オフサイトバックアップの最新技術動向について その4
皆様、こんにちは。
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
実は私、昨日の夜、たまの贅沢で足つぼマッサージに行ってきました。
非常に気持ちよかった…と言いたいところですが、痛かった!
施術師さん曰くガチガチだったそうです。
私、どうも歩き方に変な癖があるようで、脚が疲れやすいんですよね。
正しい歩き方教室みたいなものがあるとうれしいんですが。
でも、確実に脚は軽くなったと思います。
というわけで、今日も関係ない話から参りましょう。
古代ギリシャにプロタゴラスというソフィスト(弁論術師)がいました。
彼は有名な学生に無料で弁論術を教えました。ただし、以下の条件をつけて。
弁論術を教わった学生は、いつまでたっても裁判の仕事をしようとしませんでした。
プロタゴラスは、学生を相手にして裁判を起こしました。
「学生が敗訴すれば、彼は学費を払わなければならない。勝訴しても、当初の約束通り学費を払わなければならない」
これがプロタゴラスの主張でした。学生は反論しました。
「この裁判に私が勝訴すれば、学費を払う必要はない。敗訴すれば、約束に則って学費を払う必要はない」
さて、どっちが正しいのでしょうか。
オフサイトバックアップ導入・連用における課題と解決策の続き
前回も中途半端なところで終わっていましたのでその続きから行きましょう。
B.ハイブリッドクラウド・マルチクラウド環境の複雑性
つまり、クラウド環境を複数使うことについて考えてみましょう。
相互連用性と統合の課題
多くの企業が柔軟性、スケーラビリティ、ベンダーロックイン回避のためにハイブリッドクラウドやマルチクラウド戦略を採用していますが、これによりバックアップ環境は著しく複雑化します。異なるクラウドプロバイダーはそれぞれ独自のAPI、ネットワーク構成、自動化ツールを持っており、シームレスな統合は自動的には実現されません。
この断片化は、監視、ロギング、アラートツールがクラウドプロバイダーごとに異なり、統一されたビューを得ることが困難であるため、可視性の欠如と運用上の複雑性を引き起こします。結果として、ITチームは複数のダッシュボード、権限、ポリシーを管理する必要があり、運用オーバーヘッドが増大します。CloudBolt Softwareの調査では、回答者の79%が複数のクラウドコンピューティング環境の管理に苦労しており、78%のリーダーがクラウド管理ツールに「溺れている」と回答しています。
統合管理とガバナンスの確立
マルチクラウド環境におけるバックアップの課題を解決するためには、統合された管理とガバナンスの確立が不可欠です。
統一された管理プラットフォーム(Single Pane of Glass)の導入は、すべてのクラウド環境にわたるリソース、コスト、パフォーマンス指標の監視を簡素化します。Datadog、New Relic、OpenTelemetryのようなマルチクラウドオブザーバビリティプラットフォームを活用することで、監視を一元化できます。
クラウドガバナンスフレームワークを確立し、セキュリティ、コンプライアンス、コスト管理に関するポリシーをAWS、Azure、GCPなどのクラウドプロバイダー間で一貫して定義することが重要です。自動化されたリソースタグ付けやガバナンスフレームワークを実装することで、クラウド利用状況をプラットフォーム横断的に追跡できます。
また、ワークロードのポータビリティと柔軟性を確保し、Infrastructure-as-Code(laC)を用いてデプロイメントを標準化することも、複雑性を軽減し、運用効率を高める上で有効です。これにより、異なるクラウド環境間でのアプリケーションやデータの移動が容易になり、ベンダーロックイン(企業が特定のベンダーの製品やサービスに強く依存してしまい、他のベンダーへの移行が困難になる状態)のリスクを低減できます。
マルチクラウドの「多頭の悩み」: 戦略的メリットと運用上の現実の乖離
マルチクラウド戦略は、柔軟性、スケーラビリティ、ベンダーロックイン回避といった魅力的な戦略的メリットを約束します。しかし、実運用においては、これらのメリットが、運用上の複雑性、セキュリティリスク、コスト管理の困難さといった 「多頭の悩み」によって相殺されることが少なくありません。個々のクラウドプロバイダーが提供するツールやAPIが実なるため、全体像を把握し、一貫したボリシーを適用することが極めて困難になります。
この状況は、マルチクラウド環境そのものが問題なのではなく、それを統合的に管理する明確な戦略の欠如が根本原因であることを示唆しています。特にオフサイトバックアップのようなミッションクリティカルな機能においては、データが複数のクラウドに分散されることで、可視性が低下し、セキュリティボリシーの適用漏れやコストの肥大化を招く可能性があります。なお、ミッションクリティカルとは、業務遂行に必要不可欠な要素(システム、機器、プロセスなど)を指す言葉で、その停止や誤作動が重大な影響を及ぼすものを意味します。
したがって、マルチクラウド環境におけるオフサイトバックアップの技術的な議論は、単に複数のクラウドを利用することから、それらをいかに統一的に管理し、ガバナンスを効かせるかという点に焦点を移しています。統一された管理プラットフォームやクラウドガバナンスフレームワークの導入は、この乖離を解消し、マルチクラウドの戦略的メリットを最大限に引き出しつつ、運用上の課題を服するための鍵となります。これにより、マルチクラウドバックアップは、真にデータ保護を強化するソリューションとして機能するようになります。
ハイブリッド/マルチクラウドバックアップの課題と解決策
以下の表は、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境におけるオフサイトバックアップの主な課題と、それらに対する技術的な解決策をまとめたものです。

それらに対する技術的な解決策
(クリックで拡大)
これらの課題と解決策は、マルチクラウド環境におけるオフサイトバックアップの複雑性を管理し、そのメリットを最大限に引き出すための具体的な指針を提供します。
C.コストと連用管理の最適化
オフサイトバックアップの導入と運用には、高額な初期投資と継続的な運用コスト、そして複雑な営理が伴うことがあります。特に、NASやクラウドストレージなど複数のバックアップシステムを同時に運用する場合、各システムの監視、メンテナンス、アップデートといった日常的な運用業務が増加 し、IT部門の負荷が大きくなる可能性があります。これは、専門知識を持つIT人材の不足と相まって、企業にとって大きな負担となり得ます。
DPaaS (Data Protection as a Service) の活用
このような課題に対する解決策として、DPaaS(Data Protection as a Service)の活用が注目されています。DPaaSは、データ保護機能をサービスとして提供するもので、企業はオンプレミスでバックアップ環境を構築・運用する代わりに、サービスプロバイダーにその管理を委ねることができます。
DPaaSは、特に中小企業にとって大きなメリットをもたらします。オンプレミスでは実現が難しい手頃な運用コストと高いセキュリティレベルを享受できるためです。また、大企業も、クラウドサービスを利用してコストを最適化し、コンプライアンスを向上させることが可能です。
DPaaSは、バックアップの自動化、専門的な知識がなくても簡単な操作でバックアップができる利便性を提供し、IT担当者の作業負担を軽減します。これにより、企業はコアビジネスに集中しつつ、データ保護の専門性を外部に委託することで、コスト効率と連用効率を最適化できます。サービスプロバイダーは、最新の技術と専門知識を常に提供するため、企業は自社でこれらのリソースを維持する必要がなくなります。
データ保護の「サービス化」:専門性とコスト効率の追求
現代のデータ保護は、ランサムウェアに対する不変性バックアップ、マルチクラウド環境での統合管理、AI/MLを活用した脅威検出など、技術的な複雑性が増大しています。このような状況下で、多くの組織が自社内でこれらの高度な機能をすべて管理・運用することは、専門知識の確保、人材育成、そして高額な初期投資と運用コストの面で大きな負担となっています。
この背景から「データ保護のサービス化」すなわちDPaaSモデルへの移行が加速しています。 これは、企業がデータ保護インフラを所有・運用するのではなく、専門のプロバイダーからサービスとして消費するという、根本的なアプローチの変化を意味します。この「サービス化」は、企業が以下のようなメリットを享受することを可能にします。
専門性へのアクセス:最新のデータ保護技術とセキュリティベストプラクティスに精通した専門家によるサービスを利用できます。
コスト効率:高額な設備投資を避け、月額料金モデテルで利用できるため、特に中小企業にとって導入のハードルが低くなります。また、運用コストの予測可能性も向上します。
連用負荷の軽減:バックアップのスケジュール、監視、トラブルシューティングといった日常的な運用業務をプロバイダーに委ねることで、IT部門はより戦略的な業務に集中できます。
スケーラピリティと柔軟性:ビジネスの成長や変化に応じて、必要なストレージ容量や機能を柔軟に拡張・縮小できます。
データ保護の「サービス化」は、企業がデータ保護の専門性を外部に委託し、コスト効率と運用効率を最適化することで、よりアジャイル(素早い、機敏な)なビジネス運営を可能にする重要な戦略的アプローチとして位置づけられています。
今日は少し短いですがここまでとします
というここまでにしたいと思います。自分で書いておいて何なんですが、次のテーマは主要クラウドオフサイトバックアッププロバイダーの比較検討および特徴の羅列なのです。
私も毎回文章を書くに当たり私もいろいろな情報を仕入れて最終的に文章に落とし込んでいるのですが、皆様にもお気をつけいただきたいと思うのはインターネットでサービスの比較を行うのは、広告の海の中を泳いで情報収集をしているという行為だということです。
今回の文章でもそうですが、
複数のクラウドやBaaSを使うことがオフサイトバックアップの観点から好ましいですよ→でも、それに伴って発生する面倒くささもあるなあ→ではこのサービスをお使いいただくとさらに便利ですよ
というような具合に、サービスを次々売り込んでくる最初の一歩がクラウドバックアップの契約ということにもなりかねないわけです。
クラウドのサービスは日進月歩で、毎月と言いたいですが毎日毎時間のレベルで新しい技術が開発されてきます。
その一方で、企業のセキュリティを突破したいと考えるような連中も毎日毎時間のレベルで新しい方法を模索しています。完全にいたちごっこです。
クラウドサービスプロバイダは、世の中にたくさんありますが、それぞれが独自の方法でより進化を求めています。決して、世の中にあるたくさんのクラウドサービスプロバイダが歩調を合わせて技術進歩をしているわけではないのです。
よし、A社とB社のクラウドサービスを利用することにしよう、そしてそれらをより便利に使うためにαという仕組みを利用しよう、と計画を立てたとしても、明日になったらそれがベストな選択肢であるとは言えない状況になっているかもしれないのです。
私は自分のPCは自作で作る派なんですが、かつていわゆるDOS/V機の最新情報を世の中に紹介するための雑誌が複数存在しました。出版不況のあおりを受けてすべて廃刊ないしは休刊になっているようですが、これらの雑誌ではDOS/V機の最新情報がいろいろと紹介されていて、新しいパーツの情報も非常に役に立つものではありました。しかし、それは同時に最新機器を売り込みたいというメーカー側の思惑とも一致しているものであって、雑誌は掲載料が入る、メーカーは最新機器を広告できる、といういわばWin-Winの関係がありました。
そこに持ってきて自作ユーザーは最新機器の情報を得ることができるのですから、Win-Win-Winという側面があったことは否定しません。しかし、まだ十分使える機材を利用しているのに、新しいものが出たからというだけの理由で購入しなければいけないような気分になるのはやはり末端ユーザーの損になると思います。実は私、第7世代のCPUを使ったマシンをいまだに使っているのですが、メモリを64GBも積んでいますので使っていてストレスを感じることはほとんどありません。
にもかかわらずWindows11をインストールしろ圧力がすごいので、一体どうしたものかと思案しているのは事実です。
そういうものとまた類似した形で、クラウドバックアップのサービスというのは各社思い思いの方向で進化していくと思います。1回は「これがいい」と信じた選択肢が必ずしも最適ではなくなったときに、フットワーク軽く移行できるのか?という疑問は残ってしまいます。
そういうところにも、弊社のサービスは有用であると自負しております。物理的な媒体にバックアップを取って遠隔地で保存しておくというローテクを敢えて使うことで、クラウドがどう進化していっても対応可能です。
クラウドストレージやBaaSは、いままさに規格競争が起こっていると考えております。最終的な勝者がどのようなサービスになるのかを見極めるまで、つなぎとして弊社のサービスをご利用いただくというのもひとつの手であろうかと思います。まだ何が勝つのかわからない状態で何らかの選択肢を選んでしまい、それが外れだった場合には泣くに泣けません。
ご相談を承っておりますので、是非お気軽にお声がけください。
そしてやっぱりやることはやります
前回Geminiさんに描いてもらった絵はこんな絵でした。

今回Geminiさんにお願いしたお題は「卑弥呼」でした。
卑弥呼というのは名前ぐらいしか知られない謎の人物ですが、こんなに立派な着物を着て、立派な飾りをたくさんつけて、立派な部屋に住んでいたということはまずないでしょう。
昔大陸に次々に起こっては消えていった帝国の女帝か、江戸時代ぐらいの最高級の遊女か、なんかそのぐらいのイメージが交ざった感じですね。
ついでに語らせていただきますが、私は邪馬台国とか卑弥呼とかの話について前々から思っていることがあるんです。
この辺の話は「魏志倭人伝」がほぼ唯一の資料ですよね。これが正確なものなのかどうか、何も保証があるわけではないのにこれを根拠にして論争をしている人がほとんどだと思うんです。
魏国というのは遊牧民の国です。多分、普段から肉汁したたるような家畜の肉を食べていたんだと思うんですよ。
で、日本に視察に来てみたら、牧畜に使えそうな広い土地はどこにもなく、どこへ行っても出てくるのは生臭い魚ばかり。もし太平洋が日本海ぐらいの広さしかなければ、北米大陸への侵攻の足がかりとして押さえておく価値はあったでしょうが、実際には日本列島を越えると行けども行けども海ばかり。
早々にやる気をなくした魏国からの使者は職務がいやになり、でもちゃんと仕事をした体は繕っておかなければいけないので、帰りの船の中かどこかで曖昧な記録をつなぎ合わせ、どこに行ってもなんとかのヒメとかなんとかコとか、そんな風に呼ばれていた女がいたなあということでできあがったのが卑弥呼。そんな可能性はありませんかね?
魏国からの使者が日本列島にやってきて行く先行く先でひどい目に遭うコメディ小説を初期の筒井康隆さん風なスラップスティックとして書ければいいなあと思いますが、もちろんそんな才能はありません。
さて、今日も1枚描いてもらいましょうか。

ヒント行きましょう
日本史に登場する人物の中でも、トップクラスに有名な人物です
京都の山城地方出身という説が有力です
いま日本人が知っている名前をもらったのは、案外年が行ってからです
では、次回にまたお目にかかりましょう。
今後ともよろしくお願いいたします。
なお、弊社の業務をご紹介するちゃんとしたWebサイトは現在鋭意作成作業中です。今しばらくお待ちください。
目次
クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性
クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在
ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由
弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
クラウドストレージのメリット・デメリット
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その6
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その7
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その8
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その9
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! ラスト
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その2
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その3
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その1
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その3
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その5
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その6
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その7
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その8
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その9
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その10
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その11
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 1
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 2
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その12
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 1
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その13(最終回)
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います その2
オフサイトバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その1
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その2
中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その10
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その1
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その2
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その3
