データ復旧業務 その他編
皆様こんにちは。2日間が空いてしまいました。
ちょっと用事があったのと、これも書いておいた方がいいのかなあということが思い浮かんで、どっちを優先するか悩んだ結果ということです。
いろいろ考えましたが、とりあえずデータ復旧業務を終わらせてから次にかかることにしました。
というわけで、今日もお付き合い下さい。
毎回恒例(にしたいと思っている)雑談は今日は小ネタをふたつ。
その1
この文の中の文字数は十六である
こんな短い文章なんですが、文字数を数えると十五しかありません。ということは、これの反対が正しいはずです。
それだけの話ですね。
この文の中の文字数は十六ではない
いや、反対にしたら十六文字になってしまいました。どうしましょう?
その2
この中には間違いが3つあります。
どれかわかりますか?
① 2+2=4
② 3×4=17
③ 8÷4=2
④ 13-6=5
⑤ 5+4=9
答え。②と④だけが間違っています。というわけで、問題文の「間違いが3つある」というのが間違いなのです。3つめも見つかりましたね。でもそれでいいのか?
光ディスク編 書ききれなかったことなどを
まず、ゲーム編について1種類ゲーム機が抜けていましたのでそれを書いておきます。
wiiU
このゲーム機につきましては、ディスクはブルーレイであるとお考え下さい。つまり非常に繊細で、傷や汚れに弱いです。優しく扱ってあげて下さいね。
さて、残りはDVDになります。と言っても、じつはDVDってそんなにありません。
以前DVDの構造を以下のように図示しましたが

ラベル面にも記録面にもある程度厚みがありますので、どちらからのダメージにも比較的強いという性質があります。ですので割と作業はしやすく、再生の確率も高いディスクであると言うことができると思います。
ただ、何にでも例外というものはあるものでして、こういうDVDが出回っているんですよ。

以前、ブルーレイの構造を以下のように図示したことをご記憶いただいていますでしょうか。

これの記録面を緑にしたのは普通のプラスチックとは違う硬い素材ですよということを言いたかったからなんですが、そういう技術が確立されたことにより、その素材をDVDにも持ち込もうということで作られたのがHC DVDすなわちハードコートDVDなんです。
これって世間にはあまり発表されないまま世に出て来たという面がありまして、全国のTSUTAYAで知らずに研磨してしまい在庫を丸ごとダメにしたなんていう悲劇が次々に報告されたものでもあります。
つまり、ブルーレイと同じで平らに削るのがすごく難しい、もっと言うと不可能なディスクになります。
また、普通のDVDとして売られている中にもブルーレイ扱いしなくてはいけないものもありまして、現在わかっている限り以下のディスクがあります。
ROOKIESルーキーズ(初回限定版)
東京島
ブラッディ・マンデイDVDボックス
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大作戦コレクターズパックのボーナスディスク
これも現在もっと増えている可能性も大いにあると思います。DVDだから大丈夫!とはお考えにならないようお願い申し上げます。
光ディスク 研磨でどうにもできなかった場合
というようなわけで、光ディスクを研磨で再生する場合のことについてお話ししてきました。
研磨でどうしようもない場合というのは、ディスクのプラスチックの損傷があまりにも酷いとか、もう割れているとか、何らかの物質とプラスチックが反応して変質してしまっているとか、そういう場合が多いです。
水分と反応して白く曇ってしまう可能性は既に述べたと思いますが、揮発性の薬剤なんかもディスクのプラスチックと反応してしまう可能性があります。
揮発性の薬剤なんて素人が使うかな?とお考えかも知れません。でもそれが結構あるんですよ。殺虫剤、防虫剤、ネイルリムーバー、無水アルコール、ガソリン、などなど…。
まあこういう風になってしまうと、あらゆる手段が通用しないことになります。
また、これまで1例しかなかったことなんですが。お問い合わせが入ったんですよ。ディスクはちょっと古めのPC関係デバイスのデバイスドライバ。お問い合わせの段階では「ラベルが剥がれている」というお話だったんですね。ディスクにラベルを貼っているのかなと考えていたのですが、現物を拝見して愕然としました。いや、よくご存じないというのはこういうことかも知れませんが、剥がれていたのはラベルではなく記録体そのものでした。以前貼ったこの↓画像ですが

この銀色のピカピカ光っているものがもう剥がれている状態だったんです。
これはラベルではなく記録体そのものであるということ、そしてここまで剥がれてしまっては手の打ちようがないことをご説明さし上げてお返ししました。
まあそうですねえ。光ディスクっていうのは目に見ても手で触れてもプラスチックの質感の方がはるかに大きいですからねえ。プラスチックが本体だと思ってしまう方がいらっしゃるのも無理のないことかも知れません。
研磨ではどうしようもないけれども打つ手はある状態
これはほとんどの場合が書き込み可能型ディスク、すなわち「-R」とか「+R」とか付くディスクです。
要は以前にも申し上げたとおり、元々変質する性質を持つこれらのディスクの記録体が録画時から時間を経て変質してしまった状態です。
いくつかツールはあるのですが、それらのツールを総動員して、記録されたデータの一部だけでも何とかならないかと痕跡を探し、取り出せそうなデータを引っ張り出してきた上で、それを順番に並べていくという作業が必要になります。
あるいは、そこまでしても痕跡すら見つからないということもかなりあります。
というわけでこの作業に関しては万単位の作業料を頂戴しておりますが、それでも引き合うか引き合わないかの価格であるということをどうぞご理解下さい。
そしてここで改めて申し上げますが、実はDVDやブルーレイの記録体って1枚のディスクに複数入れることができるんですね。
DVDの規格書を見ると、片面に2枚の記録体が入れられることが定められています。余談ですが、実はDVDって両面使うバージョンの規格も定められていて、表裏に2枚ずつの記録体を入れて容量を増やすことができるということになっています。ただ、こういうディスクを使う際にはユーザーが自分の手で裏返す必要があり、また「何が記録されたディスクなのか」ということをディスクそのものに書くことができないという事情もあるためか、両面バージョンのDVDというのも普及はしませんでした。私自身、見たことはありません。
そしてブルーレイに至っては、片面に5枚もの記録体を入れることができると規格書には書かれています。実際に製造されたのは4枚まで、いくらかでも流通したのは3枚までなんですが、これら多層構造のディスクは当然のことながら情報の密度が高いということになりますので、傷が付くにせよ記録体が劣化するにせよ、データの復旧は難しくなるものとお考え下さい。
光ディスク以外の媒体編
というわけで、光ディスクについて長々語ってまいりました。
光ディスクに関しては、作業終了後にお客さまにどういう作業をなぜ行ったかご説明を申し上げなければいけないため、割と情報をオープンにできるんです。
しかし、HDDですとかSSD・USBメモリなど電子的な記録をする媒体ですとか、そういうものに関しては割と門外不出的な技術になるんですね。
というわけで、お話しできる分、お話を申し上げます。
HDDの構造とデータ消失
というわけで、とりあえずHDDの話からさせていただきたく存じます。
HDDというのは、光ディスクドライブと並んで、PCという「電子機器」で扱われる機械の中でも特に「物理的な機械」感の強いデバイスではないかと思います。
中身はこんな感じですね。

画像は「レンズを絵筆に、光を絵具に」様より引用
https://www.paradisia.jp/entry/hard_disk_disassembly
大事なのはプラッターという円盤です。この円盤に実際の情報が記録されていくことになります。
この写真ではあまりはっきりわかりませんが、プラッタというのは1枚だけであるということはまずありません。何枚か重なっているのが普通で、磁気ヘッドもその数用意されています。
余談にはなりますが、壊れたHDDをPCから取り外した経験をお持ちの方、まだそのHDDをお持ちでしたら、ぜひ分解してみて下さい。「菊ネジ」なんて呼ばれている、*マークみたいな形の専用ネジ回しが必要なことも多いですが。
プラッターって、本当にきれいなものなんですよ。やや黄色みがかった虹色に輝いていて、まるで宝石のようです。そして宝石と同じく、指紋が付いてしまったらもう絶対に取れません。繊細なものです。
さて話を元に戻しますが、PC等、HDDを使う機材の電源を落とすときには、磁気ヘッドがプラッタ上から外れて元のホーム位置に戻っている必要があります。
これはなぜかと言いますと、磁気ヘッドはプラッタに直接接してはいないんです。単純な話で、ヘッドがプラッタに接触していたら使っているうちにプラッタがどんどん削れていきますよね。だからごくわずかですが磁気ヘッドはプラッタから浮いています。
そしてどうやって浮かせているかと言うと、プラッタの回転によって周囲の空気がつられて流れます。この流れが、磁気ヘッドとの隙間に入り込んでヘッドをごくわずか浮かせているという、非常に繊細なものなんです。ですので、HDD黎明期には「HDDを使っている部屋では煙草を吸ってはいけない」というのが常識だったことがあるぐらいです。いまはもう、HDDの中の空気と外の空気が完全に遮断される技術が確立されましたので、煙草を吸っても問題はありません。
HDDを使った機械の電源を落とすときのお作法はいまでもやっぱり存在します。HDDレコーダーみたいな機材なら機械が勝手にやってくれますが、PCなんかだと自分でやらなければいけませんよね。絶対にやってはいけないのがいきなりコンセントを抜くということです。
実は、今日日のHDDはそれ対策としていきなり電池が落ちたら機械的に磁気ヘッドをホーム位置に戻す機構が備わっています。ですがこれは絶対に大丈夫ということではありませんし、失敗したらプラッタに円形に傷が付くことになります。
またしても余談ですが、私はだいぶ前にテレビの「名探偵コナン」を毎週見ていたんですよ。妙に記憶に残っているのが、目暮警部がPCの落とし方がわからず、いきなりコンセントを引っこ抜いていたシーンなんですよね。そしてコナンが「それをやっちゃダメなんだ」みたいなツッコミを入れると。
でも、さすがに今日日普通に社会人やっててPCの電源の落とし方を知らない人はいないでしょう。連載が長期になりすぎてて初期のころの話がいまでは通用しないことになってますよね。
コナン役の高山みなみさんももう還暦でいらっしゃいますし、さすがにそろそろ終わるべきではないでしょうか。高山みなみさんはコナンばかりやってるのが嫌になったのか、ド新人に混じってプリキュアのオーディションを受けに来たっていうのも有名な話なんですよね。それを受けて東映アニメ側が高山さんのために作ったキャラクターが「ハートキャッチプリキュア!」のダークプリキュアでした。
まあプリキュアを語る場じゃないんで元に戻りますが、プラッタに傷が付いたらさすがに情報が読み出せなくなりますので、そこからいくらかでもデータを復旧させたいということであればHDDを分解するしかありません。また、HDDというのは使い続けているうちに寿命を迎えるものでもあります。
これもやはり、分解するしかありません。
あまり細かいことまではご説明できませんが、HDDに悪影響を与える埃などが極限まで少ないスーパークリーンルームというのがありまして、弊社で用意しておりますHDDのパーツを使って、お預かりしたHDDを一時的に修理する形になります。何回も読出しができる状態ではありませんので、速やかに別メディア(ほとんどの場合外付けHDDかSSDです)にデータをコピーします。弊社の場合、円形に付いてしまった傷にも強いことをぜひご理解いただきたく思います。よろしくお願いいたします。
SSD等の構造とデータ喪失
というわけで、SSDにつきましてもぜひお願いしたいと思っております。SSDですとかUSBメモリですとか、そういったメモリを使った記録媒体が物理的に損傷してしまっている場合にも、もちろん全てのデータ復旧はかなり難しいのですがいくらかでもデータは残る可能性があります。
SSDの仕組みからご説明さし上げた方がいいのかも知れませんが、正直なところHDDとは違ってどこに記録が保存されていてどこがどうなったら壊れたことになって、それをどうやって復旧するのかの話は非常に専門的なものになります。今回はもう既に結構な文字数まで達してしまっていますので、長々と専門的なことをご説明さし上げたらすごく長くなるんですよね。それでいて、その話を知ったからこれをお読みいただいているお客さまがすごく得をするかというとそうでもない気がするんです。
ですので、実際にSSDやUSBメモリなどが読めなくなった際にお問い合わせいただいた方が、おそらく的確なご説明が可能であると考えております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
データ復旧業務に関しての話の総括
というわけで、記録媒体に保存したデータの復活ということについて長々とご説明をさし上げてきました。ほとんど光ディスクの話でしたが、これはひとえに光ディスクに関しては出せる情報が多いからで、HDDやSSD等のデータ復活業務について自信がないからというわけではございません。
ところで、PCをお使いの方であれば1回は目にしたことがおありであろうこの大きさのデバイス(写真は光ディスクドライブ)のサイズを、正式には何と呼ぶかご存じでしょうか。

正式には「5インチハーフハイト」と呼びます。今日日光ディスクなんか使わないと仰る方も多いでしょうし、仮に光ディスクドライブがあってももっと薄いタイプが内蔵されたノート型をお使いの方も多いでしょう。でも、デスクトップにはこの大きさが使われるのが標準だというのをご存じの方もきっといらっしゃると思います。
という事情があるのですが、今日日の感覚からしたらずいぶん大きいように見えるこの大きさも「ハーフ」ハイトなんです。つまり、フルハイトはこの倍の高さということになります。
私は、5インチフルハイトというHDDを扱ったことがあります。ものすごい存在感で、まるで漬物石でした。そのHDDが壊れた後、中が見てみたいと思ってネジを全部外しゴムパッキンをカッターで切り裂いてもなぜか開けることができませんでした。いまだにどういう構造なのか謎です。
しかし、私がそれぐらいHDDに馴染んできたということの証にはなるのではないかと思い、申し上げました。
オフサイトバックアップサービスがあくまでも弊社の基幹業務ですが、データ復旧サービスも決しておざなりにはしておりません。残すべき情報を残すには欠かせない業務だと考えております。
よろしくお願いいたします。
目次
クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性
クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在
ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由
弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
クラウドストレージのメリット・デメリット
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その6
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その7
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その8
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その9
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! ラスト
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その2
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その3
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その1
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その3
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その5
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その6
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その7
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その8
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その9
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その10
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その11
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 1
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 2
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その12
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 1
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その13(最終回)
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います その2
オフサイトバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その1
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その2
中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その10
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その1
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その2
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その3
