データ復旧業務につきまして その1
皆様、こんにちは!
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
今日はいつもと趣向を変えまして、弊社のもう一本の柱、データ復旧業務についてお話しできればと思います。
と言いましても、HDDやSSD・USBメモリなどに関しましては社外秘の事柄も多いため、光ディスクに関することが主になるかと思います。
そのあたりはまあご了承いただいて、今日は気楽にお読みください。
光ディスクには3種類あります
まずは光ディスクの分類の話から行っていきたいと思います。光ディスクの三大勢力をまず押さえましょう。

CDおよびそのグループは、このようにプラスチックの板に記録体が「貼り付けてあるだけ」という極めて簡単な構造になっています。読み出すためのレーザーはプラスチックの板を通って記録体にあたって反射して、ピックアップというレーザーを読み取るためのレンズに情報を送ることになります。
おそらく、日本において初めて普及した民生用光ディスクがCDだと思います。私はそのころ高校生でして、音楽はLPで買うものという考え方がまだ強く残っている時代でした。LPはCDより安かったことも多かったですね。だからCDはLPには入っていないボーナストラックを入れたりしてお得感を演出していました。
ちなみに私が生まれて初めて購入したCDはこれでした。

このアルバムは、本来来日公演にあわせて日本国内だけで発売する予定だったリミックスアルバムなのですが、その内容が評価されて後に世界で販売されるようになりました。しかし、その時にアルバムアートが変更されたのも含めていろいろ変更されました。日本国内限定の予定だった上のアルバムアートのCDは解説冊子がちょっとした写真集みたいになってまして、そこに載っている写真が素晴らしいのですがそれはさすがに権利関係の問題があると思いますからここには出しませんが、良いんですよ。羨ましいでしょ?
というような雑談はまあ措きまして、先に光ディスク三大勢力の説明をざっと行ってしまいましょう。

DVDは上図のようにほぼ同じ厚さのプラスチックで記録体を挟んであるという構造になっています。
ちなみに私が初めて購入したDVDは…なんだったかなあ?LPからCDへの移行ほどドラマティックでなかったせいか、あんまり印象に残ってませんね。

ブルーレイは、上図のようにかなり記録面に近いところに記録体があるという構造になっています。
記録面のプラスチックを緑で示しましたがこれには理由があります。実は初期のブルーレイというのはCDやDVDと同じ素材を使っていたんです。
しかしブルーレイというのは記録密度が高いために極めて傷に弱く、CD/DVD用のディスクファイルに入れたらそれだけでダメになると言われたものでした。

(画像はAmazonより)
なのでブルーレイ用のディスクファイルというものが作られたんです。

(画像はAmazonより)
一見わかりにくいかも知れませんが、記録面が当たる不織布の部分がとても柔らかい綿のような素材になっています。
これではあまりに不便ということで、傷がつきにくい素材を記録面に使用することにより耐久性を高めたのが、現行出回っているブルーレイなのですが…。
正直なところを申し上げますと、それでもやはりブルーレイはブルーレイ用のファイルに入れていただきたいなあと思っています。
それがなぜなのかは追々語っていきましょう。
ちなみに私が初めて購入したブルーレイははっきり覚えています。漫画「侵略!イカ娘」の単行本の中で、特装版として発売されたのがありまして、それに添付されていたブルーレイということになります。
たまに読み返したくなりますね。イカ娘。
まあそれはいいとして、このように構造も違います。当然容量も違ってきまして、それは目的にも反映されてきます。
CDは、先に音楽用メディアとして普及しましたが、後にCD-ROMと言ってPC等で扱うファイルのうちかなりファイル容量が小さなものにも利用されるようになりました。
私の記憶が正しければ、WindowsXPはまだCD-ROMでの発売ではありませんでしたかね?VistaでDVDになって「OSも大きくなったもんだなあ」なんて思ったのを覚えています。
DVDは映像メディアとしてのコンセプトは「VHS画質を光ディスクで」でした。ですので、数字のスペックだけ見るとVHSとそんなに違いません。しかし、アナログの磁気テープと比べるとノイズが少ないことは確かですし、だいぶ画質がよく感じられたのは確かだと思います。
ちなみにVHSからDVDへの移行期はテレビがアナログ放送からデジタル放送に移行していく時期と重なっていまして、画像の縦横比が16:9のハイビジョン放送も始まりました。DVDではこれに対応したディスクも発売されましたが、実は画像の縦横比4:3のアナログテレビ放送画像と同じデータを記録しておいて再生するときにはそれを横に引っ張って見かけ上16:9を実現したものもありました。
ブルーレイは画像が1920x1080の点でできているハイビジョン放送と歩調を合わせるようにして開発されたものです。なので映像メディアとしての側面が強いですね。個人的には、データ用ブルーレイというのは見たことがありません。
こんなに傷に弱いメディアにデータを保存しておくのはリスクが高すぎるということなのでしょうか。
光ディスクを別の角度から分類してみましょう
光ディスクには、目的別に見るともうひとつ分類する基準があります。
それを説明していきましょう。
1.読み出し専用
ディスクに記録された情報を読み出すことだけが目的のディスクです。
音楽CDですとか

(画像はSirabee様より)
https://sirabee.com/2024/11/01/20163359330/
CD-ROMですとか

(画像は「窓の杜」様より)
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/sspcgame/1427937.html
映像DVDですとか

画像はAmazonより
DVD-ROMですとか

(画像はメルカリより)
https://jp.mercari.com/item/m47244891717
映像ブルーレイですとか

(画像はStereo Sound Online様より)
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17734220
あるわけなんです。
いまちょっと調べてみましたが、やっぱりBD-ROMとでも呼ぶべきものはありませんでした。もっとよく探したらあるのかもしれませんが、少なくともあまり普及はしなかったと言って差し支えないと思います。
2.1回だけ書き込み可能
1回だけ書き込み可能型のディスクというのも発売されました。皆さんご存じの「-R」って付くやつですね。
CD-Rですとか

(画像はAmazonより)
DVD-Rですとか

(画像はAmazonより)
BD-Rとかがあるわけですね。

(画像はAmazonより)
3.2回以上書き込み可能
2回以上書き込み可能なディスクというのもあるにはありました。
例えばCD-RWですとか

(画像はAmazonより)
DVD-RWですとか

BD-REですとか

(画像はAmazonより)
あるわけなんですが、正直なことを申し上げます。
私、この「何度でも書き込みできるタイプのディスク」の実物を見たことがございません。使ってる人って本当にいるのかな、という世界です。
そして、この「何度でも書き込みできる」というのを勘違いされてはいけないなと思いますのではっきり書いておきますが、例えばUSBメモリと違い書いたり消したりを好きなようにできるわけではありません。
追記することは可能ですが、容量がいっぱいになったらそれ以上書き込みができないという状況に当然陥ります。
そうなったらいらないファイルを消して書き込もうか…という発想になりそうですが、それができないんです。
1回フォーマットして全消ししてから、前からあった保存しておくべきデータ、新しく保存したいデータを順次書き込んでいくというスタイルになります。USBメモリほど便利なものではありません。
書いたり消したりを好きなようにできる光ディスクとしてDVD-RAMというのが市場に出たりもしたんですが

(画像はAmazonより)
そういう利便性の高い記録メディアとしてUSBメモリなんかが出てきてしまったのであまり普及しなかったという感じです。
このDVD-RAMはですね。これまでに5回ぐらいご依頼いただいたことがありますね。RWを使うぐらいだったらこっち使う、という方がいらっしゃるのかなと思ってるんですが。
というわけで、以上をまとめましょうか。

(クリックで拡大)
というような感じになります。
さて、これを踏まえてですね。いろいろお話をしていきたいと思っているんですが、もう結構な文字数になっちゃってますね。
とりあえず、読み出し専用ディスクの話だけ終わらせてそれ以外は次回に回しましょうか。
読み出し専用ディスクの扱いにおいてお気をつけいただきたいこと
1・CDおよびCD-ROM
上に図示しましたように、CDは基本的にプラスチックの板に記録体(薄い金属の膜です)を「圧着してあるだけ」という構造になっています(最近はその上から薄くプラスチックでコーティングしてあるようですが)。
初期の、つまり私が"Rip It Up"を購入した時期ぐらいの音楽CDは「1000年もつ」とか言われたものですが、全然そんなことありません。
このころはまだ圧着技術が未完成であったこともあり、記録体がプラスチックから剥がれるという事態が最近になって多発しています。
そりゃそうだよな、と思うんですが、プラスチックと金属って温度による収縮の度合いが違いますよね。温度の上がり下がりによってプラスチックと金属膜がずれる方向に力が働きます。それが繰り返されると、やがて剥がれてしまうということになります。
そしてCD系統のものはすべて記録面よりラベル面からのダメージに弱いです。いわゆるレンタル落ちのCDを拝見する機会も多いのですが、かなりの割合で記録体が傷んでしまっています。CDの記録体というのは本当に脆いのです。
これはCD-Rでの実験ですが、

かなり昔に販売されていたCD-Rですが、このCD-Rに

このようにピッタリとガムテープを貼って思いっきり剥がすと

このように簡単に記録体が剥がれてしまうのです。かくのごとくCDというのは弱いものです。
ラベル面を光源側にして透かしてみて、ポツポツと星のようなものが見えるのならば、そのCDから正常に読み出すことはもう不可能であるとお考えいただきたいと思います。
ただ、その分記録面のプラスチックの厚みは十分あるということになりますので、傷がついても研磨して再生できる可能性は高いということが言えます。
もちろん、傷をつけないことが一番望ましいことは言うまでもありません!
2・DVDおよびDVD-ROM
DVD系統は、上で図示しましたように同じぐらいの厚さのプラスチックで記録体を挟んでいます。ですので、記録面もラベル面もある程度強いということが言えるかと思います。傷がついても研磨で再生できる可能性は高いです。
DVDの弱点なんですが、記録体をプラスチックで挟んでいるという構造のため、その2枚のプラスチックの間にごくわずかな隙間ができています。外周はこの隙間を塞いであるんですが、中央にある穴、ここは隙間が剥き出しなんです。
濡れた手でこの穴に触ったり致しますとこの隙間に水が入り込み、カビの温床になったり致します。そしてこのカビが、記録体を損傷していくんですね。
困ったことに光ディスクは中心に近いところに記録されたいわば「目次」のようなものを手がかりにして中身を再生していくということになりますので、中心がやられただけで全体が読めなくなるということもよくあります。
基本的に、中心の穴には指を入れないということをお気をつけいただければと思います。
3・BD
ブルーレイはですねえ…正直なところを申し上げますと、悩みの種です。
盤面に、目視できる傷がついたらもう元には戻らないと思っていただきたいと思います。
上に図示しましたように最近のBDは傷のつきにくい硬い素材を記録面に採用してはいるのですが、逆に言うとそれゆえに傷がついてしまったら周囲を均等に削って傷を消す、という作業が行えないということでもあります。
また、これはブルーレイに限らずCDでもDVDでも同じことが言えるのですが、やはり視聴不良の原因になりやすいのがBDですのでここに書いておくことにします。
油がついた手でBDの記録面に触らないようにご注意ください。
皆様お気づきですかねえ。ドレッシングですが、ノンオイルタイプは別にして、オイルを使ったドレッシングって長いことガラス瓶で売られていたように感じませんか?もしくは、マヨネーズの…瓶と言っていいのかな、あれ。なんか白くて半透明な感じの素材ですが。業務用のドレッシングなんかはそういう素材の入れ物に入れて売られていましたね。
液体を入れるための瓶の素材としていま一番よく使われてるのはペットボトルだと思うんですが、この「ペット」というのは飼い犬とか飼い猫のことではないんですね。ポリエチレンテレフタレートという言葉の頭文字を取って「PET」なんです。
光ディスクの素材はPETではなくポリカーボネートなのですが、油脂類が付着して、しばらく放置されてしまうと馴染んでしまって拭いても取れなくなるという事態が生じます。
長い間、PETと馴染みやすい製品ではペットボトルを使うことができず、それ以外の入れ物に入れて販売されていました。油以外でもアルコールもそうですね。ハッカ油を使った虫除けスプレーを作る際にはハッカ油と水とアルコールを混ぜますでしょ?油脂類にも水にも馴染みやすいのがアルコールなんです。
まあ、技術革新が進みまして、最近ではオリーブオイルなんかも巨大なペットボトルに入れて売られていますし、お買い得の大瓶焼酎なんかもペットボトルになりました。
しかし、光ディスク系統は油脂類やアルコールの影響なんて考えずに作られていますし、影響が一番顕著に出てしまうのがブルーレイというわけです。
まあ、アンパンマンのブルーレイなんかお預かりした際には盤面に手指の跡がはっきり残っていたりしまして、ああ、お子さんが大好きでよく見ているんだろうなあということがわかるんですが、それゆえに「復旧できませんでした」という結果になってしまうのは非常に心苦しいんです。
油脂類やアルコールがついたらなるべく早く拭き取るようにしていただければと思います。
最後に、光ディスク全般に言えることを
というわけで、今回はずいぶん話が長くなってしまいましたが、これからも光ディスク類についてお話をさし上げたいと考えています。
そしてそれら光ディスク類のほとんどに言えることなのですが、素材はポリカーボネイトというプラスチックです。
一部に強化ガラスで作られたものもあるらしいですが私もその現物を見たことがありません。
そしてポリカーボネイトは、湿度に弱いんです。湿度の高い環境に置かれ続けると白く曇ってきます。
こうなるともうその曇りは取れません。諦めるしかないという結果になります。
小括
まとめますと、光ディスクは「温度の変化が少なく、湿度が低く、光が直接当たらない場所に安静にして置いておく」という管理方法が必要となります。これは、読み出し専用ディスクに限らず書き込みできるタイプのディスクにも言えることです。
簡単に終わるかと思っていましたら結構長くなりましたので明日も光ディスクの話題を扱いたいと思うんですが、長く保存するためにはこうした方が良いですよ、という話題が結構出てきます。
ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
それでは今日はこれで失礼致します。
今後ともよろしくお願いいたします。
目次
クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性
クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在
ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由
弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
クラウドストレージのメリット・デメリット
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その6
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その7
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その8
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その9
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! ラスト
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その2
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その3
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その1
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その3
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その4
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その5
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その6
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その7
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その8
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その9
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その10
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その11
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 1
─事件を解決せよ─ CASE2:Webサイトのデータが消えた Part 2
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その12
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 1
─事件を解決せよ─ CASE3:火事でオフィスが焼失 Part 2
ランサムウェア・インシデント発生時の組織向けガイダンスを見ていきましょう!その13(最終回)
今日はバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います その2
オフサイトバックアップに関する最近の話題をつらつら語りたいと思います
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その1
バックアップがきちんとしていれば起きていなかった情報事故 その2
中小企業のための簡単・安価なデータバックアップ戦略 その10
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その1
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その2
大企業における物理的媒体による遠隔地バックアップの重要性 その3
