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【秋葉原アンダーグラウンド】第3章 1話

<第2章までのあらすじ>
秋葉原で行われた某アイドルグループの記念ライブが、突如現れた2人組の男たちによって襲撃された。レンやアイドルのマユはそれにより殺されてしまったが、ルリという少女の謎の光を浴び生き返る。その光の正体は今から20年ほど前に政府主導の元、秋葉原の地下深くで秘密裏に行われたある研究によるものだった。それは初めはどんな病気をも回復させる新薬の開発研究だったが、裏切り者の手により副産物として様々な能力が発現する事態となった。レンは生き返ると同時にある能力を手に入れる。しかし、マユは生き返ったものの一向に目を覚ますことはなかった。マユを目覚めさせるため再びルリの力を借りようと、レンは地下を目指す。
<あらすじ終わり>

秋葉原襲撃、および首相暗殺同時事件から1週間後、レンは再び秋葉原の街に戻ってきた。

相変わらず人通りの多い街。あの日起きた出来事など、まるで感じさせないかのような喧騒。レンは駅前から少し離れた、ドン・キホーテの前まで来ていた。相変わらず周りには規制線が張られ、営業再開の見通しはたっていない。

レンはこの日、トガにドン・キホーテ近くの稽古場まで来るように言われていた。

AKIHABARA49は研修生メンバーが200名ほどいる。そこから選ばれた49名だけがドン・キホーテの劇場に立つことを許されている。言わばこの稽古場は、研修生だけのものだ。
事件があってから、研修生全員自宅待機を命じられており、この1週間、誰にも使われていなかった。

レンは稽古場の門をくぐると、そこにはトガが一人立っていた。

「よく来てくれたな。あんな話をした後だから、もしかしたら来ない可能性も考えていたのだが。」

あんな話。それは20年前に政府主導で秘密裏に行われていた、地下での人体実験の話だ。
確かに、普通の人間であれば関わりたくはない。だが、レンは襲撃のあったあの日、一度は死んだものの、何かの「能力」で甦りを果たし、そして、何かの「能力」を授かっていた。
もはや関係がないとは言えない立場だが、レンはそれでも受け入れていた。

「最初はびびったよ。まるで漫画かアニメの世界だ。でも、現にオレは生きているし、トガっさんの炎だってみた。信じられないけど、これが現実なんだなって。」

それに、

「マユには目覚ましてもらわないといけないしな。オレを庇ってあんな風になったから、オレにだって責任はある!」

レンは覚悟を決めていた。自分の命にかえてもマユを深い眠りから目覚めさすことに。
あれから1週間経っても、マユは目を覚ましていなかった。

「それで、君・・・いや、レンと呼ばせてもらおうか。レンは彼女が目を覚ますにはどうすればいいと思う?」
レンはあの日からずっと考えていた。どうすればマユが目を覚ましてもらえるかを。

「オレは、あの女の子、ルリって子が必要だと思う。」

ルリは10年もの眠りから目覚め、そして瀕死のマユとレンを蘇らせてくれた。
おそらく、ルリの力をもってすれば、マユはもう一度目を覚ますに違いない。

「半分正解で、半分不正解だな。」
トガはそう答えた。

「確かにこの10年の眠りで、ルリは反魂の能力を覚醒した。しかし、それはもともと母親の眠りを覚ますためのものだった。あの日はたまたま反魂の能力が使えたが、もう一度同じ人間に使って回復させることは、おそらくできない。」

だとすれば、もう一回オレが死ぬようなことがあったら、次こそは本当に死ぬんだな。
レンはそう思うと同時に、なぜトガにはそんなことが言えるのだろう?ルリの母親であるサラさんがそうだったのか?そんなことを考えていた。

「ルリにサラの目を覚ましてもらい、サラの力でマユを目覚めしてもらう。」

なるほど。それなら合点がいく。同じ力でも、人も違えば原理も違う。言わば別の力だ。

「それなら、早く地下に行って、サラさんに来てもらわないと!」
「レン、そんなことができるなら、この1週間で行ってるさ。それができないから、今日お前をここに呼んだんだ。」

レンが理解できないでいると、入口の扉から誰か入ってくる音が聞こえた。

「トガ!こいつか?ルリから能力もらったってやつ?」

そこには、マネージャーのリツが立っていた。


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