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─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 2

みなさん、こんにちは!
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
大変遅くなりましたが解決編について書いていこうと思います。
火事というのもディザスターのひとつですので、ディザスタリカバリ(DR)の一例ということでお考えいただければ幸いです。
あくまでも、実際の事例を踏まえたフィクションです。
では、今日もレッツスタディセキュリティ!なのです

東山明さんとのやりとりは続きます

画像はイメージです
(AIで生成)

東山明さんからカチカへ連絡がありました

明「カチカさん、お世話になっております」
カチカ「こちらこそお世話になっております。状況はいかがでしょうか」
明「とりあえず、全てのストレージは取り外しました。これをお送りすればよろしいですか
カチカ「はい、お送りいただければ作業にかかりますが、参考までにダメージの程度はどれぐらいでしょうか」
明「思ったよりもダメージは少なそうです。実はネズミによる被害があったのは倉庫代わりに使っていた2階で、1階は火事そのものというより消火剤による水濡れ被害の方が重大だった感じです
カチカ「そうですか。こう申し上げては変かも知れませんが、不幸中の幸いでしたね」
明「そこでお願いがあるのですが、USBメモリや光ディスクのデータ復旧というのもお願いできると聞いたのですが、可能ですか
カチカ「はい、そういった業務も扱っております
明「では、それらも併せてお送りしますので、復旧作業をお願いしたいと思うんですが、よろしいですか」
カチカ「USBメモリや光ディスクはSSDやHDDと比べて熱に弱いですが、なんとかやれるところまでやってみたいと思います
明「お送りしますのでよろしくお願いします」

画像はイメージです
(AIで生成)

カチカにメディアが届きました

カチカの中での作業が始まります。
M.2のSSDひとつとSATAのSSDが複数、HDDが複数、USBメモリが多数、光ディスクが多数届きました。
担当者「まずはM.2から行くか…」
カチカの担当者はM.2のSSDを外付けできるようにするためのケースを使いPCに外付けしましたが、そのままではやはり見ることができるようにはなりませんでした。
SATAのSSDも、HDDも、USBメモリも、光ディスクも結局その状態のままデータが読み出せるものは何もありませんでした
各担当者への引き継ぎとなります

SSDおよびHDD担当の作業

SSDとHDDおよびUSBメモリの担当は同じです
やはりまずはM.2のSSDから見ることにしました。
作業の詳しい内容は社外秘ですのでここには書きませんが、記録体そのものを取り出し、その状態を精査していくという形になります。
担当者はM.2の記録体をもっとも気にかけていました。会社のサーバーという位置づけのものですから。
そしてM.2は基板がむき出しの状態ですので、外部からの影響も受けやすいです。

画像はKIOXIA株式会社のサイトより引用
https://www.kioxia.com/ja-jp/rd/technology/nand-flash.html

明さんが仰っていたとおり思ったよりダメージは少なく、M.2 SSDに関してはほぼ完全に復旧できたようです。火災の火による熱もそうですが、消火剤、言い換えれば水分によるダメージも心配したのですが、まあなんとか復旧が叶ったという感じです。大きなケースに収納されていたおかげでしょうか。
最低でもこれだけは何とかしなければと思っていた担当者は、とりあえず安堵しました。
次にSATA SSDに取りかかりました。SATA SSDはM.2と比べるとむき出しの部分は少ないのでむしろ6台のPC分は簡単に復活させることができました
次に取りかかるのはHDDです。SSDと比べると「機械」的な性質を多分に持つのがHDDです。そしてNASに入っていた分重要情報は多いです。まず分解することになります

画像はイメージです
(AIで生成)

この中の円盤に情報が記録されているのですがこれをやはり精査していって、情報が残っているかどうかを確かめます。これもカチカの企業秘密なので詳しい手順は社外秘ですが、精査して残ったデータを別のメディアに保存していくという作業になります
結論としては、全体的に思っていたよりは多くのデータが復旧できることになりました

光ディスク担当者の作業

光ディスク担当者は、思った以上の数にちょっと呆然としてしまいました

画像はイメージです
(AIで生成)

しかし!ここで投げてはカチカがすたる。記録型光ディスクの山と格闘することになります。
まずは光ディスクの盤面の傷や汚れを落とすところから始まります。それだけで復旧することもあるのですが、復旧しない場合は専用の機械にかけ、データだけを別メディアに移すことができないかという作業に挑むことになります
SSDやHDDと比べて光ディスクははるかに「むき出し度」が高いのが光ディスクです。結局のところ、約7割の復旧となりました。

東山明さんに連絡を入れます

カチカ「というようなわけで、全体的に思ったよりはダメージが少なかった感じですサーバーもNASもだいたいの情報は残りました。光ディスクに関してはご満足いただける結果ではなかったかも知れませんが、これは光ディスクの性質上仕方ないということでお許しいただければと思います」
明「そうですか。サーバー、NAS、PCそれぞれ新しい機械を用意すればいいでしょうか
カチカ「そういうことになるのですが、単純に載せ替えて動くというわけではありませんね環境移行ソフトというのが必要になってくるのですが、それなりに面倒な作業になるとは思いますもしよろしければ弊社で行いますが
明「では、そこまでお願いしていいですか
カチカ「かしこまりました。細かく見ていくと消失しているファイルがあると思いますが、全体的には上手くいったと考えています。こちらで新しい機械を用意して環境移行をしてお渡しいたしますが、機械に関してなにかご要望はございますか」
明「サーバーとNASに関しては新品で構わないのですが、各個人用のPCに関してはスリム筐体の中古を用意していただけますか」
カチカ「中古ですか、はあ、なかなかそういったご要望はないのですが、何か理由がおありでしょうか」
明「はい、実は…社長で父の清なんですが『経営者が贅沢を覚えたら終わりだ』というのが信条の…倹約家なんです。今回ダメになったPC導入の際にも、私がポロッと『486マザーに下駄を載せてXP使ってた人がいる』なんて漏らしてしまったものですから、父はPCに関してはわからないなりにヘビーな使い方をしない限り型落ち品で大丈夫なものだと思い込んでいまして、このタイミングで新品を用意するということもおそらく社長として許可しないかと…」
カチカ「いやいや、素晴らしい考え方だと思います。そしてなぜSSDがSATAだったのか理解できました。元々はHDDを起動デバイスに使っていたからではありませんか」
明「仰るとおりです。それを私が『せめてストレージだけは』と言って載せ替えの許可を取ったという経緯があります」
カチカ「かしこまりました」

カチカからのご提案をさし上げたいと思います

カチカ「ところで、光ディスクに関しては媒体の性質上あまりはかばかしい結果が得られなかったのですが、この光ディスクに保存されていたものは何ですか」
明「いくらなんでももう変更も追記もしないだろうというものを保存しています」
カチカ「では、最終的なバックアップということになりますか」
明「そういうことになります」
カチカ「なるほど。弊社としては、最終の保存媒体として光ディスクというのはあまりお勧めできないという立場なのですが、今回の事故をきっかけにそこは見直されてはいかがでしょうか
明「と仰いますと」

画像はイメージです
(AIで生成)

カチカ「光ディスクというのは、しばしば記録した情報が読めなくなる性質があるんです。傷がついてしまったことによる場合もありますし、記録体が変質してしまうことによる場合もあります
明「記録体の変質ですか」
カチカ「はい、そもそも記録型光ディスクというのは薄い金属膜に特殊な塗料を塗りまして、レーザーでそれを変質させることによって記録しますつまり変質する性質を持つものですから、時間の経過によって環境の影響を受けて変質することが当然のものとお考え下さい
明「そういうものなんですか…」
カチカ「はい、特にブルーレイは密度が高い分傷に弱く、弊社で復旧作業を行っても難しい場合がほとんどです。また、記録体を金属膜そのものにして、その膜を曲げることによって記録することで長期間の保存ができるMディスクというものもあるにはあったんですが、専用のドライブでないと書き込みできませんし、今ひとつ普及しなかったことによりメディアもドライブも高価です。そしていつなくなっても不思議ではありません
明「消えゆくメディアというようなところでしょうか」
カチカ「仰るような表現も可能だと思います。特にブルーレイは開発者が権利を手放さなかったばかりに今ひとつ普及せず、メディア生産を打ち切る会社もでてきていますDVDはもうしばらく延命するかも知れませんが、いまどきDVDではバックアップメディアとして容量が少なすぎますよね
明「なるほど…弊社もバックアップの仕方を考える必要があるということみたいですね
カチカ「もしよろしければ、バックアップ戦略についてご相談に乗らせていただきます。いかがでしょう、近日中にお時間を頂戴できませんでしょうか」
明「では…」

というわけで、以前「弊社サービスの内容につきまして」で書いたような内容を中心としたお話をさし上げ、ご利用いただいている状態です。
今回のこの話の内容についてはフィクションですのでお客さまの商品はお漬物ではないのですが、折り目切れ目で商品をいただいたりしています。逆に弊社からはお茶をお送りするという、いいお付き合いをさせていただいています。
バックアップの戦略に関しましては、定期的に見直しをすることを弊社は強く推奨しているのですが、中小企業様ですとなかなかそれも難しい場合が多く、今回のような災害に遭って初めて必要性がクローズアップされてくることも多いです
弊社からご提案をさし上げる場合は、やっぱりバックアップの3-2-1ルール、バックアップの3-2-1-1-0ルール、バックアップの5-2-1ルールというようなことを申し上げることが多いですね。
自社とは離れたところにバックアップを置いておく安心感を、ぜひ皆様にも感じていただければと考えております
では、今回の話はこれにて終了とさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします

目次

クラウドストレージが持つ特有のリスク

クラウドストレージが持つ特有の脆弱性

クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性

クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在

ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由

弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして

クラウドストレージのメリット・デメリット

Microsoftさん、それはないでしょう

事業継続計画の立て方 その1

Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex

事業継続計画の立て方 その2

事業継続計画の立て方 その2 の注釈

事業継続計画の立て方 その3

パソコンのデータが飛ぶ5つのケース

BitLockerをいろいろ使ってみました

事業継続計画の立て方 その4

パソコンのデータが飛んだ際のリスク10選

クラウドネイティブ時代のバックアップのあり方について

ランサムウェア対策としてのバックアップについて

中小企業向けバックアップメディアのおすすめをご紹介

中小企業のデータバックアップ方法 おすすめはクラウドです

中小企業がバックアップを行う際の問題点と解決策

Linuxのバックアップ機能について

探り探りApple社製品について

今日は軽めに私的情報セキュリティ回顧録

バックアップで対処できる情報の脅威

バックアップで対処できない情報の脅威

バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?

データバックアップ 中小企業に相応しい取り方とは?

データバックアップに関する最近の事件について

弊社サービスにつきまして

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その6

オンラインバックアップとオフラインバックアップの違い

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その7

AIとバックアップについて

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その8

私的リストア事件簿(T△T)

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その9

バックアップをしている会社・していない会社

IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! ラスト

バックアップの3-2-1ルール 進化中

警察発表の資料を見ていきましょう!

警察発表の資料を見ていきましょう!その2

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その2

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その3

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その4

ハードウェアとバックアップに関するあれこれ

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その1

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その2

市販品USBケーブルに仕掛けられた罠

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その3

世界シェアNo.1ルータはセキュリティ上問題あり?

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その4

ネットワーク機器の危機続々

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その5

2024年~現在に至るマルウェア動向について

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その6

クラウドサービスは信頼できるのか?

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その7

バックアップが役に立ったお話

日用使いのHDDが壊れるとき

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その8

バックアップの変則的な使い方について

弊社サービスの内容につきまして

ランサムウェアとバックアップについての最近の話題について

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その9

今日は雑談をお許し下さい

自動バックアップについて

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その10

バックアップのこれまでとこれから

─事件を解決せよ─ CASE1:フォルダを開くのが重い

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その11

─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 1

─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 2

今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その12

─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 1

ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その13(最終回)

ハイブリッドバックアップに関しての考察

データ復旧業務につきまして その1

データ復旧業務につきまして その2

データ復旧業務につきまして その3

データ復旧業務 音楽CD系編

データ復旧業務 ゲームCD系編&次世代オーディオ編

データ復旧業務 その他編

今さらながら私という人間について その1

今さらながら私という人間について その2

今さらながら私という人間について その3

今さらながら私という人間について その4

今さらながら私という人間について その5

サーバーの種類とそのバックアップ方法について

情報を扱う者がこれ言ったら終わりなんじゃないかということ

バックアップとSDGs

今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います その2

コンピュータとバックアップの歴史について

オフサイトバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います

オフサイトバックアップに関する最新の話題をいくつか その1

オフサイトバックアップに関する最新の話題をいくつか その2

バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その1

バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その2

バックアップ費用の会計上処理について

バックアップにかかる費用対効果について その1

バックアップにかかる費用対効果について その2

バックアップ戦略が情報事故の被害軽減に与える影響 その1

バックアップ戦略が情報事故の被害軽減に与える影響 その2

オフサイトバックアップ戦略について その1

オフサイトバックアップ戦略について その2

オフサイトバックアップの最新技術動向について その1

オフサイトバックアップの最新技術動向について その2

オフサイトバックアップの最新技術動向について その3

オフサイトバックアップの最新技術動向について その4

オフサイトバックアップの最新技術動向について その5

エアギャップバックアップの最新動向について その1

エアギャップバックアップの最新動向について その2

エアギャップバックアップの最新動向について その3

エアギャップバックアップの最新動向について その4

エアギャップバックアップの最新動向について その5

エアギャップバックアップの最新動向について その6

エアギャップバックアップの最新動向について その7

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その1

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その2

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その3

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その4

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その5

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その6

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その7

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その8

今日は番外編・気分はサッチモで

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その9

中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その10

大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その1

大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その2

大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その3

時間・予算的制約下での実践的バックアップ戦略 その1

時間・予算的制約下での実践的バックアップ戦略 その2

時間・予算的制約下での実践的バックアップ戦略 その3

時間・予算的制約下での実践的バックアップ戦略 その4

時間・予算的制約下での実践的バックアップ戦略 その5

OS別バックアップソフトウェアとその特徴 Windows編 その1

OS別バックアップソフトウェアとその特徴 Windows編 その2

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