネジメントは遅れている
https://japan-indepth.jp/?p=87990
防衛大臣記者会見|令和7年06月13日(金)で質問しました。
https://www.youtube.com/watch?v=BX64YTsuBIU
12日の陸幕長、空幕長会見で質問しました。
6月12日陸幕長会見での質問。
空幕長会見2025年6月12日
https://www.youtube.com/watch?v=kNHiSikwqqs
Japan In Depthに以下記事を寄稿しました。
陸自に迫撃砲の運用能力はあるのか
https://japan-indepth.jp/?cat=38
Note に有料記事を掲載しました。
内張り装甲とスポールライナーの区別がつかなかった防衛省とJSF君
https://note.com/kiyotani/n/n5f35d980fc82
European Security & Defence に寄稿しました。
DSEI Japan 2025: Patria offers containerised NEMO mortar for Japan’s Maritime Transport Group
https://euro-sd.com/2025/05/major-news/44593/patria-offers-nemo-container/
DSEI Japan 2025: NAS begins re-equipping JGSDF with new camo nets
https://euro-sd.com/2025/05/major-news/44499/nas-new-camo-nets-for-jgsdf/
東洋経済オンラインに寄稿しました。
墜落事故の「搭乗員らしきもの」発言は謝罪したが…事実誤認は訂正しない防衛省の"二重基準"
https://toyokeizai.net/articles/-/880353
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
パトリア、NEMOコンテナを陸自に提案
https://japan-indepth.jp/?p=87678
陸自新型車両用迷彩ネットを採用
https://japan-indepth.jp/?p=87592
【有料記事】
Note に有料記事を掲載しました。
内張り装甲とスポールライナーの区別がつかなかった防衛省とJSF君
https://note.com/kiyotani/n/n5f35d980fc82
予算と防衛産業の基盤整備から航空自衛隊 FX選定を考える。
https://note.com/kiyotani/n/ne58f08d291f8
南アフリカで発達した耐地雷装甲車とは
https://note.com/kiyotani/n/nbb6be54ff17d
HHTAS(HandHeld target Acquisition System)のトレンド
https://note.com/kiyotani/n/n4f62b6e3e047
トヨタ車は人気の軍用車
https://note.com/kiyotani/n/ncd54cd76dfd4
軽装甲車の防御力強化方策
https://editor.note.com/notes/nb9845e0ed695/edit/
軍隊が合成燃料普及のきっかけをつくる?
https://note.com/kiyotani/n/n348a6944b39f
現代の戦闘に有用な両用砲
https://note.com/kiyotani/n/n1afdb5f67aaa
意外に使える小口径迫撃砲
https://note.com/kiyotani/n/n7fb3aab6ebc4
120ミリ迫撃砲は歩兵の兵器か砲兵の兵器か?
https://note.com/kiyotani/n/n8d01fd51dde5
スーパーツカノ
https://note.com/kiyotani/n/n35dc73244137
ライフルグレネードとグレネードランチャー
https://note.com/kiyotani/n/nd3c2955a25b4
ドイツ連邦陸軍プーマ歩兵戦闘車
https://note.com/kiyotani/n/n7abb07239529
陸自の簡易自走砲開発以前
https://note.com/kiyotani/n/nd80433286248
キャスパーAPC
https://note.com/kiyotani/n/n392e1c6661da
70年代に登場した画期的な装甲車、ラーテル・ファミリー
https://note.com/kiyotani/n/n563ef0c15868
世界の偵察・汎用軽4×4装甲車と軽装甲機動車
https://note.com/kiyotani/n/n820852ca1e68
機動戦闘車
https://note.com/kiyotani/n/ncb4277717389
防衛調達の問題点(後編)
https://note.com/kiyotani/n/nc5836dc91906
防衛調達の問題点(前編)
https://note.com/kiyotani/n/ne485b5c19b75
東日本大震災、自衛隊災害派遣の教訓
https://note.com/kiyotani/n/ne33f28482511
COIN機の復権 攻撃ヘリの代わりにCOIN機という選択
https://note.com/kiyotani/n/n576a700c0e19
ガラパゴス化する防衛調達の問題点
https://note.com/kiyotani/n/n5d42e36aadc5
自衛隊のヘリ調達の問題点
https://note.com/kiyotani/n/n713cfea58b36
英海兵隊旅団司令部訪問記
https://note.com/kiyotani/n/nccd9420bfebf
陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか。英海兵隊に学ぶ「海兵隊」のあり方
https://note.com/kiyotani/n/n3f1c546f816d
陸自「個人携行救急品」にみる衛生軽視
https://note.com/kiyotani/n/n4a192a5c5794
リメンバーFSX 戦闘機は空自の玩具ではない。
https://note.com/kiyotani/n/n8a257d248a88
EUの武器禁輸措置は有名無実
https://note.com/kiyotani/n/n49d53f8caf18
MRJと日本の防衛産業の問題点
https://note.com/kiyotani/n/nc7df4f001066
アメリカの軍事産業 「世界一だからアメリカ製兵器を買え」と言われたら
https://note.com/kiyotani/n/nc6157ea6ea36
「やっぱり自衛隊は戦えない」
https://note.com/kiyotani/n/na7bd1bc1128d
防衛産業と航空産業の自立
https://editor.note.com/notes/nb784f2474268/publish/
FT合成燃料こそが大本命 軍隊から始まる燃料革命
https://note.com/kiyotani/n/nd0d23a463d24
銃器犯罪
https://note.com/kiyotani/n/n83c2a79b8029
世界の軍事見本市
https://note.com/kiyotani/n/nacfa409b12cd
ソニーこそが我が国で最も成功した軍事企業
https://note.com/kiyotani/n/n96eafc5f1b11
陸自の広帯域多目的無線機は使えない。
https://note.com/kiyotani/n/nf975ff3a92ed
他国の10倍の値段の価格の防弾板で調達が進まない陸自の最新型防弾ベスト
https://note.com/kiyotani/n/n8ac61720652a
航空自衛隊には航空医学専門医がいないので戦闘機開発を指導する能力はない。
https://note.com/kiyotani/n/n6d67700cf0e7
【無修正バージョン】ユーロサトリでみた最新MBTの方向性
https://note.com/kiyotani/n/nea0804fa319d
【全文掲載】税金を浪費して欠陥機を導入防衛費「GDP比2%」無駄遣いの全実態
https://note.com/kiyotani/n/n91b54b330243
お手盛りのガラパゴス 防衛産業は「今日もやりたい放題」
https://note.com/kiyotani/n/n4f6180bb8ea1
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
防衛省、陸自用汎用無人機開発へ
https://japan-indepth.jp/?p=87091
ES&D誌に寄稿しました。
Japanese MoD initiates project to develop VTOL UAV for ground forces
https://euro-sd.com/2025/04/major-news/43491/japan-mod-to-develop-vtol-uav/
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
高コスト・低品質な国産戦闘服:自衛隊装備調達の問題と改革の必要性
https://japan-indepth.jp/?p=86904
石破首相のC-17導入発言の真意
https://japan-indepth.jp/?cat=38
ES&D誌に寄稿しました。
Japan orders 17 Boeing CH-47 Block II Chinook helicopters
https://euro-sd.com/2025/02/major-news/42595/japan-orders-17-ch-47-block-ii/
過去の著作の電子版が発売になりました。
『ル・オタク フランスおたく物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1PJ1YL/
『弱者のための喧嘩術』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY1L9SPW/


専守防衛 - 清谷 信一
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
日本の国会議員は文民統制を理解していない
https://japan-indepth.jp/?p=86366
日本の装甲車事業は日本製鋼所と防衛省が潰す
https://japan-indepth.jp/?p=86042
補正予算という麻薬が将来の国民を蝕んでいる
https://japan-indepth.jp/?p=85936
海自の無人機、MQ-9Bの調達とインド軍の調達の違い
https://japan-indepth.jp/?p=85823
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