【第131回】 Marketing Cloud Next : Growth Edition 登場 - 新時代の幕開け
2024 年 2 月 20 日、Salesforce は新しいマーケティングソリューション Marketing Cloud Growth Edition を発表しました。
Growth Edition は、従来のマーケティング製品とは異なり、Data Cloud を基盤として構築された次世代型のマーケティングプラットフォームです。
Salesforce はこれを Marketing Cloud ファミリーの一製品として位置付けていますが、そのアーキテクチャや機能は、従来の Marketing Cloud Engagement や Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot) とは大きく異なります。
そのため、Growth Edition は単なる新エディションではなく、Data Cloud を中心とした新しい Marketing Cloud(現在は、Marketing Cloud Next と呼ばれる)への第一歩として捉えることができます。
従来の Marketing Cloud 製品を利用しているユーザーにとっては、「Marketing Cloud」という名称は共通しているものの、実際にはまったく異なる思想で設計された新しいマーケティングツールである点を理解しておくことが重要です。
リソース
公式ヘルプドキュメント
公式 デモビデオ(英語のみ)
公式 実装ガイド(PDF Download)
公式 価格ページ・エディション比較(価格変換機能付き)
開発組織/デモ組織の取得方法
SDO(Salesforce パートナー専用のデモ組織)
※ SDO はパートナー以外には貸与されていません。
学習用 Trailhead
Agentforce Marketing まとめ
認定資格の準備:Marketing Cloud Next コンサルタント
新機能リリース情報
オンデマンドワークショップ / ウェビナー
The Future of Email is a Conversation(2026 年 3 月開催)
Succeed with the Spring ’26 Marketing Release(2026 年 3 月開催)
Connections 2026 総まとめ:Summer '26 機能紹介(2026 年 7 月開催)
Slack Agentic Marketer Community
Marketing Cloud Next 関連 Blog
Marketing Cloud Next コンサルト試験対策
既知の問題(Known Issues)
リンク( 1 ページあたりの結果数を 100 にすることを推奨します)
Category:Marketing App が Growth & Advanced Editionです。
Advanced Edition との比較は、以下の記事で紹介しています
Marketing Cloud Next Implementation Essentials
実装チームの編成方法からその役割と責務についての説明、そして実装のマイルストーンやタイムラインの説明など、あまり語らない実装時の大事なポイントについて触れられています。

セグメント作成からフローの有効化までをビデオで解説 - 英語版
(By Arthur Backouche)
※ Marketing Cloud Next 初級者の方で、動画とほぼ同内容のセグメント配信を日本語の記事で学習したい場合は、私のこちらの記事をご確認ください。
Community セッション
Marketing Cloud on Core Series (Spring 2025)
Marketing Cloud Onto the Next Frontier Series (Fall 2025)
#4:フロー
#5:Data Cloud
#6:Agentforce
From Data to Action Series (Spring 2026)
Agentforce Marketing Deep Dive Series(LinkedIn で毎月)

#1:マーケティングフローの解説と優位性(2026 年 5 月)
Marketing Cloud Next 関連 - 渡邊 note
以下に、私の書いた note 記事をまとめています。参考にしてください。
① 基本的な設定を開始する
② 同意レコードインポートする
③ ID 解決を実行する
④ セグメントを作成する
⑤ コンテンツを作成する
⑥ フローを実行してメールを送信する
⑦ 結果を分析する
⑧ ランディングページとフォームを活用する
⑨ 顧客のスコアリングを行う
⑩ CRM レコードページを拡張する
⑪ Agentforce を活用する
⑫ 開発者と作業する
⑬ その他の確認事項
⑭ Marketing Cloud Engagement+
⑮ Data 360 関連
⑯ 新機能リリースを学ぶ
⑰ Marketing Cloud Next 認定資格試験
メモ
以下に、私のメモを箇条書きしています。参考にしてください。
Q. Marketing Cloud にアクセスするには?
アプリランチャーで「マーケティング」と検索してください。

Q. セットアップに必要な権限とは?
以下の 3 つの権限が必要です。
Salesforce システム管理者
Salesforce システム管理者は、Salesforce の「設定」ページにおける操作権限を持っています。Data Cloud アーキテクト
Data Cloud アーキテクトは、Data Cloud の設定やその他のデータモデリングオブジェクトに関する権限を持っています。Marketing Cloud 管理者
この権限を持つユーザーは、Salesforce の「設定」ページでほとんどの設定を定義でき、キャンペーンのセグメントを公開したり、有効化したりすることができます。
Q. ビジネスユニットは存在しますか?
Spring '26 で一般提供が開始されました。こちらの記事をご確認ください。

Q. 専用 IP アドレスは使用できますか?
2026 年 2 月以降、Marketing Cloud Growth & Advanced Edition では、専用 IP アドレスが利用されるようになりました。詳細はこちら。
Q. 送信用サブドメインにおける DNS 設定は委譲ですか?それともセルフホストですか?
セルフホストのみ対応しています。Marketing Cloud Engagement のようにサブドメインの委譲設定は行えません。詳細はこちら。
Q.日本用のドメインスロットリングは存在しますか?
存在しません。ドメインスロットリングとは、1 IP / 1 時間 の受信数を設定している特定のプロバイダーだけを対象に配信ペースを下げる機能です。そのため、特にキャリア系(docomo, au, softbank)のメールドメインが多い場合には注意が必要です。
Q. どのメールアドレスに送信されるか事前に分かりますか?
統合個人 ID 一人に付き、必ずしも 1 通のメールが送信される仕組みにはなっていません。統合の結果、複数のメールが紐づく場合は、そのすべて(または、一部)にメールが送信されます。改善策はこちら。
Q. ハードバウンスの場合は、永久に送信できなくなりますか?
ハードバウンスが発生したメールアドレスは、即座に「ハードバウンス」としてマークされ、次の送信からは「保留(Held)」に移行し、送信されなくなります。以前は、下記の図の通り、85 日が経過すると再び送信可能になっていましたが、現在では、永久に「保留(Held)」の状態となります。

稀に、明らかに有効なメールアドレスと分かっていても、一時的な障害による誤検出により、ハードバウンスとして報告されるケースがありますので、もし「保留(Held)」の状態を解除したい場合は、サポートにケースを作成して依頼してください。
※ 現在「保留(Held)」となったメールアドレスを、一覧で表示する仕組みはありません。
Q. ソフトバウンスのリトライはありますか?
ソフトバウンスの場合、12 時間以内に複数回再試行(※以前は 9 回までと明言されていましたが、現在は「複数回」と修正されています。)されます。それでも配信に成功しない場合は「ソフトバウンス」として Email Engagement に記録されます。一部の ISP の応答によっては、即座にバウンスとして返され、そのまま「ソフトバウンス」と記録されることもあります(例:存在しないメールアドレス)。この場合、ハードバウンスと同様に次回以降のメール送信は「保留(Held)」扱いとなります。
Q. トランザクションメール送信の場合、同意管理を有効にしても常に送信されてしまいます。これを制御する方法はありますか?
トランザクションメールでは、メール本文内にプリファレンスマネージャーのリンク差し込み項目({!$link.PreferenceCenterUrl})を含めない限り、同意管理の有効化は適用されません。これは製品仕様による動作であり、不具合ではありません。
Q. List Detective の仕組みはありますか?
Marketing Cloud Next には List Detective 機能は搭載されていません。そのため、送信処理が行われた場合には、対象のアドレスはハードバウンスとなります。
Q. Not Sent の場合、メッセージクレジットは消費されますか?
「Not Sent」ではメール送信処理自体が実行されないため、メールクレジットは消費されません。
Q. RMM(返信メール管理)設定は行えますか?
Unfied Messaging > Email > Authenticated Domains の画面で、ドメイン認証を行い、送信専用「サブドメイン」を追加後に設定可能になります。

Q. アプリ PUSH や LINE は使えますか?
アプリのプッシュ通知については、Winter ’26 リリースで限定的に提供が開始されましたが、日本での利用可否は現時点では未定です。現時点では、ドイツと米国でホストされている Marketing Cloud Next インスタンスでのみ利用できます。
一方、LINE 連携については正式なリリース時期は明らかになっておらず、現時点では Apex を開発することで、送信自体は可能です。

Q. 個人取引先の同意情報を CRM ページに表示する方法は?
現在、Marketing Cloud Growth & Advanced Edition では個人取引先は基本的にはサポートされていません。⇒ Spring '26 以降、個人取引先(つまり、取引先レコードページ)での「Privacy Consent Status」コンポーネントがサポートされるようになりました。
Q. Einstein Metrics Guard(Einstein メトリクス保護)とは?
Einstein Metrics Guard とは、AI 機能を使って、ボット、セキュリティスキャナー、または自動開封や自動クリックを除外して、より正しいエンゲージメントデータを取得できる機能です。必ずしも正しく除外できるわけでは無いことに注意して下さい。この機能を有効化するには、Marketing Cloud > 支援付き設定 > チャネル > メール から行います。

その他のコンテンツ関連のメモ
Q. メールの横幅とは?
メールの横幅は Marketing Cloud Engagement と同じく 600px です。
Q. マルチパート MIME 送信ですか?
2026 年 6 月 17 日以降、メール送信時に HTML 版とプレーンテキスト版の両方を含むマルチパート MIME 形式が、デフォルトで採用されるようになりました。これにより、受信者のメール環境に応じて最適な形式が自動的に選択されます。この設定を解除することはできません。
Q. 数値のデータが「0.0」のように表示されてしまって困っています。
これは仕様による動作のため、直接の解消はできません。
代替策として 新しい数式項目を作成し、ROUND(sourceField['Field__c']) のように対処する方法があります。
この方法を使えば、末尾の「.0」は表示されなくなりますが、
注意点として、NULL の値も 0 として表示される点にご留意ください。
Q. データグラフのオブジェクトや項目は削除できますか?
データグラフは一度ビルドしてしまうとオブジェクトや項目は削除できません。データグラフをコピーして新しいデータグラフを作成するか、削除して作成し直してください。但し、削除をするには、利用中のものをすべて解除する必要があるので、大きなハードルがあります。
Q. デフォルトで作成された計算済みインサイトの名前を英語に変更できますか?
これらの名前は「初期設定時の言語設定」によって決まるものとなり、現状では作成されたデフォルトの計算済みインサイトの名称は後から変更ができません。英語がご希望の場合は、諦めましょう。

Q.本番環境で利用しているメール認証済みドメイン、送信元アドレス、追跡ドメインは Sandbox でも利用できますか?
流用できません。別途 Sandbox 環境用に各種ドメインの設定(DNS 登録)を行う必要があります。Sandbox ヘルプドキュメントはこちら。
いかがでしたでしょうか。
私も実際に Marketing Cloud Growth & Advanced Edition を操作してみましたが、Marketing Cloud Engagement の基本スキルさえあれば、すぐに使いこなすことができました。
ただし、現時点では Growth & Advanced Edition の機能が一部限定されているため、Engagement では可能でも Growth & Advanced Edition ではできないことについては、きちんと調査し、そのギャップをどう補うかを考える必要があります。
今後は フローや Data Cloud など新しい知識も必要になってきますが、一緒に学びながらチャレンジしていきましょう。
今回は以上です。
