データ復旧業務につきまして その3
皆様こんにちは。
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
今日もデータ復旧業務について語っていきたいと思います。
バックアップの話についてはちょっと脇へ置いておく形になります。
今日もあまり関係ない話題から入りたいと思うのですが、お付き合い下さい。
13x13の大きさを持つ正方形を↓の図のように切り分けてみて下さい。

13x13ですから、面積は169ですよね。
でもこれを↓の図のように並べ替えるとどうなるでしょうか。

8x(13+8)=168です。
面積が少し消失してしまいました。
要はものの数なんてどうにでもなるんですよ…。
これ数学が強い人ならあっという間にわかるでしょうね。まあちょっとしたごまかしが入ってるってことです。
というわけで、本文にほとんど関係ないマクラを終わります。
今日は何回も記録できるディスクの話から始めましょう
というわけで、今日は何回でも記録できるディスクの話…つまりCD-RW、DVD-RW、BD-REの話から入るわけですが。
何度も言うようですが、私、これらのディスクを扱ったことがないんです。
なので不正確なことも含む可能性はおわかりいただきたいと思います。
一応、何回も出してますこの表も出しておきましょうか。

今回扱いたいのは、右から2番目の列ということになります。
何回も書き込みできるタイプのディスクの記録体
これらのディスクの記録体には、特殊な塗料ではなくアモルファス金属材料というものが使われています。それに伴って、色素材料のような光による化学変化で分解するわけではなくレーザー光照射による加熱でのアモルファス金属の結晶化・非結晶化を利用しています。結晶化することでその場所の反射率が変化するわけです。
結晶化した場所に再びレーザーを当てて結晶状態を溶かして急激に冷やすことで非結晶化が可能で、データの消去や再利用(同じ場所へのデータ書き込み)が可能となっています。
書き換え可能回数は1000回を一応の目処としておくのがよいと思います。
他の書き込み型DVDとの違いは、ビデオ用途で使用する場合に買ってそのままではデータの書き込みができないことです。VideoモードとVRモード両方で使えるメリットがある一方でフォーマット形式が異なるため、どちらで使用するかを選択し、約1分程度かけてフォーマットする必要があります。
再生機との互換性を確保するためファイナライズ処理が可能で、ファイナライズを解除し再び追記することも基本的には可能です(レコーダーによっては不可です)。
ここで一応アモルファス金属について図を出しましょう。


(上記2図は神奈川大学工学部 寺島研究室より引用)
https://www.mech.kanagawa-u.ac.jp/lab/terajima_lab/research.html
要は温度によって状態が変わってくる特殊な金属を温めたり冷やしたりして書込可能状態←→書込不可能状態を行き来しているのが何度も書き込みできいるタイプの仕組みということになります。
ご想像がつくかも知れませんが、実は-R系統の1回しか書き込みできないディスクよりも記録の保ちは上回ります。何と言っても通常はあり得ないような温度の変化がない限り、原子の並びが不規則なアモルファス状態はアモルファス状態で変わりませんし、結晶した状態は結晶した状態で変わりません。
ただですね。読み出し専用ディスクの、レーザーの反射率を100としたとき、1回だけ書き込み可能なディスクの反射率は50~60ぐらい、何度も書き込み可能なディスクは40~50ぐらいとなってまして、読み書きするドライブの性能によっては正常に読み込めないかも知れません。そのあたり、お気をつけてご利用になることをお勧め致します。
-RWや-RE系のディスクの使い方
前の記事でも述べたのですが、これらのディスクにはどんどん追記していくことはできますが、いらなくなったデータを個別に削除することはできません。
仮に、記録してある内容がこんな感じだとします。

ここで、フォルダEはもう要らない、代わりにフォルダGを保存したい、そう考えたとしますよね。
何度も申し上げるようですが、-RWや-RE系統のディスクは任意のデータを消したり書いたりということができませんので、このディスクを丸ごと一旦PCなどにコピーすることになります。
そのPCの上で、例えばこんな感じに編集するわけですね。

こういう具合に編集した上で、データのサイズを確認しておきます。
そして-RWや-REをフォーマットして、これ全体をライティングするわけです。
正直、結構な手間ですね。
DVD-RAMっていうのはどうなのさ
まず言っておかなければならないのは、DVD-RAMというのも大して普及はしなかったメディアになります。なにせ相前後してUSBメモリという非常に便利なものができてしまったからですね。
一応どんな技術だったかということをお話ししますと、やっぱり記録方式はアモルファス金属を使っています。
しかし-RWシリーズや-REシリーズと同じなのはそこだけで、細かいことは書きませんがDVD-RW系統とは互換性がなく、読み書きを行うためには専用のドライブが必要となりました。
しかも、初期のDVD-RAMは傷や汚れからディスクを守るためディスクがカートリッジに収められており、そのためドライブの形状は他の光ディスクとは全く違いました。
以前にもお話ししたと思うんですが、個人ユーザーが取り扱うデータのサイズが100MB単位に達したころ「大容量リムーバブルディスク」と呼ばれるものがいろいろできたのですが、松下電器産業(現パナソニック)がPDと呼ばれる外付け大容量ディスクを発売しました。

(画像はメルカリより)

(画像はメルカリより)
まあこんな感じで、初期のDVD-RAMとよく似てるんですよね。

(画像はWikipediaより)
PDもDVD-RAMもヒット商品であったとは言えないと思います。しかし、その後の光ディスク開発に非常に役立ったことは否定しようもありません。
ただ、DVD-RAMは、開発に伴ってカートリッジに収める必要がなくなり、ディスクが剥き出しの状態でも使えるようになったことで、ドライブの構造なども変化が必要になり、かえってユーザーの混乱を招き、その結果ユーザーが逃げたという側面も否定できない事実だとは思います。
これまで12cmのメディアばかり紹介してきましたが…
というわけで、弊社でデータ再生を行っているメディアのうち特に光ディスクに絞ってこれまでお話ししてきました。
直径12cmのディスクに絞ってお話をしてきたわけですが、ご存じの方もいらっしゃるだろうと思いますので書いておきますが直径8cmの光ディスクというのもあるんですね。一番有名なのはいわゆる「CDシングル」だと思うんですが。

画像は「ジモコロ」様より
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/tatsui12
CDに限らず、光ディスク系統には直径8cmのディスクを出したものもたくさんあります。上記のDVD-RAMなんかもそうですし、CD-Rなんかも初期には直径8cmのディスクが出回りました。
ところが直径8cmのディスクというのは今ほとんど見なくなりました。その理由について実は私も本当のところは知りません。ただ、多分こうなんじゃないかと思っているところはあります。
データ復旧業務につきまして その1で図示しましたが、光ディスクというのは記録体とプラスチック板を重ねてプレスするだけという製造が非常に簡単な特性を持っています。
それは8cmディスクであっても変わらないわけなんです。材料が余計に必要になるというデメリットはありますが、12cm用の製造ラインと8cm用の製造ラインを別々に持っておくデメリットの方が大きいと思うんですよ。だからもうこの辺は12cmのディスクにまとめてしまえ…ということになったんではないかと私は考えています。
PC用の増設ボードを購入すると、箱自体がそんなに大きいものではないのでデバイスドライバは8cmのCD-ROMで添付されていたりしますけどね。本当にそれぐらいしか見かけることがなくなりました。
次回以降の話を少し先行してお話しします
というわけで、これまで光ディスクのいろいろを見てきました。
実を言うとここまでが前置きで、次回から個別具体的に研磨で再生可能な可能性が高いディスク、低いディスク、データ復旧作業で何とかなる可能性が高いディスク、低いディスクといろいろ語っていきたいと思うんですが、まずこれは研磨機の仕様上扱えないというものをいくつか挙げていきたいと思います。
直径8cmのディスク
研磨機が12cmのディスクのみ対応なので8cmのディスクは取り扱い致しかねます。
円形でないディスク
小さい方が直径8cm、大きい方が直径12cmという特性を活かして、容量的には8cmではありながら余白の部分を使って円形ではないディスクというのが作られた時期がありました。

(画像はYahoo!知恵袋より)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13159227338

(画像はXより)
https://x.com/callduck_nosuke/status/1253851347205492737
これらのディスクに関しましては、8cmのディスクと同様の理由で作業ができかねますのでご了承下さい。
カートリッジに入ったディスク
上記しました初期のDVD-RAMのような、カートリッジに入ったディスクはディスク本体を取り出せないため、やはり扱いを致しかねます。
レーザーディスク
日本で初めての民生品の光ディスクと言えば、レーザーディスクのことを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

(画像はWikipediaより)

(画像は株式会社シーマ様のサイトより)
https://www.cima-net.co.jp/cima-lab/cimablog/13842
これは直径が30センチあるディスクなんですが、研磨機は12cmまでにしか対応していないのでこれもやはり弊社で承ることはできかねます。
私の友人はアニメになんておよそ興味を持ったことはなかったのに、いきなり「エヴァンゲリオン」にドはまりして、エヴァのレーザーディスクボックスセットと、レーザーディスクとDVDの両対応プレーヤーをドン!と購入していました。
あのころのエヴァ人気はすごかったですね。アニメに興味はなかったのにエヴァにだけはハマったっていう人、他にも何人か知ってます。中には自分のPCのデスクトップを綾波レイの画像にしていて、女性の先輩から「やっぱりこういう女の子好きなの?」と突っ込まれていた人も…。
また話は逸れますが、レーザーディスクと覇権を争ったVHDという商品は映像記録メディアでありながら溝に記録されていた情報を針で読み出すという方式だったんだそうですよ。あんまり使いたくはないけど1回は見てみたかったという感じですね。
小括
というわけで、光ディスクの説明をしてまいりました。
次回からはですね。個別具体的に、こんなディスクは読めなくなったら再生できるのか、なるべく長期間使用するためにはどういったことに気をつければいいのか、そういった話をしていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
目次
クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性
クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在
ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由
弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
クラウドストレージのメリット・デメリット
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その6
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その7
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その8
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その9
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! ラスト
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その2
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その3
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その1
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その3
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その5
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その6
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その7
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その8
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その9
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その10
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その11
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 1
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 2
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その12
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 1
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その13(最終回)
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います その2
オフサイトバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その1
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その2
中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その10
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その1
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その2
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その3
